農地(田んぼ・畑)売却の相場がわかる!価格の調べ方や売却方法も解説

農地(田んぼ・畑)の売却を検討中の方で「いくらで売れるのか」「どうやって相場を調べれば良いのか」と悩んでいませんか?

この記事では、田んぼや畑の種類ごとの売却相場、都市部と郊外での価格差、そしてご自身で相場を調べる具体的な方法を詳しく解説します。

農地を売る際の価格感が掴め、最適な売却活動を進めるための知識が得られますので、ぜひ参考にしてください。

農地の売却価格相場

農地の売却価格は、立地・周辺環境・水利条件・土壌の質・農地転用の可能性によって大きく変動します。
そのため、一概に「坪いくら」といった相場を提示することは難しいですが、今回は全国農業会議所の資料「市町村別田畑売買価格一覧表」を参考に、地方別の坪単価を算出しております。

都市計画法の線引きをしていない田んぼ・畑の売買平均価格(坪単価)
(坪単価の算出方法: 10aあたりの平均価格を、約302.5坪で割って算出)

地域 中田の坪単価(円/坪) 中畑の坪単価(円/坪)
北海道 787 380
東北 1,620 979
関東 4,588 4,995
東海 6,612 5,607
北信 4,089 2,879
近畿 5,904 4,096
中国 2,188 1,306
四国 5,088 2,889
九州 2,377 1,643
沖縄 2,843 4,076

市街化調整区域の田んぼ・畑の売買平均価格(坪単価)
(坪単価の算出方法: 10aあたりの平均価格を、約302.5坪で割って算出)

地域 中田の坪単価(円/坪) 中畑の坪単価(円/坪)
北海道 1,395 1,537
東北 4,129 3,663
関東 4,645 5,924
東海 19,250 18,704
北信 7,031 6,251
近畿 10,602 9,970
中国 13,091 8,902
四国 12,579 10,182
九州 4,926 4,066
沖縄 17,921

(参照元:田畑売買価格等に関する調査結果|一般社団法人 全国農業会議所)

田んぼ(中田)の売却相場

田んぼ(水田)の売却相場は、その地域の農業環境や都市化の進展度合いによって大きく異なります。
特に、安定した水利条件や土壌の質といった農業的な条件に加え、宅地や他の用途への「転用可能性」が価格を大きく左右します。

一般的に、市街化区域内や都市近郊の田んぼは、将来的に転用できる可能性があるため、農業利用目的の場合よりも高値で取引される傾向にあります。
一方、農業振興地域内の田んぼは、原則として転用が認められません。そのため、その地域の農業従事者向けの価格となり、比較的安価な相場となります。

具体的な坪単価や10a(反)あたりの相場は地域差が非常に大きいため一概には言えませんが、例えば三大都市圏近郊の転用可能性のある田んぼであれば数十万円/10a以上、一方で地方の農業振興地域内の田んぼでは数万円/10a程度となることも珍しくありません。

以下に、田んぼの売却相場に影響を与える主な要素と傾向をまとめました。

  • 水利条件:河川などの水資源を利用する上での、法的な権利や基準、技術的な要件など
  • 市街化区域:積極的に市街地としての開発を進めるよう定められた地域。
  • 農業振興地域:原則として、農業以外の目的では使用できない地域。
要素 価格への影響 備考
立地(市街化区域内) 高くなる傾向 宅地転用が比較的容易なため、宅地としての潜在価値が加味される。
立地(市街化調整区域内) 低くなる傾向 原則として建築物の建築が制限されるため、宅地転用が難しい。
立地(農業振興地域内) 最も低くなる傾向 農地転用が原則不許可のため、農業利用以外の価値が見込まれにくい。
水利条件 良好なほど高くなる 用水路からの安定した取水が可能か、排水が適切かなどが重要。
土壌の質 良好なほど高くなる 肥沃度、保水性、排水性などが農業生産性に直結する。
区画の大きさ・形状 大規模で整形なほど高くなる 大型機械での作業効率が高く、需要がある。
接道状況 良好なほど高くなる 農機具の搬入やアクセスが良いほど評価される。

畑(中畑)の売却相場

畑の売却相場も田んぼと同様に、立地や転用可能性が価格を決定する大きな要因となります。
田んぼと異なる点は、水利施設の整備費用が不要な場合が多いこと、そして栽培作物によって土壌や日当たりなどの条件がより重視される傾向があることです。

