日本企業のCO2削減・省エネに向けた取り組み事例12選|太陽光をはじめとする再エネの活用方法も紹介

企業のCO2排出削減の事例を紹介!

CO2削減をはじめとした地球環境の保護は、世界の企業・個人が取り組むべき共通の課題ともいえます。昨今ではSDGsというキーワードも広く知られるようになり、CO2削減に向けた取り組みは企業の信頼性を評価するうえでも重要な指標として注目されています。

しかし、CO2削減の取り組みは重要であると認識していても、具体的にどのような取り組みが有効なのかイメージできず、実際に着手できていない企業も少なくありません。そこで今回の記事では、CO2削減に向けた企業の取り組み事例を紹介します。

CO2削減にむけた世界の目標とは

CO2削減にむけた世界の目標

CO2削減へ取り組む国や企業が増えている背景には、2016年に発効された「パリ協定」の存在があります。159の国や地域が参加し、これを合計すると全世界のCO2排出量のうち86%に相当(2017年8月時点)。パリ協定では、世界共通の長期目標として以下の2点を掲げています。

  • 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
  • そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる

パリ協定がこれほどまでに大きな注目を集める背景には、対象となる国の範囲が挙げられます。

パリ協定以前の枠組みであった京都議定書では、先進国のみに削減義務が課されていました。ただし、パリ協定では、経済発展とともにCO2排出量が急速に伸びていることから、途上国も対象に含まれることとなりました。

上記に示したパリ協定の目標をクリアするために、日本をはじめとして世界の国々で独自に目標を設定し、具体的な取り組みをスタートさせています。

Point
 
京都議定書では、先進国のみに削減目標が課されていた。パリ協定では、先進国・途上国ともに環境への取り組みを進めることとなった。  

関連記事:脱炭素社会とは|世界の取り組みと企業ができる取り組み、補助金を解説

世界各国の具体的な数値目標

では、パリ協定の長期目標をクリアするために、世界の国々ではどのような数値目標を掲げているのでしょうか。日本を含む主要国の数値目標を見ていきましょう。

国・地域 2030年目標
日本 -46%(2013年度比)
アメリカ -50 ~ -52%(2005年比)
中国 (1)CO2排出量のピークを2030年より前にすることを目指す
(2)GDP当たりCO2排出量を-65%以上(2005年比)
イギリス -68%以上(1990年比)
ロシア 1990年排出量の70%(-30%)
カナダ -40 ~ -45%(2005年比)
インド GDP当たり排出量を-33~-35%(2005年比)
フランス・ドイツ・イタリア・EU -55%以上(1990年比)
オーストラリア -26 ~-28%(2005年比)
韓国 -24.4%(2017年比)

参考:日本の排出削減目標|外務省

目標に対しての各国の取り組みの現状

上記の目標に対して、世界の国々ではどの程度の進捗で推移しているのでしょうか。主要国のなかで具体的な数値として発表されている国々を比較してみましょう。

  • イギリス1990年度比41%の削減(2016年時点)
  • アメリカ2005年度比12%の削減(2016年時点)
  • フランス1990年度比18%の削減(2016年時点)
  • ドイツ1990年度比27%の削減(2016年時点)

具体的な取り組みとしては、以下のような例があります。

  • イギリス気候・環境を保護しつつ産業全体を活性化させる包括的な施策として「クリーン成長戦略」を策定。これにより、洋上風力発電などの再生可能エネルギーに積極的な支援を行なっています。
  • アメリカ「低炭素なエネルギーシステムへの転換」、「森林等やCO2除去技術を用いたCO2隔離」、「CO2意外の排出削減」の3つの施策を実行し、2050年までに排出量を80%以上削減することを目指しています。
  • フランスやドイツを含むEU「EU低炭素経済ロードマップ2050」を策定。発電や産業、運輸といった部門別に具体的なシナリオを策定し、2050年までに80〜95%のCO2削減を目指して取り組んでいます。

2021年時点での日本の現状

世界各国ではさまざまな取り組み・施策が実行されていることがわかりましたが、これに対して日本はどのような現状となっているのでしょうか。

2020年10月、政府は「2050年カーボンニュートラル」に向けた具体的な取り組みをスタートさせることを宣言しました。カーボンニュートラルとは、すなわち「CO2の排出量と除去量をイコールとする」ものであり、実質的にCO2排出量を増やさないことを意味します。

