相続した不要な農地を売却・処分したい!手放す方法や売りやすくするコツを解説

「農地を相続したが放置している」「とりあえず相続したが管理が大変」といった理由で、農地の売却を検討している方もいらっしゃるかと思います。

ただし、農地は宅地と異なり、農地法に基づく許可が必要なため、簡単には売却ができない側面があります。

この記事では、相続した農地を売却する際の手続きや売却のメリット、さらには売却時にかかる税金について分かりやすく解説しています。

農地を相続する予定の方や、売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

相続した農地を売却する流れ

相続した農地を売却する際の大まかな流れを解説します。

相続した農地の所有権移転登記

相続した不動産は、特別な手続きを行わない場合は、亡くなった親名義のままです。しかし、売却の際は売主と名義人が一致している必要があるため、登記が必要です。

遺言書や遺産分割協議書などを参照しながら、手続きを進めていきましょう。

この際、管轄の市区町村の農業委員会へ届け出をする必要があります。(農地法第三条の三)届け出を忘れると過料(罰金)が発生してしまうので注意しましょう。

手続きには時間と費用がかかりますが、相続した農地を売却する際は忘れずに手続きを進めましょう。

農地の売り先を探す

登記が完了したら、まずは農地の売り先を探します

売り先が見つかれば、農地転用した後の地目を買主と決めたのち、農地転用の申請を行います。

農地転用の手続きは煩雑なものであるため、申請をサポートしてくれる事業者などに売却を相談するとスムーズです。

農地転用が難しい・認められていないケースは、農地のまま売却する方法を探しましょう。その際、近隣の農業従事者に声をかける・農業委員会などの機関に相談する・農地の取り扱いに強い業者へ問い合わせるといった方法があります。

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停止条件付売買契約を結ぶ

農地の売買では、農業委員会の許可が必要な場合がありますが、その許可が下りるまでに時間がかかることがあります。

このような場合、売り主と買い主は「停止条件付売買契約」という形式の契約を結ぶことがあります。

この契約では、契約が成立するのは農業委員会の許可が取れた後となり、許可が取れなければ契約は無効となります。

「停止条件付き売買契約」を結ぶことで、農業委員会の許可を待つ間に契約の手続きが進められます

許可申請を行う

農地のままでも、農地転用する場合でも、農業委員会への許可申請が必要です。

農地転用する場合

農地を農地以外の用途に転用してから売却する場合、農業委員会に転用許可の申請をする必要があります。ただし、都市計画法上の市街化区域内であれば農地転用許可は不要で、農業委員会への「届出」のみが必要です。

市街化区域外の農地転用には、土地の広さによって手続きの流れが異なります。面積が4ha以下の場合は農業委員会に申請し、許可は都道府県知事が行います。一方、4haを超える場合は都道府県知事に申請し、最終的な許可は農林水産大臣が行います。

農地のまま売却する場合

相続した農地を農地のまま売却する場合も、農業委員会に許可申請をする必要があります。この時、農業委員会はおもに以下の内容を確認します。

  • 売却予定の農地で耕作放棄せず、全面を効率的に利用しているかどうか
  • 周辺地域と調和しているか
  • 最低限の広さの面積があるか
  • 新しく農地を所有する人が、原則で年間150日以上農業に従事できそうか
  • 買い主が法人の場合、農地を所有できる資格を保有しているか

農業委員会は厳しめに審査を行うため、ここで許可が降りないケースも多数あります。

ここまで解説したことをすべて自分で行うことは労力がかかりますので、売却の際に手続きをどれくらいサポートしてくれるのかも、業者選定のポイントの1つといえます。

相続した農地を売却するメリット

相続した農地を売却するメリットは以下のようなものがあります。

  • 資産の現金化相続した農地は資産の一部です。売却によって現金化することで、他の投資や生活費の充当などに活用できます。
  • 管理負担の軽減:相続した農地を売却することで、管理や耕作に関わる手間とコストを軽減できます。
  • 固定資産税の支払い義務がなくなる:農地の固定資産税は宅地に比べると低いですが、売却することで毎年の支払いがなくなります
  • 将来的な価値低下リスクを回避:農地の価格は、需要と供給によって変動します。相続した農地の将来的な価値が下落するリスクを回避するためには、早めに売却することを検討することをおすすめします。

相続した農地を売却するデメリット

相続した農地を売却する際のデメリットは以下のようなものが考えられます。

  • 手続きに手間と時間がかかる:農地の売却には農地法に基づく許可が必要です。許可の手続きが煩雑で時間を要することがあります。
  • 翌年の確定申告と納税が必要:農地を売却して利益が出た場合は翌年に確定申告をする必要があります。利益が大きい場合は譲渡所得税が高くなり、翌年の住民税の税率も上がります。
  • 相続人間の意見の相違:相続した農地の売却について、相続人間で意見の相違が生じ、売却の可否や売却時期などについての意見調整が必要となる場合があります。

農地の所有者の状況や売却の目的はそれぞれ異なりますので、売却を検討する際にはメリット・デメリットを踏まえた慎重な判断が必要です。

農地の相続放棄と相続後の売却、どちらが経済的に有利なのか

不要な親の農地について、相続放棄相続後の売却の2つの選択肢があります。どちらが経済的に有利なのでしょうか?

