非FIT太陽光発電所とは?|企業が保有するメリット・調達方法を解説

近年、脱炭素社会(カーボンニュートラル)や電力市場価格の高騰といった社会的な流れから、多くの企業が再生可能エネルギーの活用に注目が集まっています。

今回は、自社で再生可能エネルギー調達に向けて動き出している企業や、再生可能エネルギーを供給する立場となる電気事業者にとって役立つ「非FIT太陽光発電所」についてお伝えします。現在の太陽光発電の市場状況を踏まえて、非FIT太陽光発電所の仕組みや保有するメリットについて詳しく解説しています。

非FIT太陽光発電所とは?

非FIT太陽光発電所とは、FIT法(固定価格買取制度)を適用しない太陽光発電所のことです。

具体的には、遊休地や農地などに建てられた太陽光発電所で発電した電気(再生可能エネルギー)を、直接または電力会社を経由して、企業が所有するビルや工場施設などに送る発電設備を指します。

企業が事業活動において使用する電力を非FIT太陽光発電所から調達すれば、電力調達コスト削減という金銭的メリットだけでなく、環境価値の創出やCSR活動など、企業価値の向上というメリットに繋げられます。

FIT法(固定価格買取制度)とは? 非FITまでの経緯

非FIT太陽光発電所の具体的な説明をする前に「FIT法(固定価格買取制度)」の概要をおさらいしましょう。

FIT法(固定価格買取制度)とは、太陽光・風力・バイオマスなど経済産業省が認める再生可能エネルギー由来の発電設備で作られた電気を売却できる制度です。FIT法によって、国は発電事業者に対し、10年間または20年間にわたり固定価格で電力会社に売却する権利を保証しています。

FIT法が、2012年7月1日に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」として日本で正式に施行されたことにより、2020年度までに認定を受けた再エネ発電設備の件数は2,278,429件(※)にまで増加しました。

このようにFIT法は、国内の再生可能エネルギー比率の向上に大いに貢献した制度といえます。しかし、FIT法によって国内で太陽光発電所が増える一方で、FIT法は以下の問題を抱えることになります。

(※ 参照:国内外の再生可能エネルギーの現状と今年度の調達価格等算定委員会の論点案(2021年10月)|資源エネルギー庁)

FIT法の問題点① 再生可能エネルギー賦課金の高騰による国民負担の増加

再エネ賦課金の推移

実は、FIT法において再生可能エネルギーの買い取りに要する費用は、「再生可能エネルギー促進賦課金(通称 再エネ賦課金)」という名目で、電力会社を通じてすべての国民に請求されています。 つまり、国内でFIT認定を受けた発電所の数が増えるほど、電気料金への反映という形で国民の負担増加に繋がります。

再エネ賦課金の単価は2012年度時点で「0.22円/kWh」でしたが、年々値上がりしており、2022年時点では「3.45円/kW」と、わずか10年間で約18倍にまで高騰しています。

関連記事:【電気代の税金】上がり続ける再エネ賦課金とは|太陽光発電で負担を軽減

FIT法の問題点② 買取単価の減少と法改正

FIT法による電力の買取単価は、2012年度では40円から42円/kWhの値がついていました。しかし、年度ごとに徐々に低下していき、2022年度現在では11円から17円/kWhにまで下がっています。 また、2020年度のFIT法の改正により、もっとも普及していた50kW未満の太陽光発電において全量売電の廃止が決定しました。

さらに、これらの要因以外にも、太陽光発電所の建設に伴う大規模な森林伐採や、近隣住民とのトラブルなどによりFIT法の認定が厳格化されたことで、2022年現在ではFIT法は衰退に向かっています。

関連記事:FIT改正で太陽光発電はどうなる?|売電価格・申請締切などを解説

日本政府が向かうカーボンニュートラル|企業の再エネ利用は必要不可欠に

2021年4月22日、菅前総理は総理大臣官邸で第45回目となる地球温暖化対策推進本部を開催し、そのなかで「2030年に向けた日本の気候変動対策」の議論では、以下のように発言しています。

2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46パーセント削減することを目指します。さらに、50パーセントの高みに向けて挑戦を続けてまいります。

(引用:令和3年4月22日 地球温暖化対策推進本部|首相官邸オフィシャルサイト )

