【2022年最新】事業用太陽光発電における保険の種類や内容|加入すべき理由や費用も易しく解説

太陽光発電を導入する際に気になることの1つは、設置後のリスクでしょう。

太陽光発電は設置条件がよければ非常に大きなメリットが得られます。しかし、けっして安い設備投資ではありませんので、設置後の保険がどのようなものかによって安心して導入できるかどうかが変わってきます。

今回は、事業用太陽光発電を導入したい企業・法人の方向けに、太陽光発電の保険の種類や内容を易しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

メーカー保証の適用範囲

「そもそも保険に入らなくても、メーカー保証だけでなんとかならないのか?」という疑問をお持ちの方もいることと思います。

まずは、太陽光発電システムのメーカー保証について解説します。メーカー保証は、おもに以下の3種類に分かれます。

  • 製品保証
  • 出力保証
  • 災害保証

メーカー保証1.製品保証

保証対象となる太陽光パネルやパワーコンディショナー(以下パワコン)の不具合が起きた際に適用される保証です。

保証期間はメーカーにもよりますが、10年から15年が一般的です。太陽光発電システムは20年・30年と続いていくため、少しでも期間は長いほうが安心です。

製品保証の注意点

製品保証は、台風・落雷・豪雪といった自然災害や飛来物による損傷など、外部からの被害には対応していません

しかし、太陽光発電システムは屋外に設置する以上、自然災害の影響を受けるリスクはあります。万が一の事態に備えるためには、後述する保険への加入が一番でしょう。

システム保証(周辺機器保証)

製品保証の中には、太陽光パネル・パワコンだけでなく、架台などの周辺機器も含めて保証してくれるケースもあります。システム保証を受けるためには、システム全体でメーカーを同じにするのが一般的です。

メーカー保証2.出力保証

出力保証は、太陽光発電システムの発電性能を一定期間保証するものです。

簡単にいえば、「経年劣化によって基準値より発電能力が落ちた場合は無償で部品交換や修理を行います」という保証です。出力保証の期間は、多くのメーカーで20年以上となっています。

出力保証の注意点

出力保証を受けるためには、太陽光発電事業者が自らメーカーに連絡する必要があります。

また、申請にあたっては、発電量が例年に比べて異常に低下していることを数値として把握しておかなければなりません。

発電量を細かく確認できる遠隔監視システムを有料で設置することが、数値を知るためには一番早いですが、月々の発電明細でも確認が可能です。

メーカー保証3.災害補償

災害補償は、名称どおり火災・台風・落雷・水害・ひょう災などの災害による被害がみられた際に適用される補償です。

災害補償の注意点

災害補償の適用範囲はメーカーごとに異なるほか、そもそも災害補償が付帯しているメーカー保証自体が少ないです。

メーカー保証は新設時のみ適用できる

メーカー保証は、太陽光発電システムを新設する際のみ加入が可能です。これから太陽光発電を導入する企業・法人の方はメーカー保証がどういった対象範囲なのか、災害補償はつくのかなど、よく確認しておきましょう。

すでに太陽光発電システムを導入している場合は、メーカー保証の内容を変えることはできません。そのため、後から保証の内容を見直したい場合は「保険」で補う必要があります。

太陽光発電の保険は大きく分けて4種類

太陽光発電の保険は、大きく4種類に分かれます。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 施設賠償責任保険
  • 休業損害保険

保険1.火災保険

火災をはじめ落雷や風災、雪災、盗難などにより発電所に損害が生じた場合に備える保険です。

太陽光発電の火災保険の内容

図のように自然災害が補償の対象となるほか、残存物の片付けや再発防止対策に対しても補償が出るのが一般的です。

また、ひとくちに火災保険といっても、さらに細かく種類が分かれています。代表的なものは以下の3つです。

  1. 普通火災保険火災・落雷・台風・水害などで、保険の対象となる設備に損害が生じた際に保険金が受けとれます。
  2. 動産総合保険不動産以外の財産(動産)のうち、火災保険や工事保険などの損害保険でカバーできないもの(破損や盗難、自然災害、事故など)に対して、発生した損害を補償します。
  3. 企業向け包括保険工場・事務所・倉庫等、企業が所有する複数の物件を、1つの契約で補償できます。複数の発電所や、複数の事業所などを所有していて、まとめて保険加入したい場合に向いています。

ただし、太陽光発電の保険として考える場合は、上記3つの補償内容にそこまで差はありません。保証内容によっては細かな違いがある場合もありますので、施工会社や保険代理店などに相談してみましょう。

火災保険の加入率

事業用太陽光発電における、火災保険の加入率は以下のとおりです。

  • 低圧56%
  • 高圧/特別高圧79%

とくに高圧以上の区分では加入率が高くなっています。大規模な発電所での事故に対して、補償が受けられなければ多大な損失となってしまうため、加入率が高いのも納得です。

(参照:資源エネルギー庁|平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査)