農地が早期に売却できる見込みがある場合は、まず相続を受けてから売却することをおすすめします。売却が早期に実現すれば、維持費用も少なくて済みますし、少額の不労所得を得ることができます。

ただし、売却が難しい条件の悪い農地の場合は異なります。

売却まで時間がかかっても、市場に出し続けることで将来的に売れる可能性がありますが、その間にかかる維持費用を負担しなければならず、売れ残ってしまえば実質的な負債となります。

結果的に、最善の選択は具体的な農地の状況によって異なりますので、慎重に検討することが重要です。

相続放棄の内容と資産価値を考慮

相続放棄と相続後の売却を考える際に重要なポイントは、相続放棄をすると遺産全体を手放すということです。

農地が不要であっても、相続放棄を選択すると預金口座や他の財産など、全ての遺産を手放すことになります。

そのため、農地は不要でも他の遺産を保有したいため、相続放棄を選ばないケースが多いです。相続放棄を検討する際には、農地が遺産全体のどれくらいの割合を占めるかを確認することが重要です。

もし農地の資産的な価値が低く、他に価値のある財産がない場合は、相続放棄しても問題ありません。

将来的な管理費用も考慮に入れながら、不要な農地が総遺産の30%を超える場合は相続放棄を検討し、それ以下の場合は相続を選ぶことがひとつの目安です。

相続した農地の売却にかかる税金・手数料

農地を売却すると、譲渡所得という所得が生じ、それに応じて税金が発生します。譲渡所得の計算方法は以下のとおりです。

譲渡所得税 = (譲渡価格 – 取得費 + 売却費用) × 税率

譲渡価格は農地の売却額を意味し、取得費は農地の購入価額です。取得費がわからない場合は、譲渡価額の5%を概算取得費として代用します。また、売却費用は売却に要した費用を指します。

譲渡所得によって発生する税額は、所得税率と住民税率に基づいて計算されます。税率は農地の所有期間によって短期譲渡所得長期譲渡所得に分かれます。

短期譲渡所得は所有期間が5年以下、長期譲渡所得は所有期間が5年超で、それぞれの税率は以下のとおりです。

所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超え 15% 5%

相続によって農地を引き継いだ場合、所有期間は被相続人の所有期間を引き継ぎます。被相続人の所有期間が5年超であれば、相続人が5年以下で売却しても長期譲渡所得の税率が適用されます。

譲渡所得の発生時には、復興特別所得税と住民税も発生します。復興特別所得税は所得税に対して2.1%を乗じた額です。

管理に困っている農地、太陽光用地として買い取ります

太陽光発電用地として田舎の売れない土地を買取

ハウスプロデュースは、放置されていたり不要になった土地や農地を買い取り、それを太陽光発電用地として活用しています。

一般的には評価されにくい「田舎や郊外の土地や農地」でも、私たちは高い価格で買い取ることができます。また、その土地を最長20年間賃貸することも可能です。

当社に土地の売却や賃貸に関する相談をいただくと、以下のようなメリットがあります。

  • 利便性が悪く売りにくい地方の土地でも、日当たりが良ければ高値で買取が可能です。
  • 当社が直接買取するため、売買の際に仲介手数料などの諸費用が不要です。また、農地転用などにかかる費用も当社が負担します。
  • 当社が直接買い取るため、契約・支払いまでの流れや期日を明確に提示いたします。
  • 買い取り後は草刈りなどをしっかり行って管理するほか、近隣の方からご不安の声がある場合は説明会を開催するなど、安心して売却できるようサポートいたします。

「土地の状態がわからない」「農地転用が可能かわからない」という場合でも、まずはお気軽にご相談ください。 お客さまの土地の買取可否や査定価格を、当社が無料で調査いたします。

(※当社は過度な伐採や盛土など自然環境を損なう開発は行わず、土地の形状や周辺環境を考慮した発電所を建設します。)

まとめ

相続した農地をどう扱うかは、悩みどころです。しかし、活用の予定がない場合は、早めに売却に向けて行動することをおすすめします。

農地法の規制や、農業人口減少などの要因により、相続した農地を売却することが難しくなっています。

一般的に、農地の売却には半年以上の期間がかかりますので、余裕を持ったスケジュールを設定しておきましょう。

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執筆者:株式会社ハウスプロデュース広報部

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当社は、産業用太陽光発電システムのEPC工事を専門に手がけています。経験豊富な電気工事士やエネルギーマネジメントアドバイザーなどの有資格者が在籍。一次情報や専門家からの取材を基に、EPC事業者としての「現場から得たノウハウ」を活かしたコンテンツ作りに取り組んでいます。

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