その後、菅前総理は、米主催の気候変動サミットにおいても「2050年に向けたカーボンニュートラル達成」を全世界に向けて表明しています。

(参照元:気候変動サミット 菅首相発言全文「脱炭素化のリーダーシップをとっていきたい」|産経新聞 )

社会全体がカーボンニュートラルに向かうということは、当然、私たち企業側にとっても他人事でありません。実際に、カーボンニュートラルの流れと逆行する企業に対してダイベストメント(投資機関・銀行等による資金の引き上げ)が世界中で起こっています。

また、2022年3月1日には「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、これを経て2022年5月13日には改正省エネ法が国会で成立しました。改正省エネ法とは、簡潔にいえば、エネルギー使用量が多い企業に対して、非化石エネルギーへ転換するための中長期的な計画の作成を求めるためのものです。

関連記事:省エネ法とは?規制される分野と知っておきたい改正内容

グリーン社会の実現に向けた取り組み

企業にとって環境問題への取り組みはCRS活動といった枠組みを超えて今後の経営存続をも左右する問題となってきています。実際、国の多くの資金が環境投資にも回ることになるでしょう。

また、政府はカーボンニュートラルへ向けた経済戦略の柱として、経済成長と環境の好循環に向けた大胆な環境投資(グリーン社会の実現)を発表しました。現時点で、主に以下のような取り組みが行われています。

■革新的なイノベーションの推進

次世代太陽光発電、低コストの蓄電池、カーボンリサイクルなど、野心的イノベーションに挑戦する企業に対して2兆円の基金を創設し最大10%の税額控除などが適用されます。

(参照元:革新的環境イノベーション|経済産業省ホームページ)

■脱炭素ライフスタイルへの転換

脱炭素社会づくりに貢献する製品への買換え・サービスの利用・ライフスタイルの選択などに資する企業への補助金事業です。

(参照元:脱炭素型ライフスタイルの施策について|環境省(PDF))

■サステナブルファイナンスの推進

3,000兆円ともいわれる内外の環境投資資金を呼び込みます。金融市場の枠組みをつくり、脱炭素に向けた社債などの取引が活発に行われる「グリーン国際金融センター」を日本に実現することを目指しています。

(参照元:サステナブルファイナンス有識者会議|金融庁ホームページ)

上記からも、たとえFIT法の終了を迎えつつ、日本は自国の再生可能エネルギー比率を高めていく姿勢は継続されるでしょう。

日本はFIT法に依存しない太陽光発電所(非FIT太陽光発電所)によるエネルギーの地産地消を目指すことで、再エネ賦課金の高騰による「国民負担の緩和」と「太陽光発電のさらなる普及」の両立を目指しています。

企業が非FIT太陽光発電所を保有するメリット

企業が非FIT太陽光発電所を保有した場合、どのようなメリットが得られるのか解説していきます。

企業の環境対策に繋がる

非FIT太陽光発電所を自社で保有し、発電した電気を自社に送れば、企業の環境対策に繋がります。

FIT法を適用して売電される電気は、国民がその買取費用の一部を再エネ賦課金として負担しているため、環境価値が国民に付与され、100%再生可能エネルギーの電力とはみなされません。その点、非FITの電気は環境価値が発電所や電気の供給先に付与されるため、100%再生可能エネルギーの電力と認められます。

また、非FIT太陽光発電所と非化石証書を導入できれば、RE100やRE Actionへ加盟できる可能性があります。RE100は、いわゆる大手企業が加盟対象となりますが、RE Actionは中小企業でも加盟できるチャンスがあります。

環境対策を積極的におこなう企業としてイメージ向上が狙えるほか、企業価値を高めていくことに繋がります。

関連記事:エコアクション21とは?|費用・メリット・導入方法を解説

電力の価格高騰の影響を受けにくく長期的なコスト削減に

非FIT太陽光発電所の電気を使用することで、安価な電力を安定して供給でき、電力の市場価格の影響を受けにくくなります。

2021年9月から各電力会社の電気料金が高騰したことや、2022年2月以降のウクライナ情勢で天然ガスの供給不安定化が予想される今、日本の電気料金は高騰傾向が続くとみられています。対策をしていない企業は「電気使用量は同じなのに、電気代が跳ね上がってしまった」ということが実際に起きています。

