マンション・アパート屋上に太陽光発電を設置する方法|オーナーが知るべき5つのメリット

さまざまな方が暮らすマンションなどの集合住宅に太陽光発電を導入する場合、所有者も居住者も独断で太陽光発電の導入を進めることはできません。

また賃貸・分譲・新築、マンションの形態によって、それぞれ太陽光発電の設置に必要な手続きや条件は異なります。本記事では、マンションに太陽光発電を導入するために必要な手順や注意点、導入のメリット・デメリットを解説していきます。

【追記】東京都の集合住宅向け補助事業が開始

東京都は、高圧の一括受電による再エネ100%電気の導入を条件に、受変電設備に対する補助事業を行います。

また、太陽光発電設備を設置する場合は上乗せして助成されます。

第1回の募集期間は、変電設備は新築が6月1日から30日まで、既設が7月3日から31日までとなり、太陽光発電設備の上乗せ助成は6月1日から募集が開始されます。

助成内容は以下のとおりです。

  • 受変電設備:1戸あたり10万円・上限1,000万円(指定事業者あり)
  • 太陽光発電設備(既設):24万円/kW(集合住宅のみ・発電出力50kW未満)
  • 太陽光発電設備(新築):10万円/kW(同上)
  • 架台工事上乗せ:20万円/kW(集合住宅陸屋根のみ・発電出力50kW未満)
  • 防水工事:18万円/kW(同上)

ハウスプロデュースは、太陽光発電導入における補助金の申請サポートも承ります。今後、太陽光発電を検討される場合はお気軽にお問い合わせください。

マンション・アパートで太陽光発電を活用する方法

マンションに太陽光発電を導入した場合のおもな活用方法は以下のとおりです。

共用部で電気を使用する

発電した電気をエントランスや廊下などの共用部で使用し、マンション・アパートの電気代削減や共益費・管理費などの軽減に繋がります。

余剰電力の売電

発電した電気をマンション・アパートの共用部だけで使い切れない場合は、余った電気を売ることで売電収入が得られます。

蓄電池を導入し非常用電源にする

蓄電池を同時に設置すれば、夜間や災害時にマンション・アパートに電気を供給できるようになります。共用部などの電気をまかなうだけでも、もしもの時の安心感に繋がるでしょう。

マンション・アパートに太陽光発電を導入する方法

賃貸マンション・アパートに後付けで設置する

賃貸物件のオーナーは建物・敷地の所有者であるため、基本的に自身の判断で屋上などに太陽光発電設備を設置することが可能です。

ただし、トラブルを避けるためにも居住者への許諾を得ましょう。一方、居住者が設置を希望する場合、共用部分・専有部分を問わずオーナーの許可を得る必要があります。

分譲マンションに後付けで設置する

分譲マンションは個人が所有する専有部と、マンション購入者全員の所有物である共有部があります。この電力を賄うために、太陽光発電を導入するケースがあります。

マンションの管理組合が、エレベーターなどの共用部の電力削減を目的として設置する場合、管理組合の集会決議によって決定する必要があります。

分譲マンションの場合、15年前後ごとに実施される大規模修繕の際なら、太陽光発電設備を比較的導入しやすいでしょう。

新築マンション・アパートに設置する

近年は、スマートマンションやZEBと呼ばれる太陽光発電システムを導入した環境配慮型のマンションの建築が進んでいます。既存マンションの場合、太陽光発電設備を設置するには、さまざまなハードルがあります。

しかし、新築の場合は、発電設備をあらかじめ設置するため、既存マンション違い居住者の許可を得たりする必要もなく、太陽光発電の導入ハードルはもっとも低いといえます。

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マンション・アパートのオーナーは要注目!太陽光発電を導入するメリット

マンション屋上への太陽光設置事例
当社によるマンション屋上への設置事例

マンションの屋根や屋上を有効活用できる

安全上、マンションなど集合住宅の屋根や屋上は開放できない場合がほとんどです。広いスペースがありながら、活用方法が無いというのは非常にもったいないといえます。特に、周辺に高い建造物が無い集合住宅の屋根部分は、日当たりも良く太陽光発電に適しているため、このスペースを発電に活用できれば大きなメリットとなります。

また、屋根にソーラーパネルを設置することで、強い日差しによる屋根の劣化や発熱を抑えることができます。

屋根置き太陽光発電のメリット・デメリット|屋根にソーラーパネルを設置する前の注意点

共有部分の電力をまかなうことができる

オーナーがマンション・アパートに太陽光発電設備を設置することで、ランニングコストを削減できます。マンションの共用部分では、照明や空調設備などが24時間稼働している場合が多く、毎日電力を消費しています。太陽光発電設備を設置することで、共用部分で消費される電力の一部をまかなうことができます。

