《2022年》電気代値上げの3つの要因|高騰はいつまで?企業が取るべき打開策

円安や半導体不足などで、原材料価格が高騰するなか、最近では電気料金の値上がりが社会的な問題となっています。

電気料金単価では数円の違いでも、電気使用量が多い企業にとっては大きな光熱費の上昇に繋がります。

この記事では、電気料金が値上がりしている原因と打開策について解説していきますので、電気料金が高くて悩んでいる企業の方はぜひ参考にしてください。

電気料金の値上がりは「昨年比で最大2割増」

まずは、実際に企業の電気料金がどのように変化しているのかみていきます。

低圧区分の電気料金の変化

2020年6月から2021年5月と、2021年6月から2022年5月までの低圧電気料金の推移(全国平均)をみていきます。

低圧の電気料金

(参照:新電力ネット|電気料金単価の推移

2021年8月までは、前年度と同水準の価格でしたが、2021年9月に急上昇して以降、電気料金の値上がり傾向が続いていることがわかります。

2021年5月と2022年5月を比べると、1kWhあたり約5円も単価が上昇しており、電気代高騰の状況が数値からはっきり読み取れます。

高圧区分の電気料金の変化

2020年6月から2021年5月と、2021年6月から2022年5月までの高圧電気料金の推移(全国平均)をみていきます。

高圧の電気料金

(参照:新電力ネット|電気料金単価の推移

2020年度は、緩やかに電気料金が低下していましたが、2021年度以降は反対に上昇が続いています。2021年5月と2022年5月を比べると、1kWhあたり約5円も上昇していることがわかります。

特別高圧区分の電気料金の変化

2020年6月から2021年5月と、2021年6月から2022年5月までの特別高圧電気料金の推移(全国平均)をみていきます。

特別高圧の電気料金

(参照:新電力ネット|電気料金単価の推移

特別高圧区分に関しても、2021年3月以降は電気料金の上昇が続いています

高圧区分と同様に、2021年5月と2022年5月では、1kWhあたり約5円の上昇がみられます。

燃料費調整額の推移

2022年3月以降は、電気料金に含まれる「燃料費調整額」の上昇が電気料金の値上がりに影響しました。

Point

燃料費調整額とは

電気料金の内訳に含まれる数値で、火力発電などで使う燃料の価格に応じて調整されます。
石炭や天然ガスなど燃料の価格変動に応じて電気料金に反映される仕組みで、燃料価格が高くなればプラス・低くなればマイナスの調整がかかります。

燃料費調整額の推移

燃料費調整額の推移

たとえば、関西電力の高圧受電契約における燃料費調整額の推移は表のとおりです。

2021年4月は「-1.11円 / kWh」とマイナス調整がかかっていましたが、2022年4月は「2.89円 / kWh」と上昇しています。

1年間の間に、1kWhあたりの燃料費調整額の単価が4.00円上昇したことになるため、「電気使用量は同じなのに電気料金が高くなった」という企業が多数発生したと予測できます。 他の電力会社においても、単価は違えど同じような推移となっています。

詳しくは後述しますが、石炭や天然ガスの価格は上昇傾向が続いており、燃料費調整額は2022年春以降も上昇していくと推測されます

関連記事:燃料費調整額が高騰!制度の内容・値上がりの要因・電気料金との関係を解説

電気料金の値上げに関する電力会社の対応

このような電気料金の上昇に対しての、「大手電力会社」と「新電力会社」それぞれの動きをみていきます。

大手電力会社の対応

大手電力会社では、先述した「燃料費調整額」の単価上昇がみられます

大手電力会社は、消費者の負担が大きくなりすぎないよう、燃料費調整額に上限を設けています。しかし、上限を超えた分は電力会社の負担となるため、燃料費調整額の上限を超えた状態が続いてしまうと、電力会社の負担は増え続けていきます。

燃料価格の上昇の影響で、上限金額を超えてしまう見込みの大手電力会社が複数出てきています。

燃料費調整額の上限撤廃の動きも

電力会社によっては、燃料費調整額の上限を撤廃する動きも出てきています。

四国電力は、高圧・特別高圧の新規契約分に関して、2022年6月分の料金から上限額設定を撤廃しています。また、九州電力や東北電力でも上限撤廃の動きが出ています。

このように、各電力会社において、燃料費調整額の高騰が課題となっています。

(参考:日本経済新聞|東北電力、燃調制度の上限撤廃 今期最終赤字1800億円に

新電力会社の動き

新電力会社の多くが契約停止や事業撤退へ

2021年4月時点で登録されていた「新電力会社」706社のうち、2022年6月時点で全体の10%以上にあたる104社が倒産や廃業、または電力事業の契約停止や撤退などに至りました。

