自家消費ブーム到来!オフィスや工場の屋根に太陽光発電を設置するにはどのくらいの面積が必要?

企業のオフィスや工場などの屋根へ太陽光パネルを設置し、自社で使用する電力を自前で賄う「自家消費型太陽光発電」が注目されています。

発電した電気を自社で使用できるため、導入前に比べて電力会社から購入する電気の量が減り、ランニングコストの節約はもちろん、非常時にも電源が確保できBCP対策の面でも有効です。

しかし、そもそも自社ではどの程度の電力が必要とされるのか、そのためにはどの程度の規模の太陽光発電システムを導入する必要があるのかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、屋根に太陽光発電パネルを設置する場合、どの程度の面積が必要なのか、事例などもあわせて紹介します。なお、社屋や施設の規模によっても必要な発電量は異なるため、オフィスと工場の2パターンに分けて解説しています。

自社で検討している太陽光発電システムの規模に応じて、ぜひ参考にしてみてください。

オフィスの屋根やビルの屋上に太陽光発電を設置する場合

オフィスの屋根やビルの屋上に太陽光発電を設置する

オフィスやビルの屋根・屋上へ太陽光発電システムを導入する場合、どの程度の電力が必要で、そのために面積はどの程度確保する必要があるのか、事例も含めて紹介しましょう。

オフィスの屋根やビルの屋上に太陽光発電を設置できる面積

そもそも太陽光発電に用いられる太陽光パネルは、メーカーや製品によってサイズ・大きさが異なります。たとえば、使用頻度が多い250Wクラスのパネルで比較してみても、国内大手メーカーによって以下のような違いがあります。

         
幅(mm) 奥行き(mm) 高さ(mm)
SPR-E20-250(東芝) 1,559 798 46
HIT P255αPlus(Panasonic) 1,580 812 35
NQ-256AF(シャープ) 1,318 990 46
KJ270P-5ETCG(京セラ) 1,470 990 36
PV-MA2530N(三菱電機) 1,657 858 46

上記の表を見てもわかるように、たとえば三菱電機の製品とシャープの製品では300mm以上の幅の違いがあります。このような違いが生じるのは、太陽光パネルには統一の規格が存在しないことが大きな理由として挙げられるでしょう。

太陽光パネルとして販売されている製品の多くは、120mmから150mm程度の太陽電池セルを組み合わせて構成されています。採用する太陽電池セルの大きさや枚数、並べ方の違いによって上記のような差が生じます。

そのため、一概に屋根や屋上の面積に応じて「◯枚の太陽電池パネルが設置できる」とは断言できません。また、屋根や屋上の形状・角度などによっても設置可能な枚数は異なります。

オフィスに必要な面積は、従業員1人あたり8〜10平方メートルといわれています。仮に10人の従業員が勤務する小規模オフィスであれば、床面積は1フロアあたり100平方メートル、屋根の面積は1.5倍にあたる150平方メートルと想定できます。

東芝の太陽光パネルを設置する場合で考えてみると、単純計算で120枚程度が設置できることになります。ただし、ビルの屋上となると屋根に比べて面積は狭くなるほか、メンテナンス用のスペースも確保しなければならないため、実際に設置できる枚数はさらに少なくなります。

オフィスの屋根ではどのくらいの電気が作れて、どのくらい賄える?

オフィスの屋根ではどのくらいの電気が作れて、どのくらい賄える?