非FIT太陽光発電所を保有することで、自社でコントロールできない電気料金の高騰を回避し、長期的なコスト削減に繋げられます。

炭素税などCO2排出にかかる負担リスクを回避

非FIT太陽光設置所を保有することで、将来的な炭素税の負担リスクを軽減できます。

日本はカーボンニュートラルを目指すにあたって、本格的に「炭素税」の導入検討に乗り出しています。これまでも炭素税の一種として「地球温暖化対策のための税(温対税)」などが導入されてきましたが、今後はいち早く環境対策を進めている諸外国の課税水準に合わせるように、日本も段階的に税率を引き上げていく見込みです。

非FIT太陽光発電所を保有し、自社のCO2排出量削減対策を行なうことは、環境対策に積極的な企業を中心に注目されています。

小売電気事業者が非FIT太陽光発電所を保有するメリット

非FIT太陽光設置所を、小売電気事業者が保有するメリットを簡潔に解説していきます。

安定した電力調達が可能

2020年12月から、寒波による電力需要の急増やLNG(天然ガス)の不足により、電力卸市場価格が高騰し需給状況がひっ迫しました。

この影響で、市場から多くの電力を調達していた小売電気事業者は大きな打撃を受けました。小売電気事業者は、非FIT太陽光発電所を保有することで、上記のような不測の事態の影響を軽減し、安価な電力を安定して調達できます。

排出枠取引制度対策

今後、電力事業者に対しCO2などの温室効果ガスの排出量の限度を設定し、制度の対象者どうしで排出枠の売買をする「排出枠取引制度」が導入されます。

小売電気事業者は、CO2排出量を抑えながら電力供給が可能な非FIT太陽光発電所を保有することで、排出枠取引制度における支出を抑えられます

容量市場への対策

「容量市場」とは、従来の電力卸市場のように「電力量(kWh)」ではなく、「将来の供給力(kW)」を取引する市場です。電力供給の安定化を目指して、2020年9月から入札が開始されました。

これにより、小売電気事業者は一定の容量を購入する義務が生じました。しかし、非FIT太陽光設置所を保有して自社電源を確保すれば、小売電気事業者が発電事業者の役割も担うこととなり、容量市場への支出を軽減できます。

非化石電源比率向上義務(高度化法)対策

高度化法は、再生可能エネルギー普及を後押しするための政策として、2009年に制定されました。これにより、小売電気事業者は「2030年までに非化石電源の比率を44%以上」が求められています。

非化石電源の比率が低い小売電気事業者にとっては、非FIT太陽光発電所の自社保有化は、中長期的な高度化法対策としても重要度が高まるでしょう。

ハウスプロデュースでは非FIT太陽光発電所を多数取り扱っております

太陽光設置お任せ隊を運営する「株式会社ハウスプロデュース」は、非FIT太陽光設置所の開発に積極的に取り組んでいます。私たちは、環境負荷の少ないエネルギーを活用したい法人企業のお客さまへ電力供給することで、脱炭素社会の実現に少しでも貢献していきたいと考えています。

また、当社では非FIT太陽光発電所販売サイト「NON-FIT.com」のサービスを開始致しました。今すぐにでも商談可能な全国各地の発電所エリアも掲載しております。

非FIT太陽光発電所をお探しの小売電気事業者さま・需要家企業さまはぜひ一度ご確認ください。

非FIT太陽光設置所の調達ご相談ください

当社・ハウスプロデュースは、以下のような特徴を持った非FIT太陽光発電所の開発を手掛けています。

  • 自然環境を損なわず、その土地の形状や周辺環境を考慮した発電所
  • 発電所の保守管理のしやすさを考慮した発電所
  • 周辺住民への説明・土地境界問題などトラブルにならない、地元と調和した発電所

また、「低圧1物件」や「◯◯電力の管轄内」など、お客さまのさまざまなニーズにお応えできるご提案が可能です。

今後の脱炭素社会に適応した経営を進めていくために、非FIT太陽光設置所を視野に入れてみてはいかがでしょうか。太陽光発電のプロが疑問にお答えしますので、ご興味のある企業様はお気軽にハウスプロデュースまでご相談ください。

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太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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