都市近郊の畑は、市民農園や小規模な農業用地としての需要がある場合、比較的高い価格で取引されることがあります。

一方、地方の広大な畑や、市街化調整区域内に位置する畑は、農業利用目的の価格となり、比較的安価な傾向にあります。
とくに、大規模な農業地帯にある畑は、農業経営をしたい方の需要があるものの、転用可能性は低いため、価格は抑えられがちです。

畑の売却相場に影響を与える主な要素と傾向は以下のとおりです。

  • 市街化調整区域:過度な市街化を抑制するため、建築や開発行為が制限される地域。
要素 価格への影響 備考
立地(市街化区域内) 高くなる傾向 宅地転用が比較的容易なため、宅地としての潜在価値が加味される。
立地(市街化調整区域内) 低くなる傾向 原則として建築物の建築が制限されるため、宅地転用が極めて難しい。
立地(農業振興地域内) 最も低くなる傾向 農地転用が原則不許可のため、農業利用以外の価値が見込まれにくい。
土壌の質 良好なほど高くなる 肥沃度、水はけ、日当たりなどが栽培作物の生産性に直結する。
日当たり 良好なほど高くなる 特に野菜や果樹の栽培において重要な要素となる。
区画の大きさ・形状 大規模で整形なほど高くなる 農機具の利用効率が高く、需要がある。
接道状況 良好なほど高くなる 農産物の搬出入やアクセスが良いほど評価される。

農地の買取価格が安くなる理由

農地の売却価格や買取価格が、一般的な宅地や商業地と比較して安価になりやすいのには、複数の構造的な理由が存在します。

1. 農地法の厳しい規制

農地は食料生産の基盤として、農地法によって厳しく保護されています。
農地の売買(所有権移転)には、原則として農業委員会の許可が必要であり、買主も「農業従事者」や「農業法人」に限定されます。
買主の数が少なく、市場競争原理が働きにくいため、価格が上がりにくい構造になっています。

2. 農地転用許可の難しさ

農地を宅地や商業施設、駐車場などに転用するには、農地法に基づく「農地転用許可」が必要です。
しかし、この許可を得ることは非常に難しく、とくに優良農地や農業振興地域内の農地は原則として転用が認められません。
転用が難しいということは、農業利用以外の目的で活用されにくいため、その潜在的な価値(宅地としての価値など)が価格に反映されにくくなります。

3. 需要の限定と供給過多

日本において農業従事者の減少と高齢化が進むなかで、新たに農地を購入して農業を始める人は限られています。
一方で、耕作放棄地の増加などにより、売りに出される農地の供給は少なくありません。
需要が限定的であるにもかかわらず、供給が一定数存在するため、買い手市場となりやすく、価格は下落傾向にあります。

4. 収益性の課題

農業経営だけで高い土地価格を回収することは、現在の農業環境下では非常に困難な場合が多いです。
そのため、農地を購入する農業従事者は、投資に見合う収益性が見込める価格帯でしか購入を検討しません。
これが、農地の価格を抑制する要因となります。

5. 市街化調整区域内の多さ

多くの農地が「市街化調整区域」に指定されています。
市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とされており、建築物の建築が制限されています。
このため、農地が市街化調整区域内にある場合、たとえ農地転用許可が得られたとしても、建物が建てられないため、宅地としての価値は期待できません。

これらの理由から、農地の売却や買取は、一般的な不動産取引とは異なる特性を持ち、価格が安価になりやすいという実情があります。売却を検討する際は、これらの点を理解しておく必要があります。

都市部と郊外で農地の売却相場は異なる

農地の売却価格は、単に「田んぼ」や「畑」といった農地の種類だけでなく、その農地が所在する地域特性によって大きく変動します。
とくに都市部と郊外では、価格を決める要因が根本的に異なるため、相場を調べる際には地域の特性を理解することが不可欠です。

都市部の農地の売却価格の傾向

都市部にある農地は、農業を継続する目的よりも、宅地や商業施設用地、駐車場などへの「転用可能性」にその価値が見出されることが多く、周辺の土地利用状況や法規制が売却価格に大きな影響を与えます。

具体的には、市街化区域内に位置する農地は、宅地転用が比較的容易であるため、周辺の宅地価格に準じた高値で取引される傾向にあります。

一方、市街化調整区域内の農地は、原則として開発が制限されるため、市街化区域内の農地と比較して価格は低い傾向にあります。 しかし、既存集落内の農地や、特定の公共施設・公益施設用地として開発許可が得られる場合は、一定の需要があり、高値で取引されるケースも存在します。

