工場で太陽光発電を導入するメリット・デメリットを徹底解説|導入事例も公開

工場などの電力消費量が多い施設にとって、自社で発電した電力を自社で消費する「自家消費型太陽光発電」は、経済的で環境にも優しい注目の技術です。

自家消費方太陽光発電を導入する企業は年々増加しており、その多くがコスト削減や環境負荷軽減といった効果を実感しています。

本記事では、工場での太陽光発電の導入におけるメリットとデメリット、さらに導入前に知っておくべき注意点について詳しく解説します。
太陽光発電を活用した持続可能なエネルギー管理をお考えの企業様は、ぜひ参考にしてください。

\ 工場への導入事例をご紹介 /
太陽光設置お任せ隊の施工事例と導入効果

「自家消費型太陽光発電」とは

導入事例:特殊金属エクセル様

自家消費型太陽光発電は、自社敷地内に設置した太陽光パネルで発電した電力を自社内で消費する「自給自足型の太陽光発電システム」です。

工場では、屋根、駐車場、遊休地などのスペースに設置することが可能で、土地の有効活用にもつながります。

自家消費型太陽光発電の主なメリット

企業が自家消費型太陽光発電を導入することで、以下のようなメリットが得られます。

電気代の削減
太陽光発電による電力を自家消費することで、電力会社からの電力購入量を削減できます。これにより、電気代を大幅に削減することが可能です。特に電力消費量が多い工場では、コスト削減効果が顕著に表れます。
CO2排出量の削減
太陽光発電は再生可能エネルギーを利用するため、発電過程でCO2をほとんど排出しません。これにより、地球温暖化対策に貢献すると同時に、企業の環境意識の高さをアピールすることができます。
BCP(事業継続計画)対策
災害や停電時にも自家発電が可能であるため、最低限の電力供給を維持できます。これにより、工場や施設の稼働を一定程度継続することができ、事業リスクを軽減します。

工場と太陽光発電の相性が良い理由

工場と太陽光発電は、広い設置スペースと高い電力需要という2つの点で非常に相性が良い組み合わせです。
これにより、太陽光発電の効果を最大限に活用できます。

設備の設置スペースを確保しやすい

工場は一般的に広い屋根や敷地を持っており、太陽光パネルを設置するのに十分なスペースを確保できます。広大なスペースを活用して多くの太陽光パネルを設置することで、より多くの電力を発電することが可能です。

さらに、駐車場や遊休地なども設置場所として活用できる場合があります。

高い電力需要

工場では、生産ラインや空調設備、照明などで大量の電力を消費します。
とくに昼間は、生産活動のピーク時と重なり、電力需要が非常に高くなります。

一方で、太陽光発電も日中に最も多くの電力を発電するため、工場の電力需要と発電タイミングが一致し、電力の有効活用が可能です。

CO2削減への貢献

太陽光発電は、化石燃料を使用しない再生可能エネルギーの一つです。
そのため、発電時にCO2を排出せず、工場の環境負荷を軽減できます。

これにより、地球温暖化対策に貢献するだけでなく、環境配慮型企業としてのイメージ向上も期待できます。

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工場に太陽光発電を導入するメリット

工場に太陽光発電を導入することには、大きく分けて7つのメリットがあります。それぞれの効果を具体的に見ていきましょう。

メリット1.電気代を大幅に削減できる

太陽光発電で発電した電力を自家消費することで、電力会社からの電力購入量を削減でき、電気代を大幅に節約できます。

工場の中には、太陽光発電の導入によって電気代が年間50%以上の電気代を削減に成功したケースもございます。

工場が負担する年間の電気代は、小規模施設でも数十万円~数百万円、大規模施設では数千万円から数億円に達することもあるため、太陽光発電導入によるコスト削減効果は非常に大きいです。

メリット2.電気代の高騰リスクを抑えられる

近年、石炭や石油などの化石燃料価格が高騰したことで、電気料金に含まれる燃料費調整額が引き上げられ、電気代が大幅に上昇しています。

こうした燃料価格の変動は、企業の経営にとって大きなリスクとなっています。

一方で、太陽光発電は再生可能エネルギーを利用するため、燃料価格の影響を受けることがありません。そのため、燃料価格の変動による電気代の高騰リスクを回避し、長期的に安定した電力利用を実現できます。