では、上記で挙げた例をもとに太陽光発電システムを設置した場合、どの程度の電力が賄えるのでしょうか。1枚あたり250Wの発電が可能な太陽光パネルは、40枚で10,000W、すなわち10kWの出力となります。

150平方メートルの屋根面積があるオフィスで考えると、単純計算で120枚のパネルが設置できるため、30kW程度の出力となります。ただし、先述したようにメンテナンス用のスペースを確保する必要があるため、10kWから20kW程度が現実的といえるでしょう。

ちなみに、オフィスビル内で使用される電力は、一般的に1平方メートルあたり70W程度とされています。これを100平方メートルのオフィスに換算すると、7kWが最低限必要ということになります。

注意点として、太陽光パネルによる発電量はつねに一定ではなく、天候や時間帯によっても左右されるため、あくまでもひとつの目安として覚えておきましょう。

屋根や屋上以外で必要なスペースの面積

太陽光発電を導入するためには、屋根や屋上へ太陽光パネルを設置して終わりではありません。

高圧電力契約をしている場合は発電した電力をオフィス内まで送電する「キュービクル」>とよばれる設備が必要ですし、夜間や非常時などにも使えるよう電力を蓄えておきたい場合は「蓄電池」なども必要です。

これらの設備は太陽光パネルと比較しても重量があるため、屋根へ取りつけることが難しいこともあります。その場合は、設置スペースを別途確保しておく必要があります。

キュービクルは建物の規模によってもサイズが変わりますが、幅2メートルから3メートル程度、奥行きや高さは1メートルから2メートル程度の大きさのものが多いです。

また、蓄電池も容量に応じてサイズはさまざまで、企業向けの20kWから30kW程度のものであれば、幅1メートル程度、奥行きは0.5メートル程度のものが多いです。

ハウスプロデュースによるオフィス屋根への導入・シミュレーション事例

北海道の介護施設様へ、設置面積300平方メートルの太陽光発電を導入した事例があります。従業員数30名の施設で、ランニングコストの削減を目的に検討していただき、年間96.9万円の経費削減が見込まれています。

また、そのほかにも、長野県岡谷市の企業様で46.2kWの太陽光発電を屋根上へ設置いただいた事例があります。

オフィス屋根への導入・シミュレーション事例

工場の屋根に太陽光発電を設置する場合

次に、工場の屋根へ太陽光発電を設置する場合について見ていきましょう。こちらも同様に、必要な面積や発電量、事例などをもとに紹介します。

工場の屋根に太陽光発電を設置できる面積

工場は一般的なオフィスに比べると面積が広く、広大な屋根を活用できるため多くの電力を発電できます。しかし、ひと口に工場といっても規模はさまざまで、導入する太陽光パネルの大きさによっても設置できる枚数は異なります。

そこで今回は、わかりやすい目安となるよう、床面積が1,000平方メートルの工場を例に算出します。

オフィス向けの例として紹介した東芝製の太陽光パネルの場合、100平方メートルあたり80枚を設置できる計算となります。そのため、1,000平方メートルの工場であれば、理論上800枚の太陽光パネルが設置できることになります。

ただし、工場の屋根へ設置する場合であっても、メンテナンスや点検のためのスペースを設けておく必要があるため、実際に設置できる枚数はさらに少なくなるでしょう。

工場の屋根ではどのくらいの電気が作れて、どのくらい賄える?

上記で例に挙げた1,000平方メートルの工場の場合、どの程度の電気が賄えるのでしょうか。1枚の太陽光パネルで250Wの出力が出ると想定した場合、800枚に換算すると20万W、すなわち200kWの電力となります。

メンテナンス用のスペースを確保するために、仮に500枚のパネルを設置した場合で考えてみると、125kWの電力として換算できるでしょう。

ちなみに、日本経済国際共同研究センターの「工場の電力需要に関するアンケート調査」によると、従業員数29人未満の小規模な工場では最大需要電力が100kW前後とされており、太陽光発電でも十分供給できるレベルといえるでしょう。

ただし、これはあくまでもアンケート調査での数値であり、工場によっても求められる電力量は異なるため参考データに過ぎません。自社の電力が賄えるかどうかについては、実際の電力消費量をもとに検討する必要があります。

工場従業者数別最大需要電力

(画像引用:「工場の電力需要に関するアンケート調査」調査結果の概要速報版|日本経済国際共同研究センター)

