ソーラーカーポートに固定資産税はかかる? 価格・導入方法・注意点まで解説
2022年度に引き続き2023年度でも、ソーラーカーポートの導入に対する補助金※1の公募が予定されており、当社においても個人・法人問わず多くの方からソーラーカーポートに関するご相談をいただいております。
とくにソーラーカーポートの固定資産税の扱いについて、多くのご相談をいただきました。
そこで本記事では、ソーラーカーポートが固定資産税の対象となる条件や固定資産税の計算方法について詳しく解説していきます。
また、気になるソーラーカーポートの相場価格やメリット・デメリットについての内容も含みますので、ソーラーカーポートに関心を持ち始めた方や自社の駐車場に設置するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
- 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 (2)新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業 (環境省)など
目次
ソーラーカーポートについておさらい
「カーポート」とは、屋根とそれを支えるための4本の支柱で構成されており、駐車場に設置することで積雪や直射日光または飛来物などから自動車を保護するための設備です。
ソーラーカーポートとは、カーポートの屋根上にソーラーパネルを搭載することで、カーポートとしての役割と太陽光発電としての役割を両立させた次世代型の発電システムです。
ソーラーカーポートの設備規模は、住宅用と産業用(商業施設や工場の駐車場など)に区分されているのが特徴です。
住宅用ソーラーカーポート | 乗用車2台から4台(定格出力10kW未満) |
---|---|
産業用ソーラーカーポート | 乗用車または大型車両など複数台(定格出力10kW以上) |
ソーラーカーポートの種類には、カーポートと太陽光パネルが一体となった「一体型」と既存のカーポートに太陽光パネルを設置できる「分離型」があります。
一体型のソーラーカーポートは、耐久性が高く見た目の印象もスタイリッシュです。
分離型のソーラーカーポートは、既存のカーポートに太陽光パネルを設置できることや、採用したいメーカーや製品を指定して設備をカスタムメイドできることが特徴です。
ガレージとカーポートの固定資産税の違いについて
固定資産税とは、土地や建物、償却資産といった資産に対して課税される税金です。
ガレージは、壁・屋根・柱の構成で建てられており、建物として分類されるため固定資産税の対象となります。
一方、カーポートは屋根と柱のみで構成されており、壁が無いため建物として分類されず、固定資産税の対象となりません。
ただし、一定の条件を満たすことでソーラーカーポートでも固定資産税の対象となる場合があります。
ソーラーカーポートが固定資産税の対象となる条件
先ほど、ソーラーカーポートは建物に分類されないため、固定資産税の対象外だと説明しましたが、一定の条件を満たすことで固定資産税の対象となる場合があります。
ソーラーカーポートは、下記4つの条件をすべて満たす場合は固定資産税の対象となります。
- 屋根付きのカーポート
- カーポートの基礎が地面に固定
- 3方向以上壁に囲まれている
- 作業や居住が可能
それぞれの条件の詳細について紹介していきます。
屋根が取り付けられている
どのカーポートにも屋根が取り付けられているので、1つ目の条件に当てはまります。
ただし、前述したように定格出力10kW未満では条件が1つ当てはまったとしても、固定資産税の対象にはなりません。4つの条件をすべて満たした場合、固定資産税の課税対象となります。
ソーラーカーポートの基礎が地面に固定されている
ソーラーカーポートの基礎部分が地面に固定されている場合、固定資産税の条件2つ目を満たします。
カーポートやソーラーカーポートを設置する際は、強度や安全性の観点から基礎工事が行われます。そのため、1つ目の「屋根が取り付けられている」という条件と同じくメーカーおよび定格出力に関わらず該当します。
むしろ、ソーラーカーポートの基礎工事が行われていないと、安全面でリスクが高い状態です。
基礎工事に関しては、地盤の強度によって工法や必要資材が異なります。施工先を検討する際は、実績豊富かつ基礎工事に関するノウハウも蓄積された施工業者へ相談しましょう。
