自家消費型太陽光発電の市場規模と今後の動向を解説

太陽光発電システムの市場は、FIT(固定価格買取制度)の変更などにより、動向が大きく変化しています。

この記事では、2021年3月現在までの太陽光発電システムにおける市場と、これから今後は自家消費型太陽光発電の占める割合が増加する理由を解説します。

また、企業が自家消費型太陽光発電を導入するメリットについても解説しますので、ぜひ導入を検討する際の参考にしてください。

自家消費型太陽光発電システムの国内市場の動向

株式会社富士経済が2020年4月から7月にかけて行った調査をもとに、太陽光発電システム全体の市場と、自家消費型太陽光発電システムの動向をみていきましょう。

画像引用:太陽光発電システム・太陽電池の市場を調査|株式会社富士経済

太陽光発電システム全体の市場は、2009年の余剰電力買取制度や2012年のFIT(固定価格買取制度)をきっかけに導入が急速に拡大し、2015年度にピークを迎えました。2016年度以降は全体の市場が落ち着いており、FITの買取単価の低下もあって、2023年度までは市場が縮小すると予測されています。

自家消費型太陽光発電は、2017年度から徐々に市場が拡大しています。2025年度以降はさらに増加し、市場を引っ張っていくと予測されています。
自家消費型の市場は、2019年度では2,361億円でしたが、2030年度には6,277億円になり、家庭用では100%、産業用では60%程度が自家消費型になるとみられています。

産業用の自家消費型太陽光発電システムは投資回収期間を短縮できる事例が増加

産業用では、FITを利用した全量売電型太陽光発電よりも、自家消費型太陽光発電のほうが投資回収期間を短縮できる事例が増加しています。主な要因は以下のとおりです。

  • システム導入コストの低下
  • 各省庁からの補助金・支援制度の拡大
  • FITにおける買取価格の低下
  • FITにおける10kWから50kW規模の全量売電廃止
  • 電気料金の上昇傾向

先述したように、2030年度には自家消費型の割合が太陽光発電システム全体の60%を占めると予測されています。

2017年度以降に第三者所有モデル市場が形成されている

2017年度以降は、自家消費を目的に第三者所有モデル市場が形成されています。
第三者所有モデルは、電力消費者が太陽光発電システムを所有するのではなく、他社が所有するシステムを設置し、発電した電気を使用できます。

電気を使用する対価として、電気料金やサービス料を他社に支払います。基本的に以下2つを指します。

  1. PPAモデル:Power Purchase Agreement(電力販売契約)」の略称。PPA事業者が、顧客の所有する建物の屋根や空き地に太陽光発電システムや蓄電池を設置する。顧客は初期費用0円でシステムを設置する代わりに、PPA事業者に今より安い電気料金を支払う
  2. リース:リース事業者が、顧客に太陽光発電システムを貸与する

どちらも契約期間が10年以上と長期になるものの、初期費用なしで電気料金の削減ができます。また、CSRの一環として環境貢献ができることから導入が増加しています。
今後、太陽光発電システムの導入コストが低下すると、第三者所有モデルのメリットが少なくなることも考えられます。
それでも第三者所有モデルは初期費用ゼロの魅力もあり、2030年度の市場は2019年度比の27.1倍である1,571億円になると予測されています。

次世代型の開発が進んでいる太陽電池

太陽電池の世界市場

画像引用:太陽光発電システム・太陽電池の市場を調査|株式会社富士経済

太陽電池の世界市場は、各国の脱炭素社会への転換や導入コストの低下により、出力ベースでは10年以上拡大を続けています。

2019年は、中国・アメリカ・インド・日本などで普及が進み、ヨーロッパや新興国でもギガワット単位での導入があったことから拡大しました。
一方、発電効率の向上・メーカーごとの価格競争・新型コロナウイルスの影響などによって、金額ベースでは縮小が続いており、今後もその傾向が続くとみられています。

種類別では90%以上が結晶シリコン系ですが、今後はIoT電源や建材一体型太陽電池といった次世代型が普及することにより、中長期的には金額ベースでも市場が伸びていく見込みで

