この記事では、「陸屋根」に太陽光発電システムを導入する際の設置ポイントや注意すべき点について詳しく解説します。
陸屋根に太陽光発電システムの導入を検討している企業様は、ぜひ参考にしてください。
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ハウスプロデュースは、陸屋根に太陽光発電システムを設置する工法の中から、費用対効果・屋根の対荷重などを踏まえて最適な工法で設置いたします。
屋根に穴を開けない設置方法にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください!
目次
陸屋根の形状と特徴
陸屋根(平屋根)とは、地面に対して水平につくられた屋根のことです。
陸屋根は下記のような特徴から、おもにオフィスビル・工場・倉庫・マンションなどの建物で採用されているケースが多く、最近では住宅にも取り入れられています。
- 特徴1. メンテナンスコストが低い
- 滑り落ちるリスクが少ないため、屋根工事に必要な足場が小規模で済むことから、メンテナンスコストを抑えられます。
- 特徴2. 内部空間を有効に活用できる
- 陸屋根は勾配が少ないため、屋上庭園や駐車場としての利用や、機械設備の設置などの活用が容易です。
- 特徴3. 建築コストが低い
- 陸屋根は、傾斜付きの屋根より面積が小さいため、屋根材や骨組みの材料費が抑えられ、全体の建築コストも低くなる傾向があります。
陸屋根と太陽光発電の相性
陸屋根はそのフラットな構造から、太陽光発電の設置との相性が良いとされています。
- 発電効率の向上
- 屋根が平坦なことで柔軟な設計がしやすく、太陽のあたる南向きに太陽光パネルを設置しやすいです。
- 遮熱効果
- 太陽光パネルを設置することで、建物の屋根に直射日光が当たる範囲が狭くなります。この遮熱効果は、屋根や建物内部の温度上昇を軽減させます。
- 機器の配置がしやすい
- 陸屋根部分の面積が広ければ、太陽光パネル以外の周辺機器も屋根上に配置するなど、柔軟な設計で費用を抑えられる可能性があります。
陸屋根における太陽光発電の施工方法
陸屋根に太陽光発電を導入するには、いくつかの方法があります。これらの施工方法について、それぞれの特徴と注意点を交えながら詳しく解説していきます。
アンカー工法
屋根に穴を開けてアンカー(構造物を固定するボルトなどの器具)を設置し、防水処理を施した後、架台を固定します。
ただし陸屋根は平坦で排水性が比較的低いため、穴を開けることで雨漏りのリスクを高める可能性があります。
屋上に水が溜まりやすい構造であるため、電気ケーブルの配線方法にも注意が必要です。
そのため陸屋根に太陽光発電システムを設置する際は、防水処理技術に優れた業者に依頼することをおすすめします。
また設置条件に応じて他の工法にも対応できる業者を選ぶことが望ましいでしょう。
重石工法
屋根に穴を開けずに太陽光パネルを設置できる施工方法です。
コンクリートブロックを屋上に配置し、それらのブロックに専用の架台や専用レールを取り付けて太陽光パネルを固定します。
ブロックの重量は数十kg以上のものもあり、風に対しての安定性は高いです。しかし強風時には屋根とパネルの間に風が侵入し、パネルが外れる可能性があります。
そのため強風への対策や、屋上の耐荷重も考慮した適切な設計が不可欠です。
置き基礎工法
コンクリート製の基礎を直接地面に置いて、太陽光パネルを固定する施工方法です。重石工法と似ていますが、もう少し設置作業の工数がかかる方法です。
置き基礎に取り付けられる架台は角度調整が可能で、パネルに太陽光がよく当たるように傾斜をつけられます。
傾斜角度を小さく設定することで、パネル間隔を狭め、屋根の限られたスペースに多くのパネルを配置できます。
そのため設置スペースを最大限に活用したい場合に適している工法といえます。
アンカーレス架台
アンカー・重石・置き基礎などが不要なので、屋根に穴を開けないで済むうえに他の方法より軽いことが大きな特徴です。
他の方法に比べると設置後の移動が容易で、設置後に屋根の防水工事を行う際にも邪魔にならずメンテナンスが楽であることも、この方法のメリットです。
これらの特徴から、アンカーレス架台を希望されるお客さまが増えています。
重い物体で支えなくても風で飛ばない特殊構造なので、従来の工法では重さの問題で設置が難しかった屋根など、さまざまな設置条件で導入しやすいです。
陸屋根で太陽光発電を設置するデメリット
陸屋根での太陽光発電には、他の設置場所と比べていくつかのデメリットが考えられます。以下に挙げる点を理解し、事前に検討することが重要です。
1. 屋根への負荷と雨漏りのリスク
陸屋根に太陽光発電を設置する際、穴を開けることで雨漏りのリスクが高まることが考えられます。
穴を開けない工法もありますが、置き基礎のブロックは重量が大きく、屋根や建物全体に負担をかける可能性があるため注意が必要です。
そのため、太陽光発電の設置だけでなく、屋根の構造や工事技術に詳しい業者に相談することをおすすめします。
2. 高温による発電効率の低下
太陽光パネルは、じつは表面温度が上がりすぎると発電効率が下がる性質があります。
結晶系シリコンという種類の太陽光パネルの場合、気温が25℃が最も効率的であり、それ以上の気温で1℃上昇するごとに0.4%前後の発電効率が低下するとされます。
陸屋根に設置する太陽光パネルは設置角度が低いため、太陽の照り返しで温度が上昇しやすく、発電効率の低下が懸念されます。
