成果がしっかりと数字で現れている点が一番良かったですね。
取材ご協力
株式会社瀬戸水産マーケティング部 瀬戸雄馬 様
今回は、株式会社瀬戸水産 様(本社:香川県三豊市)の関東営業所における自家消費型太陽光発電の導入事例を紹介します。 工場のBCP対策や、電気代削を主な目的として導入して頂きました。運用開始から3ヶ月経過したタイミングで瀬戸雄馬様にお話を伺いました。
事業や経営状況について
商社やスーパー向けに、調理現場の手間を省くための初期品加工として、セミドレス(エラと内臓が取り除き)や骨抜き・皮剥ぎ・カットなどの加工をして、高鮮度の状態でお客様のもとまでお届けしております。
工場での作業環境でいえば、「生食」を取り扱う現場なので、衛生面や温度管理には細心の注意を払っています。
緊急事態宣言(2020年3月)の頃は、取引先のスーパーや飲食店の方から客足が減ったという声を良く耳にしていました。弊社でも、生鮮食品の需要も減少して、4月から5月は2019年比で30%の売上減となりました。
ですが、「巣ごもり需要」のおかげもあって、缶詰などの保存がきく食品の引き合いが増えていき、緊急事態宣言の解除後は売上が回復しました。最終的には売上が7%減にとどまって、コロナ収束後は以前より好調に売上が伸びています。そうですね。一時サーモンが全く供給されなくなった時期があり、仕事量が減少しました。
ですが、昨年から国産サーモンの加工も開始していたので、サーモンの需要が高まる4月中旬〜7月初旬のシーズンは、なんとか需要を満たすことができそうです。
ただ、海外輸入の食品に関しては、燃料価格の高騰、飛行ルートの変更の影響もあって物流費が増加していて、「ノルウェー産サーモン」でいえば、一時期15%くらい値上がりしていました。
今回の太陽光発電の導入は、ここまでの経験が大きなきっかけにもなっています。太陽光発電を導入したきっかけ
太陽光発電の実際の費用対効果について
導入前と比べると、大体30%ほど電気代が削減できています。
実は、太陽光発電を導入した直後に、電力会社が電気料金を改定されました。なので、電気代の負担額でいえば昨年より80万円ほど増えています。
太陽光発電の設置費用や費用対効果はどうでしょうか?
導入費用は大体1,000万円くらいでしたが、神奈川県から補助金(※)を受けることができたので、実際負担は700万円ほどです。年間の電気代削減額が130万円ほどになるので、このペースであれば5年から6年で投資回収できると予想しています。
(※)かながわスマートエネルギー計画補助金申請は資料の準備など、大変だったと思いますが、実際どうでしたか?
今回の導入を機に、BCP認定を受けられたことですね。
正確には「事業継続力強化計画認定制度」という中小企業庁の認定制度です。
企業が防災や減災の事前対策に関する計画を提出すると、経済産業大臣の認定が受けられます。
災害などで工場が停電した際に、太陽光発電をどのように活用するのかなどを計画に盛り込み今年の4月に認定を取得することができました。
今回の太陽光発電の導入は、BCP認定を申請する良いきっかけにもなりましたし、認定の取得にも一役買ってくれたなと実感しています。
太陽光発電を導入するまで
2021年6月に県へ申請してから、設計や補助金申請の準備などしていただき、11月には工事が始まりました。
ただ、年末は繁忙期ということもあったので、工事を一時中断してもらいました。それでも翌年1月には工事が終わっていたので、工事の期間でいえば、大体1ヶ月くらいだったと思います。
そうですね…全く無いんですよね。
各方面とのやり取りとか、補助金の段取りとか、色々大変かなと覚悟していたのですが、導入まですごくスムーズに進めていただいて「気付いたら終わっていた」という感じです。
ハウスプロデュース(当社)をお選びいただいた理由
レスポンスが早いという点が好印象でした。いざ自社の工場に太陽光パネルを設置するとなると疑問点が次々と湧いてくるのですが、質問したらどんなに遅くても次の日には回答が戻ってきていたので安心しましたね。
営業担当の方の人柄かもしれませんが、こちらの負担にならない方法で本当に幅広く柔軟に対応してもらいました。
後は何より、成果がしっかりと数字で現れている点が一番良かったですね。すり合わせ段階の話をすると、こちらの希望を少し伝えるだけで、次に会った時にはもう具体的な提案になっていて、計画がどんどん前に進んでいきました。
今後の展開について
コロナ禍の影響を受けて生鮮食品の需要が減少する経験を教訓として、食品の製造体制をさらに盤石にしてこうと計画しています。
具体的には、保存が効く冷凍食品の製造にも取り組む予定です。これにより、様々なシチュエーションでの食品供給が可能となり、お客様のニーズにも幅広く応えられると考えています。
国産サーモンについては、需要は年々増加していますが、獲れる期間が春から初夏に限定されるため、年間を通して安定して供給方法についても模索しておいます。
お客様に「いつでも新鮮なサーモン」をお届けできるようなサービスの提供を目指しています。
あとは、2023年5月に第二工場を新設して稼働する予定なので、ハウスプロデュースさんには、第二工場の太陽光発電の設置もお願いしたいと思っています。