【2023年】太陽光発電の費用対効果を検証|計算方法やシミュレーションも公開
近年、世界中でエネルギー価格の高騰が問題となっています。とくに、電気料金については2021年から2022年のわずか1年間で3割ほど急騰しました。
また、燃料調達費の上限撤廃の動きからも2023年以降も電気代の高止まりが予測されています。
多くの企業が電気代高騰によってコスト増を余儀なくされる中、注目があつまっているのが太陽光発電による自家消費です。
太陽光発電の「自家消費」とは、工場やオフィスなど事業所に太陽光パネルを設置して、発電した電気を消費することで電気代を削減する方法です。
しかし、100kW太陽光発電であれば、およそ1,800万円〜2,500万円の初期費用が必要です。
いくら電気代が上がっているとはいえ「本当に導入コストに見合った費用対効果を得られるのか?」という不安に思う方も少なくありません。
そこで、本記事では2023年に向けて太陽光発電で自家消費を行う場合の費用対効果の検証しながら計算方法を解説いたします。また、最新のシミュレーションも公開しておりますので、ぜひご確認ください。
目次
太陽光発電の費用と効果
費用
太陽光発電にかかるおもな費用の項目は以下のとおりです。
費目 | 参考相場 | 内容 |
---|---|---|
初期費用 | 18万円/kW〜25万円/kW | 設備費用・工事費用・設計費用など設備導入にかかったすべての費用 |
メンテナンス費用 | 10万円〜15万円/年※1 100万円〜200万円/年※2 |
目視点検・清掃洗浄・システム異常確認・不具合対応など太陽光発電設備の維持管理に定期的にかかる費用 |
設備の修理・交換費用 | 1台あたり20万円 | パワーコンディショナの交換費用(10年から15年に1回)や設備の修理にかかる費用 |
保険料 | 年間1万円~2万円/年※3 3万円~4万円/年※4 |
火災保険・動産総合保険などの加入費用 |
撤去費用 | ソーラーパネルなど設備の撤去に掛かる費用 | 設備費用の3%~5%程度 |
- 搭載容量50kW未満の太陽光発電システムの場合
- 搭載容量50kW位以上の太陽光発電システムの場合
- 火災保険費
- 動産総合保険加費
効果
太陽光発電の導入効果としてメインになる項目は以下の2つです。
- 電気料金削減額
- CO2排出削減量
余剰売電型(太陽光発電で作った電気を自社で使用しつつ、余った電気を売る)の場合は、上記に加え売電額も導入効果として追加されます。
電気料金だけでなくCO2排出削減量も、太陽光発電システムによる発電量がわかれば算出できます。
太陽光発電の費用対効果の計算方法
発電した電気を自社で使用する「自家消費型太陽光発電」の費用対効果を計算するときには、以下の計算式で計算します。
費用の算出例
費用対効果を考える際は、費用と効果を定量化して比較することがポイントです。統計データを用いながら、費用対効果の目安を計算する方法をお伝えします。
初期費用
経済産業省が、再生可能エネルギーの価格などについて行った調査をまとめた「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」によると、50kWから250kWの態様高校発電システム費用平均値は1kWあたり18.3万円となっています。
単純計算で、太陽光システムを100kW導入する場合、初期費用は1,830万円前後がかかる計算になります。
メンテナンス等の維持費
経済産業省資源エネルギー庁の資料「太陽光発電について 2020年11月」によると、事業用太陽光発電の運転にかかる維持費の平均値は以下のとおりです。
太陽光発電の容量 | 年間維持費の平均値 |
---|---|
10kW以上50未満 | 0.53万円/kW |
50kW以上250kW未満 | 0.48万円/kW |
250kW以上500kW未満 | 0.49万円/kW |
500kW以上1,000kW未満 | 0.63万円/kW |
1,000kW以上2,000kW未満 | 0.75万円/kW |
全体 | 0.54万円/kW |
維持費の内訳には、保守点検費・修繕費・人件費・保険料なども含まれます。
事業用の太陽光発電の年間のランニングコストは1kWあたり0.54万円という結果になりました。
100kWの太陽光発電システムを導入した場合、年間の維持費に約54万円程度かかる計算です。
上記の表はあくまでアンケートの平均値です。実際には設置場所・部材・作業内容によって費用は異なります。維持費について把握しておきたい場合は、見積もりを取得する際に合わせて確認しておきましょう。
効果の目安を算出
太陽光発電システム導入による効果は下記3つの数値がわかれば算出が可能です。
- 年間発電量