また、2021年4月に開催された「気候変動サミット」において、当時の菅首相は「2030年度において、温室効果ガスを2013年度から46%削減」することを表明。これらの目標を達成するための具体的な施策として、「再エネなど脱炭素電源を最大限活用するとともに、企業に投資を促すための十分な刺激策を講じる」としました。

日本企業でのCO2削減に向けた具体的な取り組み内容

日本が目指すカーボンニュートラルを実現するためには、国や自治体のみならず、企業の協力も不可欠です。

昨今のビジネス業界ではSDGsという言葉も注目されるようになりました。そのなかでもCO2削減をはじめとした地球環境の保護は重要なポイントといえます。

では、実際に企業ではどのような取り組みを進めているのでしょうか。今回は、カーボンニュートラルの達成に向けて重要なカギとなる「再生可能エネルギー」と「省エネ」の観点から取り組み事例を紹介します。

企業における再エネの取り組み事例7選

再生可能エネルギーの取り組み事例として、以下の7項目の事例を挙げていきます。

1.再エネ電力への置き換え(東京メトロ)

再エネ電力への置き換え(東京メトロ)

画像引用:東京メトロ本社ビル・総合研修訓練センターで使用する電力のCO2排出量を実質ゼロにします|PR Times

東京メトロでは、本社ビルおよび総合研修訓練センターで使用する電力について、再生可能エネルギー由来の電力へ置き換えることを発表しました。

同社は2030年度までに30%のCO2削減(2013年度比)、および2050年度までに実質ゼロにすることを目指しており、再エネ電力への置き換えはそのための具体的な施策のひとつとして位置づけられています。

これにより、年間約1,811トンものCO2排出量を削減できる見込みとしています。

2.発電設備へのガラスコーティング施工(ハドラスHD・CEF)

発電設備へのガラスコーティング施工(ハドラスHD・CEF)

画像引用:CEF株式会社との連携に関する協定締結について|PR Times

ハドラスHD株式会社はCEF株式会社は、風力や太陽光といった再生可能エネルギー発電設備の発電効率や耐久性の向上のために、相互に協力するための基本協定を締結しました。

風力発電設備のブレードや太陽光発電設備のパネルに対してガラスコーティングを施すことにより、発電効率の向上のみならず防音や耐腐食性、空気抵抗の低減といったメリットが見込めます。

3.カーボンニュートラルファンドへの出資(北陸銀行)

カーボンニュートラルファンドへの出資(北陸銀行)

画像引用:カーボンニュートラルファンド1号投資事業有限責任組合への出資について|PR Times

北陸銀行では2021年12月、Zエナジー株式会社による再生可能エネルギーへの投資ファンド「カーボンニュートラルファンド1号投資事業有限責任組合」へ出資することを決定しました。

このファンドは、発電事業への投資はもちろんのこと、需要家に対して安定的に電力を供給する小売電力事業者とのマッチングも実施し、発電から供給までを一気通貫で実現するための取り組みを実施しています。

4.ドローンによる太陽光発電設備点検(afterFIT)

ドローンによる太陽光発電設備点検(afterFIT)

画像引用:再エネ保守のコスト削減へ 国内初の全自動ドローンによる太陽光発電所点検の実証を開始|PR Times

afterFITは、太陽光発電設備の点検・保守をドローンによって自動化するための実証実験を開始しました。広大な範囲に設置されている太陽光発電設備は、点検に多くの時間と手間を要するほか、丘陵地などに設置された設備の点検には危険も伴います。

この実証実験ではレベル3にあたる目視外飛行を可能とし、補助者を配置することなく無人での運用が可能。点検・保守にかかる人件費削減に期待できるほか、作業員の安全確保にも貢献します。

5.自家消費型太陽光発電によるコスト削減(ハウスプロデュース)

(当社による施工事例:特殊金属エクセル様)

本サイト・太陽光設置お任せ隊を運営する「株式会社ハウスプロデュース」による、企業向け太陽光発電システム設置事例です。

高品質・高付加価値の金属材料を提供し続けている「株式会社特殊金属エクセル」様へは、以下の経営課題の解決に向けて導入を支援させていただきました。おもな導入目的は、以下のとおりです。