保険2.地震保険

太陽光発電の地震保険の内容

地震保険は、「地震・噴火・津波による損害」を補償する保険です。

一般的に、地震は火災保険の補償の対象外となっているため、地震に備えるためにはこちらの保険に加入します。

地震保険は、火災保険とあわせて契約する必要があることに注意しましょう。

地震保険の加入率

事業用太陽光発電における地震保険の加入率は以下のとおりです。

  • 低圧6%
  • 高圧/特別高圧16%

地震保険は、火災保険に比べるとかなり加入率が低いです。

具体的な金額については後述しますが、地震保険は保険の中でも保険料が高く設定されていることが、加入率の低さの原因でしょう。「数十年以内に大きな地震が起こる可能性が高い」といわれていることもあり、保険料が高くなっていると考えられます。

そのため、地震に備えておきたい反面、高い保険料から加入を見合わせているケースが多いのです。

(参照:資源エネルギー庁|平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査)

保険3.施設賠償責任保険

太陽光発電の施設賠償責任保険の内容

火災保険や地震保険は、「自らの発電所への被害」を補償するものです。

そのため、太陽光パネルが飛散して第三者や他の建物に被害が出た場合には補償対象となりません。このようなケースに備えるためには、第三者への被害が補償対象となる保険に加入する必要があります。

施設賠償責任保険では、自然災害や管理不備などによって、「他者」や「他人の建物」などに損害を与えた場合に備えるほか、「残存物片付け費用」「お見舞金」なども「事故時の発生費用」として受け取ることができます。

賠償責任保険の加入率

事業用太陽光発電における、賠償責任保険の加入率は以下のとおりです。

  • 低圧15%
  • 高圧/特別高圧32%

賠償責任保険は、火災保険に比べると加入率が高い保険とはいえません。建物の立地条件によっては、加入しなくてもリスクが低いからだと推測できます。

ただし、「周辺に建物や住宅が多い場所」「人や車の通行量が多い場所」に太陽光発電システムを導入する場合は、近隣住民の安心・安全のためにも積極的な加入が求められる保険です。

(参照:資源エネルギー庁|平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査)

保険4.休業損害保険

太陽光発電の休業損害保険の内容

太陽光発電システムが自然災害などで発電できなくなった際、その間の「売電収入の低下」などによる損失を補償する保険です。

休業損害保険の加入率

事業用太陽光発電における休業損害保険の加入率は以下のとおりです。

  • 低圧13%
  • 高圧/特別高圧44%

休業損害保険の加入率は、低圧で約10%である一方、高圧/特別高圧では50%近くと差があります。

これは、発電量が多い高圧/特別高圧規模では、太陽光発電システムの停止期間が長くなった場合の損失が非常に大きいためと考えられます。

(参照:資源エネルギー庁|平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査)

太陽光発電の保険が必要な理由

事業用太陽光発電を継続していくうえで、保険への加入が必要な理由を挙げていきます。

理由1.太陽光発電の保険加入が努力義務化されている

経済産業省の資源エネルギー庁は、太陽光発電設備の保険加入の努力義務化について、以下のような記述をしています。

2020年4月より、再エネ特措法に基づく事業計画策定ガイドラインにおいて、出力10kW 以上の太陽光発電設備については、「災害等による発電事業途中での修繕や撤去及び処分に備え、火災保険や地震保険等に加入する」ことが努力義務化されています。

また、発電設備の異常または破損により地域への被害が発生した場合、第三者への損害賠償が発生するおそれもある他、突発的な損害による廃棄に備えるなど、様々なリスクに対応した備えをしておくことが重要です。

これらのリスクに対応した事業継続の備えとして保険を活用することが有効であることから、太陽光発電を行う事業者の皆様方の取組を後押しするものとして、以下の通り、民間保険会社が販売する保険商品をご紹介します。

(引用元:資源エネルギー庁|太陽光発電

「努力義務」であるため、2022年8月現在は法的な強制力はありません。しかし、「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」にも保険への加入努力義務が明示されており、太陽光発電を行う事業者は保険加入への積極的な対応が求められています。

理由2.自助努力による廃棄費用積立の必要性

「エネルギー供給強靭化法」が成立したことにより、太陽光パネルの廃棄等の費用を確実に担保するため、FIT(固定価格認定制度)の11年目から20年目は外部機関によって廃棄費用を積み立てる制度が開始します(2022年7月より順次)。

しかし、積立前〜積立中に自然災害等によって太陽光発電事業の縮小や撤廃が起きる可能性はゼロではありません。そのような万が一の事態に備えて、保険加入によって対策をしていくことが大切だという認識が広がっています。

理由3.近隣住民とのコミュニケーションや賠償責任

「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」では、地域住民とのコミュニケーションが努力義務化されています。そこで、太陽光発電システムの不具合や土砂の流出など、万が一の損害賠償責任を負う場合の適切・誠実な対応が求められます。

そのためには賠償責任を適切に行うための資産も必要ということで、保険に加入しておくことが推奨されています。

太陽光発電の保険にかかる費用

下記の表は、資源エネルギー庁が太陽光発電事業者から取得したアンケートから算出した「各保険の月額費用の平均値」の数値です。

保険の種類(n=回答数) 低圧(円/kW・月) 高圧/特別高圧(円/kW・月)
火災保険
低圧n=326、高圧/特別高圧n=109
144 78
地震保険
低圧n=20、高圧/特別高圧n=17
214 166
施設賠償責任保険
低圧n=20、高圧/特別高圧n=17
88 41
休業損害保険
低圧n=20、高圧/特別高圧n=17
43 9

