コラム

工場の省エネ対策アイデア|8つの施策と省エネのメリットを解説

工場にとって省エネ対策は、法令遵守や環境保護だけでなく、コスト削減や企業のブランド価値を高める上でも非常に重要です。

しかし、省エネ対策に必要な初期費用が高い、導入メリットがわからないなど、なかなか実現が難しいと感じる企業も少なくありません。この記事では、工場の省エネ対策アイデアと省エネのメリットについて解説します。

工場で省エネ対策を行うメリット

設備の寿命が長くなる

工場の省エネ対策は設備を新調するだけではなく、定期的なメンテナンスや使っていない照明は消すなど、基本的な行動も大切です。たとえば、油圧装置の作動油は使用していると不純物が混じるようになり、フィルタの目詰まりの原因になったり、機械に負担をかけたりしてしまいます。

そのため定期的なメンテナンスを行うことで、エネルギー効率が高まるだけでなく設備の寿命も長くなります。また、こまめに照明や電気のスイッチをオフにする、節水を心がけるといった行動は設備への負担が軽減し、結果として省エネ対策と設備の長寿化が狙えます。

ランニングコスト削減

省エネ対策のために、これまで使用していた設備を交換するには初期費用がかかります。しかし、長期的な観点では新しい設備の導入により、維持費となるランニングコストを削減できます。また、省エネ対応の設備を導入する場合、国や地方公共団体の助成金・補助金を活用すれば、初期費用も抑えることが可能です。

企業のイメージアップにつながる

1979年に施行された「省エネ法」は2018年に改正した際、事業者クラス分け評価制度を導入しました。省エネ法で提出が義務付けられている定期報告書をもとに、Sクラス・Aクラス・Bクラスにランク付けされるもので、Sクラス評価を受けた事業者は経済産業省ホームページで優良事業者として公表されます。

また、省エネ対策は取り組み内容や成果をアピールすることで、企業のイメージアップにもつながります。その一環としてCSR(企業の社会的責任)の観点からも企業価値が高まり、営業活動や資金調達などのシーンでもアピールできます。

工場全体の省エネ対策

新電力を導入して電気料金を下げる

「新電力」とは電力自由化により新規参入した電力会社のことで、新電力を導入すればコストをかけずに省エネ対策ができます。

新電力と大手電力会社とどちらの電気料金が安いかは一律には判断できず、地域によって異なりますので、価格を比較してみましょう。また、すでに新電力に切り替えている工場でも、年月の経過とともに、新たな新電力が参入している可能性もありますので、改めて見直しをおすすめします。

その際、価格の低さだけに注目するのではなく、新電力の安定性や将来性も見極めて選ばなければ、コスト削減どころか企業に損害をもたらす恐れがあるので注意しましょう。

太陽光発電で電気を作る

太陽光発電で日中に電気を作れば電力会社から購入する電力を減らせるため、ランニングコストを削減できますが、多額の初期投資が必要になるのがネックです。

しかし、メーカー保証期間25年の太陽光発電システムを1,200万円で導入し、月間発電量が5,500kWhとした場合は1kW単価が7.27円【1,200万円÷1,650,000(25年間発電量)】となります。

電気料金単価を仮に20円であれば【20円-7.27円=12.73円】の差額となり、年間にすると84万円の削減効果が生まれます。電気料金単価は今後変動する可能性がありますが【1,200万円÷84万円】とした場合、およそ14年間で投資費用を回収できる計算となり、長期的な観点から見れば太陽光発電の導入はメリットが大きいといえます。

もう1パターンのシュミレーションをご紹介します。

年間の電気料金が300万円かかる工場が、保証期間25年の太陽光発電システムを1,200万円で導入し、年間発電量を90,000kWhとした場合を考えましょう。

土日祝が休業日としても、90,000kWhのうち約60,000kWhは太陽光で発電した電気を使用できます。(※電気使用時間によってはこの限りではありません)

現在の電気量料金単価が20円/kWhと仮定すれば、年間で【60,000kWh × 20円 = 120万円】の削減効果が生まれます。電気料金単価は今後変動する可能性がありますが【1,200万円 ÷ 120万円】とした場合、約10年で初期費用を回収できる計算となります。補助金や税制優遇を利用した場合、さらに太陽光発電導入のメリットが大きくなります。

デマンドコントロールシステムを導入して基本料金を抑える

「デマンドコントロールシステム」とは、名称の通りデマンドをコントロールするシステムで、電気料金に大きく関係しています。

そもそも電気料金は、【基本料金+電力量料金+消費税】で決まり、さらに基本料金の内訳は【単価×契約電力(最大デマンド)×力率割引】です。

30分間の平均使用電力をデマンド値と呼び、消費電力が一番高かった値が「最大デマンド」となります。過去1年間で最も高かったデマンド値で契約電力が決定されるため、基本料金を抑えるには最大デマンド値をコントロールする必要があります。

つまり、デマンドコントロールシステムで最大デマンド目標値を超えないよう設定し、空調や照明などを自動で制御することで基本料金を抑えられます。

空調自動管理システムを導入して最適な室内温度を維持する

省エネ対応の最新空調機器を導入すればランニングコストは削減できますが、空調機本体と工事費を考えると初期費用が膨大になります。その点、システム導入のみで電気料金を抑えられるのが「空調自動管理システム」です。