  • 工場運営にかかる電気代の削減
  • 自社のCO2排出量削減による脱炭素経営の推進
  • 取引先のRE100加盟からの要請への対応
  • 非常用電源としての活用

金属材料製工場の屋根上・遊休地・駐車場の3エリアに太陽光発電設備を設置しており、年間1,000万円の経費削減に加えて年間CO2排出量300トンの削減が見込まれています。

RE100加盟企業を取引先にもつ製造工場が導入を決断した本当の理由

6.再生可能エネルギーの地産地消(小嶋総本店)

再生可能エネルギーの地産地消(小嶋総本店)

画像引用:山形県の酒蔵・小嶋総本店 2022年春以降酒造りの使用電力を100%地域の再生可能エネルギーへ移行|PR Times

日本酒の醸造を手掛ける小嶋総本店では、事業に必要な電力を地元で発電された再生可能エネルギーへと移行し、地産地消のエネルギー活用を実現しています。

日本酒の醸造では、厳格な温度管理が求められることから冷却タンクや冷蔵設備などが欠かせません。地元で発電された電力を使用することにより、再生可能エネルギーの運用に理想的ともいえる小型分散化した電力の地産地消を実現します。

7.太陽光PPA事業の共同検証(秦野市・秦野ガス株式会社・東京ガス株式会社)

太陽光PPA事業の共同検証(秦野市・秦野ガス株式会社・東京ガス株式会社)

画像引用:包括連携に基づく太陽光PPA事業の共同検証に合意【秦野市・秦野ガス株式会社・東京ガス株式会社】|PR Times

2021年12月、秦野市・秦野ガス株式会社・東京ガス株式会社の3者は、太陽光発電設備のPPA(第三者所有モデル)を推進するための共同検証に合意しました。

建物の屋根や屋上、敷地内のスペースをPPA事業者へ提供することにより、設置費用を含めた初期費用負担がなく運用が可能となります。

企業における省エネの取り組み事例5選

次に、企業における省エネの取り組み事例を5つ紹介しましょう。

1.地熱利用エコナビ換気システム『HEPA+』(パナソニックホームズ)

地熱利用エコナビ換気システム『HEPA+』(パナソニックホームズ)

画像引用:地熱利用エコナビ換気システム『HEPA+』(ヘパプラス)を搭載したZEH住宅が2021年度 省エネ大賞を受賞|PR Times

パナソニックホームズでは、地熱を利用した独自の換気システム『HEPA+』を提供しています。感染症対策の一環として換気の重要性が再認識されていますが、窓を開けることで空調効率は低下してしまいます。

そこで、パナソニックホームズでは宅内に給気ファンと換気ファンを設けることで、つねに空気が循環する仕組みを実現。地熱の効果によって安定した温度の外気を取り入れることができ、さらに省エネ性が向上します。

2.快適性と省エネを両立したビル(フクシマガリレイ)

快適性と省エネを両立したビル(フクシマガリレイ)

画像引用:快適性と省エネを実現したガリレイグループ本社ビル2021年度省エネ大賞を受賞|PR Times

フクシマガリレイのグループ本社ビルは、自然エネルギーやハイブリッド空調システムなどの採用により、極めて省エネ性が高く快適性も両立したビルとして「2021年度省エネ大賞」を受賞しました。

自然換気システムや太陽光を活用した調光システム、気化熱を生かした空調システムなどにより、高いエネルギー効率を実現。オフィスビルでも多くの電力を消費する空調設備にはハイブリッド空調設備を採用し、水の気化熱によって外気温を冷却します。

関連記事:ZEBネット・ゼロ・エネルギー・ビルとは?|メリットや補助金を解説

3.「LED交換キット」の開発(アイリスオーヤマ)

「LED交換キット」の開発(アイリスオーヤマ)

画像引用:アイリスオーヤマ7年連続の受賞 LED交換キット 2021年度 省エネ大賞受賞|PR Times

アイリスオーヤマでは、オフィス内の照明器具を手軽にLED化できる「LED交換キット」を開発・販売しています。従来の蛍光灯からLED照明へ変更するとなると、従来は器具ごとの交換が必要で大掛かりな施工が必要でした。

大規模なオフィスとなると、数百、数千といった単位での照明器具の交換が必要であり、膨大なコストがかかってしまいます。しかし、「LED交換キット」は光源部分のみを交換できる仕組みのため、手軽にオフィスの省エネ化が実現できます。

