【2021年版】倉庫の屋根に太陽光発電を設置するメリット|注意点や導入事例

昨今、企業が自社の倉庫や工場など事業所の屋根を活用して太陽光発電(ソーラーパネル)を設置する事例が増えています。

本記事では、太陽光発電を導入する企業が増えている背景を説明した上で、倉庫に太陽光発電を設置するメリットや注意点、また導入事例や太陽光発電の設置の際に利用できる優遇措置について解説します。

企業による太陽光発電の導入が拡大している理由

企業による太陽光発電の導入が拡大している理由

産業用の電気料金の高騰

2010年に東日本大震災が発生してから、原子力発電による電力供給が減少したことにより、わずか4年間で産業用の電気料金が約38%値上がりしています。

その後、原油価格の低下によって一時的に値下がりしましたが、2010年時点での電気料金平均単価を下回ることなく、2021年現在も電気料金の平均単価は値上がり傾向にあります。

電気料金の平均単価は値上がり傾向

また、電気料金の一部に含まれる再エネ賦課金が2030年まで値上がりが続くことも想定されていることから、今後も法人が負担する電気料金平均単価の上昇傾向が続くとみられています。

サプライチェーン全体でCO2削減を目指す企業の増加

地球上の温室効果ガス(CO2等)が増加することで問題となるのが地球温暖化です。地球温暖化が引き起こす気候変動による災害は、世界共通で解決すべき問題の1つとされています。

日本政府は、2050年までに「国内の温室効果ガス排出量を実質ゼロ」とする脱炭素政策を打ち出し、「グリーン成長戦略」など地球温暖化の改善に取り組む企業への支援に力を入れています。

また「企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー化」を目指す「RE100」に加盟する企業が56社にまで増加しています。(2021年7月時点)

RE100に加盟した企業の最終目標は、サプライチェーン全体でのカーボンフリーです。そのため、RE100に加盟する大手企業が増えることで、取引先にあたる中小企業も環境対策を行う必要性が高まっています。

自然災害による停電への備え

日本では近年、気候変動による台風・大雨などの大規模な自然災害が発生しています。近年では以下の事例のような大規模停電が発生しています。

  • 令和元年房総半島台風(15号)(2019年9月):2週間以上にわたり最大約93万戸が停電
  • 平成30年台風第21号(2018年9月):2週間にわたり最大約240万戸が停電
  • 平成30年台風第24号(2018年9月):1週間にわたり最大約180万戸

自然災害に伴い、長期間にわたり電力供給が停止した場合、製品の供給量やサービス停止など事業継続事態が困難となる場合もあります。

太陽光発電システムや蓄電池によって万が一の停電対策を整えておくことで、災害時の事業継続や企業としての信用性向上やBCP対策強化に繋がることから、企業による太陽光発電の導入が広まっています。

倉庫の屋根に太陽光発電を設置するメリット

倉庫の屋根に太陽光発電を設置するメリット

倉庫のランニングコスト削減

一般的に、物流倉庫や冷凍倉庫などでは、製品の品質を保つための温度管理が必要であり、空調設備に多くの電力が消費されています。

倉庫内で使用する電気を太陽光発電によって賄うことで、電力会社からの購入電力を減らして電気料金を削減できます。

また、貸し倉庫や保管用などのように消費電力が少なく、かつ建物面積が広い倉庫の場合は、固定価格買取制度(FIT)※の認定を受けることで、発電した電気を電力会社へ売却して売電収益を得ることができます。

※2021年度の太陽光発電の固定価格買取制度では、システム容量10kW以上50kW未満の場合、自家消費率30%以上が条件とされています。また、システム容量50kW以上の場合は全量売電が可能です。

倉庫のデッドスペース活用と屋内への遮熱効果

倉庫や工場の屋根は、ソーラーパネルが取り付けやすい折半屋根やスレート屋根が採用されている場合が多く、一般的なオフィスビルなどに比べてスペースも広いため、太陽光発電システムの設置に適している場合が多いです。

また、デッドスペースになりがちな倉庫の屋根にソーラーパネルを設置することで、屋根の遮熱効果が高まり、倉庫内を「夏は涼しく、冬は暖かい」状態を保つことができます。

ソーラーパネルの遮熱効果によって空調設備の負荷が軽減されて節電効果が得られるため、自家消費による電気代削減効果との相乗効果が得られます

SDGsや脱炭素経営の推進をPRできる

世界的にもSDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素への取り組みが注目されるなか、社会的にも企業の環境対策への取り組みに関心が高まっています。