- パワーコンディショナの変換効率
- 現在の電気料金単価
ここで当社(株式会社ハウスプロデュース)が実際にシミュレーションした案件を用いて説明します。
下記は、兵庫県の製造工場に高圧規模(設置容量70kW)の太陽光発電システムを設置した事例です。
地域 | 兵庫県 |
---|---|
設置容量 | DC70kW |
年間発電量 | 86,029kWh※1 |
変換効率 | 98% |
電気料金単価(年平均) | 15.29円※1 |
- 2022年11月時点の関西電力(契約電力500kW未満)の平均電力単価11.84円+再エネ賦課金3.45円/kWh(2022年度)により算出。
- 地域や設置条件によって、同じパネル枚数でも発電量は異なります。
電気代削減効果の計算方法
年間で削減できる電気料金の計算式は以下のとおりです。
年間発電量
86,000kWh × 発電効率
98% × 電気料金単価
15.29円 = 年間削減額
1,288,600円
本案件では、年間で約128万円の電気料金削減に繋がる計算になります。
CO2排出削減効果の計算方法
企業が太陽光発電を導入する場合は、CO2削減効果がどれくらい出るのかも気になるポイントです。
太陽光パネルのなかでも導入数が多い「結晶系シリコン太陽電池を使用した場合、発電量1kWhあたり0.3875kgのCO2排出削減※1に繋がります。
- 太陽光発電協会 表示ガイドライン(2022 年度)|JPEA(太陽光発電協会)より抜粋
先ほどの設置条件に当てはめると、太陽光発電による年間CO2排出削減量の計算式は以下のとおりです。
年間発電量
86,000kWh × 発電効率
98%× CO2削減量
0.3875kg-CO2/kWh = 年間CO2削減量
32,658kg-CO2/年
変換効率98%のパワコンを使用した場合、年間で約32,600kgのCO2排出削減できる計算になります。
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20年間の費用対効果のシミュレーション
事業用太陽光発電のシミュレーションは20年間で算出することが多いです。実際に、当社ハウスプロデュースで自家消費型太陽光発電を設置した事例を用いて費用対効果を解説します。

設置条件 | ||
---|---|---|
設置面積 | 約5,000㎡ | |
設置容量 | DC 316kW | |
年間発電量(想定) | 344,440kW | 導入費用 |
初期費用 | 5,200万円 | |
メンテナンス費用(20年間) | 300万円 | |
自然災害補償(20年) | 230万円(1年目と11年目に115万円ずつ支払い) | |
パワコン交換費用 | 250万円 | 導入効果 |
電気代削減(20年間) | 13,700万円 | |
初期費用回収年数 | 8年 |
導入費用
13,700万円 ÷ ランニングコスト
(5,200万円 + 880万円) × 100 = 費用対効果
225%
こちらの案件では、20年間で約6,080万円の費用がかかり、13,700万円の電気代削減効果が得られる計算となりました。投資費用の回収期間は約7年となり、8年目以降から太陽光発電事業が黒字化する見込まれます。
そして費用対効果は225%と高い数値が出る見込みです。
「本当に?」と思われるかもしれませんが、電気代の高止まりしている現状状では「電気代を効率よく削減する」というコスト削減のインパクトは非常に大きくなります。
太陽光発電の費用対効果を向上するポイント
企業が太陽光発電を導入する際、少しでも費用対効果を向上するために意識したいポイントを挙げていきます。
自社の電気使用量に合ったパネル枚数を業者と相談する
自社の条件に最適な発電量を検討することも大切です。太陽光発電システムの容量を増やし、発電量を確保しようと思えばそれだけ設置費用も高くなります。
しかし、太陽光パネルはたくさん積めば積むほどいいというものではなく、設置費用・設置場所の面積・ふだんの使用電力・日射量などを考慮して、費用対効果がもっとも高くなる設計をすることが大切です。
補助金や税制優遇を活用する
再生可能エネルギーの普及促進を目的として、各省庁や地方自治体から太陽光発電関連の補助金制度が設けられています。
補助金に採択されれば設置費用の負担を減らし、初期投資回収にかかる年数を早められます。
補助金ごとに対象設備や補助額や公募期間が異なります。補助金を利用しての導入を検討する場合は、早めに太陽光発電設置を依頼する業者を選定し、余裕を持って補助金申請できるようにしましょう。具体的な準備期間については以下の関連記事をご覧ください。
関連記事:補助金を使用した太陽光発電導入はいつから準備すべき?
