2026年度から、一部の工場や店舗を対象に太陽光発電等の再エネ設置が義務化されることになりました。
これだけ聞くと、工場・倉庫・大規模の事業所を持つ企業の方は「必ず屋根に太陽光発電を設置しないといけないのだろうか」「何かペナルティがあるのか」とご不安になる部分もあるのではないでしょうか。
結論からいえば、2026年度に直ちに太陽光発電パネルを屋根に載せる必要はありません。
一気に設置を強制するのではなく、まずは自社にどれくらい載せられるかの「計画作成」と、実際の導入量や設置可能な面積などの「報告」から段階的に始まります。
本記事では、制度の概要や、対象の企業はこれから何をすべきかなど、わかりやすく解説します。いざ設置しなければならない時に焦らずに済むように、ぜひご覧ください。
目次
太陽光発電の義務化とは?基本的な概要と背景
近年、地球温暖化対策やエネルギーの安定供給確保のため、日本国内において再エネ設備の導入義務化に向けた動きが加速しています。
これは、温室効果ガスの排出量削減という国際的な目標達成に加え、エネルギー自給率の向上や災害時のレジリエンス(災害対応力・復旧力)強化を目的としているためです。
国や一部の自治体では、特定の事業者や新築建物に対して、太陽光発電などの再エネ設備の設置の、またはその目標設定を義務付ける制度が導入され始めています。
2026年度からの太陽光発電義務化の対象と時期
経済産業省は、2026年度から特定の事業者に対し、屋根置き太陽光パネル等の導入目標策定を義務付ける方針を示しています。
対象となるのは「特定事業者」と呼ばれる企業で、具体的には前年度のエネルギー使用量の合計が原油換算で1,500キロリットル以上である事業者です。
対象施設には工場・店舗・倉庫・オフィスビルなどが含まれ、全国で約1万2,000事業者、約1万4,000カ所が該当すると見込まれています。
この義務化は、直ちに設置を強制するものではなく、まずは目標設定と報告を通じて導入を促進する「目標策定義務」として位置づけられています。制度は2段階で施行され、対象となる企業には以下の義務が発生します。
| 2026年度〜 | 「中長期計画書」において屋根置き太陽光パネル導入の定性目標を策定・報告することが求められます。 |
|---|---|
| 2027年度〜 | 「定期報告書」として施設ごとに設置可能な屋根面積や導入実績、予定出力などの詳細情報を毎年報告する義務が発生します。 |
なぜ太陽光発電などの再エネ設置が義務化されるのか?
太陽光発電の設置義務化が進められる主な理由は、温室効果ガス排出量削減・再生可能エネルギーの主力電源化・電力自給率の向上などがあります。
日本は「2050年カーボンニュートラル」をはじめとした脱炭素の目標を掲げており、その達成には再生可能エネルギーの導入拡大が不可欠です。
発電時にCO2を排出しない太陽光発電は、この目標達成に大きく貢献すると期待されています。
また、日本はエネルギー供給の多くを化石燃料の輸入に依存しており、電力自給率向上の観点からも、国内での再生可能エネルギーの普及は重要です。
さらに、工場や店舗の屋根など、これまで未利用だったスペースを分散型電源として活用することで、災害時にも役立つと考えられています。
義務化の先行事例 東京都の取り組み
全国に先駆けて、東京都では2025年4月から新築建物への太陽光発電設備の設置義務化が施行されています。
義務化の対象となるのは、建物の建て主や購入者ではなく、一定の条件に当てはまる大手ハウスメーカーなどの事業者です。これらの事業者は、延床面積2,000平方メートル未満の新築建物(住宅を含む)に対し、太陽光発電設備等の設置を義務付けられます。
太陽光発電設備の設置義務化に加えて、断熱・省エネ性能の確保も義務付けられており、都は補助金制度を拡充して導入を支援しています。
太陽光発電設置義務化に対して企業がすべき取り組み
2026年度から始まる太陽光発電の設置義務化は、対象となる企業の事業運営に大きな影響を与える可能性があります。
この新たな規制に適切に対応するためには、早期に自社の状況を把握し、戦略的な計画を策定することが不可欠です。以下、企業が具体的に取り組むべき事項を解説します。
自社の建物が対象となるかどうかの把握
まず、企業は自社が太陽光発電の設置義務化の対象となる「特定事業者」に該当するかどうかを確認する必要があります。
経済産業省の方針によると、年間エネルギー使用量(原油換算)が1,500kl以上の工場や店舗などが対象となる見込みです。
対象となる場合、自社の年間エネルギー使用量を正確に把握し、義務化の対象範囲に含まれるかを確認しましょう。
すでに省エネ法に基づきエネルギー管理指定されている事業者は、この基準を満たす可能性が高いと言えます。
太陽光発電を設置する際の計画作成
義務化の対象となる企業は、2026年度から屋根置き太陽光パネル導入の目標を「中長期計画書」に策定・報告する義務が生じます。
2027年度からは個々の施設ごとに設置可能な屋根面積・導入実績・出力などを毎年報告する必要があります。
計画策定にあたっては、以下の点を考慮に入れると良いでしょう。
導入方法
太陽光発電システムの導入でよく採用されるのは「自己所有」と「PPAモデル」の2つの方法です。
| 自己所有 | 初期費用が発生しますが、電気代削減効果によって長期的な経済メリットが得られます。 |
|---|---|
| PPAモデル | 企業側は太陽光発電設備の初期費用ゼロで導入できますが、電気代削減効果は自己所有より低くなりやすいです。 |
それぞれのモデルにはメリット・デメリットがあるため、自社の資金状況や経営戦略に合わせて最適な導入モデルを選択することが重要です。
設置場所の選定
工場や倉庫の屋根は、太陽光パネルの設置場所として最も一般的です。広大な屋根面積を持つ施設では、自家消費に必要な十分な発電量を見込める可能性があります。 また、駐車場や空きスペースを活用したソーラーカーポートなども有効な選択肢となります。
建物の耐震強度の調査