導入する製品によって異なりますが、設定した基準値を超える場合にアラートで知らせてくれるものや、空調機器とLAN経由で接続しブラウザで空調スケジュールを一括で設定できるなど、いくつかタイプがあります。

体感温度は人によって異なる、空調機器によっては25度に設定しても22度まで稼働する、場所によって温度設定を変える必要があるなど、人の手によって管理をするのは難しいケースもあるため、空調自動管理システムを導入すれば効率的に省エネ対策が行えます。

LED電球だけではなく、電灯器具も変更して電気の消費量を抑える

1998年に省エネ法が改正され、「トップランナー制度」が設けられました。これは、3~10年先の目標年度までに、定められた「省エネ基準」を達成しようとするものです。

これまでLED電球はその対象に含まれていましたが、LED電灯器具は普及率の低さや省エネ性能の評価方法が整備されていなかったことを理由として、対象から外れていました。

しかし、2019年に施行された新しい省エネ基準では、2020年を目標年度としてLED電灯器具も対象に加えられました。

そのため、各企業は工場で使用する設備においてLED電球だけでなく、電灯器具も導入して電気の使用量を抑えることが求められます。

エネルギーマネジメントシステムの導入で電気の使用状況を見える化する

省エネ対策には、どのくらいの電力が使用されているのか現状を把握することが重要です。「エネルギーマネジメントシステム(EMS)」は、使用している電力をデータ化しグラフや数値を「見える化」します。

エネルギーが「どのように」「どのくらい」「いつ」使われるのか一目瞭然になり、省エネ対策を効果的に実施できます。また、実施後の省エネ効果もエネルギーマネジメントシステムによって分析が容易になります。

経営者や担当者もエネルギー使用の「見える化」により、高い意識をもって省エネ対策にのぞむことが可能になるはずです。

工場向けのエネルギーマネジメントシステムである「FEMS」について、以下の記事で詳しく説明していますので、こちらもぜひご覧ください。

低コストで行える工場の省エネのアイデア

ビニールカーテンで空調費用を抑える

空調費用はコストに占める割合も大きいため、これをいかに抑えるかが省エネ施策のカギです。低コストでできる方法としてビニールカーテンの使用があり、工場の出入り口付近に設置すれば、冷房使用時に冷たい空気が外に逃げるのを防げます。

また、広い工場の中で一律に空調を作動し続ければ、コストがかかるだけでなく空調効果も下がるため、作業しているエリアをビニールカーテンで仕切るといった工夫で無駄な空調費用を削減できます。

断熱塗装で工場内の気温上昇を抑える

工場内の気温上昇を防ぐため、屋根や壁に断熱塗装を施すのも効果的です。工場面積は広大なため、すべての箇所においては難しいとしても、人が作業する場所を重点的に行えば、効果を実感できるでしょう。

その他にも手軽にできる方法として、断熱フィルムを窓に貼ることで、直射日光が直接工場内に入り込むのを遮断し気温の上昇を抑えられます。

さらに、前述した太陽光発電のためのソーラーパネルを工場の屋根に設置すれば、日光を遮断できるだけでなく、その太陽エネルギーを電力として用いることができます。

工場での省エネ対策の事例

最後に、工場での省エネ対策に成功した企業の事例を紹介します。

事例企業の概要

株式会社ミヨシは、プラスチック製品製造業を営む従業員数20名ほどの企業です。2007年に環境マネジメントシステムとエコアクション21に登録し、「見える化」と「無駄の排除」を中心とした省エネ活動に取り組んでいます。

省エネ対策前の課題

省エネ対策に取り組むまでには、「省エネは時間とお金がかかる」という固定観念やベテラン社員からの反発などいくつか課題がありました。そのため、株式会社ミヨシでは全員参加の体制作りと、お金がかからずすぐにできるものから省エネ活動を始めています。

実施した省エネ対策の内容と成果

株式会社ミヨシの主な改善活動

  • エネルギー使用状況の見える化
  • 省エネ目標設定と活動計画の作成
  • 空調効率の改善対策
  • 照明の適正化(無駄取り)
  • 圧縮エアの削減対策

それぞれの項目では、見える化によって得られた数字をもとに具体的な目標を定める、空調効率の改善対策、不要箇所の蛍光管を外すなど、さまざまな取り組みが行われています。 結果として、「エネルギー使用量(原油換算):11.2kl/年」及び「エネルギーコスト:80万/年」の削減効果が得られています。

その他、省エネ対策を通して社員の意識が変わった、経験や技術力に関係なく良いアイデアは評価されるなど、社内の雰囲気も改善にも繋がっている部分もあり、省エネ活動を取り入れたことで得られた効果は大きいといえる事例です。

まとめ

工場が省エネ対策を行うメリットと、そのための8つの施策をご紹介しました。工場を稼働する経営者にとって、エネルギーを安定的かつ低コストで確保することは最優先課題です。

電気料金は値上がりする恐れがあるため、いかに省エネ対策に充実させるかは今後の企業経営に大きな影響を与えます。長期的な視点で工場経営を見据えて、できる対策から始めてみましょう。

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