大企業だけじゃない!なぜ多くの中小企業がCO2削減に取り組み始めているのか?

CO2削減をはじめ、環境問題への取り組みはさまざまな企業で行われています。そして、最近では大企業だけでなく中小企業においてもその動きが活発化しています。

しかし「環境問題という大きなテーマに対して、中小企業ができることは限られるのでは?」とも考えられがちです。そんななか、なぜ多くの企業が取り組むようになったのでしょうか。

今回は、CO2削減に企業が取り組んでいる理由や背景、中小企業でも実践できるCO2削減の取り組み例なども紹介します。これから環境問題への取り組みをスタートさせようと考えている企業はもちろん、省エネを推進しランニングコストの削減を目指している企業の方も、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてください。

CO2削減に企業が取り組む理由

CO2削減に企業が取り組む理由

CO2削減をはじめとした環境問題への取り組みが叫ばれるようになったのは最近ではなく、数十年以上も前からです。

しかし、ここ数年の間に環境問題への注目度は一層高まり、さまざまな国や自治体、企業の間でも具体的な取り組みが進められています。この背景にはどのような理由があるのか、4つのポイントに分けて解説しましょう。

SDGsとパリ協定

CO2削減をはじめとした環境問題への取り組みは、日本だけでなく世界の国々で進められています。この背景にはさまざまな理由があるのですが、なかでも重要なのが「SDGs」「パリ協定」という2つのキーワードです。

SDGsは2015年に開催された国連サミットのなかで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標です。17の具体的な目標・169のターゲットが掲げられ、このなかには環境問題に関連する内容も複数含まれています。

SDGsの17の目標

(画像引用元:持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割(PDF)|外務省)

また、同じく2015年に合意されたパリ協定では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」ことが長期目標として掲げられました。

これらの目標を達成するため、企業が事業活動で使用する全ての電力を再生可能エネルギーで賄う「RE100」という取り組みが加速しました。さらに日本政府は、「2050年カーボンニュートラル宣言」の発表や地球温暖化対策推進法の改正といった具体的な取り組みも行っています。

大手企業のサプライヤーへの要求強化

企業が製品やサービスを提供することは、資本力の大きい企業であっても1社だけの力で実現できるとは限りません。たとえば、細かなパーツや素材を調達したり、物流会社のもつ輸送ネットワークを頼らなければならないこともあるでしょう。

大手企業が環境問題に取り組む際には、サプライチェーンを構成する企業にも同じ品質が求められます。その要求に応えるために環境問題へ取り組む企業が増えています。

電気料金のなどの経費削減

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CO2の削減は省エネや再生可能エネルギーの活用と関連性が高いため、環境問題に取り組むことは電気料金をはじめとした経費の削減にも繋がりやすいです。

たとえば、太陽光発電設備を導入すれば自前でエネルギーを供給できるため、電力会社から購入する電気が減り経費削減に繋がります。

社会からの信用獲得やイメージアップ

CO2削減をはじめとした環境問題は、国・企業・個人に関係なく社会的な共通課題として認識されています。企業の大きな目的は、事業を通じて利益を求めることですが、自社の利益”だけ”を追求すれば良いというわけではありません。

CO2削減への取り組みは社会貢献のひとつです。自社の利益ばかりを優先することなく、積極的に環境問題へ取り組む企業は、社会からの信用を獲得しやすくなるでしょう。

資金獲得がしやすくなる

環境・社会・企業統治に積極的に取り組む企業を、投資先選定の評価基準とする「ESG投資」が注目されています。

企業の信用度をはかるうえでは、売り上げや利益、企業規模など、さまざまな指標が存在します。しかし、今後は環境問題をはじめとした社会課題に取り組む企業がESG投資先として評価されやすく、投資家や金融機関からの資金調達において大きなメリットとなります。

企業におけるCO2削減事例

企業におけるCO2削減事例

企業がCO2削減に取り組むことは、さまざまなメリットがあります。しかし、自社で何から取り組めば良いかわからないと悩んでいる経営者・役職者も多いことでしょう。

ひと口にCO2削減といっても、取り組みの内容や規模はさまざまで、大企業に適したものから中小企業でも手軽に始められるものまであります。

実際に企業ではどのような取り組みを行っているのか、日本国内の企業の事例と海外企業の事例を分けて紹介します。

日本企業の事例

まずは、日本企業のなかでもとくに象徴的な取り組みとして2つの例を紹介します。

物流業界の取り組み

CO2削減に企業が取り組む理由

日本の物流業界の動きとして、配達に使用する車両の見直しがあります。具体的には、ディーゼル(軽油)またはガソリンを動力としたトラックやバンから、クリーンエネルギー車への切り替えを推進しています。

さらに、効率的な物流ネットワークの見直しや、配達エリアに応じて自転車や台車を使用するなどの取り組みも行い、CO2削減に貢献しています。

企業例では、日本の物流を引っ張る「ヤマトグループ」は、温室効果ガスの排出を削減するために、以下のような取り組みをしています。

  • 低炭素車両を積極的に導入
  • 市街地の集配では電動自転車や台車を活用
  • 倉庫や事業所のLED導入
  • 再生可能エネルギー電力の活用
  • 業界全体の輸送効率化による燃料使用の低減

グループとして、持続可能な社会の実現を重要な問題として認識し、低炭素社会に貢献することを目指しています。

オフィスや工場のエネルギー省力化

さまざまな企業に応用できる例としては、オフィスや工場といった事業施設のエネルギー省力化が挙げられます。たとえば、電気をこまめに切る、水道やガスの節約に心がける、ペーパーレス化の推進なども代表的です。

