【法人向け】ソーラーカーポートとは?5つのメリット・デメリット解説|駐車場に太陽光発電
電気料金の高騰や政府による脱炭素化の流れから、法人・企業による自家消費型太陽光発電の需要が高まっています。
今まで企業が太陽光発電を導入して自家消費を行うには、工場やオフィスビルなど事業所の屋根に太陽光パネルを設置する方法が主流でしたが、昨今では事業所の駐車場スペースを活用して太陽光発電による自家消費が行える「ソーラーカーポート」に注目が集まっています。
目次
ソーラーカーポートとは?

「ソーラーカーポート」とは、柱と屋根で構成された簡易的な車庫に太陽光パネルを搭載した発電設備です。
具体的には、カーポート・太陽光パネル・固定金具・パワーコンディショナ(太陽光で発電した電気を直流から交流に変換する機器)・発電した電気を送電するための配線で構成されています。
ソーラーカーポートの種類には、カーポートの屋根上に太陽光パネルを設置した「搭載型」と、カーポートの屋根と太陽光パネルが一体化した「一体型」があります。これらの違いやメリット・デメリットの比較についても詳しくご説明いたします。
ソーラーカーポートの種類「搭載型」と「一体型」
ソーラーカーポートには「搭載型」と「一体型」の2種類があります。
搭載型ソーラーカーポートはカーポートの屋根上に太陽光パネルが付けられており、一体型ソーラーカーポートはカーポートの屋根自体が太陽光パネルになっています。
搭載型ソーラーカーポートのメリット・デメリット比較

搭載型ソーラーカーポートのメリット |
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搭載型ソーラーカーポートのデメリット |
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搭載型のソーラーカーポートのメリットは、既存のカーポートに対して太陽光パネルを設置できるため比較的自由にカスタマイズができることです。
また、駐車場のスペースに合わせたサイズ変更やデザインなどオーダーメイドも可能です。
デメリットは、オーダーメイドの内容によっては一体型よりも設置費用が高くなる場合があることです。
また、既存のカーポートの多くは太陽光パネルの搭載を前提として設計されていないため、一体型よりも耐久性が弱くなる場合があります。
一体型ソーラーカーポートのメリット・デメリット比較

一体型ソーラーカーポートのメリット |
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一体型ソーラーカーポートのデメリット |
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一体型のソーラーカーポートのメリットは、スタイリッシュな見た目ながらも、両面で発電が可能な商品や積雪・風圧性能に優れた高機能な商品が多いことです。
デメリットは、カーポートの仕様があらかじめ決まっているため細かいオーダーメイドができないことや、搭載型と比べて商品のラインナップが少ないことが挙げらます。
ソーラーカーポートの種類「4本足タイプ」と「2本足タイプ」
ソーラーカーポートの架台部分には「4本足タイプ」と「2本足タイプ」の2種類があります。
4本足のソーラーカーポートは、前後左右に2本ずつ柱で屋根を支えている形状のカーポートを指します。
2本足のソーラーカーポートは、後方左右にのみ1本ずつの柱で屋根を支えている形状のカーポートを指します。
4本足のソーラーカーポートのメリット・デメリット比較

4本足のソーラーカーポートのメリット |
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4本足のソーラーカーポートのデメリット |
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4本足タイプのメリットは、カーポートの種類が多いことに加えて2本足タイプよりも設置費用を安価に抑えられることです。
デメリットは、前方の柱によって駐車しづらくなることや、2本足タイプと比べて柱の本数が多いため景観を損なう場合があることが考えられます。
2本足のソーラーカーポートのメリット・デメリット

2本足のソーラーカーポートのメリット |
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2本足のソーラーカーポートのデメリット |
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2本足タイプのメリットは、前方に柱がないため駐車がしやすいことです。
デメリットは、4本足タイプに比べて設置費用が高くなりやすいことです。2本足で屋根を支えながら耐久性を保つためには、カーポートの接地面を大量のセメントで固定する必要があるためです。
ソーラーカーポートを選ぶ際のポイント
ソーラーカーポートの選び方については、既存の駐車場の形状や用途に合ったものを選ぶことをおすすめします。
例えば、不特定多数の車が頻繁に駐車する来客用の駐車場であれば、設置費用が高くなっても駐車しやすい「2本足タイプ」を選ぶことで来客者の利便性を保った方が良いケースがあります。
従業員用駐車場などの場合は、来客用ほど気を配る必要はなくなるため、費用対効果を優先して「4本足タイプ」を選ぶ方が良いケースもあります。
このように、ソーラーカーポートを選定する際は、製品の だけではなく利用者の属性なども考慮しましょう。
ソーラーカーポートを設置するメリット
企業が自社の駐車場にソーラーカーポートを設置するメリットは多岐にわたります。ここではソーラーカーポートで得られる4つのメリットをご紹介いたします。
発電した電気を無料で使用できる(電気代削減)