余剰電力を売ることで収益が得られる

経済産業省が施行するFIT(固定価格買取制度)の認定を受けることで、太陽光発電で発電した電気を電力会社に買い取ってもらうことができ、売電収入による家賃収入以外の収入源を確保できます。

マンションに付加価値が付く

省エネ性能が優れたマンションに与えられるBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の認証を受けることができれば、環境に配慮していることをアピールできます。

BELSは、太陽光発電を設置をすれば必ず取得できるわけではありませんが、BELSの評価基準の1つとして太陽光発電による自家消費の項目が設けられています。太陽光発電はCO2を発生させず電力を作り出すことができるため、環境意識の高い入居希望者へのPRとしても有効です。

緊急時の非常用電源として利用できる

台風や地震など災害によって電力会社からの電力供給がストップしてしまえば、マンション全体が停電になります。そのような事態でも、太陽光発電を自立運転モードに切り替えることで、停電時でも電気を使用できます。

太陽光発電のみでマンションのすべての電力をまかなうことは難しくても、共用部など最低限の電力を供給可能です。

また、太陽光発電は夜間や雨天には発電できないため、「共用部だけでも十分な停電対策を講じたい」という場合は蓄電池の併用も選択肢の1つです。

非常用電源があれば、居住者の安心感が増し、マンションのサポート体制としても評価される要因になります。

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※以下のようなマンションでは、費用対効果の面から太陽光設置のご提案が難しいケースがございます。あらかじめご了承ください。

  • 一定の高さを超えるマンション(目安は30メートル以上):高層階用の特殊な架台に対する費用や、屋上へ機材を運ぶための施工費などが発生するため
  • 高圧受電契約のマンション:キュービクル改造費などで追加の費用が発生するため
法人向け太陽光発電のことなら
ハウスプロデュースにお気軽にご相談ください

マンション・アパートに太陽光発電を導入するデメリット・注意点

マンションやアパートに太陽光発電を設置する場合に把握しておきたいデメリットや注意点を解説していきます。

入居者の許諾を得る必要がある

自身の住宅や私有地に太陽光発電を導入する場合は、基本的に自己判断で行えます。しかし、マンションなどの集合住宅への導入には、自己所有の物件であっても各居住者に許諾を得る必要があります。

また、既存の分譲マンションの共用部分に接続する場合、管理組合の集会決議を行い決定することが法律で定められています。

さらに、太陽光発電の設置には数日から数週間を要する場合があり、その間の取り付け工事による騒音も発生するため、居住者からクレームが出る可能性もあります。

そのためマンションへの太陽光発電の導入には、各居住者への丁寧な説明を行い理解を得ることが必要です。

賃貸マンションの場合はオーナーが判断できる

マンション・アパートのオーナーが、居住者の方から「太陽光発電を設置したい」という相談を受けた場合、基本的にはオーナーの判断で設置できます。

ただし、建物への太陽光発電の設置には法律上クリアしておかなければいけない諸条件がいくつかあり、建物への安全性についても十分に考慮する必要があります。設置を検討される際には、管理会社や専門家にご相談ください。

全世帯に電力を供給するのは難しい

太陽光発電の発電量は、基本的にソーラーパネルの枚数に比例します。太陽光発電による電力を全世帯に供給するためには、その分、ソーラーパネルの設置枚数を増やす必要があります。

もともと太陽光発電の設置が想定されていない既存マンションに太陽光パネルを後付けする場合、設備面・コスト面から全世帯に電力を供給することは難しいです。その場合は、共用部分にのみ太陽光発電を接続して、管理費を下げることで周辺の物件と差別化を図る方が良いでしょう。

また、導入の前には必ず専門家に建物の状態と発電シミュレーションを確認しましょう。周辺に高層マンションなど高い建物がある場合、ソーラーパネルに影がかかることで発電量が下がる可能性もあります。影の影響を考慮した発電シミュレーションを参考にしましょう。

設置条件によっては採算をとるのが難しい

一定の高さ(目安としては30メートル)を超えるマンションや、高圧受電契約のマンションなどは、太陽光発電導入によるコスト面のメリットが出にくくなります。

一定の高さがある場合は、パネルなどの設備を運ぶための機材によって初期費用が増えるほか、マンションの屋根面積には限界があるためパネルの増設で採算をカバーすることも難しいです。

高圧受電契約の場合、キュービクルとよばれる機器の改造費も発生するため、投資費用の回収年数が20年近くなるケースもあります。

太陽光発電導入の目的がCO2削減による他社との差別化や資産価値向上である場合は、こういった条件でも設置を依頼していただくケースもありますが、目的が経済的メリットの場合は採算が合わず断念されるケースもあります。