工場屋根以外で必要なスペースの面積

工場の屋根へ太陽光発電を設置する場合でも、オフィスと同様にキュービクルや蓄電池といった周辺機器や設備をあわせて設置する場合があります。

オフィス屋根への導入・シミュレーション事例

(ビルの屋上に設置されたキュービクル)

ビルの場合は屋上に設置することも可能ですが、工場の屋根はビルの屋上のように堅牢な構造ではない場合も多いため、地上に設置スペースを確保しておく必要があるでしょう。

比較的発電規模が小さいオフィスの場合、キュービクルは小型のもの1台で賄うこともできますが、100kWクラス以上の規模に対応するとなると複数のキュービクルを組み合わせて設置する必要があります。そのため、幅は5メートルから10メートル程度、奥行き2メートル程度の設置スペースを確保すべきだと想定されます。

さらに、蓄電池も発電規模に応じた製品を選ぶ必要がありますが、工場で使用するような産業用蓄電池の本体サイズは、幅や高さは1メートルから2メートル程度、奥行きは1メートル程度のものが多いです。

工場屋根に太陽光発電設備を導入するメリットについて、以下の記事でも詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

ハウスプロデュースによる工場屋根への導入・シミュレーション事例

弊社では、設置面積1,000平方メートル以上の工場に対し、太陽光発電の豊富な導入実績があります。

たとえば、岡山県内にある機械製造工場では、1,200平方メートルの設置面積に太陽光発電を導入。導入時から補助金活用のアドバイスまでトータルで支援させていただいた結果、年間で約140万円の電気代削減が見込まれています。

工場屋根への太陽光発電導入・シミュレーション事例

また、千葉県にある金属加工工場で、1,100平方メートルの設置面積に太陽光発電をシミュレーションした事例もあります。太陽光発電だけでなく、新電力への切り替えも同時に進めた結果、年間で236.2万円もの電気代削減が見込まれています。

工場屋根への太陽光発電導入・シミュレーション事例2

後からパネルの増設はできる?

「太陽光発電を導入した時点では発電容量が十分であったものの、事業拡大などにともない、不足するようになった」または「空きスペースを活用して太陽光パネルを増設したい」といったケースも考えられます。

このような場合、太陽光パネルを増設することは可能ですが、いくつか注意しておかなければならない点があります。

メーカーを確認する

パネルを増設する場合には、既存で設置しているメーカーと同一の製品を選ぶようにしましょう。もし異なるメーカーのパネルを導入した場合、メーカー保証の対象外となり、保証を受けられなくなる可能性があります。

また、太陽光パネルはパワーコンディショナーとよばれる機器に接続しますが、そもそも異なるメーカーのパネルでは取付ができないケースもあります。

自分だけでは判断が難しいため、メーカーや太陽光発電の業者に相談することをおすすめします。

導入時の施工業者へ増設を依頼する

増設の施工を依頼する際には、現在運用している太陽光発電を施工した業者へ依頼するのがベストです。製品本体を対象としたメーカー保証とは別に、施工業者のなかには施工補償を行っているところも存在します。

導入時と別の施工業者へ増設を依頼してしまうと、その時点で施工補償の対象外となる可能性もあるため注意しましょう。

まとめ|土地や屋根の有効活用になる太陽光発電

オフィスや工場など、建物の規模によって床・屋根の面積は異なり、必要とされる電力量も変わります。エネルギー効率を高めランニングコストを削減し、土地を有効的に活用するためにも、屋根や屋上への太陽光発電の設置はおすすめの方法といえます。

太陽光発電は設置面積に比例して発電量も大きくなりますが、その分、導入コストやメンテナンスコストもかかります。自社に最適な発電規模はどの程度なのかを把握したうえで、必要な電力を確保するためにオフィスや工場の屋根を活用した太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。

導入メリットや電気代削減、節税効果などを詳しく解説

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 執筆者
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太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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