水産加工工場への太陽光発電システム導入で電気料金高騰を回避|事業継続力強化計画(中小企業庁)認定取得にも一役

今回は、株式会社瀬戸水産 様(本社:香川県三豊市)の関東営業所第一工場における屋根設置型太陽光発電システム(自家消費型)の導入事例を紹介します。
工場のBCP対策や、電気代削減によるランニングコストの削減を主な目的として導入して頂きました。運用開始から3ヶ月経過したタイミングで瀬戸雄馬様にお話を伺いました。

株式会社瀬戸水産 瀬戸雄馬 氏

太陽光発電システム概要

株式会社 瀬戸水産 様

関東営業所/第一工場の屋根の写真(太陽光パネル設置後)
所在地 神奈川県伊勢原市
導入規模 DC容量:75.75kW / AC容量:60kW
ソーラーパネル メーカー:ネクストエナジー・アンド・リソース|型番:NER120M375C-MC
パワーコンディショナ メーカー:HUAWEI|型番:SUN2000-20KTL-M3
竣工時期 2022年2月下旬
主な目的 BCP対策・電気代削減を目的とした設備導入

ビジネスモデルや経営状況について

事業内容

はじめに御社の事業についてお聞かせください。工場ではどんな業務をされていますか?
弊社は、主に「ノルウェー産サーモン」など水産食品の加工及び物流拠点への配送までを取り仕切っています。70%くらいは商社や大卸からの委託加工になります。
  • 市場で「競り」により仲卸業者に販売する業者
加工というと缶詰などでしょうか?
いえ、缶詰ではなく、スーパーや飲食店など、調理現場の手間を省くための加工を行っています。
セミドレス(エラと内臓が処理された魚体処理)や、三枚おろしにされた状態の鮮魚が工場に運ばれてくるので、骨抜き・皮剥ぎ・カットなどを施して物流拠点へ出荷しています。
事前に加工することで、現場での調理効率が上がるわけですね。骨抜きの加工などは大変そうですね。
鮮魚の骨抜きは、「ピンボーンリムーバー」という専用の骨抜き機を使用します。ですが、取りきれない小骨はどうしても人の手が必要になりますね。処理が終わったものは真空パックにしてチルド状態にしていきます。
工場で加工したサーモン

経営状況

工場は何人くらいで操業されていますか?
工場の常時雇用人数は事務員を含めて51名です。繁忙期になると100名ほどに増員して業務に臨みます。
作業環境についてはいかがでしょうか? 工場内はとても寒そうですね。
食品を取り扱う企業として品質管理を徹底して行う責任があります。 特に弊社のように、「生食」を取り扱っているような現場では、常に衛生面と温度管理に気を配らなければなりません。
例えば、10℃以上になると菌が繁殖しやすくなり、逆に0℃に近づくと魚の細胞が固まって味が落ちてしまいます。暑すぎても寒すぎても良くないんです。
徹底した温度管理が評価され、自社工場ではASC認証(責任ある養殖により生産された水産物を対象とする国際的な認証制度)を取得した食品の取り扱いも認められるようになりました。
実際の工場内の様子
新型コロナウイルスの蔓延による御社や業界への影響はございましたか?
2020年3月頃の緊急事態宣言の時は、関係各所からスーパーや飲食店の客足も減っていると聞きました。 さらに、缶詰など保存できる食品に需要がシフトしてしまって、生鮮食品の需要は減少してしまい4月・5月は2019年比で30%ほど売上が下がってしまいました。ですが緊急事態宣言が明けてからは「巣ごもり需要」が高まって、すぐに売上は回復して最終着地は売上7%減にまでに抑えられましたね。2021年度はコロナの影響も落ち着いて好調でした。
ホワイトボードを用いて自社の事業について細かく教えていただきました。
コロナ禍の中でも、売上が回復したのは素晴らしいことですね。
「ノルウェー産サーモン」を中心に取り扱われているということですが、ウクライナ情勢についても輸入に影響が出ているのではないでしょうか?
そうですね。今年の2月末からだったと思うのですが、一時期サーモンが全く入ってこなくなった時期がありましたね。
さすがにその時は仕事が減ってしまいましたが、実は昨年から国産サーモンの加工にも力を入れていたんです。加工実績も十分にあるのでサーモンのニーズが高まる4月中旬〜7月初旬までのシーズンは順調に推移するかと思います。
ただ、燃料高も相まってサーモンの価格は15%ほど上がっています。飛行ルートの変更に伴って物流費も上がっていますし、7月以降の需要がどうなるかが大きなポイントですね。
詳しくお話し頂きありがとうございます。
弊社のお客さまの中にも製造業の企業様は多くいらっしゃいますが、皆さん原料価格の値上がりで少なからず影響を受けていらっしゃいますね。