ソーラーカーポートは、通常の太陽光発電システムと同様に太陽光から電気を作り出すことができます。
企業が自社の駐車場にソーラーカーポートを設置することで、駐車場で発電した電気を事業所に供給することができます。
ソーラーカーポートから供給された電気は無料で使用できるため、電力会社からの購入電力を減らして事業所の電気代削減につながります。
太陽光発電による電気代削減効果については、下記の記事でも詳しく解説しております。ぜひご一読ください。
屋根以外のスペースで太陽光発電を行える(敷地の有効活用)
企業が自社の事業所の屋根を活用して太陽光発電を設置するには、屋根に太陽光パネルを設置するためのスペースや強度が必要になります。
そのため、「屋根のスペースが足りない」「屋根の強度が足りない」などの理由によって、太陽光発電が設置できないケースがあります。
ソーラーカーポートの場合、屋根に太陽光発電を設置できない事業所でも、駐車場スペースを有効活用することで太陽光発電を設置できます。
また、すでに屋根に太陽光パネルが設置されている事業所であれば、追加でソーラーカーポートを導入することで発電量の底上げが可能です。
脱炭素への取り組み(CO2削減)
企業が自社の駐車場にソーラーカーポートを設置して、太陽光で作った電気(再生可能エネルギー)を、自社のビジネスで利用することでCO2排出削減に取り組めます。
昨今、脱炭素やカーボンニュートラルといった国際的な流れにより、企業によるCO2など温室効果ガスの排出に対する規制が厳格化しています。
企業が自らソーラーカーポートを導入して再生可能エネルギーを調達することで、CO2排出規制に対するリスクヘッジや社会的信用の向上につながります。
EV充電器や蓄電池との連携が可能(EV化・停電対策)

