太陽光発電のオンサイトPPAとは?|仕組み・メリット・デメリットを徹底解説

企業や家庭での再生可能エネルギーの普及を促す新しい仕組みとして、「PPAモデル(Power Purchase Agreement Model)」による太陽光発電システムの導入が注目されています。

「初期費用0円で導入できる」などオンサイトPPAによる太陽光発電システムの導入では、大きなメリットもある反面、抑えておかなければいけないデメリットも存在します。

そこで今回は、オンサイトPPAの仕組みやメリット・デメリット、自家消費型の太陽光発電との違いについて解説していきます。

オンサイトPPAとは? 仕組みを解説

オンサイトPPAの仕組みについて理解します。

PPAモデルの仕組み(図解)

オンサイトPPAで太陽光発電を導入する際は、PPA事業者と需要家(電力消費者)との間で電力を売買する契約(電力購入契約)を締結します。

電力購入契約に基づき、太陽光発電設備の導入に関わる費用(工事代・設備代など)はPPA事業者が負担します。企業側はPPA事業者に対して設備導入のための敷地の提供し、設置した太陽光発電の自家消費量(発電して消費した電力量)に応じた電気料金をPPA事業者に支払います。

オンサイトPPAの4つのメリット

PPAモデルの5つのメリット

オンサイトPPAの仕組みが理解できたところで、PPAモデルを活用して太陽光発電システムを導入するメリットについて解説します。

初期費用の準備がいらない

通常、太陽光発電設備を導入するためには、数十万円から数千万円、大規模になると数億円の初期投資が必要です。

しかし、オンサイトPPAでは、太陽光発電によって得られた電力量に応じて、電気料金をPPA事業者に支払うことで、初期投資の資金を用意することなく太陽光発電設備を導入できます。

オフバランス化が図れる

オンサイトPPAにより導入した太陽光発電設備は、PPA事業者の資産となるため自己資産として貸借対照表などに資産として計上する必要がありません。

そのため、企業として保有資産の拡大を防ぎ、太陽光発電により収益性が高まり企業評価が向上、一層有利な資金調達が行える可能性があります。

メンテナンスの手間が省ける

太陽光発電は20年〜30年と稼働を続けるため、発電事業者による定期的なメンテナンスの実施が求められます。

オンサイトPPAでの発電事業者事は、設備の所有者であるPPA事業者に該当します。
そのため、太陽光発電設備のメンテナンスはPPA事業者が行います。

また、メンテナンスに要する費用についてもPPA事業者の負担となるため、別途資金を用意する必要はありません。

ただし、電力購入契約が満了後は、設備と所有権は企業に無償譲渡されるため、譲渡後のメンテナンスについては自己負担となります。

電気料金の負担を抑えられる

オンサイトPPAでは、太陽光発電で得られた電力に対して電気料金が発生するため、一見「電気料金が発生するなら電気料金が下がらないのでは?」と考えてしまいがちです。

しかし、現時点で契約している電力会社よりも安く、PPA事業者から電気を購入できれば電気料金の削減が見込めます。

たとえば、電力会社から購入する電気が「1kWあたり18円」で、PPA事業者から購入する電気が「1kWあたり16円」だと仮定しましょう。

その際、電力会社とPPA事業者との電気料金に「1kWあたり2円」の差が生じます。

上記の条件で、PPA事業者から年間1,000,000kWhの電力を調達できたと仮定した場合、2円×1,000,000kWh=2,000,000円の電気料金が抑えられる計算になります。

上記は一例です。PPA事業者との電力購入契約における電気料金単価は、需要家とPPA事業者の協議の元で決定されます。

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オンサイトPPAのデメリット

PPAモデルの5つのデメリット

自家消費型と比べて得られる利益が小さくなる

オンサイトPPAは、自社で太陽光発電設備を購入し、発電した電気を自身でまかなう「自家消費型」に比べて得られる利益が小さくなります。

自家消費型であれば、太陽光発電によって得られた電気に対して電気料金は発生しませんが、オンサイトPPAの場合電力購入契約に基づき太陽光発電によって得た電気に対して電気料金を支払う必要があるためです。