さらに近年では、オフィスや工場の屋根・屋上などに太陽光発電設備を設置する企業も増加しています。電力会社からの供給を最小限に抑えることで経費削減が実現できるほか、非常時に備えたBCP対策にも役立ちます。

「竹中工務店」の東関東支店は、オフィスでの省エネ・温室効果ガス排出削減に向けて、以下のような取り組みを行なっています。

  • 自動換気口の追加により、そよ風を発生させて快適性を向上
  • LED照明の導入
  • 外壁の高断熱化や地中熱・太陽熱の利用により、空調の負荷を低減
  • プリンタを複数部署で共有し、台数を半分にする
  • 太陽光発電によって自社の電気の一部をまかなう

上記取り組みによって、竹中工務店・東関東支店はZEB化を達成しており、省エネ性能が高いオフィスビルを実現しています。

海外企業の事例

海外企業では環境問題に対してどのような取り組みを行っているのでしょうか。こちらも2つの例を紹介しましょう。

再生可能エネルギーの購入

海外企業では、電力コストの削減と環境汚染の軽減のために、クリーン電力を購入するケースがあります。たとえば、Microsoftは風力発電の電力を購入して利用しています。

国によっては再生可能エネルギーのほうが電気の単価が安いところもあり、電力の選定が経費削減に繋がるメリットもあるのです。

EV(電気自動車)の開発

CO2排出量の内訳を見た時、もっとも大きな割合を占めているのが発電であり、次に多いのが自動車とされています。

ヨーロッパの大手自動車メーカー「メルセデス・ベンツ」は、2030年までに従来のガソリンエンジン車およびハイブリッド車からEV(電気自動車)へ完全に移行することを発表しています。

従来型のガソリンエンジン車からEVへの転換が進んでいけば、CO2の大幅な削減が期待できるでしょう。そのような意味でも、EVの開発に完全に移行するという決断は世界的にも大きなインパクトを与えるはずです。

中小企業におすすめのCO2削減方法

中小企業におすすめのCO2削減方法

CO2削減方法の事例を比較した時、大企業の取り組みはインパクトは大きいものの、「とても自社では真似できない」と感じる経営者も多いはずです。

しかし、せっかく環境問題に取り組むのであれば、中小企業が取り組みやすく経営メリットが得られる方法を選びたいものです。そこで、特におすすめしたい3つの方法を紹介します。

電力会社の変更

2016年の電力自由化以降、電力会社の選択肢が大幅に増えています。 「再生可能エネルギーを利用できるプランを設けている電力会社に乗り換える」ことは、中小企業でも取り組み安い方法です。

省エネ対策でのCO2削減

省エネ対策でのCO2削減

大掛かりな取り組みをしなくても、身近な省エネ対策でCO2削減に取り組むことも可能です。

オフィスやビル、工場などにおいて、もっとも多くの電力割合を占めているのが空調設備といわれています。設定温度の設定、フィルターのこまめな清掃、室外機の設置場所の見直しなどをするだけでも一定の省エネ効果が見込めます。

また、工場などの屋根に遮熱塗料を塗布するだけでも効果が見込め、空調効率がアップする可能性があります。なお、空調設備そのものが老朽化している場合も、新たな製品に買い換えるだけで省エネ対策に効果を発揮することもあるため、ぜひ検討してみましょう。

自家消費型の太陽光発電

初期コストはかかりますが、長期的な経費削減に繋がる方法として、自家消費型太陽光発電があります。

その名のとおり自社で使用する電力を自社で賄うことを目的としており、発電規模によっては電力会社からの供給電力量を大幅に抑えることが可能です。

自家消費型の太陽光発電

後述するPPA方式とは異なり、太陽光発電設備は自社で購入しなければならず、数百万、規模によっては一千万円以上の導入コストを要します。

しかし、電気代の削減効果も大きく、補助金を活用できれば5年以内に初期費用を回収する事例もあります。

無料でできるPPA方式の太陽光発電も

通常、太陽光発電設備を導入するとなると、ソーラーパネルやパワーコンディショナーなどの設備費用や、設置工事費用がかかります。また、定期的なメンテナンスや修理費といったランニングコストもかかります。

PPA方式とは、自社の土地や屋根上、屋上などのスペースをPPA事業者に提供し、その代わりに発電された電力を買い取る方法です。太陽光発電にかかる設備投資が一切不要で、クリーンエネルギーを利用できることから、コストパフォーマンスに優れたCO2削減方法といえるでしょう。

ただし、ランニングコストの削減という視点で考えた場合、PPAは大幅なコスト削減には繋がらない可能性もあります。

まとめ

CO2削減をはじめとした環境問題は、社会全体の課題といえます。そのため、企業のなかには「テーマが大きすぎて自社では有効な対策が検討できない」「コストがかかりすぎて難しい」と考えてしまうケースもあるでしょう。

しかし、重要なのは取り組みに対する規模ではなく、それぞれの企業ができる範囲で着実に行動することです。はじめのうちはスモールスタートでも、何らかの取り組みを継続していくことで新たなアイデアが浮かんできたり、より効率的な方法が見つかったりするかもしれません。

今回紹介した太陽光発電もその一例であり、コストをかけることなく導入できる「PPAモデル」などもあります。具体的な取り組みのひとつとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 執筆者
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太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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