2022年からたびたび話題となった電気代高騰の傾向は、政府の緩和措置などにより、一時落ち着きをみせました。
しかし、家庭よりも多くの電力を必要とする法人・企業は、長期的な視点を持って電気代への対策を打っていくべきでしょう。
今回の記事では以下の内容について解説しますので、2026年以降に電気代対策の実施を検討している企業の方はぜひご覧ください。
- 2026年の大手電力会社による電気代値上げの概要
- 電気料金が値上がりしている原因
- 2026年の電気代の見通し
- 多くの企業が電気代削減を実現している自家消費型太陽光発電
目次
2026年は、6月以降に電気代が上昇する見込み
2026年の電気代の見通しを解説していきます。
2026年6月、大手電力会社が電気代値上げ傾向
2026年6月検針(5月使用分)の電気代について、北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力の9社が、前月に比べて値上げしている状況です。
関西電力と九州電力は、原子力発電の比率を高くし、発電にコストがかかる火力発電の比率を抑えることで、他のエリアよりも電気料金は低めになっています。
2026年は中東情勢が電気代に影響か
2026年2月末、アメリカ・イスラエルがイランへの攻撃をおこない、中東情勢は一気に緊迫化しました。2026年4月時点で、イランは、ホルムズ海峡を事実上封鎖している状況です。
日本の発電の大部分は、このホルムズ海峡を通ってくる燃料に依存しているため、上記の情勢が日本の電気代に影響する可能性は高いでしょう。
(参照元:法人電気代上げ、5月一段と 中東緊迫で燃料高騰 東電、まず4月に1割|日本経済新聞)
2026年の電気代の動き
2026年の電気代に関する主な動きを解説します。
政府支援が一旦終了することによる負担増
電気代の高騰傾向が続く状況を踏まえ、政府は2026年1月から「電気・ガス料金支援」を実施してきましたが、2026年3月使用分(4月請求分)をもって、一旦終了となる見通しです。
これにより、標準的な家庭で月額約1,000円〜1,500円程度の負担増が見込まれます。
再エネ賦課金が過去最高の4.18円へ
毎年4月に改定される「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」が、2026年度(令和8年度)は1kWhあたり4.18円と決定しました。前年度の3.98円からさらに上昇し、はじめて4円台に突入しています。
エリアによる電気代の格差が出やすい状況に
世界的な燃料の価格は、一時期の異常な高騰からは脱していますが、依然として予断を許さない状況です。
原子力発電の再稼働が進んでいる関西電力や九州電力エリアは、他のエリアと比較して価格が安定していますが、火力依存度の高い東京電力や東北電力エリアは、ホルムズ海峡の緊張など中東情勢の影響を受けやすい状態が続いています。
電気料金の値上がりが起きている「3つの原因」
昨今の電気料金の値上がりが起きているおもな3つの要因は以下のとおりです。
- 燃料価格の高騰
- 国内の電力供給不足
- 再エネ賦課金の単価上昇
1.燃料価格の高騰
電気料金の高騰に大きな影響を与えているのが、天然ガス(LNG)や石炭の「燃料価格の高騰」です。
天然ガスの価格の推移
日本における為替を考慮した天然ガス価格推移(円/mmbtu)をみていきます。
| 年月 | 天然ガス価格(円/mmbtu) |
|---|---|
| 2020年9月 | 671 |
| 2021年9月 | 1,528 |
| 2022年9月 | 3,106 |
| 2023年9月 | 1,846 |
| 2024年9月 | 1,898 |
| 2025年9月 | 1,733 |
(参考:新電力ネット|天然ガス価格の推移)
2022年の異常な高騰から比べると落ち着いてはいますが、2020年までの価格と比べると以前として高い状況が続いています。
石炭の価格推移
オーストラリアにおける石炭価格の推移を日本円に換算した価格(円/kg)をみていきます。
| 年月 | 石炭価格(円/kg) |
|---|---|
| 2020年9月 | 5.77 |
| 2021年9月 | 20.46 |
| 2022年9月 | 61.67 |
| 2023年9月 | 23.99 |
| 2024年9月 | 19.96 |
| 2025年9月 | 15.72 |
(参考:新電力ネット|石炭価格の推移)
石炭の価格も、2022年9月より低下していますが、2020年の水準からすると依然として高い価格となっています。
石炭や天然ガス(LNG)の価格が電気料金に影響する理由
2023年度の日本の電源構成は以下のとおりです。
- 火力発電・・・69%
- 再生可能エネルギー発電・・・23%
- 原子力発電・・・9%
さらに、火力発電に使用する燃料の内訳は以下のとおりです。
- 天然ガス(LNG)・・・48%
- 石炭・・・41%
- 石油・・・11%
日本が輸入する原油の約9割・LNGの約2割(時期により変動)が中東産であるため、中東の情勢によって燃料の価格が高騰すると、日本の電気料金の上昇に影響する可能性が高くなります。
石炭や天然ガスの価格が高騰した原因は?
