コラム

税制優遇攻略!自家消費太陽光発電【即時償却と税額控除】

固定買取価格制度(FIT)が施行された2009年から11年が経過し、電力の買取価格は2012年の40円+税から2020年では13円+税にまで低下しました。

FITによる再生可能エネルギー設備の導入は急増し続け、「2030年までに再エネの導入水準を22~24%に引き上げる」パリ協定で日本が公約した目標達成に向かっています。 しかし、一方で「再エネ賦課金賦」や「消費税の増税」により、国民あたりの電気料金負担が増加しているのも事実です。

特に、製造工場や、24時間営業店舗、オフィスビル等の事業所は年間を通して電気を大量に消費するため、電力会社から電気を買うより発電設備を設置して自社で電気を賄う方が経済的メリットは大きく、太陽光発電の導入は大手企業に限らず中小企業でも拡大しています。

この様に自社(または自宅)に太陽光発電を設置して、電気を賄うことを「自家消費太陽光発電」と呼びます。まさに、「自分」で電気を「消費」する「太陽光発電」ということです。

企業による自家消費太陽光発電の拡大は、パリ協定の背景もあり国が強く推進している事業なので、法人による太陽光発電の導入は税制優遇が用意されています。

自家消費太陽光発電による税制優遇はいろいろあるので、違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。今回の記事を読んでいただくことで、事業者による自家消費太陽光発電導入で、最も経済的メリットが出る導入方法が学べます。

中小企業の太陽光発電導入で利用できる税制

  1. 中小企業等経営強化法に基づく支援措置
    内容:中小企業経営強化税制―設備導入にかかる費用の即時償却、又は10%の税額控除
    期限:令和3年3月末まで
  2. 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置
    内容:課税期間の内、3年間の償却資産税対象標準額を2/3に軽減
    期限:令和3年末まで
  3. 『生産性向上特別措置法案』に基づく固定資産税の特例措置(平成30年税制改正案)
    内容:償却資産(対象設備)に係る固定資産税の課税標準を3年間1/2に軽減、又は3年間の非課税
    期限:令和4年まで

それではまず、太陽光発電導入で利用できる税制優遇について、一つひとつ詳しく解説していきます。

中小企業等経営強化に基づく法支援措置

中小企業の事業環境悪化に伴う生産性の低迷や、人材確保・事業の継続発展が困難になっていることを受け、中小企業の生産性・経営力を向上させるためにできた制度です。経営力向上計画の認定を受けた事業者が、計画を実行するために受けられる支援措置です。

中小企業等経営強化法に基づく支援措置にはもともと、経営力向上計画に係る固定資産税の特例措置と中小企業経営強化税制の2種類あります。適用期限は令和1年3月31日となっていましたが、平成31年度の閣議により中小企業経営強化税制のみ2年間の延長措置が決定しました。

経営力向上計画に係る固定資産税の特例措置は延長措置による固定資産税の特例措置は終了しています。 しかし、既に生産性向上特別措置法に基づく固定資産税の特例措置が施行されており、こちらは自治体によって最大3年間固定資産税が1/2もしくは、ゼロとなる制度を利用することができます。

また、「経営力向上計画」の認定申請は引き続き可能です。本認定を受けた事業者は、政策金融機関からの低金利融資、民間金融機関の融資に対して特別枠での信用保証、債務保証の資金調達支援を受けることができます。

太陽光発電で利用できる中小企業経営強化税制

まず、中小企業経営強化税制を適用できる設備には、生産性向上設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)の2種類あります。A型類B型類それぞれ手続きや仕組みが変わってきます。

▲A型類
経営力の向上に資するものの指標が旧モデルと比較して年平均1%以上向上している設備が対象です。設備の要件については工業会などから証明書を取得が必要。

▲B型類
年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることにつき、経済産業大臣(経済産業局)の確認書が必要。

A類型(生産性向上設備) B類型(収益強化設備)
・測定工具及び検査工具(30万円以上/5年以内)
・器具備品(30万円以上/6年以内)
・建物付属設備(60万円以上/14年)
・ソフトウェア(70万円以上/5年以内)   
・機械装置(160万円以上)
・工具(30万円以上)
・器具備品(30万円以上)
・建物付属設備(60万円以上)
・ソフトウェア(70万円以上)

自家消費太陽光発電が該当するのはB型類になります。

さらに、中小企業経営強化税制では、即時償却と税額控除の2つの節税方法を選択できます。

▲ 即時償却の場合
中小企業経営強化税制の即時償却を選択し、自家消費太陽光発電の設備導入することで取得価格の全額を初年度に損金(税引き前利益から差し引き)として計上することができます。