さらに、自家消費型では太陽光発電設備の導入に対して、補助金や即時償却などの優遇制度を需要家が受けられる場合がありますが、オンサイトPPAでは補助金や税制優遇などを受けることができません。

PPA事業者ごとに提示される電気料金がことなるため、オンサイトPPAでの導入を検討する場合は、複数社にシミュレーションを依頼する事をおすすめします。

電力購入契約の契約期間が長い

PPA事業者にとっても、太陽光発電設備のイニシャルコストやメンテナンスの とプラスして利益を得なくてはならない反面、需要家も利益が得られる仕組みにしなくてはなりません。

そのため、需要家への電気料金の負担を抑える代わりに、電力購入契約における契約期間は15年から20年と長期契約になる場合がほとんどです。

また、電力購入契約中は、太陽光発電設備はPPA事業者の所有物となります。そのため、契約途中でパネル交換や処分などは一切行えません。

万が一、需要家の都合で太陽光発電設備を撤去・処分しなければいけない場合は、PPA事業者に対して違約金を支払う必要があります。

将来的に、建物の建て替え・移転・リフォーム工事などを検討している場合は注意が必要です。

契約期間後は所有権が需要家に譲渡される

オンサイトPPAは、電力購入契約終了と同時に、太陽光発電設備と所有権が企業側に譲渡されます。

所有権が移ることで、設備のメンテナンス義務も企業側が引き継ぐことになり、譲渡後の設備の維持に要するメンテナンス費用についても自己負担となります。

そのため、譲渡後のメンテナンスの取り扱いについては、PPA事業者ごとに異なりますので、必ず確認しておくことをお勧めします。

審査をクリアしなければならない

需要家としてPPAを導入したいと考えていても、設置場所の条件や経営状況によっては、PPA事業者の判断で断られることがあります。

太陽光発電はソーラーパネルを設置する場所によって発電効率が変動します。たとえば、冬場に積雪が多い地域では、発電効率が低下する可能性があるほか、屋根の向きや角度、周辺における障害物の有無なども影響します。

発電効率によっては、PPA事業者としても採算が取れない可能性があるため、導入を断られるケースがあります。

また、PPAの契約期間は15年・20年といった長期におよびます。

需要家として契約を締結しても問題ないかを審査するPPA事業者も多く、経営状態によって審査がクリアできないケースも考えられます。

審査基準はPPA事業者によっても異なりますが、少なくとも無条件で受け入れてくれるところはないと考えたほうが良いでしょう。

オンサイトPPAの市場規模は拡大している

PPAモデルの市場規模

オンサイトPPAのように自社とは別の事業者が設備の所有権をもつ「第三者所有モデル」の市場は今後も拡大していくとみられています。

すでに商業施設・医療関係施設・公共施設・工場などで、法人の第三者所有モデル導入事例が増加しています。

第三者所有モデルは10年以上の契約を結ぶことが一般的で、長期契約ではあるものの、以下のメリットがあることが市場拡大の要因と考えられます。

  • 初期費用無料で電気料金を削減できる
  • 環境価値のある投資としてCSRの一環になる

第三者所有モデルの市場規模は、2019年度は58億円でしたが、2030年度は約27倍の1,571億円まで拡大すると予測されています。

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「オフサイトPPA」も注目され始めている

今後は、屋根や屋上に太陽光発電設備を設置する「オンサイト」だけでなく、「オフサイト」の活用にも注目が集まっています。

「オフサイトPPA」とは、需要家の敷地外に太陽光発電設備を設置し、送配電線を経由して自社に電気を供給する仕組みです。

環境への取組を進めている企業は、事業で使用するエネルギーを再生可能エネルギーでまかなうことを目標として定めています。そのためには、屋根設置のオンサイトだけではまかないきれない可能性があるため、敷地外から電力を引っ張ってくるオフサイトの活用が重要になります。

