耕作放棄地とは?扱いに困っている土地の再生方法や活用事例を解説

日本では少子高齢化が深刻化しており、後継者不足によって営農を続けられない農家が増加しています。

管理を続けられない農地を放っておき耕作放棄地となることで、ゴミの不法投棄や害虫・害獣の棲家になる原因となり、近隣住民にも多大な迷惑をかけてしまいます。

今回は、「営農を引退した地権者」や「田舎の土地を相続したが管理できていない地権者」の方々に向けて、そもそも耕作放棄地とは何か?また、耕作放棄地になってしまった農地の活用方法について解説します。

耕作放棄地とは

耕作放棄地とは、「過去に耕作されていたが現在は使用されていない土地」を指します。
定義上では、「かつて耕作されていたが、過去1年以上にわたって作物が栽培されておらず、今後も栽培の意志がない土地」とされています。

耕作の意思の有無は、農林水産省が5年ごとに実施する「農林業センサス」という調査を通じて、農家から耕作に関する意思を確認することで判断されます。耕作放棄地が増加している主な原因は、農業従事者の高齢化や後継者不足にあります。

耕作放棄地が増えると発生する課題

1975年には13万1,000ヘクタールだった耕作放棄地の面積が、2015年には43万3,000ヘクタールと、約3倍以上に増加しています。耕作すべきとされる土地の放棄が増えることにより生じる課題は何か、考察してみましょう。

食料自給率の低下

耕作放棄地が増加することは、農地の減少に直結するため、食料自給率の低下に繋がります。食料自給率が低下すれば、海外からの輸入に頼ることになり、輸入価格の変化に商品価格が左右されたり、生産量の低下によっては輸入自体ができなくなったりというリスクが出てきます。

田畑の状態悪化

仮に耕作をしていない状況でも、土壌の質を維持するためには適切な管理が求められます。しかし、耕作放棄地となって管理が行われなければ、土壌の質が低下し作物が育ちにくくなります。放置期間が長くなるほど、農地として再生することが難しくなります。

近隣の農地にも悪影響

耕作放棄地となり、草刈りなどの手入れが行われなくなってしまうと、虫や動物が寄り付いたり、不法投棄の温床となってしまったりします。こうなると近隣住民や周辺の農地にも悪影響を与えてしまう可能性があります。

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耕作放棄地を再生・活用する方法

耕作放棄地を個人や企業に貸す

以前は、土地の地目が「農地」のまま売却する場合、買い手も農業者である必要がありました。

しかし、2014年に全国に設置された「農地バンク」などの仲介サービスによって、農家以外にも農地を貸せるようになりました。農業をリタイアして農地を貸し出したい農家や新規事業として農地を借りたい人・企業が、公的機関を通じてマッチングできる制度です。

耕作放棄地を農地として再利用する

その土地の本来の目的である耕作を行います。人手不足や農業者の体力面に懸念がある場合は、「そば・なたね・茶・大豆・さつまいも」など、比較的作業時間が少なくて済む作物を新たに作付けする方法もあります。

農業者が耕作放棄地で再び農業を行う場合、土壌の再生や設備の準備などを支援する「耕作放棄地再生利用緊急対策交付金」の対象となります。自治体によっては耕作放棄地の再生に対する補助金制度を設けいているところがありますので、そちらも合わせて確認してみましょう。

農地転用して農業以外の目的で活用する

耕作放棄地を農地転用して活用する場合、それぞれの土地の広さや立地条件によって向き不向きはありますが、たとえば以下のような方法が挙げられます。

  • 賃貸アパート・マンションの建築
  • 高齢者施設の建築
  • 仲介業者等に宅地として売却
  • 駐車場や資材置き場として貸し出す

次章では、とくに郊外・地方でも活用しやすい方法を掘り下げていきます。

耕作放棄地の活用事例

高齢者施設の建設

農地を宅地に転用して、老人ホームなど福祉施設として活用する方法です。

高齢者施設は広い部屋や落ち着いた雰囲気が重視されるケースが多く、住宅街から多少離れていても比較的需要が伸びやすい施設だといえます。また、高齢者施設のように公共性が高い施設は地域貢献にも繋がるでしょう。

資材置場として貸し出し

耕作放棄地を転用し、事業に使用する資材置場として貸し出す方法です。

建築物を建てる必要がないため、市街化調整区域でも行えるほか、費用が抑えられます。国道が近いなど、交通の便が良い地域と相性が良い活用方法です。

駐車場を建設

住宅街が近くにあり、周辺の道路に一定の広さがある場合は、駐車場経営という選択肢もあります。

初期費用が少なくて済み、継続的な収入源となります。周辺道路が狭い場合や高低差が大きい地域には向かない点に注意が必要です。

農地転用とは?必要な手続きや費用について|転用後の活用方法も解説

耕作放棄地の再生や活用が難しければ売却を検討しよう

耕作放棄地の扱いに困っているなら、活用だけでなく売却も1つの選択肢です。

再生・活用のための資金や各所への手続き、その後の管理も含めて考えると、活用を考えるよりも耕作放棄地を手放すことを検討される方も多くいらっしゃいます。

耕作放棄地の売却はハウスプロデュースにご相談ください

太陽光設置お任せ隊(運営:株式会社ハウスプロデュース)は、農地・耕作放棄地・雑種地などの買取・賃貸を行っています。提供いただいた土地に太陽光発電所を建設し、発電した電気を再生可能エネルギーを求める企業へ提供しております。

当社は「過度な伐採など、自然環境を損なう開発はしない」「買取後も草刈りなどしっかり管理」「近隣住民の方への説明」など、後々のトラブルとならぬよう開発を進めますのでご安心ください。

耕作放棄地はもともと農地であったため日当たり良好なケースが多く、相場以上の価格で買取が可能です。多数の農地転用実績があるスタッフが対応いたしますので、農地・耕作放棄地の売却を検討している方は、当社へお気軽にお問い合わせください。

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執筆者:株式会社ハウスプロデュース広報部

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当社は、産業用太陽光発電システムのEPC工事を専門に手がけています。経験豊富な電気工事士やエネルギーマネジメントアドバイザーなどの有資格者が在籍。一次情報や専門家からの取材を基に、EPC事業者としての「現場から得たノウハウ」を活かしたコンテンツ作りに取り組んでいます。

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