例えば、2,000万円の利益(税引前)を上げている法人が1,000万円で設備取得した場合、節税対策を行っていない法人税と比べて232万円の節税効果を創出できます。

節税効果

▲ 税額控除の場合
中小企業経営強化税制で税額控除を選択した場合、設備取得価格の10%または7%を控除することができます。 控除率は法人の資本金など条件によって変わります。

  • 資本金3000万円以下の法人及び個人事業者―10%の税額控除
  • 資本金3000万円超〜1億円以下の法人―7%の税額控除
税額控除は絶対免税であるので、税額控除を選択したほうが有利になります。 しかし、例年以上に利益が上がった等、経営状況によっては初年度にメリットが得られる即時償却を選択する企業も多いです。

▲ 中小企業経営強化税制の適用手順 中小企業経営強化税制を適用する条件として、一定の投資利益率を確保する見込みであることを投資計画案を作成し、税理士への確認の上、経済産業省の所轄経済業局に確認が必要となります。

経済産業省による確認後は、経営力向上計画の認定申請を行い認定を受けることで適用されます。

     
類型 生産性向上設備(A類型) 収益力強化設備(B類型)
要件 1. 導入する設備によって、生産性が1%以上改善
2. 経営強化法の「経営力向上計画」の認定
1. 設備投資の投資計画に対する投資収益率が年平均5%以上であること
2. 経営強化法の「経営力向上計画」の認定
要件1の確認者 工業会等 経済産業局(税理士等が事前確認)
要件2の確認者 業種を管轄する大臣 業種を管轄する大臣

上記の要件をクリアした場合、対象の設備に対して「設備費用全額を即時償却」または「7%税額控除」が適用されます。

▲A型類を利用するまでの手順

  1. 設備メーカーなどに証明書の発行依頼
  2. メーカーが工業会などに証明書の発行申請
  3. 証明書発行
  4. 設備を経営力向上計画に記載
  5. 取得した証明書を添付した計画申請書を主務大臣に申請
  6. 計画の認定

認定を受けた設備は、他の税法上の要件を満たせば、税制上の優遇措置の適用を受けられます。(※税務の要件を満たさない場合、手続きを行っても税制適用を受けられないことがあります)

▲B型類を利用するまでの手順

  1. 「申請書」を書き、公認会計士か税理士の事前確認を受け「事前確認書」を発行してもらう
  2. 「申請書」と「事前確認書」を経済産業局に持参(説明などが必要なので内容が分かる人が持参する)
  3. 投資計画が適切だと判断されれば1ヶ月以内に確認書が発行される
  4. 取得した確認書を添付した計画確認書を主務大臣に申請
  5. 計画の認定

認定を受けた設備等は他の税法上の要件を満たせば、税制上の優遇措置の適用を受けられます。(※税務の要件を満たさない場合、手続きを行っても税制適用を受けられないことがあります)

対象外となるケース

以下の場合はたとえ資本金が1億円以下でも対象外なのでご注意ください。

  • 同一の大規模法人(※)から2分の1以上の出資を受ける法人
  • 2以上の大規模法人(※)から3分の2以上の出資を受ける法人

※大規模法人―資本金もしくは出資金の額が1億円超の法人又は資本金もしくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1000人超の法人

設備の取得時期にも注意

設備は、経営力向上計画の認定後に取得することが原則とされています。例外として設備取得後に計画申請をする場合など、この原則に沿えない場合は、設備を取得した日から60日以内に経営力向上計画が受理されなければなりません。

ただし、この場合、気をつけたいのが制度の適用を受ける時期です。設備を取得して事業の用に供した年度内に認定を受けなければ、税制の適用がされません。(当該年度を超えて認定を受けても適用されません)

中小企業経営強化税制について以下の記事でも説明していますので、こちらもご覧ください。

再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置

再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置とは、長期安定発電の促進に貢献する再生可能エネルギー設備に対する固定資産税を軽減する措置です。旧制度では令和2年度末までの特例措置でしたが、制度改正により、適用期限が令和4年3月31日まで延長されました。

課税期間17年間の内、初めの3年間の償却資産税対象標準額を引き下げるという制度です。 平成28年度から固定価格買取制度(FIT制度)の適応を受ける太陽光発電が適用から外され、平成30年度現在は環境省の補助金を受けた設備のみが対象となっています。

適応される再生可能エネルギー設備

対象設備 発電出力 軽減税率 要件
太陽光発電
(10kW以上)
1MW未満 2/3 FIT認定外
(全量売電不可)
1MW以上 3/4
風力発電 20kW未満 3/4 FIT認定設備のみ
20kW以上 2/3
地熱発電 1MW未満 2/3
1MW以上 1/2
中小水力発電 5MW未満 1/2
5MW以上 2/3
バイオマス発電 10MW未満 1/2
10MW以上 2/3