保険・保証やアフターケアが充実した業者へ依頼する
太陽光発電システムは20年から30年と長期的に運用していくため、保険・保証が充実している業者に依頼することが重要になります。
万が一のトラブルの際に思わぬ支出が発生すれば、太陽光発電の費用対効果が低下してしまいます。
設置後のリスクを抑えるために、太陽光パネルの保証10年以上のメーカーや、長期の施工保証が設けられている施工業者などを選ぶと安心でしょう。
関連記事:太陽光発電のメーカー保証の種類と内容|加入しておくべき保険と費用
初期費用を負担せずに導入する方法
近年では、初期費用を負担しない方法で太陽光発電を導入できる仕組みが注目されています。
しかし、初期費用0円で導入する方法はいずれも手数料が発生する分、太陽光発電の費用対効果を最優先したいと考える場合は、全額自己資金で購入する方が最終的に得られる利益は高くなります。
初期費用を一括で負担するのが難しい場合などにおいては、PPAモデルなどのサービスを利用することも良策です。
太陽光発電業者を「安さ」だけで選ぶのは注意
太陽光発電の設置検討段階にあるお客さまは、複数の業者から見積もりを取るケースが多いでしょう。
費用が高い太陽光業者に依頼して損をするのは避けたいですが、じつは安ければ安いほどいいとも言い切れません。
たとえば「強度が高い架台」や、電気を効率よく送るための「太いケーブル」などを導入するなど、一定の品質を保つためには相応の費用がかかります。
最終的な費用対効果を高めるためにも、慎重に業者を比較し、品質と価格のバランスがとれた業者を選びましょう。
関連記事:太陽光発電業者の選び方|現場のプロが本音で解説|後悔しない5つのポイント
費用対効果を高めるお任せ隊の特徴
太陽光設置お任せ隊(運営:株式会社ハウスプロデュース)は、以下の特徴を活かし、お客さまにとって費用対効果の高い発電所の設置をサポートいたします。
-
- 設計・調達・施工をすべて一気通貫で管理
- 当社は、太陽光発電システム設置のすべての工程(設計・調達・施工・メンテナンス・各種申請など)を自社で管理します。これにより、>スピーディな施工計画と高品質なシステムの導入を実現しています。
-
- 高品質な設計・施工
- 設計・工事の部署を内製化し綿密に連携することで、外観を損なわない配線や安全性が高い設置方法を行います。これによりシステムの発電効率を高めるほか、メンテナンス性が高く維持費の軽減に繋がります。
-
- コストパフォーマンス重視の提案
- 低コストのみを追求すれば「低価格だけど低品質」という太陽光発電システムになりかねません。太陽光は30年近く続く事業ですので、長く安定した発電をすることが初期費用以上に大切で、費用対効果の向上に繋がります。当社はコストをかけるべきところを見極めることで、耐久性が高く、効率良く発電するシステムを設置します。
-
- 20年間施工保証
- 当社は施工した太陽光発電システムに「20年間施工保証」を付帯しており、当社瑕疵による万が一のトラブルが発生してもご安心いただける制度を設けています。
まとめ
今回の記事のまとめです。
- 設置条件が合えば太陽光発電の費用対効果は高い
- 8年前後で初期費用を回収し黒字化するケース多数
- 費用対効果を高めるポイントを抑えることが大切
- 費用対効果は薄まるが初期費用無料モデルがある
- 太陽光業者は安さだけではなく品質と価格のバランスで選ぶことが大切
太陽光設置お任せ隊(運営:株式会社ハウスプロデュース)は、法人向けに自家消費型太陽光発電の導入を支援しております。
提案・設計・調達・工事・アフターケアまでワンストップの体制を活かし、スピーディで高品質なシステムを導入するほか、20年間長期施工保証で安心できる仕組みを設けています。
費用対効果や導入コストを確認いただける「簡易お見積り」も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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