太陽光発電の増設とは?メリット・注意点・費用・実際の効果まで徹底解説

太陽光発電システムは、既存システムに新たにソーラーパネルを「増設」することで、発電量を底上げできます。

企業や法人の場合、自社の電力使用状況やシステムの費用変動に応じて増設を行うことで、太陽光発電から得られる利益をさらに高めることが可能です。

この記事では、太陽光発電システムの増設のメリットや注意点を解説します。また、増設した際の実際の効果を検証したシミュレーションも紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。

太陽光設置お任せ隊は、累計6,500件以上の太陽光導入実績を持つ施工業者です。当社ではさまざまな業種のお客さまからご相談をお受けしております。⇒お任せ隊の施工実例と導入効果を見る

太陽光発電の増設とは?

太陽光発電システムの増設とは、既存のシステムに新たなソーラーパネルを追加することを指します。
これにより、システムの総発電量が増加し、全体の発電効率が向上します。

ただし、太陽光発電システムの増設を行うには、設備投資が追加で必要となります。
そのため、増設を行うタイミングや注意点を考慮して検討する必要があります。

当社は太陽光発電システムの増設のご相談を承っております。「増設による導入効果を聞いてみたい」という方はお気軽にご相談ください。⇒太陽光発電の増設の効果を聞いてみる

太陽光発電の増設を行うメリット

太陽光発電の増設を行う主なメリットは、太陽光発電で得られる利益のアップです。

ここでは、増設のメリットとその仕組みについて解説します。

売電収入や電気代削減の経済的メリットが高まる

既存の太陽光発電システムに新たなソーラーパネルを増設することで、ランニングコストを大きく変えることなく、システムの総発電量だけを増やすことができます。

太陽光発電システムは、発電した電力を売電や自家消費することにより、売電収入や電気代削減などの経済的メリットが得られます。

そのため、増設によって発電量を増やすことで、太陽光発電から得られるメリットをさらに高めることができます。

発電効率の低下を防げる

太陽光発電システムにおいて、パワーコンディショナの容量を超えてソーラーパネルを搭載することを「過積載」と言います。

ソーラーパネルの増設を行うことで、過積載状態となり、ピークカットが発生する可能性があります。

ピークカットとは、発電した電力がパワーコンディショナの容量を超えた際に、その超過分を売電や自家消費に利用できなくなる状態を指します。この超過分の電力は有効利用されないため、表面上は損失のように見えるかもしれません。

しかし、太陽光発電システムは常時最大限の発電を行うわけではなく、早朝や夕方の時間帯では昼間と比べて発電量が減少します。そのため、増設により、1日を通した発電量が増加させることで、全体としての収支にプラスの影響を与える可能性が高いです。

太陽光発電の増設を検討するべきタイミング

太陽光発電の増設に失敗しないためには、タイミングを図って実施することが重要です。
ここでは、増設を検討すべきタイミングについて解説します。

太陽光発電のシステム費用が低下している時

ソーラーパネルやパワーコンディショナなど、太陽光発電システムのコストは年々低下しています。

資源エネルギー庁の資料によると、設備容量が10kW以上の場合の太陽光パネルの費用は、2017年から2022年の5年間で約6.6万円/kW低下しています。

例えば、2017年に10kWの太陽光発電システムを導入した場合、太陽光パネルの費用は約168万円だったのに対し、2022年では102万円にまで減少しています。

つまり、約66万円も安いコストで10kWの発電量を新たに確保できることになります。

太陽光発電の設置コスト
(引用元:太陽光発電について(PDF)|資源エネルギー庁)

売電に加えて電気代削減も行いたい時

売電収入を目的としてソーラーパネルを事業所に導入した企業が、電気代の削減も目指す場合、敷地内に追加のソーラーパネルを設置するのは有効な戦略です。

これにより、売電と自家消費を組み合わせることが可能となり、経済的なメリットが高まります。

さらに、固定価格買取制度(FIT)の売電契約期間が終了した後、既存のソーラーパネルも自家消費用に切り替えることで、新旧のパネルを組み合わせることにより、電気代のさらなる節約が可能になります。

太陽光発電の増設を行う際の注意点と対策

太陽光発電の増設を検討する際に留意しなければならない注意点について解説します。
また、これらの注意点への対策も紹介します。

保証が外れる場合がある

太陽光発電システムを増設する際、いくつか重要な注意点があります。
まず、既存のソーラーパネルと異なるメーカー製品を使うと、メーカー保証が無効になる可能性があります。

そのため、既存のソーラーパネルと異なる製品を採用する場合、メーカーに保証の条件を確認しましょう。また、既存のパワーコンディショナと新しいソーラーパネルの互換性も確認が必要です。

また、増設工事を行う際に既存のシステムに干渉しないかを確認することが大切です。

万が一、干渉する恐れがある可能性がある場合は、既存の太陽光システムとは異なる箇所(空き地や駐車場)に設置する選択肢もあります。
また、既存システムとは別のキュービクルに接続する場合、既存のシステムに影響を及ぼさずに増設することが可能です。

これらの点を考慮することで、太陽光発電システムの増設をスムーズに進めることができます。

FITの売電単価が低下してしまう場合がある

2017年の固定価格買取制度(FIT)の法改正により、売電型太陽光発電の増設に関する新たな規制が設けられました。

この規制には以下の3つのルールが含まれます。

  1. 既存の主力が10kW未満であり、増設によって10kWを超える場合。
  2. 既存の出力が10kW以上であり、認定出力がわずかであっても向上する場合。
  3. 既存の主力が10kW以上で、3kW未満、または3%未満の範囲を超える増設を行う場合。