ハウスプロデュースのマンション・アパートへの太陽光発電設置事例

アパートへの太陽光設置事例
当社によるアパートへの太陽光設置事例

太陽光設置お任せ隊を運営する「株式会社ハウスプロデュース」では、マンション・アパートへの太陽光発電導入のご相談を多数いただいております。

設置容量 年間売電額+電気代削減額 投資費用回収年数
事例1(埼玉県のアパート) 14.96kW 約30万円 7年
事例2(京都府のマンション) 22.1kW 約43万円 7年
事例3(京都府のマンション) 24.48kW 約46万円 7.5年

(※匿名希望のためマンション名は伏せておりますが、実際にハウスプロデュースで導入した事例の数値です。)

表にあるように、実際に導入を決定する場合は約10年で初期投資の費用を回収できるケースが多いです。

太陽光発電は20年から30年続く長期的な事業です。初期費用を回収したあとも、引き続き太陽光発電の費用面のメリットが出続けるため、設置条件が適しているマンションやアパートの場合はぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

ハウスプロデュースでは、累計5,000件以上の太陽光発電導入で培ったノウハウを活かし、お客さまごとに最適なシミュレーションを提案します。仮にマンション・アパートの設置条件が太陽光発電と相性が合わず、費用面のメリットが出にくい場合は、正直にお伝えします。無理な営業を行なうことはありませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。

失敗しない太陽光発電の相見積もりのポイント3選|当社シミュレーション作成のこだわりも紹介

太陽光発電で導入できる補助金・助成金

2021年時点では、マンションへの太陽光発電の単独購入に対する国からの補助金・助成金はありません。しかし、自治体によっては補助金・助成金を設けているところがあります。

たとえば東京都の「充電設備導入促進事業(集合住宅)」では、東京都内の集合住宅において、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電設備や太陽光発電システム・蓄電池に対して、経費の一部が助成されます。

急速充電設備 普通充電設備・V2Hなど
設備購入費 全額(税抜き)* 機種に応じた上限あり 半額(税抜き)* 機種に応じた上限あり
設置工事費 上限309万円* 上限81万円
受変電設備 設置・改修費 受変電設備設置にかかる 部材費及び労務費
上限: 435万円*

※国の補助金を併用する場合は、その分を差し引く

太陽光発電システムおよひ蓄電池
助成対象設備 太陽光モジュール、パワーコンディショナー、蓄電池等
※ただし、V2Hを導入する場合に限る。
助成対象経費・助成率 購入費・工事費 上限:1,000万円*
*ただし、太陽光発電システム 30万円/kW、  蓄電池 20万円/kWhを上限とする。

(参照元:クール・ネット東京 都市エネ促進チーム|充電設備導入促進事業(集合住宅)

このように、各自治体で補助金を設けている場合があります。注意点としては、制度があっても申請期間が過ぎていたり、補助金の予算に到達して予定より早く終了したりといったケースがあります。補助金を適用しての導入を検討する場合は、早めの準備が必要です。

まとめ

基本的に既存マンションは、太陽光発電の設置を想定して建てられてはいません。そのため、居住者への承諾の他に、太陽光発電を設置できる建物であるかどうかを専門家に調査してもらう必要があります。

既存のマンションへの太陽光発電の導入までのハードルは低いとはいえません。しかし、採設置条件を満たすことができればメリットは十分あります。

太陽光発電設置お任せ隊を運営する「株式会社ハウスプロデュース」では、マンション・アパートへの太陽光発電導入の実績が多数ございます。ご検討のオーナーさまは、ぜひ一度お問い合わせください。まずは、太陽光発電を設置できるかどうかを無料で調査させていただきます。

自家消費型太陽光発電システム

※以下のようなマンションでは、費用対効果の面から太陽光設置のご提案が難しいケースがございます。あらかじめご了承ください。

  • 一定の高さを超えるマンション(目安は30メートル以上):高層階用の特殊な架台に対する費用や、屋上へ機材を運ぶための施工費などが発生するため
  • 高圧受電契約のマンション:キュービクル改造費などで追加の費用が発生するため
法人向け太陽光発電のことなら
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執筆者:株式会社ハウスプロデュース(広報部)
全国累計5,000件以上の産業用太陽光発電システムのEPC工事(提案・設計・施工管理・O&M)を手掛ける当社の広報チーム。現在、第一種電気工事士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザーなど有資格者が在籍。一次情報や専門家からの取材で得た情報に基づき、EPC事業者として「現場から得たノウハウ」を反映させたコンテンツ作りに注力。
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