メリット3.余剰売電で余った電気を売却できる

自家消費しきれなかった電力は電力会社に売電できます。2024年度(令和6年度)時点での売電価格は1kWhあたり9.5円~16円程度となっています。

メリット4.税制優遇による節税効果が得られる

工場に太陽光発電を導入することで、税制優遇を活用した節税効果が期待できます。

具体的には、以下の3つの税制優遇を利用できます。

中小企業等経営強化税制 設備費用を導入初年度に即時償却or最大10%の税額控除
中小企業投資促進税制 設備費用の最大30%の特別償却
固定資産税の軽減措置 3年間、太陽光発電を導入した新築建物の固定資産税が2分の1に減免
  • 2024年度(令和6年度)現在の情報
税制優遇のご利用はお早めに
太陽光発電設備導入における税制優遇には期限があります。また、各市町村の自治体によって適用条件や適用期限が異なる場合があります。

当社では、お客様が利用可能な税制優遇について無料で調査いたします。詳しくはお問い合わせください。

メリット5.脱炭素経営の推進

太陽光発電は、CO2を排出しないクリーンなエネルギーです。工場で太陽光発電を導入することで、CO2排出量を削減し、脱炭素社会の実現に貢献できます。

脱炭素経営を推進することで以下の5つのメリットが得られます。

  • 企業ブランディングの向上
  • 環境規制リスクの回避
  • 投資家や金融機関からの信用向上
  • SDGsなどに共感する人材の採用促進
  • 取引先企業からの評価向上

メリット6.停電時に電気が使える

災害や停電時でも、太陽光発電システムを活用することで自社で電力を供給することが可能です。

この特性は、コーポーレト・ガバナンスにおけるBCP(事業継続計画)対策として有効です。
太陽光発電に加えて蓄電池を併用することで、停電中にも重要な設備やシステムを稼働させ続けることができます。

メリット7.室内温度の上昇をおさえる

工場の屋根に太陽光発電システムを設置することで、遮熱効果が得られます。太陽光パネルは太陽光を反射・吸収するため、屋根から建物内部への熱の侵入を抑える役割を果たします。

例えば、夏場には屋根の表面温度が60度を超えることがありますが、太陽光パネルを設置することで、この温度が10〜20度程度低下することが確認されています。また、屋根の表面温度が2度下がると、室内温度も0.5〜1度程度低下するとされています。

とくに、金属屋根(例:ガルバリウム鋼板など)を採用している工場では、金属の熱伝導率が高いため、遮熱効果がより顕著に現れます。このような環境では、太陽光パネルの設置により、室内温度の低下や空調負荷の軽減がさらに期待できます。

また、遮熱効果によって空調の使用頻度が減ることで、電力消費の削減やCO₂排出量の削減といった環境面でのメリットも得られる可能性があります。これにより、エネルギーコストの削減にもつながります。

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工場に太陽光発電を導入するデメリット

デメリット1. 初期費用が高額

工場の屋根に太陽光発電システムを設置する際、小規模でも数百万円、大規模では数千万円以上の初期費用が必要です。

しかし、工場は広い屋根を持つため太陽光発電との相性が良く、設置後の発電量によっては10年以内に初期費用を回収できる場合が多いとされています。

補助金を活用する

企業が太陽光発電を導入する際、国や自治体から補助金を受け取れる場合があります。2025年度には補助金予算が拡充される見込みのため、最新の情報をチェックし、補助金申請には8~9カ月の準備期間が必要になる場合もありますので、早めに申請準備を進めることが重要です。

【2025年度最新】法人向け太陽光発電の補助金情報まとめ

デメリット2. メンテナンスが必要

太陽光発電システムは、長期間安定して運用するために定期的なメンテナンスが必要です。主なメンテナンス内容は以下の通りです。

パネルの清掃
汚れや鳥の糞が付着すると発電効率が低下します。そのため、定期的に清掃を行う必要があります。
点検
システム全体に異常がないか、専門業者による点検を受ける必要があります。
故障修理
システムの故障が発生した場合、修理費用がかかります。

メンテナンスを怠ると、発電効率の低下やシステムの故障につながるため、事前にメンテナンス費用や作業頻度を考慮しておきましょう。

太陽光発電のメンテナンス義務化とは?点検費用や実施頻度を解説

デメリット3. 工事業者の見極めが難しい

太陽光発電市場は急成長しており、中には知識や技術力の不足した業者も存在します。
このような業者に依頼すると、以下のリスクが発生する可能性が高くなります。

発電効率の低下

パネルの配置が適切でないため、影が多く発生し、十分な発電ができないケースがあります。また、使用されるインバーター(直流を交流に変換する装置)の性能が低い場合、発電効率全体が下がることがあります。