導入のきっかけ・工期について

では、今回の太陽光発電の導入には、「コスト削減」といった目的があったのでしょうか?
その狙いはもちろんありましたが、近年では災害リスクが高くなってきているのでBCP対策の方で検討していました。
太陽光発電に関しては、「付けておいた方が良いだろうな」という漠然としたイメージを抱いていました。そんな時に、東京の展示会で御社のブースを見かけたんです。立ち寄ったら太陽光発電について詳しく説明をしてくれて「これなら、BCP対策もコスト削減も一石二鳥の効果を得られるのでは?」と考えて、そこから本格的に導入を検討しました。
今回の導入に対して周りの方からご意見などはありましたか?
快く承諾を得ることができました。もともと、15年くらい前から本社工場(香川県三豊市)の屋根で太陽光発電を付けていたのも大きかったですね。
太陽光発電の導入を決定してから、実際に稼働するまでにどのくらいの期間がかかりましたか?
2021年の6月に県に申請して、そこから設計とか補助金とか色々と動いていただいて…11月くらいに屋根への設置工事が始まりました。
年末はクリスマスやお正月でサーモンの需要が増えて繁忙期になるので一時中断をしたのですが、それでも1月には工事が終わって発電を開始できましたね。

導入コスト・補助金について

今回の太陽光発電の導入では、神奈川県の補助金(かながわスマートエネルギー計画)に無事採択されましたね。
補助金の申請は提出資料など準備も大変だったと思いますが、実際どうでしたか?
それが、補助金のやりとりは全てハウスプロデュースさんが段取りしてくれて、こちらは指定された資料を提出していただけなのでほとんど手がかからずに済みました。負担が少なかったおかげで実務への影響を及ぼすことなく進められたのは非常に助かりました。
ありがとうございます。
今回、補助金で太陽光発電の導入コストをどのくらい賄える予定でしょうか?
およそ1/3の金額を補助していただきました。導入費用が大体1,000万円だったので、340万円くらいは補助金で賄えました。補助金があると回収年数も変わってきますから、すごくありがたいですね。
こちらとしましても補助金が採択されて嬉しい限りです。
ちなみに、今回の太陽光発電の導入での「回収年数」はどのくらいの期間を見込んでいるのでしょうか?
シミュレーションでは、大体5年〜6年で投資回収が見込まれています。設備投資としては非常に効率が良い方だと思います。太陽光発電は晴れている限り自動的に電気代を削減してくれることを考えれば、個人的には10年前後の回収であれば投資対象として検討すべきだと思います。補助金が出ているのであれば尚更ですね。

太陽光発電の導入に関する感想

太陽光発電の導入に関して、苦労した点や記憶に残っている点があれば教えてください。
そうですね… これが全く無いんですよね。笑
各方面とのやり取りとか、補助金の段取りとか、色々大変かなと覚悟していたのですが、 導入まですごくスムーズに進めていただいて「気付いたら終わっていた」という感じです。
こちらで準備したのは電気料金の明細などの必要資料だけで、あとは送られてきた書類に社判を押して提出しただけでしたね。他社さんでは分かりませんが、想像していたよりプロジェクトの進行も早くて、工数的にもかなり楽でした。
ありがとうございます。弊社はお客さまの負担を最低限にするためにスピード感も重視していますから、そのようにお褒めいただき光栄です。
今回は、瀬戸さんが必要資料を迅速に準備していただけた点も大きかったです。
書類の準備に時間が掛かると、どうしてもその分、段取りが遅れてしまいますからね。