設置場所を選定する際には、建物の耐震強度や積雪荷重など、構造上の制約も考慮に入れる必要があります。既存の建物に設置する場合は、専門家による診断を受け、必要に応じて補強工事を行うことも検討しましょう。
補助金制度の活用
太陽光発電システムの導入には、国や地方自治体から様々な補助金制度が提供されています。 これらを活用することで、初期投資の負担を大幅に軽減できます。
例えば、環境省の「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」や、ソーラーカーポートの導入を支援する補助金などがあります。
PPAモデルを活用した導入でも補助金が適用されるケースも多いため、最新の情報を収集し、積極的に活用を検討しましょう。
企業が知るべき太陽光発電義務化の詳細
義務化の対象となる企業の条件と規模
2026年度から実質的な太陽光発電の導入義務化の対象となるのは、先述したように「特定事業者」と呼ばれる、年度でのエネルギー使用量が原油換算で1,500kL以上を超える事業者です。
これらの事業者は、省エネ法の改正により、非化石エネルギーへの転換が強く求められています。
義務化の具体的な内容と求められる基準
義務化の具体的な内容は、省エネ法等の改正によって定められています。
特定事業者は、非化石エネルギーへの転換目標を設定し、中長期的な計画書(中長期計画書)を提出することが義務付けられます。この計画には、太陽光発電の導入を含む再生可能エネルギーの利用拡大に向けた具体的な取り組みを盛り込む必要があります。
求められる基準は、各事業者のエネルギー消費状況や事業内容に応じて異なりますが、非化石エネルギー導入比率の向上や、エネルギー効率の改善などが主な指標となります。
義務化を怠った場合の罰則や影響
2026年からは太陽光発電に関する報告が義務化されるため、虚偽の報告をしたり、正当な理由なく報告を怠ったりした場合は、行政からの指導や勧告がおこなわれたり、罰金が科されたりする可能性があります。
【よくある質問】事業者の太陽光発電の設置義務化について
太陽光発電の設置で補助金は使える?
事業者が太陽光発電設備を設置する際には、国や地方自治体から様々な補助金制度が提供されています。主な補助金としては、経済産業省や環境省が管轄するものが多いです。
補助金の予算には限りがあり、早期に終了するケースも多いため、導入を検討する際は早めに情報収集と準備を進めることが重要です。
耐震強度に不安がある場合はどうする?
太陽光パネルの重量は建物の耐震性に影響を与える可能性があるため、設置前には十分な確認が必要です。
特に1981年6月1日以前の旧耐震基準で建てられた建物は、太陽光発電システムの設置が推奨されない場合があります。
安全性の観点から、既存耐震不適格建築物に屋根設置太陽光発電設備を設置する場合は耐震補強工事等を行うことが望ましいため、報告を求める。
令和7年度 第1回工場等判断基準WG省エネ法に関する措置について|経済産業省資源エネルギー庁
資源エネルギー庁の資料には上記の記述があることから、既存の建物に設置する際は、構造調査を行い、必要に応じて耐震補強工事を実施することが求められる可能性があります。
敷地の空いたスペースに設置してもいい?
今回の義務化に向けた報告義務の対象は、屋根の上に設置する太陽光発電システムであることが前提とされています。 そのため、この制度では、敷地内の空きスペースやソーラーカーポートは対象外となります。
しかし、義務化のために設置する場合とは別で太陽光発電システムを導入することには、制限はありません。
太陽光発電の設置義務化を進める自治体の例
ここまで国の再エネ義務化推進について解説してきましたが、自治体で独自に義務化の制度を設けているケースが増えています。
京都府
京都府は「京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」を制定しています。 これにより、再生可能エネルギーの供給量を増やし、地球温暖化対策の推進と地域社会・経済の発展を目指しています。
延べ床面積300㎡以上の建築物の新築・増築をおこなう際は、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を義務化しています。
(参照元:京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例|京都府)
群馬県
「群馬県2050年カーボンニュートラル実現条例」に基づき、大規模建築物には太陽光発電をはじめとする再エネ設備の導入設置が義務付けられています。
延べ面積2,000㎡以上の建築物を新築・増改築する建築主が対象となっています。
(参照元:特定建築主による再生可能エネルギー設備の導入義務付け|群馬県)
横浜市
横浜市は「横浜市地球温暖化対策実行計画」に基づく制度で、「設置」そのものではなく、再エネ導入の「検討と報告」を義務付けています。
延べ面積2,000平米以上の建築物が対象となっており、太陽光パネル等の導入を検討し、その結果を市に報告することを義務付けています。
(参照元:建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度|横浜市)
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当社は屋根修繕事業も手掛けており、屋根の構造を熟知しています。
導入前の屋根の強度診断や、必要に応じた補修・補強工事をセットで提案できるため、重量のあるパネルを載せる際も建物の安全性を長期的に担保できるのが最大の特徴です。
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まとめ
太陽光発電の設置義務化は、2026年度から一部の工場や店舗を対象に開始されます。。
太対象となる企業は、自社の状況を早期に把握し、具体的な設置計画の策定に着手することが不可欠です。 補助金制度の活用や専門家への相談も視野に入れ、持続可能な経営体制への転換を今から進めましょう。