(参照:資源エネルギー庁|平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査(太陽光発電に係る保守点検の普及動向等に関する調査)

上記の表の費用を踏まえると、たとえば火災保険の規模別の年間の保険料は以下のようになります。

規模 火災保険のみの平均費用(年間)
49kW(低圧) 84,672円
500kW(高圧) 468,000円
1MW(高圧) 936,000円

※太陽光発電の保険の費用感はさまざまな要因によって変化します。資源エネルギー庁のアンケート数値はあくまで平均値であるため、参考としてご覧ください。

太陽光発電の保険の費用に影響を与える要因

太陽光発電の保険にかかる費用に影響を与える要因を解説します。

立地条件

保険料は、都道府県など立地条件によって大きく変わります。それは、地域によって自然災害や地震の発生率や発生時のリスクが異なるためです。

自然災害のリスクが大きい地域とそうではない地域の保険料は、数倍の差になるケースもあるようです。

保険のプラン

保険会社は1つではありませんし、同じ保険会社でもさまざまなプランが設けられています。自社の発電所にはどんなプランが最適なのか、よく調査する必要があるでしょう。

設置工事にかかる費用

太陽光発電システムの設置工事にかかる費用も、保険料を決定する要素の1つです。もちろん保険金を受け取る際の金額にも影響します。

ここでいう「設置工事にかかる費用」には土地代金は含まないため、保険料の基準に組まれてしまっていないか確認しておきましょう。

加入時期

2022年10月から、大手損害保険会社の多くが火災保険の値上げを行う見込みです。その要因の1つは、近年多発する大型台風やゲリラ豪雨などの被害により、損害保険会社が取り扱う火災保険の収支が悪化していることです。

このように、自然災害が多発した数年後のタイミングなどで保険料の値上げが行われる可能性があります。

保険金請求の流れ

  1. 保険会社または保険代理店に連絡

    損害を確認したら、速やかに保険会社(または保険代理店)に連絡します。保険証書や契約書類などに連絡先が記入されています。

    【保険会社へ連絡する内容】
    契約者、証券番号、事故の日時や場所、事故の状況や原因、損害の程度、連絡先など

  2. 施工会社へ見積もりを依頼する

    施工会社へ状況を説明し、修理にかかる費用の見積もりを依頼しておきます。

  3. 保険会社からの回答

    加入している火災保険などの内容を確認し、補償の内容や今後の進め方などについて説明を受けます。

  4. 必要書類の送付

    保険金の請求に必要な書類を準備します。損害状況によっては、「罹災(りさい)証明書」などが必要になる場合もあります。また、損害箇所の写真の提出などが求められる場合もあるので、事前に用意しておくことをおすすめします。

    【準備する書類例】

    • 事故内容報告書
    • 損害明細書
    • 損害部分の分かる写真
    • 修理見積書
    • 保険金請求書
    • 罹災(りさい)証明書 など
  5. 保険金支払い
    調査をもとに保険金の支払いが行われます。入金後は明細などが届くので、契約通りに支払われているか確認しましょう。

施工会社や保険代理店のサポート体制も重要

このように、保険金の請求には連絡や書類の準備など工数がかかります。

太陽光発電の導入では、「施工会社や保険代理店がどこまで保険金請求をサポートしてくれるか」も重要です。

施工会社の保証制度も要チェック

保険会社の保険と同様に、施工を依頼する業者の保証体制もチェックしておきましょう。 万が一、施工会社の瑕疵により施工中、施工後に事故や不具合が起きた際、補償がでれば出費を抑えることができます。

ハウスプロデュースは20年間長期施工保証

太陽光設置お任せ隊を運営する「株式会社ハウスプロデュース」は、施工の瑕疵による不具合や事故に対して、20年間の長期施工保証を設けています。

一般的に施工補償は1年や数年の期間であることが多いですが、ハウスプロデュースは施工力に自信があるからこその長期保証となっています。

太陽光発電導入・保険加入のご相談承ります

太陽光設置お任せ隊(運営:株式会社ハウスプロデュース)は、太陽光発電関連の累計施工実績5,000件を積み上げるなかで培ったノウハウを活かし、お客さまごとに最適な設計・施工を行うEPC業者です。

大手保険会社と保証契約を締結し、各種保険についても併せてご相談いただける体制を整えておりますので、太陽光発電でコスト削減や脱炭素経営を推進したい企業・法人の方はお気軽にお問い合わせください。

電気使用量の明細等を提示いただければ、無料で導入シミュレーションを行います。

太陽光発電でわからないことがあればお気軽にご相談ください!

「導入コストや回収年数は?」「どれくらいのメリットがあるの?」「どんな補助金が使えるの?」「自社でも導入可能か?」など
どんな些細なことでも構いません! ハウスプロデュースまでお気軽にご相談ください!

0120-751-126 (平日9:00~18:30)

 執筆者
*
太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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