【実例付き】リパワリングとは?太陽光の売電収入をアップする方法を解説

太陽光発電所は経年劣化に伴い発電効率が徐々に低下します。しかし、リパワリングを施すことで発電量の低下を補い、売電収益を増やすことが可能です。

この記事では、パワリングの仕組みやメリット、そして注意すべきポイントについて解説します。さらに、「リパワリングで実際にどのくらい売電収入が増加するのか?」その疑問についても、当社の事例データを元にご紹介いたします。

太陽光発電所の「発電効率の低下」を懸念されている発電事業者さまは、ぜひ参考にしてください。

太陽光発電のリパワリングとは

太陽光発電における「リパワリング」とは、経年劣化した太陽光パネルやパワーコンディショナ(パワコン)を新型の製品に交換したり、発電効率を上げる設備を導入したりすることで、太陽光発電システムの発電量を向上することです。

リパワリングによって、太陽光発電の発電量を回復し、売電収益を増やすことができます。
太陽光発電による経済的メリットを向上させるための有効な手段ですので、稼働から10年近く経っている方は検討したい手法です。

リパワリングとはの図

リパワリングを行うメリット

まずは、運用中の太陽光発電所にリパワリングを実施するメリットについて解説します。

発電所の売電収入の増加

リパワリングにより、太陽光発電所の経年劣化に伴う発電量の低下を回復させ、売電収入を増やすことが可能です。

太陽光パネルやパワコンなどは、技術進歩の恩恵を受け続けており、発電効率が年々に向上しています。発電所が運用開始してから5年〜10年という年月を経ると、市場には初期設備を凌ぐ高性能の製品が登場していします。

これら最新の製品に更新することで、リパワリングにかかる費用を上回る経済的リターンを享受することが可能になります。

当社はリパワリングのご相談を承っております。稼働済発電所の発電量を回復させ、長期的にメリットを出したい方はお気軽にご相談ください。⇒太陽光発電の導入効果を聞いてみる

発電所の故障や事故の防止

リパワリングを実施することで、火災や漏電などの事故や故障の防止につながります。

太陽光発電システムは、時間の経過と共に、パワコンやケーブルなどが劣化することで火災や漏電などのリスクを増加させる可能性があります。

リパワリングにより、これらの劣化した設備から耐久性に優れた最新の設備に更新されるため、火災・漏電・故障などのリスクを軽減できます。

発電所のランニングコストの節約

リパワリングを実施することで、定期的に発生する太陽光発電所のメンテナンスにかかるコストの削減につながります。

最新の太陽光パネルは、最大出力が400Wを超える高性能な製品が多数を占めています。従来のパネルから、これらの最新モデルに更新することで、太陽光発電所の合計出力を変更せず、設置するパネル枚数だけを減らすことが可能になります。

その結果、設備の点検やパネルの清掃に要するコストを節約することができます。

発電所ランニングコストの節約

リパワリングを検討すべきタイミングは設置から10年経過

パワコンの平均的な寿命は約10〜15年とされています。

2012年に始まったFIT制度の初期に設置された太陽光発電設備は、2023年時点ですでに10年の稼働を経過しており、多くの場合パワコンの交換時期に差し掛かっています。

パワコンを更新する際に、同時にリパワリングを行うことで、コストを抑えて発電所の性能を高めることができます。

リパワリングを検討する際の注意点

太陽光発電のリパワリングを適切に行いメリットを高めるために、注意点も覚えておきましょう。

機器更新に一定の費用がかかる

リパワリングを検討する際、各種機器の購入にかかる費用を予算内で確保できるか確認しておきましょう。

リパワリングには通常、太陽光パネルやパワコンの購入費用と設置工事費用が含まれます。

さらに、最新の設備を導入する場合、通常の機器よりも高い費用がかかることもあります。

合計出力を増やすことはできない

リパワリングによって太陽光パネルを新しい製品に更新することは可能ですが、太陽光パネルを増設して合計出力を増やすことは、経済産業省によって規制されています

具体的には、太陽光パネルの合計出力を3%以上または3kW以上増やすと、FITによる売電価格が本年度の単価まで引き下げられる可能性があります。

経済メリットはFITの状況によって変わる

リパワリングによる収益率の向上は、FIT認定を受けた時期によって異なります。

FITの売電単価は年々下落傾向にあるため、FIT認定を受けた時期が2012年に近いほど、リパワリングによる高い効果が期待できます

リパワリングを行う目的は機器の更新そのものではなく、収益率の向上です。そのため、リパワリングを行う際の費用対効果を正確にシミュレーションできる業者へ相談することも大切です。