- 新型コロナウイルスの影響
- 天然ガスの需要増加による価格上昇
- ウクライナ情勢の影響
- 円安の影響
01.新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界的に経済活動が停滞しました。その流れで、2020年4月には化石燃料の価格が一時的に下落しています。
徐々に経済活動が回復したものの、今度は化石燃料の需要増加に対して供給が追いつかない状況となりました。これにより、需給バランスが崩れて価格高騰に繋がりました。
02.天然ガスの需要増加による価格上昇
天然ガス(LNG)は、他の化石燃料に比べるとCO2排出が少ないのが特徴です。
世界的に脱炭素が叫ばれるなか、従来の石炭や石油から天然ガスへ切り替える動きがみられたため、天然ガスの需要が増加し、価格の上昇に繋がっています。
03.ウクライナ情勢の影響
ロシアによるウクライナ侵攻をうけ、EUやアメリカが経済制裁を行なっています。
ロシアは石油・石炭・天然ガスのいずれの輸出額においても世界上位の国であったため、ロシアから化石燃料の輸出が制限されたことで、価格高騰に繋がりました。
加えて、先述したように2026年は中東情勢による石油の輸出制限が行われると、これも燃料価格高騰に繋がるでしょう。
04.円安の影響
2022年度は、円安も石炭や天然ガスの輸入価格高騰に影響しています。
USドル / 円の為替レートにおいて、2021年6月は「110.1USドル / 円」でしたが、2022年6月は「133.9USドル / 円」まで上昇しています。
このように、複数の原因が重なって、石炭と天然ガス(LNG)の価格が高騰しており、その影響で電気料金が上昇しています。
2.日本国内の電力供給不足
(画像引用元:資源エネルギー庁|エネルギー白書2022・第一章 国内エネルギー動向(PDF.33ページ)) ![]()
日本国内の電力供給量をみると、2010年を境に減少していることがわかります。
なぜ国内の電力供給量が低下傾向なのか、その原因を挙げていきます。
原子力発電の停止による影響
2011年の東日本大震災のあと、原子力発電の停止が相次ぎました。
再稼働している原子力発電所もありますが、日本の発電全体に占める原子力発電所の割合が多くなっているなかで大半が停止したため、全体の電力供給にも影響を与えました。
ちなみに、2010年は日本の発電全体の25%を占めていた原子力発電所は、2020年時点では3.9%まで低下しています。
火力発電の縮小
原子力発電所だけでなく、火力発電所も規模を縮小しています。
原子力発電所が減少しているにも関わらず、火力発電まで減少している理由はおもに以下の2つがあります。
- 古い火力発電所の停止
- 再生可能エネルギーへの転換
古い火力発電所の停止
2016年の電力自由化によって、多くの小売電気事業者が参入しました。
これにより、電気料金の競争が激化し、大手電力会社は古い火力発電所は採算が合わないとして停止化を進めました。
再生可能エネルギーへの転換
世界的に脱炭素化の風潮が広がるなかで、CO2排出が少ない再生可能エネルギーへの転換の動きが進んでいることも、火力発電所の縮小の要因の1つです。
電力の供給不足が電気料金上昇の原因に
ここまで紹介したような要因によって、火力発電所や原子力発電所が縮小したことで、全体的な電力の供給が減少しています。
電力の需要が減少しているわけではないので、需要と供給のバランスがとれず、電気料金の上昇に繋がっています。
3.再エネ賦課金の上昇
再エネの普及を目指すために、政府は太陽光発電など再生可能エネルギーで作られた電気を電力会社が買い取る「FIT(固定価格買取制度)」を実施しています。
再エネ賦課金は、再エネ由来の電気を電力会社が買い取るための費用として、電気の利用者(一般家庭や企業)が電気料金の一部として負担している料金です。
再エネ賦課金の単価は、2012年は0.22円/kWhでしたが、2026年には4.18円/kWhまで上昇しています。
単価でみれば大きな差ではないようにみえますが、高圧契約をしている企業のように、大量の電気を使う施設では、再エネ賦課金だけで数百万円規模の負担に繋がっているところもあるでしょう。
騰と卸電力取引市場の取引価格値上げなどの影響を受けているためです。電気代高騰に対策!注目を浴びる自家消費型太陽光発電
ここまで、電力会社の電気代の値上がりについて解説しました。
急激な電気代高騰は家庭への負担増加はもちろん、企業にとっても経営を揺るがす大きな問題となっています。
このような背景から、昨今では「自家消費型太陽光発電システム」を導入する家庭や企業が急増しています。
自家消費型太陽光発電を個人の自宅や企業の事業所に導入することで、太陽光によって発電した電気を無料で使用できます。
そのため、発電した電気の分だけ電力会社から購入する電気が減って、効率的に電気代を削減できます。
自家消費型太陽光発電の導入事例
製造工場への太陽光発電導入で年間約1,000万円の電気代削減
- 導入先
株式会社特殊金属エクセル - 都道府県
埼玉県 - システム容量
DC容量:581.4kW
- 製造コスト削減に加えて、早期の再エネ導入による脱炭素促進で業界リードを目指したい
- 事業所における消費電力を年間約60万kWhの削減
- 製造過程におけるCO2排出量年間300tの削減
- 新設工場を設置予定となる遊休地の有効活用
まとめ
さまざまな原因が重なって電気料金の値上がりが続いており、2023年以降も続いていく可能性が十分に考えられます。
今後もその傾向が続くことが確実視されている状況では、「電気料金の上昇への対策が企業の競争力強化に繋がる」といっても過言ではありません。
企業として対策を打っていくことが得策といえる状況であり、自家消費型太陽光発電などの設備投資が企業の競争力を高めることに繋がるでしょう。
企業の電気料金削減に繋がる太陽光発電についてお気軽にご相談ください
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