太陽電池の国内市場

画像引用:太陽光発電システム・太陽電池の市場を調査|株式会社富士経済

太陽電池の国内市場は、出力・金額ベースともに縮小していく見込みです。

2018年度は未稼働案件の着工や特別高圧規模システムの設置件数増加がありましたが、その反動で2019年度は出力ベースで市場が縮小しました。
また、国際市場において、金額ベースでは生産効率や発電性能の向上に加え、メーカーごとの競争もあり価格が低下しました。

日本においても太陽電池の価格を国際基準に合わせる動きがあり、2019年度は金額ベースでも国内市場が大幅に縮小しました。

家庭用システムは、導入価格の低下やPPAモデルの普及により、長期的には市場が拡大するとみられています。産業用システムは、2021年度以降は未稼働案件が整理され、市場が縮小していくとみられています。
※未稼働案件:過去にFIT認定を受けたものの、工事の着工が進んでいない案件

自家消費型太陽光発電を導入するメリット

電気料金を削減できる

自家消費型太陽光発電の1番の導入メリットといわれるのが「電気代削減効果」です。法人の電気料金は【基本料金 + 電気使用量料金電力量料金 + 再エネ賦課金 + 燃料調整費】の合計で計算されます。

画像引用:月々の電気料金の内訳|資源エネルギー庁

このうち「電力量料金」と「再エネ賦課金」は、電力会社から購入した電力量に対して加算されます。
自家消費では発電した電力を自ら使用するため、電力会社からの電気の購入が減り、結果として電気料金の削減に繋がります。

電気使用量料金削減例

画像引用:高圧(契約電力500kW未満)のお客さま|関西電力
高圧(契約電力500kW未満)のお客さま

たとえば関西電力の「高圧電力AS」というプランでは、夏季の電気使用量料金単価は13.94円 / kWhです。
月の電力購入量が20万kWhの企業の場合、自家消費によって購入料を10万kWh減らせば、月に139.4万円の電気使用量料金を削減できます。
【13.94円 × 10万kWh(削減分) = 139.4万円】

再エネ賦課金削減例

2020年の再エネ賦課金の単価は2.98円/ kWhです。
たとえば、月に20万kWhの電力を使用する企業であれば、再エネ賦課金のみで59.6万円かかります。

このうち10万kWhを自家消費型太陽光発電でまかなうと、再エネ賦課金の負担は29.8万円まで削減できます。

BCP対策になる

自家消費型太陽光発電は、BCP対策の一環としても注目されています。
BCP対策とは、災害や感染症の流行などの非常時事態に、事業を早期復旧・継続するための行動指針を策定することです。

近年は、被害の規模が大きい災害が発生しています。2019年の台風15号や台風19号では、2週間以上停電が続いた地域もあります。
常時稼働している必要がある冷蔵庫・冷凍庫を所有している企業や、空調管理が大切な介護施設などで、停電時にも事業を継続するためには電源の確保が重要です。

自家消費型太陽光発電は、停電時でも日中に発電して電源を確保してくれるので、非常時に中核となる事業の早期復旧・継続をしやすくなります。
また、蓄電池を併用すれば、太陽光パネルが発電できない夜間にも電気を使用できます。より強固なBCP対策を行うためには、蓄電池の導入も検討するべきかもしれません。

再生可能エネルギー活用による企業価値・イメージの向上

自家消費型太陽光発電は、太陽光という再生可能エネルギーを使用するため、環境貢献による企業価値向上にも繋がります。たとえば、以下のような動きが国内で進んでいます。

  • 2020年10月の臨時国会で、菅総理が「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」という方針を表明した
  • 国内大手企業は、取引先にも環境に配慮した取り組みを求めるようになっている
  • 環境省が温室効果ガスの排出量に応じた炭素税のを導入を検討する動きをみせるなど、国として脱炭素の動きが加速している

もはや、「環境経営は大手企業がするもの」ではなくなったといえるでしょう。電気代削減だけでなく、再生可能エネルギーの活用にもなる自家消費型太陽光発電の導入を検討する企業の増加傾向は続くとみられています。

まとめ

太陽光発電システム全体の市場は、2023年度まで縮小していくと予測されています。
そんななかでも、電気代削減だけでなくBCP対策や環境経営による企業価値向上などのメリットがある自家消費型太陽光発電は、今後市場を伸ばしていくでしょう。

将来的な経営戦略の一環として、自家消費型太陽光発電の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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