軽減率は各自治体によってことなりますので、お問い合わせください。

ポイントとなるのは、太陽光発電の場合は、「自家消費太陽光発電が対象になっている環境省の補助金を受けた設備だけが適用される優遇制度」という点です。補助金も受けられて、税制優遇も受けられます。

平成30年度は「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」がこの補助金に該当しますが、この補助金は 自家消費にしか適用されません。

一方で、太陽光発電以外(風力・水力・バイオマス・地熱)はFIT認定を受けている設備に限ります。ややこしいので注意しましょう。

生産性向上特別措置法案に基づく固定資産税の特例措置

中小企業が労働生産性の向上が見込まれると認定を受けた設備の導入に際して、固定資産税が当初3年間1/2もしくは、ゼロになる特例措置です。

具体的には、中小企業が生産性を高めるための設備を取得した場合、固定資産税の軽減措置により税制面の支援として、地方税法に基づき課税標準を3年間ゼロ~2分の1の間で市町村の定める割合で軽減されます。

軽減税率や条件など市町村で異なりますので、各市町村のホームページにてご確認ください。

本制度での中小企業とは

中小企業法上の中小企業で、資本金1億円以下の法人、従業員数1000人以下の個人事業主を指します。
※大企業の子会社は対象外
※市町村によって異なる場合もあり

対象となる設備は?

生産性向上に資する指標が旧モデル比で年平均1%~3%以上向上する下記設備を指します。

【減価償却資産の種類(最低取得価額/販売開始時期)】

  • 機械装置(160万円以上/10年以内)
  • 測定工具及び検査工具(30万円以上/5年以内)
  • 器具備品(30万円以上/6年以内)
  • 建物附属設備※償却資産として課税されるものに限る(60万円以上/14年以内)
※生産、販売活動等の用に直接供されるものであること。中古でないこと
※市町村によって異なる場合もあり

自家消費太陽光発電で使える主な補助金

サプライチェーン改革・生産拠点の国内回帰も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業

新型コロナウイルス感染症の影響により毀損したサプライチェーンを再編し、生産拠点を海外から国内に移す企業等に対して、脱炭素化の推進や防災に資するオンサイトPPAモデル等による自家消費型太陽光発電の導入を支援する補助金です。kWあたり4~6万円の補助金を受けられます。

エコリース促進事業補助金制度

こちらはリース(レンタル)による導入方法で受けられる補助金です。リース料は、総額の1~5%となります。 ※東北三県(岩手県、宮城県、福島県)は10%の補助金を受けることができます。

その他の自治体からの補助金を以下の記事でまとめています。

中小企業の自家消費太陽光発電の導入は早い方がお得

お伝えしてきたように、これまで主流だった固定価格買取制度(FIT制度)では適用されないようなケースでも、自家消費型太陽光発電であれば適用される税制優遇があるほか、補助金を併用できるなどかなりお得です。

自家消費型太陽光発電は今後、企業が事業を運営していくうえで欠かせないシステムです。 その理由の根本となっているのが以下の内容です。

  • 優遇税制や補助金がある
  • 電力会社から購入する電気代は高騰している(2030年まで高騰し続けると予想されている)
  • 売電型太陽光発電(FIT認定による太陽光発電)は売電単価が下がってきている
  • 太陽光発電設備の価格は下がってきているので、電力会社から高騰している電気を買うよりも自分で作った方がお得
  • 導入するだけで融資面で有利になり、尚且つ大手企業との取引チャンスが増える
  • 設備導入には金利の低いソーラーローンを利用でき、返済額を差し引いても電気代が安くなる

加えて、今なら今回お伝えしたようなお得な税制優遇を受けることができます。当社が「いつかやるなら今」をおすすめしているのはそのためです。

税制、補助金適応のサポートも!自家消費太陽光発電導入は全てお任せ下さい。

自家消費型太陽光発電の設置には、専門的な知識と技術が欠かせません。そのため、まだまだ設置できる業者が少ないのが現実です。

太陽光設置お任せ隊の運営をしている、株式会社ハウスプロデュースは、これまでにも自家消費型太陽光発電設備や大型商業施設の屋上への太陽光発電設備の設置を手がけてきました。

作った電力を無駄なく事業所内に送電して消費できるような設計を行うノウハウが豊富ですので、御社にぴったりなプランニングを行うことが可能です。

また、今回ご紹介したような税制に関しても関係各所へ直接確認を行うなどしてスピーディーに情報収集を行っておりますので、安心してお任せいただけます。お悩みの企業様はまずはお気軽にご相談ください。

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