カーポートが3方向以上の壁に囲まれている
3方向以上、壁に囲まれているソーラーカーポートは、3つ目の条件に該当します。
壁に囲まれている状態とは、ガレージのように壁やシャッターの付いた車庫のことです。メーカーや販売施工業者によっては、オプションでソーラーカーポート用の壁面取り付けにも対応している場合もあります。
ただし、ソーラーカーポートでも壁を設置することで、固定資産税の対象となってしまうケースがあります。特別な理由がある場合を除いては壁の設置は避けたほうが良いです。
作業場や居住可能な状態
ソーラーカーポート内で車両の整備といった作業や滞在、居住、その他貯蔵可能な場合は、4つ目の条件に該当します。
ソーラーカーポートは、ガレージと同じく車両整備などの作業場としても使用可能な環境です。そのため、こちらの条件で該当を避けるのは難しいでしょう。
上記の4つの条件のうち3つは固定資産税の条件として該当を避けることは難しいです。そのため、ソーラーカーポートを固定資産税の対象から外したい場合は「カーポートに壁を設置しない」ように気をつけましょう。
産業用ソーラーカーポートは固定資産税の対象となる
前述で紹介した4つの条件の該当に関わらず、例外として定格出力10kW以上の産業用ソーラーカーポートは事業用途設備として区分されるため、固定資産税の対象となります。
産業用ソーラーカーポートを導入する際は、固定資産税の課税を前提としたシミュレーションを立てましょう。
ソーラーカーポートの固定資産税の計算方法
ソーラーカーポートの固定資産税の計算方法は下記の式で算出できます。
上記の評価額に対して1.4%の税率を掛けた金額が毎年の固定資産税となります。
では、より具体的に理解しやすいように、200万円のソーラーカーポートを設置した場合の固定資産税を計算してみましょう。
上記の評価額に1.4%の税率を掛けることで、
1年目のソーラーカーポートに課される固定資産税は26,208円となります。
また、減価率は初年度のみ本来の減価率の半分で計算され、2年目以降の減価率は0.127となります。
そのため2年目以降ソーラーカーポートにかかる固定資産税は下記の計算式となります。
上記のとおり、
2年目以降の固定資産税は24,444円になります。
ただし、評価額が150万円以下の場合には課税対象にはなりません。
ソーラーカーポートの相場価格について
ソーラーカーポートの固定資産税について理解できたところで、気になるソーラーカーポートの導入費用についても触れておきましょう。
ソーラーカーポートの価格は、販売店や製品によって異なりますが、工事費用を含む平均的な価格相場は下記の通りです。
駐車台数 | 一体型ソーラーカーポート | 分離型ソーラーカーポート |
---|---|---|
1台分 | 150万円〜 | 170万円〜 |
2台分 | 200万円〜 | 220万円〜 |
3台分 | 250万円〜 | 270万円〜 |
4台分 | 300万円〜 | 320万円〜 |
上記は家庭用サイズの価格相場です。
ソーラーカーポートの導入コストは台数が増えるごとに1台あたりの単価が安くなっていく のが特徴です。
そのため、産業用ソーラーカーポートの価格は、家庭用よりも単価が安い傾向にありますが、現場ごとに必要台数や工事の内容が異なるため施工業者に概算の見積を依頼しましょう。
ソーラーカーポートの導入メリット
ソーラーカーポートの主な導入メリットは、以下の通りです。
- 電気料金を削減できる
- 停電時に非常用電源として活用可能
- 環境経営に役立つ
ソーラーカーポートを設置しておけば、毎月の電気料金を一定程度削減できます。
また、経済的メリットの他にも非常用電源としてBCP対策に活用できることや、再エネ比率を高めることでステークホルダーからのイメージアップなどにもつながります。
ソーラーカーポートの導入デメリット
続いては、ソーラーカーポートの導入によって想定されるデメリットや手間のかかる部分を紹介します。
- 想定以下の発電になってしまう可能性がある
- 建築許可が必要
- 初期費用や維持管理費用がかかる
ソーラーカーポートの場合は、一般的な太陽光発電と異なり建築基準法に該当します。施工前に建築許可を受けなければ、設置工事を進めてもらえません。また、特殊建築物にも該当するため、運用法に関する規制を受けます。
そのため、設置の検討をする際は、太陽光発電だけではなく建築のノウハウを併せ持つ施工業者を選ぶことを推奨します。