このように、都市部の農地は、その土地が持つ潜在的な転用価値が売却価格を大きく左右します。

農地の立地や転用可能性で発生する価格差

農地の売却価格は、その立地条件と将来的な転用可能性によって大きく左右されます。これらの要因は、都市部だけでなく郊外の農地にも共通して影響を与え、価格差を生み出します。

立地条件による価格差

  • アクセス:幹線道路への近さ、最寄りの駅からの距離、周辺の生活利便施設(スーパー、学校、病院など)へのアクセスが良いほど、需要が高まり価格も上昇します。
  • 地形・地質:平坦で整形地である農地は、造成費用が少なく済むため高評価です。傾斜地や不整形地、地盤が軟弱な土地は、造成費用がかさむため価格が下がる傾向にあります。
  • 周辺環境:住宅地や商業地に近い農地は、転用後の利用価値が高く評価されやすいです。一方で、周辺に嫌悪施設がある場合や、孤立した場所にある場合は価格が低くなることがあります。
  • 水利条件:田んぼの場合、安定した用水の確保は必須条件であり、水利権の有無や水路の整備状況も価格に影響します。

転用可能性による価格差の要因

農地の転用可能性は、その土地に適用される法規制によって大きく異なります。以下の表で主な法規制と転用可能性、価格への影響をまとめました。

法規制区分 転用可能性 売却価格への影響
市街化区域内の農地 比較的容易(農地法許可・届出、開発許可等) 周辺の宅地価格に準じた高価格帯
市街化調整区域内の農地 原則として転用困難(特定の開発許可や例外規定を除く) 低価格帯。ただし、既存集落内など条件によっては一定の需要あり
農業振興地域内の農用地区域 転用は極めて困難(農用地区域からの除外が必要) 最も低価格帯。農地としての利用価値が主
生産緑地地区内の農地 指定中は転用制限(指定解除まで困難) 指定中は低価格帯。指定解除後は高騰の可能性あり
用途地域(商業地域、準工業地域など) 転用後の利用目的によって大きく異なる 商業地域や工業地域に指定されている場合、高い転用価値が見込まれる

さらに、農地を転用する際に必要となる造成費用(土盛り、土壌改良、インフラ引き込みなど)の多寡も、実質的な土地の価値に影響を与えます。造成費用が多額にかかる場合は、その分、土地の純粋な売却価格は低く評価されることになります。

農地の売却価格の相場を自分で調べる方法

農地の売却を検討する際、まずはご自身で相場を調べることで、売却の方向性や希望価格をイメージできるようになります。

不動産ポータルサイトで売出価格を確認する

一般の不動産売買でよく利用される不動産ポータルサイトは、農地の売却価格の相場を知る上で一つの参考になります。ただし、農地は一般的な宅地やマンションに比べて流通量が少ないため、希望する地域の農地情報が豊富に見つからない可能性もあります。

主な不動産ポータルサイトは、SUUMOLIFULL HOME’Sアットホームなどがあります。これらのサイトで、お持ちの農地と類似する条件(地域・面積・地目・接道状況など)の物件を検索してみましょう。
都市に近く、転用が見込まれる農地は、一般の宅地に近い価格で売り出されていることがあります。

ただし、ポータルサイトに掲載されているのはあくまで「売出価格」であり、実際にその価格で成約したとは限りません。
あくまで参考情報として、相場感を掴むための第一歩と捉えましょう。

土地総合情報システムで売買事例を調べる

国土交通省が運営する「土地総合情報システム」では、過去の不動産取引価格情報を確認できます。個別の物件情報は匿名化されていますが、地域や広さ、取引時期などの条件で検索し、実際の成約価格を参考にすることができます。

農地の売買事例は一般の宅地に比べて数が少ない傾向にありますが、近隣で類似の地目や規模の土地がどのような価格で取引されたかを確認することは、相場感を養う上で非常に有効です。

ただし、あくまで過去の事例であり、個別の農地の状況(立地、形状、土壌、周辺環境、転用可能性など)によって価格は大きく変動するため、参考情報として活用しましょう。

公示価格・路線価で周辺の土地価格水準を把握する

公示価格は国土交通省が毎年発表する標準地の価格、路線価は国税庁が相続税・贈与税の算定基準として定める土地の評価額です。
これらは農地そのものの価格を直接示すものではありませんが、周辺の宅地や準農地の価格水準を把握する上で参考になります。