2022年3月時点では31社でしたが、2カ月間で3倍以上に増加しています。

事業停止した新電力会社の特徴

事業を停止した新電力会社の多くは、自ら発電所を所有せず、市場から電力を調達して安く供給するスタイルでした。しかし、昨今の燃料価格上昇などで卸電力価格が高騰し、多くの新電力会社の経営を圧迫する形となりました。

経済産業省によれば、新電力の撤退や倒産などで契約が継続できず、大手電力会社から電気の供給を受ける企業は、2022年3月は5,477件、4月は5,133件でしたが、5月は13,045件と急増しています。

電気の価格が高騰し、利益確保できなくなった新電力の撤退や倒産が相次ぐなか、今後もその流れが加速する可能性があります。

(参考:帝国データバンク|「新電力会社」事業撤退動向調査

電気料金の値上がりが起きている「3つの原因」

昨今の電気料金の値上がりが起きているおもな3つの要因は以下のとおりです。

  1. 燃料価格の高騰
  2. 国内の電力供給不足
  3. 再エネ賦課金の単価上昇

1.燃料価格の高騰

電気料金の高騰に大きな影響を与えているのが、天然ガス(LNG)や石炭の「燃料価格の高騰」です。

天然ガスの価格の推移

2021年7月から2022年6月までの、日本における為替を考慮した天然ガス価格推移(円/mmbtu)をみていきます。

年月 天然ガス価格(円/mmbtu)
2021年7月 1,081
2021年8月 1,162
2021年9月 1,528
2021年10月 1,399
2021年11月 1,457
2021年12月 1,454
2022年1月 1,788
2022年2月 1,721
2022年3月 2,137
2022年4月 2,165
2022年5月 2,128
2022年6月 2,285

(参考:新電力ネット|天然ガス価格の推移

天然ガスの価格は、2021年9月に急上昇して以来、全体でみれば価格の上昇が続いています

石炭の価格推移

20021年7月から2022年6月までの、南アフリカにおける石炭価格(為替考慮)の推移(円/kg)をみていきます。

年月 石炭価格(円/kg)
2021年7月 13.49
2021年8月 15.15
2021年9月 16.09
2021年10月 22.58
2021年11月 14.61
2021年12月 16.23
2022年1月 19.35
2022年2月 22.63
2022年3月 34.89
2022年4月 38.06
2022年5月 36.06
2022年6月 38.13

(参考:新電力ネット|石炭価格の推移

石炭の価格は、2021年10月に急上昇したあと、11月にいったん低下しましたが、その後はまた上昇が続いています。1年間で、1kgあたりの単価が約3倍に上昇していることがわかります。

石炭や天然ガス(LNG)の価格が電気料金に影響する理由

2020年の日本の電源構成は以下のとおりです。

  • 火力発電・・・76.3%
  • 再生可能エネルギー発電・・・19.8%
  • 原子力発電・・・3.9%

さらに、火力発電に使用する燃料の内訳は以下のとおりです。

  • 天然ガス(LNG)・・・51.1%
  • 石炭・・・40.6%
  • 石油・・・8.3%

このように、日本は主力の火力発電の燃料のうち約90%を天然ガス(LNG)と石炭で賄っています

これだけ天然ガス(LNG)と石炭への依存度が高い状況では、これらの燃料の価格高騰は電気料金の上昇に大きく影響します。

石炭や天然ガスの価格が高騰している原因は?