昨今、国内での電気自動車(EV/V2H)の需要が急速に高まっておいます。
企業がソーラーカーポートを設置することで、発電した電気を電気自動車やEV充電設備に供給することができます。
電気自動車を利用するユーザーが増えているなか、企業が自社の店舗や事業所にソーラーカーポートやEV充電設備を設けることでユーザーの利便性向上につながり、来客数アップや従業員の満足度の向上にも期待できます。
また、ソーラーカーポートは蓄電池と連携することも可能です。ソーラーカーポートで発電した電気を蓄電池に貯めておくことで、災害時における停電対策としても活用いただけます。
国の補助金を活用して導入できる
ソーラーカーポートの導入の際は、国や自治体の補助金を活用できる場合があります。
補助金を活用することでソーラーカーポートの設置費用を抑えて費用対効果を更に高めることができるため、事前に使用できる補助金があるかを確認しましょう。
ソーラーカーポートの補助金に関する最新情報や採択にかかる選定ポイントについては下記のコラムでも紹介しておりますので、合わせてご確認ください。
ソーラーカーポートを設置するデメリット
ソーラーカーポートを設置するうえで把握しておきたいデメリットについても触れていきます。
設備導入に一定の初期費用がかかる
ソーラーカーポートは、カーポート(架台)自体にも費用がかかる分、屋根に設置するよりも初期費用が高くなる傾向があります。
もちろん、発電した電気を無料で使用できるため、長期的に見れば初期費用以上の経済的メリットが期待できます。
ただし、初期費用の回収期間を短くするためには「設置費用」「削減効率」「ランニングコスト」「補助金の有無」などあらゆる面を考慮する必要があります。
予測どおりの発電量が得られない可能性もある
ソーラーカーポートは太陽光発電と同様に、天候によって発電量が左右されます。
曇りでは晴天時の10分の1から3分の1程度、また雨天ではほとんど発電が見込めません。
専用のシミュレーションソフトによって、どの程度の発電量が得られるか事前に予測できますが、天候はコントロールできないため想定よりも発電量が低くなる場合があります。
ただし、高性能なシミュレーションソフトでは長期間の気象データをもとに発電量を計算できるため、太陽光発電システム事態に異常がない限りは予測を大きく外す可能性は低いとされています。
固定資産税の対象となる
ソーラーカーポートは固定資産税に含まれる場合と含まれない場合があります。
定格出力が10kW未満の住宅用ソーラーカーポートの場合は「原則、固定資産税の対象外※1」です。
ただし、定格出力10kW以上の産業用ソーラーカーポートの場合、事業用途設備に区分されるため「固定資産税の対象」となります。
- ソーラーカーポートは、税務署の判断により固定資産税の対象となる場合がありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
ソーラーカーポートの固定資産税の計算方法に関しては、下記のコラムで紹介しておりますので合わせてご確認ください。
建築確認申請が必要になる
ソーラーカーポートが固定資産税の対象となる場合、施行準備段階で建築確認申請が必要となります。
ソーラーカーポートの施工に慣れていない業者の中には「建築確認申請」が必要となることを把握していない業者も散見されます。
施工前に建築許可を受けなければ工事を進められなくなるため、事前に申請の準備を進めておきましょう。
ただし、下記の条件をすべて満たす場合は建築確認が不要となります。
- 防火地域および準防火地域外である
- 既存建築物がある敷地内の増築で用途上不可分の建築物である
- 延べ床面積の合計が10平方メートル以内である
また、建築確認申請のみでも15万円から30万円程度の費用が発生するため、費用負担を抑えるためには、ソーラーカーポートの仕様については固定資産税に関するノウハウがある施工業者に相談することが重要です。
ハウスプロデュースでは、設備導入に伴う建築確認申請に必要な書類作成や自治体の建築指導課への申請手続きなどもサポートしております。申請手続きに関する施主の負担を最小限に抑えます。
売電を行う場合は電力会社との接続契約が必要
ソーラーカーポートに限らず、太陽光発電で売電を行うためには以下両方の手続きが必要となります。
- 経済産業省から事業計画認定を受ける
- 管轄の一般送配電事業者(大手電力会社)と接続契約を交わす
申請書類の作成や手続きに関しては、どちらも販売施工業者で対応してもらえるので、問い合わせの際に売電を行う趣旨を含めて相談しましょう。
ソーラーカーポートの設置費用(令和5年時点)
ここでは住宅用と産業用の2つの用途に分けて、ソーラーカーポートの設置費用の相場価格について解説します。
住宅用ソーラーカーポートの設置費用
ソーラーカーポートは駐車台数が多いほど、太陽光パネルを多く設置できます。
最小限の発電量を確保するためにも駐車台数2台以上から販売しているメーカーが多いです。
駐車場2台用 |
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駐車場3台用 |
駐車場4台用 |
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- 上記の「設置費用」は各メーカーの販売価格や工事内容によっても異なります。上記はあくまで令和5年時点の相場価格となりますので目安として参考にしてください。また、追加工事などが必要となる場合、追加費用が発生します。実際に導入する場合は見積書を確認して予算に合わせてご検討を進めて下さい。
ソーラーカーポートの設置費用
産業用ソーラーカーポートは、家庭用と比べてさまざまな駐車台数や面積などの条件があります。よって一概に費用を算出することは難しいため、ここでは2台あたりの価格相場でお伝えします。
2台あたりの設置費用 |
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産業用ソーラーカーポートは家庭用とは違い設置するkW数が大くなります。
そのため初期投資の総額は大きくなりますが、太陽光パネル等の材料を一度に大量発注でき、得られる発電量が増えるため1kWあたりの単価が抑えやすい特徴があります。
- 上記の「設置費用」は各メーカーの販売価格や工事内容によっても異なります。上記はあくまで令和5年時点の相場価格となりますので目安として参考にしてください。また、追加工事などが必要となる場合、追加費用が発生します。実際に導入する場合は見積書を確認して予算に合わせてご検討を進めて下さい。
- 初期費用が不要
- 自社のCO2排出削減に貢献
- メンテナンス費用をPPA事業者が負担(電力契約期間中に限る)
- PPA事業者に電気代を支払うため自社で購入するよりは収益性が落ちる
- 税制優遇の対象外
- 使用できる補助金が限られる
- 両面発電可能な太陽光パネルの搭載による優れた発電効率
- フラットなデザインながらも高い積雪耐性
- 当社は、「TM2 Dulight」の特定代理店です。
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株式会社ハウスプロデュースは、国内で限られた「TM2 Dulight」の特定代理店としてネクストエナジー・アンド・リソース株式会社から認定を受けております。
- 導入目的
- 製造コスト削減に加えて、早期の再エネ導入による脱炭素促進で業界リードを目指したい
- 導入効果
- 全国事業所の約9%(60万kWh)の消費電力を削減
- 製造過程におけるCO2排出量を年間300t削減
- 新設工場を設置予定となる遊休地の有効活用
- 経済合理性が見込めない場合での無理な提案
- 過剰なシステム容量での設計
- 無責任な外部への業務委託
- 引渡後にお客様が困るような設計・施工
PPAならソーラーカーポートの無料設置できる(初期費用)
通常、ソーラーカーポートの導入には一定の初期費用が必要になりますが、近年注目されている「PPA」という導入制度を活用することで、初期費用無料でソーラーカーポートを設置できます。
PPAとは、電力契約の一種でありPPA事業者が所有する太陽光発電システムから電気を購入する方法です。
具体的には、PPA事業者が企業(需要家)に代わりソーラーカーポートを購入し、その設備を企業の事業所に設置して運用します。
一方、企業側はソーラーカーポートで削減できた電力量に応じて電気代をPPA事業者に支払います。