4.施主負担ゼロの住宅用太陽光発電(高砂建設)

施主負担ゼロの住宅用太陽光発電(高砂建設)

画像引用:高砂建設の新しい太陽光搭載システム「彩樹の家LCCM×レジリエンス」 シリーズ2021年度 省エネ大賞を受賞|PR Times

高砂建設では、電力会社と提携することで施主負担がゼロの住宅用太陽光発電設備を設置でき、同時に気密性の高い住宅により光熱費10%ダウンを実現しています。

太陽光発電設備と蓄電池のセット提供をする代わりに、電力会社と15年間の電力契約を締結。気密性が高く高断熱の住宅を提供することで、光熱費の削減が可能です。

5.「プラズマクラスター冷蔵庫」(シャープ)

「プラズマクラスター冷蔵庫」(シャープ)

画像引用:プラズマクラスター冷蔵庫が「省エネ大賞」の省エネルギーセンター会長賞を受賞|PR Times

「プラズマクラスター」でもおなじみのシャープは、大容量の「プラズマクラスター冷蔵庫」を開発・販売しています。本体の構造を見直したことにより、真空断熱材のカバー率の大幅アップを実現。高効率冷却システムを搭載したことで、従来モデルと比べて37%もの省エネ性を実現しました。

関連記事:店舗の省エネ対策|照明・空調の省エネ化成功の秘訣と取組事例を解説

家庭でも取り組めるCO2削減・省エネの具体例11選

企業における再生可能エネルギーや省エネの取り組みは、いずれも大掛かりなものが多く、一般家庭では実現が難しいものもあるでしょう。しかし、一般家庭でも身近に取り組める事例はいくつも存在します。とくに代表的な取り組み事例を紹介しましょう。

  • 使用しないコンセントは抜く
  • 冷蔵庫に食材を詰め込みすぎない
  • 炊飯器の保温ではなくレンジで温め
  • こたつ・電気カーペットの下に断熱マットを敷く
  • エアコンの設定温度の見直し
  • LED照明への切り替え
  • テレビやPCの画面清掃
  • テレビやPCの画面明るさ調節・省エネモードの活用
  • お風呂の浴槽にはフタをする
  • シャワーを流したままにしない
  • 省エネ家電への買い換え

家庭での省エネは「使用しない時は電源を消す・コンセントを抜く」ことが基本といえます。また、冷房や暖房に使用する家電の場合、温度設定を見直すことが省エネに繋がることも多いものです。

さらに、古い家電製品に比べて最新式の家電製品のほうが電力の使用効率が高く、電気代の節約になることも。家電製品の買い替えを検討している場合には、省エネ性能を比較ポイントに選ぶこともおすすめです。

太陽光をはじめとする再生可能エネルギーのCO2削減効果は?

企業が省エネに取り組むうえでは、電気の使用量を節約することはもちろん大切です。ほかに、太陽光発電のような再生可能エネルギーに切り替える方法もあります。

電気の節約は手軽に実行できるものの、期待される省エネ効果は限定的ともいえます。一方、再生可能エネルギーへの切り替えは電気代の大幅な削減が期待できますが、設置にかかる初期費用も大きいです。

両者を比較した場合、果たしてどちらがより費用対効果が高いのか、と疑問を抱く方も多いことでしょう。企業の場合、業種によっても電力の消費量は異なるほか、太陽光発電設備を設置するスペースによっても発電規模は異なるため、一概に比較することは難しいものです。

関連記事:【企業向け】太陽光発電削減できるCO2排出量ってどのくらい?|環境面以外のメリットも豊富

まとめ

CO2の削減に向けて企業が実行できることとしては、さまざまな省エネ対策が挙げられるでしょう。自社のオフィスや工場へ省エネ対応型の設備を導入することはもちろんですが、省エネに対応した製品を開発し、多くのユーザーに活用してもらうのもひとつの方法です。

さらに、自社で使用する電力そのものを再生可能エネルギーに切り替えることも注目度の高い施策です。とくに太陽光発電設備を導入する企業は増加傾向にあり、今後さらに広く普及していくことも期待されています。

今回紹介した企業のさまざまな取り組みを参考にしながら、まずは自社で実行できる取り組みを検討し、小さなことでも着実に積み重ねていきましょう。

 執筆者
*
太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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