ソーラーカーポートの導入方法
ここからは、ソーラーカーポート導入までの流れや注意点について紹介します。
1.販売施工店へ相談し設計を行ってもらう
最初に行うべきことは、ソーラーカーポート販売施工業者への問い合わせです。
太陽光発電関連事業者は、それぞれ専門とする分野に違いがあります。そのため、事前にサービスサイトなどからソーラーカーポートに関するサービスを行っているか確認しましょう。
問い合わせの際は、仮の見積もりを提示してもらい全体の費用を確認し、予算の範囲内であれば現地調査と正確な見積もり作成を依頼していきます。
現地調査や打ち合わせの際に気を付けておくべきポイントは、予算や運用方法、人や車両の動線、その他細かな要望などを伝えておくという点です。詳細な要望を伝えておくことで、あとから改修工事を行わずに済みますし、効率的に稼働することが可能です。
2.建築確認申請手続き
最終的な見積内容や契約条件に納得した場合は、契約手続きを交わして施工準備に入ります。
ただし、ソーラーカーポートが固定資産税の対象となる場合、施行準備段階で「建築確認申請」が必要となる可能性があります。
建築確認申請では、建築基準法に沿った建築方法や設計、その他安全性や性能などについてなどがチェックされます。
ただし下記の条件をすべて満たす場合は建築確認が不要となります。
- 防火地域および準防火地域外である
- 既存建築物がある敷地内の増築で用途上不可分の建築物である
- 延べ床面積の合計が10平方メートル以内である
また、建築確認申請のみでも15万円から30万円程度の費用が発生するため、費用負担を抑えるためには、ソーラーカーポートの仕様については固定資産税に関するノウハウがある施工業者に相談することが重要です。
当社(ハウスプロデュース)では、設備導入に伴う建築確認申請に必要な書類作成や自治体の建築指導課への申請手続きなどもサポートしております。申請手続きに関する施主の負担を最小限に抑えます。
3.設置工事
建築確認申請の内容に問題がなければ、建築確認済証の発行と建築主事(建築物の確認や関連手続きの審査を担当している公務員)による最終チェックに入ります。
あとは、ソーラーカーポートの設置工事が始まるので、完成まで待つのみです。設置工事完了後は、販売施工業者から工事の検査に関する書類(検査済証など)を受け取り、引き渡しとなります。
ソーラーカーポートは、通常の太陽光発電と同様に隣接した施設に電気を供給したり、EVスタンドの充電としても活用できます。
売電を行う場合は電力会社との接続契約が必要
太陽光発電で売電を行うためには、以下両方の手続きが必要です。
- 経済産業省から事業計画認定を受ける
- 管轄の一般送配電事業者(大手電力会社)と接続契約を交わす
申請書類の作成や手続きに関しては、どちらも販売施工業者で対応してもらえるので、問い合わせの際に売電を行う趣旨を含めて相談しましょう。
高圧や特別高圧の施設に導入する場合
定格出力50kW以上2,000kW未満の高圧電力もしくは2,000kW以上の特別高圧に該当する場合は、ソーラーカーポートの設置工事に伴い、キュービクルの改造工事など、低圧電力と異なる作業が必要になる場合があります。
また、高圧電力に該当する時は電気主任技術者の選任と届出をはじめ、電気工事や運用の安全を確保するための保安規程に関する届出、経済産業省令の基準に沿った電気工作物の運用などの義務が生じます。
特別高圧電力の場合は高圧電力と同様の義務に加えて、設備設置の30日前までに工事計画届出を行う必要があります。
定格出力50kWの太陽光発電やメガソーラークラスのソーラーカーポートを設置したい時は、高圧電力や特別高圧に関する規制や追加設備の費用について販売施工業者に確認しましょう。
まとめ
ソーラーカーポートは、以下の4つの条件に全て該当する場合、固定資産税の対象となります。
- 屋根付きのカーポート
- カーポートの基礎が地面に固定
- 3方向以上壁に囲まれている
- 作業や居住が可能
ただし、産業用ソーラーカーポート(定格出力10kW以上)の場合は、条件の該当状況に関わらず固定資産税の対象となります。
ソーラーカーポートは、固定資産税の課税対象になる可能性もあるため、税負担を含めた収支のシミュレーションを行うことが大切です。
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