特に、農地が将来的に宅地転用される可能性を秘めている場合、周辺の宅地の公示価格や路線価は、その農地の潜在的な価値を推し量る指標の一つとなり得ます。ただし、地目が農地である場合、これらの公的価格から大幅に乖離することが一般的であるため、あくまで周辺環境の価格水準を測る目安として利用し、直接的な農地の売却価格とは見なさないよう注意が必要です。

これらの公的価格は、以下のサイトで確認できます。

不動産会社に査定を依頼する

農地の売却価格の相場を最も正確かつ具体的に知る方法は、不動産会社に査定を依頼することです。特に、農地の売買には農地法や農業委員会への許可申請など、専門的な知識と手続きが必要となるため、農地の取り扱いに実績のある不動産会社を選ぶことが重要です。

農地売却に強い不動産会社を選ぶ

農地の売却は、宅地の売却とは異なる専門知識(農地法、農業委員会の許可、転用手続きなど)が必要です。そのため、農地の売買実績が豊富な不動産会社や、地域の農地事情に詳しい不動産会社を選ぶことが非常に重要です。一般的な不動産会社では農地の取り扱いが難しい場合も少なくありません。

複数の不動産会社に査定を依頼することで、より客観的な相場感を掴むことができます。また、各社の査定額だけでなく、その根拠や売却戦略、担当者の専門性や対応なども比較検討しましょう。

査定の種類と特徴

査定の種類 特徴 メリット デメリット
簡易査定(机上査定) 物件情報(地目、面積、所在地など)と周辺の取引事例を基に、概算の査定額を算出します。 スピーディーに概算価格を知ることができる。複数社に依頼しやすい。 実際の物件を見ないため、精度が低い場合がある。
訪問査定(現地査定) 不動産会社の担当者が現地を訪問し、物件の状態、周辺環境、法規制などを詳しく調査して査定額を算出します。 最も正確な査定額が期待できる。売却戦略やアドバイスも得られる。 現地調査に時間がかかる。立ち会いが必要。

まずは簡易査定で複数の会社の概算価格を比較し、信頼できる会社に訪問査定を依頼するのが効率的です。

査定時に伝えるべき情報

より正確な査定額を引き出すためには、不動産会社に情報を詳しく伝えることが重要です。

  • 地目:現在の地目(田、畑など)
  • 面積:公簿面積と実測面積
  • 所在地:住所、地図上の位置
  • 接道状況:道路への接し方、幅員
  • 売却理由・希望価格:売却の背景や希望する価格帯
  • 周辺環境:周辺の土地利用状況、騒音、日当たりなど

これらの情報が多ければ多いほど、不動産会社は精度の高い査定を行うことができます。
法規制・転用の可能性などの情報は、不動産会社が調査してくれることがあるため、個人で収集することが難しい場合も、まずは相談してみましょう。

査定額はあくまで「売却予想価格」であり、最終的な成約価格を保証するものではありませんが、プロの視点から見た客観的な市場価値を知る上で最も有効な手段です。

農地売却における注意点

農地の売却は、一般的な宅地や建物の売却とは異なり、特別な法律や規制が適用されます。そのため、売却を進める上でいくつか注意すべき点があります。これらの注意点を事前に理解しておくことで、スムーズな売却活動に繋がり、予期せぬトラブルを避けることができます。

農地の売却には、原則として許可がいる

農地を売却する際には、農地法という法律に基づき、原則として農業委員会または都道府県知事の許可が必要です。この許可がなければ、売買契約を締結しても法的な効力は発生しません。許可の種類は、売却の目的によって大きく3つに分けられます。

農地法による許可の主な種類は以下の通りです。

農地法条文 目的 概要 許可権者
農地法第3条 農地のまま権利移動 農地を農地のまま売買、贈与、貸借などによって所有権や利用権を移転する場合。買主が農家であることや、農地を効率的に利用できるかなどが審査されます。 農業委員会
農地法第4条 自己転用 自分の農地を、農地以外の用途(宅地、駐車場、工場用地など)に転用する場合。 都道府県知事(市町村の農業委員会を経由)
農地法第5条 権利移動+転用 農地を農地以外の用途に転用する目的で、売買、贈与、貸借などによって所有権や利用権を移転する場合。 都道府県知事(市町村の農業委員会を経由)