  1. 新型コロナウイルスの影響
  2. 天然ガスの需要増加による価格上昇
  3. ウクライナ情勢の影響
  4. 円安の影響
新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界的に経済活動が停滞しました。その流れで、2020年4月には化石燃料の価格が一時的に下落しています。

徐々に経済活動が回復したものの、今度は化石燃料の需要増加に対して供給が追いつかない状況となりました。これにより、需給バランスが崩れて価格高騰に繋がりました。

天然ガスの需要増加による価格上昇

天然ガス(LNG)は、他の化石燃料に比べるとCO2排出が少ないのが特徴です。

世界的に脱炭素が叫ばれるなか、従来の石炭や石油から天然ガスへ切り替える動きがみられたため、天然ガスの需要が増加し、価格の上昇に繋がっています。

ウクライナ情勢の影響

ロシアによるウクライナ侵攻をうけ、EUやアメリカが経済制裁を行なっています。

ロシアは石油・石炭・天然ガスのいずれの輸出額においても世界上位の国であったため、ロシアから化石燃料の輸出が制限されたことで、価格高騰に繋がっています。

円安の影響

2022年度は、円安も石炭や天然ガスの輸入価格高騰に影響しています。

USドル / 円の為替レートにおいて、2021年6月は「110.1USドル / 円」でしたが、2022年6月は「133.9USドル / 円」まで上昇しています。

このように、複数の原因が重なって、石炭と天然ガス(LNG)の価格が高騰しており、その影響で電気料金が上昇しています。

2.日本国内の電力供給不足

日本の電気使用量の推移

(画像引用元:資源エネルギー庁|エネルギー白書2022・第一章 国内エネルギー動向(PDF.33ページ)

日本国内の電力供給量をみると、2010年を境に減少していることがわかります。

なぜ国内の電力供給量が低下傾向なのか、その原因を挙げていきます。

原子力発電の停止による影響

2011年の東日本大震災のあと、原子力発電の停止が相次ぎました。

再稼働している原子力発電所もありますが、日本の発電全体に占める原子力発電所の割合が多くなっているなかで大半が停止したため、全体の電力供給にも影響を与えました。

ちなみに、2010年は日本の発電全体の25%を占めていた原子力発電所は、2020年時点では3.9%まで低下しています。

火力発電の縮小

原子力発電所だけでなく、火力発電所も規模を縮小しています。

原子力発電所が減少しているにも関わらず、火力発電まで減少している理由はおもに以下の2つがあります。

  • 古い火力発電所の停止
  • 再生可能エネルギーへの転換
古い火力発電所の停止

2016年の電力自由化によって、多くの小売電気事業者が参入しました。

これにより、電気料金の競争が激化し、大手電力会社は古い火力発電所は採算が合わないとして停止化を進めました

再生可能エネルギーへの転換

世界的に脱炭素化の風潮が広がるなかで、CO2排出が少ない再生可能エネルギーへの転換の動きが進んでいることも、火力発電所の縮小の要因の1つです。

電力の供給不足が電気料金上昇の原因に

ここまで紹介したような要因によって、火力発電所や原子力発電所が縮小したことで、全体的な電力の供給が減少しています。

電力の需要が減少しているわけではないので、需要と供給のバランスがとれず、電気料金の上昇に繋がっています。

3.再エネ賦課金の上昇

再エネ賦課金の上昇も、電気料金の値上がりに繋がっています。

再エネ賦課金とは

再エネの普及を目指すために、政府は太陽光発電など再生可能エネルギーで作られた電気を電力会社が買い取る「FIT(固定価格買取制度)」を実施しました。

再エネ賦課金は、再エネ由来の電気を電力会社が買い取るための費用として、電気の利用者(一般家庭や企業)が電気料金の一部として負担している料金です。

再エネ賦課金の単価の推移

2010年代はFITを利用した産業用太陽光発電が急速に普及しました。

再エネ賦課金の単価は、2012年は0.22円 / kWhでしたが、2022年には3.45円 / kWhまで上昇しています。

単価でみれば大きな差ではないようにみえますが。とくに大量の電気を使う企業では、再エネ賦課金だけでこの10年間のうちに数十万円から数百万円の上昇に繋がっているところもあるでしょう。この再エネ賦課金の値上がりも、電気料金の上昇の一因となっています。

関連記事:【電気代の税金】2022年の再エネ賦課金はいくら?|太陽光発電で負担を軽減

電気料金はこの先どうなっていく?