陸屋根で太陽光発電を設置するメリット
陸屋根での太陽光発電は、ほかの設置場所には無いメリットもあります。
1. 短期間での設置が可能
陸屋根は平坦で傾斜が少ない特性を持つため、作業員は傾斜付きの屋根よりも安全に作業を進めることが可能です。(金属屋根の場合は足場が必要なケースもあります)
そのため効率的な計画を立てやすく、多数の作業員での作業が実現できます。その結果、工期を短縮し、設置コストを抑えて導入することができます。
2. 高い設計の柔軟性
陸屋根に太陽光発電システムを設置する際、設置角度や向きを自由度高く調整することができます。
したがって、最適な発電効率を持つ南向きに多くの太陽光パネルを設置したり、設置場所において発電効率が高まる角度に合わせて設置したりと、発電量を最大化する設計がしやすいメリットがあります。
陸屋根に太陽光発電を設置する際の注意点
陸屋根への太陽光発電システム導入における主要な注意点を解説します。
防水・排水の状況を慎重に調査する
陸屋根は特別な防水処理が施されており、雨水がコンクリートに浸透することを防いでいます。しかし、時間の経過とともに防水効果が減少することがあり、特に建物の経年劣化が進んでいる場合には、定期的な調査が欠かせません。
その点、屋根に穴を開ける工法で太陽光パネルを設置すると、既存の防水処理の保証が無効になる可能性があるため、様々な工法に対応可能な技術を持つ業者に依頼することが重要です。
また、排水設備の点検も同様に重要です。排水口の詰まりや大雨に対する処理能力を確認する必要があります。雨水がパネルやケーブルに侵入すると、漏電や感電のリスクが高まるため、特にこの点には注意が必要です。
太陽光パネル同士で影がかからないかを確認
傾斜のある屋根の場合、太陽光パネルが影を落とすことは少ないですが、平らな陸屋根ではパネル同士の配置に注意する必要があります。パネル間に適切な距離を保ち、影が生じないように設計することで、発電効率を最大化できます。
屋根工事に詳しい業者の選定
多くの太陽光発電業者は屋根工事の専門知識が不足している場合があります。このため、施工後に雨漏りなどの問題が発生するリスクがあります。
近年では屋根に穴を開けずに太陽光パネルを設置できる業者が増えていますが、材質によっては穴を開けることが必要な場合もあります。その場合は、浸水防止の対策が必須です。
屋根が部分的に劣化している場合には、修復作業が必要になることも検討する必要があります。太陽光発電の設置を検討する際には、屋根工事に熟知している業者を選ぶことが非常に重要です。
陸屋根への太陽光発電導入事例
ハウスプロデュースによる陸屋根への太陽光発電導入事例を一部ご紹介します。
自社工場の陸屋根への太陽光発電導入事例
施設 | 株式会社ソーシン様 自社工場 |
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工法 | 置き基礎工法 |
ソーラーパネル枚数 | 18枚 |
自社ブランドの製品を製造している同社は、環境に配慮した製品の開発に挑戦しており、脱炭素の一環として自社工場の陸屋根に太陽光発電システムを導入いたしました。
- 自社ブランドの製品を製造しており、環境に配慮した製品の開発に挑戦したい。
- 太陽光発電によるCO2削減効果を、製品に付加価値として付与する。
マンションの陸屋根への太陽光発電導入事例
施設 | ユーミー猪崎様(マンション) |
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工法 | 置き基礎工法 |
ソーラーパネル枚数 | 72枚 |
- マンションの屋上を活用して太陽光発電で物件の収益性を高めたい
- 年間の経済メリット:約46万円(電気代削減+売電収益)
- 約7.5年で費用を回収し、その後も10年以上、上記の経済メリットが受けられる
オフィスビルへの太陽光発電導入事例
施設 | オフィスビル(匿名) |
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工法 | アンカー工法 |
ソーラーパネル枚数 | 84枚 |
- 自社のコスト削減に取り組みながら、SDGsや脱炭素化の取り組みを推進したい
- 事務所全体の消費電力を約20%削減
- CO2排出量を年間で約5t相当削減
当社を通じて建物の屋上に太陽光発電を導入されたお客様のインタビュー記事を複数ご用意しています。導入後の実際の感想や経験を共有していただいておりますので、ぜひご参考にしてください。
まとめ
陸屋根への太陽光発電システム導入を考慮する際、そのメリット・デメリットや採算性をしっかりと踏まえて計画を立てることが大切です。
太陽光パネルの向きや角度には柔軟性があり、設計の工夫次第で高効率の発電が期待できます。
ただし、工法によっては屋根に負担がかかる可能性もありますので、適切な防水処理や屋根への負担を考慮してくれる専門業者の選定は、成功のためのキーポイントとなります。
企業・法人の屋上への太陽光発電はハウスプロデュースにお任せください
太陽光設置お任せ隊(運営:株式会社ハウスプロデュース)は、6,500件を超える太陽光発電の設置工事と、12,000件を超える屋根修繕の豊富な実績がございます。
これまでのノウハウを活かし、屋上への太陽光発電導入に関しては、さまざまな条件や状況に応じて最適な設計・施工を提供します。