関連記事:自家消費型太陽光発電と遊休地の相性|設置のメリット・デメリットを解説

関連記事:自己託送による自家消費太陽光発電のメリット・デメリット

日本でオンサイトPPAが普及した背景

脱炭素社会への動き

世界のさまざまな国において、脱炭素社会に向けた活動が盛んになっています。
2015年には「パリ協定」が採択され、温室効果ガスの削減に本腰を入れて取り組まなければならない、という認識が世界に広がりました。

日本においても、2020年10月、菅内閣総理大臣が所信表明において「2050年までに日本が排出する温室効果ガスを実質ゼロにする」と宣言しました。

このような社会情勢もあり、クリーンエネルギーを生み出す太陽光発電への注目が高まっています。そして、太陽光発電のなかでも、初期費用無料で導入できるオンサイトPPAの市場は拡大していくでしょう。

関連記事:脱炭素社会とは|世界の取り組みと企業ができる取り組み、補助金を解説

ESG投資の拡大

脱炭素社会の実現に向けた動きは、世界の投資家にも大きな影響を与えました。

従来、投資先の選定に関しては、企業の業績や財務的な情報などを中心に分析することが一般的でした。現在では、それらに加えて環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)への貢献を重視した「ESG投資」が注目されています。

この動きにより、企業はサプライチェーンに対しても環境に配慮した取り組みを求めるようになりました。 サプライチェーンのなかには資金力の弱い中小企業も多いですが、そのような企業も手軽に環境経営を実践できる方法としてオンサイトPPAがあり、需要が拡大している要因の1つといえます。

関連記事:ESG投資とは? |自家消費型太陽光発電で中小企業のビジネス拡大

オンサイトPPAの施工業者選定のポイント

PPAの施工業者選定のポイント

オンサイトPPAの導入においては、屋根上・屋根下に関わらず、設置条件ごとに最適な設計・施工ができる施工業者に依頼することが重要です。

そのためには、施工実績が豊富な複数の業者に見積もりを取り、信頼できるところを選びましょう。業者とのやり取りでは、気になったことはどんどん質問することをおすすめします。信頼できる業者なら、1つひとつ納得のいく回答をしてくれるでしょう。

また、電気料金をどれくらい削減できるかのシミュレーションも、施工業者選定においての大事なポイントです。
複雑な電気料金の仕組みをよく理解し、自社の将来的なメリットまで見据えたシミュレーションができる業者を選びましょう。

オンサイトPPAによる電力購入契約は、10年以上の長期間契約となります。
契約期間中はPPA事業者の責任でメンテナンスを行いますがが、太陽光パネルなど設備の変更はできないため「どんな製品を使用するか」「どんなメンテナンスを行うか」が大切です。

施工業者の選定の際は、定期的なメンテナンスの内容や、設備や施工に対する保証などがあるかどうかチェックしておきましょう。

まとめ

自社で太陽光発電設備を導入する場合は、初期費用・メンテナンス費用が発生し、特に中小企業では負担が大きくなります。そのため、 今後は初期費用・メンテナンス費用が発生しない「オンサイトPPA」による太陽光発電の導入が拡大すると見込まれています。

さらに、環境配慮型の経営を行う企業が増えるなかで、太陽光発電を導入することは大手企業との提携など、さまざまなビジネスチャンスにつながることも事実です。

オンサイトPPAは、環境に配慮した経営に取り組みたい企業・法人に多くのメリットがありますが、注意点すべき点もあります。10年以上の長期契約となるため、契約内容を詳細に確認し、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。

また、そもそも太陽光発電に適した場所や立地は限られており、PPAを希望した需要家が必ずしも契約を締結できるとは限りません。PPA事業者によっても条件はさまざまなため、まずは複数のPPA事業者に相談してみることがおすすめです。

太陽光設置お任せ隊(運営:株式会社ハウスプロデュース)では、企業向けに太陽光発電に関するご相談を承っております。導入を検討されるお客さまには、電気使用量などお伝えいただければ無料で導入効果をシミュレーションいたします。太陽光発電にご興味がある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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