電気料金の上昇がいつまで続くのかはわかりません。しかし「この先もしばらく値上がり傾向は続く」という見方が一般的です。

先ほど紹介した「電気料金の値上がりの3つの原因」について、以下のような見方ができるためです。

石炭や天然ガス(LNG)の価格高騰
ウクライナ情勢が長期化する可能性があるほか、天然ガスの受給バランスが取れない状況や円安も続く可能性が高い。
電力の供給不足
休止している火力発電の再開がされるかどうかは不透明であり、原発の再開には慎重な議論が必要である。
再エネ賦課金の単価上昇
再エネ賦課金は2030年までは上昇することが確実視されている。

このように、電気料金は今後も値上がり傾向が続く可能性が高いため、企業は高い光熱費に悩まされないために対策を打っていく必要があります

電気料金を最大70%削減「自家消費型太陽光発電」とは

自家消費型太陽光発電の仕組み

「自家消費型太陽光発電」とは、自社の屋根・遊休地・カーポートなどに太陽光発電システムを設置し、発電した電気を自社内で使用する仕組みです。 発電量に応じて、電力会社から購入する電気量を減らせるため、電気料金やCO2排出量を削減します。

関連記事:自家消費型太陽光発電とは|4つのメリット・導入方法・事例・注意点など徹底解説

太陽光発電で電気料金削減のイメージ

とくに電気料金の上昇がみられる2022年度では、電気使用量が多い企業と相性が良く、大幅な電気料金削減に繋がります。

太陽光設置お任せ隊を運営する「株式会社ハウスプロデュース」にて太陽光発電システムを導入したお客さまの中には「導入前に比べて最大70%の電気料金を削減した」事例もあります。

【事例】自家消費型太陽光発電による電気代削減効果

ハウスプロデュースが実際に施工を行ったお客さまの事例をもとに、太陽光発電による電気料金削減事例をみていきます。

金属加工工場の事例

特殊金属エクセル様:太陽光発電システム

高品質の金属材料を提供し続けている「特殊金属エクセル様」は、電気料金の削減や自社の脱炭素経営推進などに向けて、太陽光発電システムを導入されました。

金属加工工場の屋根上・遊休地・カーポートの3カ所に太陽光パネルを導入し、年間1,000万円規模の電気料金削減効果が見込まれています。

RE100加盟企業を取引先にもつ製造工場が導入を決断した本当の理由

水産加工工場の事例

瀬戸水産様:太陽光発電システム

水産加工食品の加工および物流拠点への配送を手がける「株式会社瀬戸水産様」は、コスト削減やBCP対策をおもな目的として太陽光発電システムを導入されました。

電力会社から購入する電気量は、導入前より約30%削減しています。また、2022年度は電力会社が電気料金を値上げしたこともあり「太陽光発電を導入しなかったら、電気料金が数十万円高くなっている月もあった」と導入効果を感じていただけました。

水産加工工場への太陽光発電システム導入で電気料金高騰を回避

「電気料金上昇への対策」が「企業の競争力強化」に

電気料金の値上がりに対して対策を講じなければ、「自社のサービスや商品を値上げせざるを得ない」「高い光熱費が利益を圧迫する」といった事態に繋がりかねません。

円安や半導体不足の影響で「原材料費が高い」という問題もありますが、これに関しては自社でどうこうできない部分です。

その点、電気料金の上昇には対策の余地があります。

現状でもこれまでより電気料金が高くなっており、今後もその傾向が続くことが確実視されている状況では、「電気料金の上昇への対策が企業の競争力強化に繋がる」といっても過言ではありません。

まとめ

さまざまな原因が重なり、電気料金の値上がりが続いており、今後も続いていく見通しです。

企業として対策を打っていくことが得策といえる状況であり、自家消費型太陽光発電などの設備投資が企業の競争力を高めることに繋がるでしょう。

太陽光設置お任せ隊(運営:株式会社ハウスプロデュース)は、産業用太陽光発電システムの設計・施工・アフターフォローまで一貫してサポートいたします。

ハウスプロデュースへご相談いただく場合には、無料でシミュレーションを実施いたします。「太陽光発電で長期的にメリットが得られる業者を探している」という企業・法人の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

太陽光発電でわからないことがあればお気軽にご相談ください!

「導入コストや回収年数は?」「どれくらいのメリットがあるの?」「どんな補助金が使えるの?」「自社でも導入可能か?」など
どんな些細なことでも構いません! ハウスプロデュースまでお気軽にご相談ください!

0120-751-126 (平日9:00~18:30)

 執筆者
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太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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