PPAによるソーラーカーポート設置のメリット・デメリットの詳細は下記の通りです。
PPAのメリット |
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PPAのデメリット |
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法人向けソーラーカーポートのおすすめメーカー
ソーラーカーポートのメーカーを比較する際には、価格だけではなく性能や保証なども考慮することが大切です。
ただしソーラーカーポートは比較的新しい設備になるため、取り扱いメーカーが少ないことが特徴です。
ここでは、当社がおすすめしているソーラーカーポートの価格・性能・保証の面で非常に高いレベルでバランスの取れた「Dulightシリーズ」を紹介します。
Dulightシリーズ

Dulightシリーズは、国内を代表する太陽光発電システムメーカーであるネクストエナジー・アンド・リソース株式会社により新規展開されたソーラーカーポートです。
Dulightシリーズには、家庭用と産業用の両方に対応したモデルがあり、以下のような特徴を持っています。
なかでも最新モデルとなる「TM2 Dulight(産業用)」は、3次元傾斜対応の独自仕様が施されており、一般的な一体型ソーラーカーポートと比較して設置費用を抑えて導入できます。
さらに、カーポート本体補償12年間・リニア補償30年間・製品補償20年間の手厚いメーカー保証が付帯されています。
ソーラーカーポートの導入事例
最後に、ハウスプロデュースのソーラーカーポートの導入事例を紹介します。
従業員専用の駐車場へのソーラーカーポート設置

「株式会社特殊金属エクセル」様からご相談いただいた当初、工場での電力消費を賄うため屋根上に自家消費型太陽光発電を導入を提案しておりました。
しかし、シミュレーションの段階で工場での消費電力が想定以上に大きく「屋根一面に太陽光パネルを敷き詰めたうえでソーラーカーポートも設置すれば、さらに発電量が確保できるのではないか」という結論に至りました。
そこで、工場の屋根上に加えて従業員用の駐車場スペースを有効活用したソーラーカーポートの導入も合わせてご提案させて頂きました。
これにより、事業所のスペースを圧迫することなく、屋根上の太陽光発電設備だけでは不足していた発電量の増加を実現しました。
ソーラーカーポートの設置は当社にお任せください
ここまでソーラーカーポートのメリットやデメリット・設置費用・補助金制度・について解説しました。
実際にソーラーカーポートを設置する際には、専門家からのアドバイスをもとに検討することをおすすめします。
ハウスプロデュースは累計5,000以上の太陽光発電の導入実績があり、ソーラーカーポートの設備導入では、提案・設計・施工・メンテナンス・アフターフォローまで一貫して対応できる体制を構築しております。
お客様のご要望を踏まえた上で、最適なご提案でソーラーカーポートの導入を実現します。
また、今回ご紹介した「TM2 Dulight」は、同社が認定した特定代理店でのみの販売が許可された製品となります。
「TM2 Dulight」を導入できる施工業者は限られており、ハウスプロデュースはその1社としてメーカーより公式認定を受けています。
TM2 Dulightはもちろん、その他のメーカーのソーラーカーポートの導入についてもお気軽にご相談ください。
当社は以下のようなご提案・設計・施工は一切行いません。
上記のポリシーを厳守したうえでお客様に向き合いますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
ハウスプロデュースにお気軽にご相談ください
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