これらの許可は、売買契約の「停止条件」とされることが一般的です。つまり、「農地法に基づく許可が下りた場合にのみ、売買契約が成立する」という条件を付けて契約を締結します。許可申請には通常1~2ヶ月程度の期間を要し、書類の準備や農業委員会での審議が必要です。

特に、市街化調整区域内の農地や優良農地(甲種農地、第1種農地)は、農地転用が厳しく制限されており、許可を得るのが非常に困難な場合があります。農地転用を目的とした売却を検討している場合は、事前に農業委員会や専門の不動産会社に相談し、転用可能性や許可の見込みを確認することが重要です。

相場調査で売れるかどうかはわからない

一般的な不動産売却では、周辺の取引事例や公示価格、基準地標準価格などを参考に相場を把握し、売却価格を設定します。しかし、農地の場合は、相場を把握したからといって必ずしもその価格で売れるとは限りません。その理由は、農地特有の市場の特殊性にあります。

  • 買い手が限定される
    農地法による規制があるため、農地を購入できるのは、原則として農業を営む個人や法人に限られます。また、転用目的の場合でも、その地域の開発計画や都市計画法上の制限などにより、買い手は非常に限定されます。
  • 個別性が高い
    農地の価格は、その形状、面積、土壌の質、水利の便、接道状況、周辺環境、そして最も重要なのが「転用可能性」によって大きく変動します。同じ地域内でも、これらの条件が異なるだけで価格は大きく変わるため、画一的な相場が形成されにくいのです。
  • データが少ない
    一般的な不動産ポータルサイトや公的な価格情報サイトでは、農地の取引事例が少なく、詳細な情報も得にくい傾向があります。そのため、公示価格や固定資産税評価額だけでは、実際の市場価格を正確に反映しているとは言えません。
  • 許可の不確実性
    買主が見つかり売買条件が合致したとしても、農地法に基づく許可が下りなければ取引は成立しません。この許可の不確実性が、農地の売却価格や売却のしやすさに大きな影響を与えます。

これらの理由から、農地の売却を検討する際は、単に相場を調べるだけでなく、農地の特性を理解し、専門知識を持つ不動産会社に相談することが不可欠です。複数の不動産会社に査定を依頼し、その農地の具体的な価値や売却戦略について意見を聞くことが、成功への近道となります。

買取自体を断られることが多い

不動産の売却方法には、一般的に仲介と買取の2種類があります。仲介は不動産会社が買主を探すのに対し、買取は不動産会社が直接買主となって物件を買い取る方法です。しかし、農地の場合、買取を希望しても断られるケースが非常に多く見られます。

買取業者が農地の買取を敬遠する主な理由は以下のとおりです。

  • 再販の難しさ
    買取業者は、買い取った物件を転売することで利益を得ます。しかし、農地は買い手が限定されるため、再販が難しく、長期的に在庫を抱えるリスクが高いと判断されます。
  • 農地法による規制とリスク
    前述の通り、農地の売買や転用には農地法による許可が必要です。この許可申請には時間と手間がかかり、不許可になるリスクも存在します。買取業者にとって、この不確実性は大きな負担となります。
  • 収益性の低さ
    農地は、一般的な宅地や商業地と比較して、地価が低い傾向にあります。また、転用が難しい農地の場合、開発による付加価値も期待しにくいため、買取業者にとって十分な利益が見込めないことがあります。
  • 専門知識の不足
    一般的な不動産買取業者は、宅地やマンションなどの取り扱いに特化しており、農地法や農業に関する専門知識が不足している場合があります。そのため、リスクを避けるために買取を断るケースも少なくありません。

したがって、農地の売却を検討する際は、まず仲介による売却を優先的に考えるべきです。農地専門の不動産会社や、地域に根差した不動産会社であれば、農地の特性を理解し、適切な買い手を探してくれる可能性が高まります。また、近隣の農家や農業法人への直接交渉も有効な手段となり得ます。

まとめ

農地の売却価格は、宅地とは異なり「農地法」の規制が厳しく、買い手も限定されるため安価になりがちです。

また、転用許可が難しいため、相場を調べただけでは売れるかわからない、または相場どおり売れるかわからないのが実情です。
さらに、一般的な不動産会社では買取を断られるケースも少なくありません。

これらのリスクを回避し、スムーズな売却を実現するためには、農地の扱いに詳しい専門家への相談が不可欠と言えます。

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執筆者:株式会社ハウスプロデュース広報部

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