企業として再生可能エネルギーを利用することは、環境対策の取り組みとしてアピールできるため、他社との差別化を図り企業の競争力を高めることができます。

また、RE100やESG投資などの動きがさらに拡大していくことで、中小企業も環境対策への取り組みが迫られることになります。

倉庫の屋根に太陽光発電を導入する際の注意点

倉庫の屋根に太陽光発電を導入する際の注意点

建物の築年数によっては導入できない場合がある

設置対象となる倉庫などの建築物が旧耐震基準である場合、屋根への太陽光発電の設置は推奨されていません。

つまり、旧耐震基準から新耐震基準に切り替わった1981年6月1日以降に建築認定申請を受けた建物である必要があります。

太陽光発電システムの導入には初期費用が掛かる

倉庫に太陽光発電を設置する際は、発電規模によって金額が異なりますが設備費や工事費など初期費用が発生します。また、設置後には定期的なメンテナンスも必要となりますので、ランニングコストも発生します。

しかし、太陽光発電のシステム価格は年々下がってきており、補助金や税制面での優遇措置によって初期費用を下げることも可能です。

また、近年では「PPAモデル」といって、初期費用や一定期間のランニングコストを掛けずに太陽光発電システムを導入できるソリューションも注目されています。

【2021年版】倉庫に太陽光発電を設置する際の優遇措置

倉庫に太陽光発電を設置する際の優遇措置

中小企業などが倉庫や工場などに太陽光発電を設置する場合は、法人税や固定資産税に対して下記の優遇措置を受けられる場合があります。

中小企業経営強化税制

中小企業経営強化税制

太陽光発電システム等を新規取得し、指定事業に用いた場合に即時償却または取得価額の10%の税制控除(※1)のいずれかを適用できます。

※1(税額控除は資本金3,000万円超~1億円以下の法人の場合は取得価額の7%)

中小企業投資促進税制

中小企業が対象設備(太陽光発電設備の場合は160万円以上。蓄電池含む)を新規取得した場合、取得費用の30%に相当する特別償却(※2)、または7%の税制控除を利用できる制度です。

(※2)(特別償却は、減価償却費とは別で経費の計上が行えるもので、税額控除は法人税額から税額を直接控除ができる)

対象者 いずれかを選択して適用
特別償却 税額控除
資本金3,000万円以下の法人 取得費用の30% 取得費用の7%
資本金または出資金を有しない法人
個人事業主
農業協同組合など
資本金3,000万円超~1億円以下の法人 取得費用の30% 適用なし

生産性向上特別措置法

生産性向上特別措置法

新築で倉庫や工場など、事業用建屋の建築をする際に300万円以上の太陽光発電設備を導入することで、3年間、建屋の固定資産税がゼロまたは1/2に軽減(※3)されます。

(※3)(固定資産税の軽減割合は各市町村によって異なります)

補助金で最大1/2の導入費用をカバーできる

補助金で最大1/2の導入費用をカバー

近年の日本政府は、国内の主力電源を化石燃料を用いた発電方式から、持続可能な再生可能エネルギーへ転換することを図っています。

そのため、国からさまざまな補助金が出ており、企業の太陽光発電や蓄電池システムへの設備投資によるCO2排出削減を推進しています。

また、地域によって条件が異なりますが、地方自治体からの補助金を受けることも可能です。

ただし、補助金を受ける際の前提条件は、自家消費を目的とした導入に限られる場合が多いため、全量売電による投資用太陽光発電においては補助金が出る可能性は低いです。

倉庫の屋根を活用した太陽光発電システムの導入事例

倉庫への太陽光発電がどのような企業が導入しているのか、また導入に至った経緯など実際のお客様の事例でご紹介いたします。

冷凍倉庫A社様

A社様は、冷凍・冷蔵・常温の食品全般や雑貨などを中心に、日本全国の食品センターや百貨店などに配送を行っている運送企業です。

同社が運営する冷凍倉庫の電気代削減と環境対策への取り組みを目的として、新設予定の冷凍倉庫への自家消費用太陽光発電の導入をご依頼をいただきました。

同社が新設する冷凍倉庫の年間電気使用量は約975,600kWh(※1)となることが見込まれています。そこへ164.22kWの太陽光発電システムを導入することで、約4,878,000kWh(※2)の電気使用量を削減し、CO2削減量は年間で102,657[kg-CO2]が見込まれています。

また、新設建物への導入のため、生産性向上特別措置法の適用により固定資産税が3年間免除となります。

(※1)(新設建物への設置となるため、既存の冷凍倉庫の電力使用状況や設備内容を参考に電気料金を試算しています)
(※2)(太陽光発電の発電量を専用のシミュレーションソフトを用いて行っています)

まとめ

倉庫の屋根に太陽光発電を導入することで、エネルギーコストを削減しながら環境対策への取り組みができるため、企業イメージや競争力の向上に繋がります。

また、再生可能エネルギーの普及を国をあげて推進していることからも、環境省や地方自治体によってさまざまな補助金制度や税制優遇が用意されています。

補助金や税制優遇で投資回収を早めることができるうちに、導入を検討してみてはいかがでしょうか?

導入メリットや電気代削減、節税効果などを詳しく解説

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 執筆者
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太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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