これらの規制に違反すると、FITによる売電単価が増設工事を行った時点の価格に変更されるため、売電収入を増やす目的での増設は実質的に困難な状況です。

ただし、自家消費を目的とした増設においては、これらの規制を受けずに増設が可能です。

費用対効果が得られるか十分に検証が必要

太陽光発電システムの増設を考える際は、増設による費用対効果の変化を入念に検証しましょう。

増設に投じた費用が回収できなければ、増設する意味がありません。

増設による発電量の増加と必要なコストのバランスを慎重に評価し、最も収益性の高いシステム容量を決定することが重要です。

もし増設のメリットが不明確な場合は、専門家に相談し、複数のシミュレーションを作成してもらいましょう。

実例!太陽光発電システムの増設はどのくらいの効果がある?

当社ハウスプロデュースが実施した太陽光発電システム増設の事例を紹介します。

関西に複数の工場を持つ企業さまから「既存の自家消費システムに加えて新たにソーラーパネルを設置することで、電気代削減効果を高められないか」というご相談をいただき、実際に増設の施工を行いました。

増設前
  • ソーラーパネル:150.2kW
  • パワコン:100.0kW
  • 年間発電量:163,793kWh
  • 年間電気代削減額:約231万円
増設後
  • ソーラーパネル:170.8kW
  • パワコン:100.0kW
  • 年間発電量:186,382kWh
  • 年間電気代削減額:約290万円

本案件では、お客様の電気使用状況を詳細に分析し、シミュレーションの結果、パネル容量を約20kW増やすことが最適と判断しました。

これにより年間の電気代削減額を約60万円増加させることができました。

この事例から、適切な設置条件のもとでの増設は、太陽光発電のメリットを高める可能性があることがわかります。既に太陽光発電を導入している企業でも、自社の電気使用状況に基づいて増設を検討する価値は十分にあります。

太陽光発電の増設にかかる費用について

太陽光発電システムの増設には、新たな設備投資が必要になるます。

経済産業省の令和4年度以降の調達価格等に関する意見によると、2023年度の出力10kW以上50kW未満の太陽光発電システムでは、1kWあたりの平均設置費用は17.8万円と想定されています。

例えば、50kWのシステムを増設する場合、費用は約890万円かかる計算になります。

ただし、実際の費用は設置規模や設置場所の条件によって異なりますので、上記は参考程度に留めてください。

このように、増設にかかる費用は決して安くはないため、増設による経済的メリットを検討する際は、信頼性のある業者との十分な相談が重要です。

太陽光発電システムの増設に適した設置場所

太陽光発電システムは、屋根以外のスペースを活用して設置することができます。
最後に太陽光発電システムの増設に適した設置場所について紹介します。

屋根に太陽光発電を増設する

建物の屋根にソーラーパネルを追加して増設する方法です。
工場、倉庫、事務所などの屋根にすでにソーラーパネルが設置されていても、まだ空いている屋根スペースがある場合、そこに追加でソーラーパネルを増設できます。

敷地内の空き地に増設する

工場、倉庫、店舗などの敷地内に広い空き地がある場合、そのスペースを利用して太陽光発電システムを設置することが可能です。屋根に十分なスペースがない場合でも、太陽光発電を導入できます。

駐車場に太陽光発電を増設する

ソーラーカーポート導入イメージ

事業所に駐車場がある場合は、駐車スペースを活かして太陽光発電システムを増設できます。

敷地内の屋根や空き地に十分なスペースがない場合でも、既存のシステムに干渉することなく太陽光発電システムを導入できます。

【法人向け】ソーラーカーポートのメリット・デメリットとその対策 【法人向け】ソーラーカーポートのメリット・デメリットとその対策

太陽光発電システムの増設はハウスプロデュースにご相談ください。

本記事の太陽光発電システムの増設についてまとめました。ポイントは以下の通りです

  • 既存の太陽光発電システムに新たなソーラーパネルを追加することが可能。
  • 増設によって発電量を増やし、電気代の削減効果を高めることができる。
  • 現在市販されている製品は過去に比べて安価で高品質である。
  • 既存システムのメーカーの保証を事前に確認する。

ハウスプロデュースでは、太陽光発電システムの新設と増設に関するご相談を承っています。屋根上、野立て、駐車場など様々な場所への設置経験と6,500件以上の施工実績を活かし、既存システムと干渉しない施工を得意としておりますので、すでに他社で太陽光発電システムを設置している場合でも、増設工事に対応可能です。

取り扱いパネルメーカーが豊富で、様々なシステムに対応可能です。

当社へご相談いただいたお客さまには、無料でご相談や導入効果のシミュレーションも承っております。

Contact
太陽光発電に関する
ご相談・見積もり
はこちら

執筆者:株式会社ハウスプロデュース広報部

執筆者のイラストイメージ
当社は、産業用太陽光発電システムのEPC工事を専門に手がけています。経験豊富な電気工事士やエネルギーマネジメントアドバイザーなどの有資格者が在籍。一次情報や専門家からの取材を基に、EPC事業者としての「現場から得たノウハウ」を活かしたコンテンツ作りに取り組んでいます。

Contact
太陽光発電に関する
ご相談・見積もり
はこちら

さらに詳しく知りたい方へ
気になるポイントを詳しく解説します

概算見積もりはこちら 資料イメージ
太陽光発電の増設とは?メリット・注意点・費用・実際の効果まで徹底解説
https://taiyoukou-secchi.com/column/ems/expansion/