システムの故障

施工時にケーブルの配線が不適切であったため、短期間で断線や接触不良が発生することがあります。最悪の場合、システム全体が停止する可能性もあります。

雨漏りなどの施工不良

屋根への穴あけ工事が雑だったため、雨が侵入し、室内に水漏れが発生するケースがあります。このようなトラブルは建物全体に悪影響を及ぼし、修理費用が高額になることがあります。

信頼できる工事業者を選ぶポイント

信頼できる工事業者を選ぶためには、以下の3つのポイントを確認することが重要です。

施工実績を確認する

施工実績が豊富な業者は経験があり、信頼性が高い傾向があります。業者のホームページや資料を通じて、これまでの施工実績や実例を確認しましょう。

資格や保険の有無を確認する

太陽光発電システムの施工には、電気工事士などの専門資格が必要です。また、業者が必要な資格を保有しているかを確認するとともに、工事保険や賠償責任保険に加入しているかもチェックしてください。これにより、万が一のトラブルにも備えられます。

担当者の対応を確認する

説明が丁寧でわかりやすく、どんな質問にも誠実に答えてくれる担当者を選びましょう。経験豊富な業者であればスムーズな対応が期待できます。また、無理な営業や根拠のない値引きを提案する業者は避け、誠実な姿勢の業者を選ぶことが大切です。

工場に太陽光発電を導入した事例を紹介(当社施工実績より)

事例1|金属加工工場

特殊金属エクセル様
導入先 株式会社特殊金属エクセル 様
都道府県 埼玉県
年間発電量 636,132 kwh
課題
  • 製造コスト削減に加えて、早期の再エネ導入による脱炭素促進で業界リードを目指したい
効果
  • 当該施設の電気使用量を約10%削減し、年間で約1,000万円の電気代を節約
  • 当該施設におけるCO2排出量を約10%削減し、年間で約300t-CO2の排出を減少

RE100加盟企業を取引先にもつ製造工場が導入を決断した本当の理由

事例2|水産加工工場

株式会社瀬戸水産 様
導入先 株式会社瀬戸水産 様
都道府県 神奈川県
年間発電量 81,534 kwhW
課題
  • 工場のBCP対策と電気代削減によるコストカットを図りたい
効果
  • 当該施設の電気使用量を約30%削減し、年間で約130万円の電気代を節約
  • 事業継続力強化計画認定の取得に寄与(BCP対策)
  • 設備導入にあたり神奈川県の補助金に採択(かながわスマートエネルギー計画)

導入企業インタビュー(株式会社瀬戸水産様)

事例3|熱処理・機械製造工場

第一熱処理工業株式会社
導入先 第一熱処理工業株式会社 様
都道府県 三重県
年間発電量 325,006 kwh
課題
  • 太陽光発電を増設して需要電力に対する自家消費率を高めたい
効果
  • 当該施設の電気使用量を約71%削減し、年間で約550万円の電気代を節約
  • 年間で約166t-co2のCO2排出量削減(約11,067本のスギの木が1年間で吸収するCO2量に相当)
  • 令和3年度補正ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業に採択

事例4|精密機器製造工場

助川電気工業株式会社
導入先 助川電気工業株式会社 様
都道府県 茨城県
年間発電量 19,180 kwh
課題
  • 脱炭素社会への貢献と生産コストの削減に取り組みたい
効果
  • 年間約360万円の電気代削減
  • 年間約85tのCO2排出量を削減
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工場への太陽光発電導入なら当社にお任せください!

当社は創業30年、これまでに太陽光発電施工の累計6,500件以上という豊富な実績を誇ります。

長年培ったノウハウを活かし、工場に適した太陽光発電システムの導入を一貫してサポートいたします。信頼と実績で、安心してお任せいただけます。

屋根の高度計算や修繕にも対応

太陽光発電システムの導入において、屋根の状態は非常に重要です。

当社は創業当初よりリフォーム事業を手掛けており、屋根の高度計算や必要な修繕工事にも対応可能です。屋根の耐久性や安全性を確保したうえで、最適なシステムをご提案します。

補助金申請の徹底サポート

太陽光発電導入における補助金や助成金制度の活用を最大限お手伝いします。お客様が利用可能な補助金制度の調査から申請書類の作成、提出までワンストップでサポートいたします。面倒な手続きも、当社にお任せください。

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執筆者:株式会社ハウスプロデュース広報部

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当社は、産業用太陽光発電システムのEPC工事を専門に手がけています。経験豊富な電気工事士やエネルギーマネジメントアドバイザーなどの有資格者が在籍。一次情報や専門家からの取材を基に、EPC事業者としての「現場から得たノウハウ」を活かしたコンテンツ作りに取り組んでいます。

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