太陽光発電の処分・リサイクルの現状と課題について解説

太陽光発電事業を始めても、20年後の処分はどうしたらいいのだろう?リサイクルはできるのかな?そんな疑問にここではお答えします!

太陽光発電設備の適正処理ができるのか、これは太陽光発電普及に向けての課題でもあります。基本的な内容から、処分やリサイクルの課題と現状まで、ここでは紹介していきます。安心して太陽光発電事業を始める手助けとなれば幸いです。

 

太陽光発電設備の処分・リサイクル

概要

まず太陽光発電設備の処分・リサイクル方法について紹介していきます。流れに関してはまず、下の図をご覧ください。

リサイクル概要

出典 環境省 環境再生・資源循環局 総務課 リサイクル推進室「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)平成30年

太陽光発電エネルギーは、再生可能エネルギーの一つです。再生可能エネルギーの推進に向けて、この導入を支えるリサイクルや処分の体制構築が求められています。環境省では平成26年度に今後の方向性を取りまとめ、適正処理の推進に向けたロードマップを策定しました。

上図は環境省によるガイドラインの構成を表すもので、また適正処理の流れを表すものでもあります。今後の方向性について具体的に紹介していきます。

 

今後の処分方法などの方向性

それでは今後の方向性はどうなるのか、その疑問にお答えします。まずは、環境省の展望をみていきましょう。こちらもまずは下図をご覧ください。

リサイクルの現状と見通し

リサイクルの現状と見通し

出典 環境省「太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進について(概要) 

こちらは「太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進について」イラストにまとめたものです。環境省はこの推進に向けて検討した趣旨、そして現状と見通しを表しています。

見通しとしても、環境への影響が懸念される事案の増加を予測しています。せっかく再生可能エネルギーの一つとして太陽光発電事業を開始したにも関わらず、適正処分においてこの見通しは悲しいですね。

しかしリサイクルの現状はそんな悲観的なものでもありません。太陽電池モジュール(太陽光パネル)は排出されている約4,400tは、ほぼ全てリサイクルされています。太陽光パネルに関してのリサイクルの現状は、約1,000tの内の最終処分割合が課題となっていると言えます。

リサイクル推進の課題の一つは費用面です。基本的にリサイクルには単純に処分するよりも、多額の費用がかかるといわれています。費用面の問題は企業にとっても軽視できません。技術革新によって、この費用をどこまで抑えられるかが解決の鍵と言えます。

では他に具体的にどのような問題が生じているのか、次の項目でみていきましょう。

 

実際どう問題視されているのか

どのような課題や問題点があるのか説明していきたいと思います。まずは下の図をご覧ください。環境省による適正処分及び導入に関する課題が、一覧となっています。こちらは現状の課題を7つに分類して説明したものです。

リサイクルの課題

リサイクルの課題

出典 環境省「太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進について(概要) 

ここでは7つの項目毎、それぞれの課題が明記されています。これを見るだけでも、まだまだ課題が多いのが分かります。具体的な問題点も挙げられていますが、一番は「制度」です。

「リユース」や「導入に当たっての環境配慮の推進」では、判断基準や仕組みの未整備が指摘されています。土台となる制度作りがないのが、一番の課題となります。それに対して環境省による推進に向けての方針は下記の表になります。

リサイクル方針

出典 環境省「太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進について(概要) 

まずは「適切な制度」の検討を早急に行うべきと述べています。そもそも制度がないというのが、一番の問題点となります。混沌とした状況を整える「制度」の構築を急務としています。その先に具体的な技術面や費用面の課題が見えてきます。

現状見通しも立たない、それが日本における現状です。再生可能エネルギーの推進であるにも関わらず、リサイクル制度が整わないのは本末転倒となってしまいます。そんな悲しい結末は避けたいものです。

制度の構築に先駆けて、技術革新に向けての取り組みも急務と言えます。この企業努力はリサイクルにとって、希望の光となります。処分の際に費用は抑えたいというのは、誰しも本音ではないでしょうか。現実問題費用が捻出できない場合もあります。

リーズナブルにリサイクルも実現する、これこそサステナブルな取組です。環境にも企業にも優しい取り組みに期待したいですね。サステナブルは「持続可能な」という意味で、環境問題においてよく耳にする言葉です。

無理して我慢して環境保全に取り組むのではなく誰もが負荷をかけ過ぎずに取り組む、そんな願いが込められいる言葉です。とても素敵な言葉だとは思いませんか?環境保全にもそんな風に一人一人取り組めるといいですね。

 

太陽光発電設備の処分・リサイクルの現状 

現状に関してまずは、費用について触れていきます。太陽光発電設備の処分やリサイクルには、それなりの費用も必要となり、定期的に積立てておくことが必要となります。では実際どのくらいの割合で積立を行っているのか、以下の図をご覧ください。

リサイクル費用積立

出典 経済産業省資源エネルギー庁「2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる?再エネの廃棄物問題」2018年7月24日 

こちらは将来的な廃棄を想定して、費用を確保しているかの調査結果となります。経済産業省でも、「電気を売って得た収入の一部を、廃棄などの費用としてあらかじめ積み立てておくことが有効」としています。

一方現状では低圧・高圧同様に積立てできていない人は過半数を上回っています。特に低圧に関しては74%が積立てをしておらず、費用を確保している人は全体のうちわずか26%となります。

どこで購入するにしても、費用を抑えたいというのは本音ではないでしょうか。そもそもFITの買取価格は、廃棄に必要な費用を盛り込む形で設定されています。

また「太陽光パネルのリユース・リサイクル促進」という動きもあります。他にも有害物質を適正に処理するといったように、国もリサイクルや処分には前向きに検討しています。

再生可能エネルギーの一つである太陽光発電設備として、最後まで環境にも配慮した形で付き合いたいものです。

 

これからの太陽光発電事業の在り方

ここでは、太陽光発電設備の処分やリサイクルの現状と課題を述べてきました。再生可能エネルギーとして期待される中、処分やリサイクルは課題もあります。まずは投資として購入された方にとっては、特に費用も抑えたいところです。

コストは抑えつつ環境にも配慮したい、その両立を目指していきたいですね。太陽光発電設備についての疑問点や気になること、少しでも不安に感じたら当社・ハウスプロデュースにお問い合わせください!

一緒に最適なご提案を通じて、よりよい社会の実現に貢献できることを願っています。

執筆者:株式会社ハウスプロデュース広報部

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当社は、産業用太陽光発電システムのEPC工事を専門に手がけています。経験豊富な電気工事士やエネルギーマネジメントアドバイザーなどの有資格者が在籍。一次情報や専門家からの取材を基に、EPC事業者としての「現場から得たノウハウ」を活かしたコンテンツ作りに取り組んでいます。

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