実際の導入効果について

ソーラーパネル設置作業中の写真

電気料金の削減

2022年5月現在で設備が稼働してから3ヶ月になりますが、電力削減の効果は感じられますか?
2021年3月(太陽光発電導入前)の電力使用量が23,776kWhだったのに対し、2022年3月(太陽光発電導入後)の電力使用量は17,303kWhに下がりました。使用量は3割くらい削減できていますね。
発電は順調のようですね。
太陽光発電の導入前と導入後の電気料金でいうと、どのくらいの経済効果がありましたか?
実は、電気料金自体は導入前よりも増えてしまっています。というのも、今年の4月(太陽光発電を導入した直後)に、電力会社の基本料金と燃料調整費が一気に上がってしまいまして。 それでも、事前に対策できたのはラッキーでした。太陽光発電を導入していなければ、昨年より80万円ほど高くなっていた月もありましたので、本当に良いタイミングだったと思います。
電気料金だけでも負担は大きいですね。
今は一般家庭でも昨年比で1.3倍〜1.5倍くらい電気料金が値上がりしていると思います。
今回の電気料金の値上げで改めて会社にとって経費削減が重要課題であることを再認識できました。やっぱり、電気料金の値上げは昨今の原油高が影響していますよね?
そうだと思います。特に今年の2月以降から各国がロシアに対して原油や天然ガスなどの輸入規制に踏み切ったのも要因のひとつだと思います。
日本も原油や天然ガスを含めれば、国内の10%以上のエネルギー資源をロシア依存している状況なので、いままで以上の電気料金高騰は避けられないかと。この先、同じようなことが起きれば電気料金は更に上がっていくでしょう。
そうですよね。特に私たちのように電気を多く使用する製造業にとって、今回のような電気料金の急騰は死活問題になりますからね。
一応、弊社の工場でも安く電気を売ってくれる電力会社さんと契約していますが、それでもこれだけ電気料金が値上がりしていますから、消費電力を如何にして抑えるべきかを考えることが重要ですね。

BCP認定

電気料金の削減以外に太陽光発電を導入して良かったと思う点はありますか?
今回の太陽光発電の導入を機に、BCP認定を受けられたことですね。
BCP認定、といいますと?
正確に言うなら「事業継続力強化計画認定制度」という中小企業庁の認定制度です。防災・減災の事前対策に関する計画を提出すると、経済産業大臣より認定が受けられます。
災害等で工場が停電した際に、太陽光発電をどのように活用するのかなどを計画に盛り込み、今年の4月に認定を取得することができました。今回の設備導入はBCP認定を申請するきっかけにもなりましたし、認定取得に一役買ってくれたなと思います。
BCP認定を受けることで、どんなメリットがあるのでしょうか?
金融支援や、補助金の優先採択など実利メリットがあります。工場内で働く従業員の安全確保や会社の信用力の向上にも繋がる点も大きなメリットだと思います。
弊社のクライアント様の中にもBCP対策の第一歩として、まずは太陽光発電の導入を検討される方も多いです。
太陽光発電といえば、CO2削減もメリットとして挙げられますが、脱炭素やSDGsなどの取り組みも視野に入れていましたか?
弊社の卸先は、流通業界・飲食業界など様々です。社名は開示できませんが「RE100に加盟されている大手企業」も含まれますので、微力ながら協力できるのではないかと考えています。それに、脱炭素に関連する補助金制度もかなり幅が広がってきているので積極的に活用して自社の更なる脱炭素化を加速させていきたいですね。

ハウスプロデュースを選んで
良かった点と悪かった点

株式会社ハウスプロデュース本社(大阪府大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第三ビル)
太陽光発電の施工業者は全国に多数ありますが
当社(ハウスプロデュース)を選んでいただいた理由を教えていただけますか?
先程お話ししましたが、きっかけは展示会です。そこで太陽光発電の話を聞かせてもらって専門性が高そうな印象を受けました。
他の業者さんから見積を出してもらったりもしましたが、補助金の申請期限の兼ね合いもあったので悠長に悩む時間はありませんでした。なので、実績も豊富な御社にそのまま進めてもらいました。
当社(ハウスプロデュース)を選んで良かった点はございますか?

やっぱり、成果がしっかりと数字で現れている点が一番良かったですね。すり合わせ段階の話をすると、こちらの希望を少し伝えるだけで「次に会った時には具体的な提案になっていて、計画がどんどん前に進んでいっていた」というイメージがあります。

レスポンスが早いという点も好印象でした。いざ自社の工場に太陽光パネルを設置するとなると疑問点が次々と湧いてくるのですが、質問したらどんなに遅くても次の日には回答が戻ってきていたので安心しましたね。
西村さん(営業担当)の人柄かもしれませんが、こちらの負担にならない方法で本当に幅広く柔軟に対応してもらいました。
本案件担当者(東京本店長:西村康史)

今後の計画について

最後に御社の今後の展望についてお聞かせいただけますか?
今後は、冷凍食品の製造にも乗り出していきたいと考えています。コロナ禍で生鮮の需要が減ってしまったことが教訓になりましたので、保存が効く食品も幅広く取り扱っていきたいと考えています。あとは、国産サーモンの需要が上がってきているのですが、春から初夏までの期間しか獲れないので年間通してお客様に「いつでも新鮮なサーモン」を供給できるようにしたいですね。
近年は冷凍技術が発展したことにより、食品ロス削減にも貢献しているという話をよく聞きます。御社の事業がSDGsへの取り組みに繋がっていくのは素敵なことですね。
株式会社瀬戸水産様、瀬戸様、
貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました!
 執筆者
*
太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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