全てを信頼して任せられると確信できました。
取材ご協力
カグラベーパーテック株式会社取締役:宮寺保如 様
環境・安全管理部:松本英樹様
本インタビューでは、ベーパーライザートップメーカーである「カグラベーパーテック株式会社」有馬工場(本社:兵庫県)の取締役の宮寺保如様と、環境・安全管理部次長の松本英樹様にご協力いただきました。自家消費型太陽光発電の導入のきっかけや、実際の運用効果、脱炭素への具体的な取り組みに関して、貴重なお話を伺うことができました。
太陽光発電を導入した“きっかけ”
太陽光発電に関しては、2012年頃に取引先から提案を受けたことがありました。
当時はFIT電力の買取単価が高かったので、売電目的で導入を提案されていました。
一度は断念した太陽光発電の導入ですが、なぜ改めて導入しようと思ったのでしょうか?
ベーパーライザーは、弊社の主力事業として安定しています。
ですが、それに依存するのではなく、新たな事業を模索する必要性を感じていました。
そんな中、脱炭素関連の展示会に足を運びました。その際、「自家消費型太陽光発電」についての情報を得ることができ、その可能性に注目しました。
当時は、自家消費型太陽光発電を自社で設置する方向ではなく、弊社のクライアントに向けて提案していこうと考えていましたが、いろいろと説明を聞いているうちに、自社工場に設置しても大きな効果が期待できると思い導入を決定しました。
ちなみに、当時の導入を断念した理由に、屋根への荷重についても触れられていましたが、今回の導入ではその懸念はなかったのでしょうか?
荷重への懸念はありましたが、ハウスプロデュースさんに屋根の状態を細かく調査していただき、丁寧に対策案を提案していただいたおかげで、安心して導入を進めることができました。
倉庫棟の屋根には、遮熱シートを設置していた兼ね合いで、太陽光パネルを取り付けることができない状態だったのですが、ハウスプロデュースさんは屋根工事も得意だということだったので、遮熱シートの撤去も同時にお願いしました。
太陽光発電の設置と断熱シートの撤去を別々に依頼するよりも、ハウスプロデュースさんにまとめてお任せしたことで、費用をグッと抑えられたかと思います。自家消費型太陽光発電の実際の導入効果について
2023年3月から、太陽光発電の運用を開始したので、まだ日は浅いですが、工場での電力の大部分を太陽光発電でまかなえています。
ほとんど、頂いたシミュレーション通り、倉庫棟と事業所棟の電力を約71%が自家消費して、電気代を約185万円まで削減できる結果でした。
初期投資で大体2000万円くらいだったので、このまま想定通りにいけば、10年前後で投資回収できると思います。
今でも、電気代が高騰している状況なので、投資の回収期間はさらに短くなる可能性もあります。電気代削減以外にもメリットはございましたか?
太陽光発電の導入が組織体制を見直す良いきっかけになりました。
以前まで、工場内の機器・設備のメンテナンスの担当者については明確に決まっておらず、松本さんにお願いする機会が多かったので、いつしか、故障やメンテナンスの度に「それは松本さんの担当だよね」というような曖昧な雰囲気がありました。
ですが、組織体制として、これは健全とは言えないため、、今回の太陽光発電の導入をきっかけに「環境・安全管理部」を設立して、松本さんをその部署の責任者として、彼のリーダーシップのもと、太陽光発電を含む工場内の設備の維持管理を一元的に行う体制を構築するようにしました。
主に「脱炭素に関わる活動」「危険予知・事故防止活動」です。
太陽光を導入しただけでは、その効果が見えにくいので、新たなツールを導入して社内のCO2排出量削減の可視化の取り組みを進めています。
当社のクライアント様には、自動車メーカーなど、脱炭素活動を推進する企業も含まれます。いまはまだ、環境面に関する具体的な要求やアクションを受けていませんが、環境問題が社会の注目を集める中、CO2排出量の情報開示が必要とされる日は近いかもしれません。
現に、国際的な取り組みとして「Scope1」「Scope2」※のCO2排出量の計測・開示が求められるケースは増えてきています。
当社としては、CO2排出量の計測を早急に開始し、これらに対応できる体制を構築したいと考えています。
太陽光発電の業者選びについて
レスポンスの速い業者さんが良いと考えていました。
太陽光発電の提案を受けている中で、各社ごとに提案や見積の内容も様々なので、こちらから費用対効果に関わることや、工事の安全面に関することまで、様々な質問をしました。
ハウスプロデュースさんは、レスポンスが一番早かったので、とくに印象的でした。
質問に対する回答についても、細かく説明していただけたので、この業者さんなら、全てを信頼して任せられると確信できました。それに、私たちから催促することなく、新しい提案や計画の進捗状況の報告してもらえたことも良かったです。
契約前の相談段階で、こちらでお願いしたい要望事項が多かったのですが、すべてこちらの要望通りに進めていただけました。
ですが、一部の部材の供給が追い付かない状況で納期が遅れる可能性があると言われ、期日までに工事が終わるか不安でしたが、無事に納期に間に合わせてもらえました。
今後の展開について
まず、CO2排出量の完全な可視化を目指します。
具体的には、社内での計画策定を進め、その結果をホームページをはじめとした様々な手段で社内外に積極的に公開していく予定です。