リパワリングで導入を検討したい設備

リパワリングで導入を検討する主要な設備は以下のとおりです。

太陽光パネル
太陽光パネル
高発電効率の新しい太陽光パネルを導入することで、既存の発電所と同じ出力を少ないパネル枚数で実現でき、運用を効率化できます。
パネル枚数が減れば、メンテナンスコストの削減にも貢献します。
ケーブル
ケーブル
FIT初期より高効率で耐久性のあるケーブルが販売されています。
また、太陽光パネルもリパワリングして枚数が減ると、電気が通るケーブルの本数も減り、電力損失を削減します。
パワーコンディショナ(パワコン)
パワーコンディショナ
FIT初期に発売されていたパワコンの変換効率は90%から95%の製品が多かったですが、2023年時点では95%から98%の高い効率を実現する製品が登場しています。
この数%の変換効率の差が売電収入を大きく高めることになります。
オプティマイザ
オプティマイザ
オプティマイザは、各太陽光パネルの発電量を最大化する装置です。
各パネルの発電量をモニタリングし、発電量の損失を最小限に抑え、効率を高めてくれます。

これらの設備の選定と設計については、経験豊富な太陽光発電事業者と協力して、費用対効果を高めるための最適な戦略を検討することが、リパワリングの成功に不可欠です。

リパワリングの効果検証|売電収入がどのくらいアップする?

当社ハウスプロデュースが、実際にリパワリングのシミュレーションを行った事例をご紹介します。

パターン1:低圧太陽光発電所のリパワリング

2013年にFIT認定を取得(売電単価:36円)した低圧49.5kWの案件で、稼働から10年目の太陽光発電所をリパワリングしたケースのシミュレーション結果です。

パターン1:低圧太陽光発電所のリパワリング

上記の例では、太陽光パネルに大きな劣化が見られなかったため、パワコンを交換することで発電量の向上を図りました。

稼働当初より新しいパワコンを導入することで、年間売電収益額は約30万円(15%)の増加しています。

HUWAWEI製4.95kWの単価は約10万円なので、4年後には交換にかかった費用を回収し黒字化できます。

パターン2:高圧太陽光発電所のリパワリング

2012年にFIT認定を取得(売電単価:40円)した高圧500kWの案件で、10年近く稼働しているの太陽光発電所をリパワリングするケースの実際の数値です。

パターン2:高圧太陽光発電所のリパワリングの図

こちらの事例でも、パワコンの更新のみで発電量の向上を図りました。

新製品のパワコンに変更することで、年間売電収入は約200万円(9.6%)の増加が見込まれます。

パワコンや工事費で数百万円の費用が想定されますが、数年後には黒字転換する計算です。

このように、リパワリングによって発電量と売電収益を高めることが可能です。

FITを活用した太陽光発電投資をおこなっている方で、稼働年数が10年近く経っている方は、リパワリングを検討してみてはいかがでしょうか。

リパワリングはパワコンの保証期間を待つべき?

通常、パワーコンディショナの保証期間は15年です。保証期間内に故障した場合は、メーカーが修理・交換します。

そのため、「保証期間が残っているうちから、自己負担でリパワリングするのは本当に経済的なメリットがあるのか?」と考える方もいます。

しかし、パワーコンディショナは時間の経過と共に劣化します。そのため、リパワリングをしない場合は、発電効率が低下した状態で発電し続けることになり、売電収入の回復も見込めません。

また、保証が切れた後にパワーコンディショナが故障した場合、残りわずかの売電期間のために、自己負担で更新する必要があるため、これが最終的な収支に大きく影響してしまいます。

このようなリスクを考慮すると、保証期間中であっても10年目にパワーコンディショナのリパワリングを実施することで、発電効率が高い状態で残りの10年間の売電を行い、最終的な収支が大きくなると考えられます。

リパワリングはパワーコンディショナの保証期間終了を待つべき?の図

当社にてリパワリングのご相談を承ります

産業用太陽光発電のリパワリングで売電収益を高めたい方は、ぜひハウスプロデュースにご相談ください。当社は下記の特徴・強みを活かして、お客さまのメリットを高めるご提案を行います。

豊富な経験を活かした高い設計力・施工力
太陽光発電関連で6,500件以上の施工実績を積むなかで培った設計力・施工力を活かして、発電効率が高いシステムを構成することを得意としています。
取り扱いメーカーが豊富
複数メーカーと提携しているため、既存の太陽光発電所と相性が良い機器を選定しやすい業者です。
適切な収支バランスの判断
自社でも太陽光発電を運営しており、その知見を活かしてお客さまの売電収入や運用費などの収支バランスが適正かどうか分析いたします。
点検や調査も柔軟に対応
機器の更新だけでなく、発電所の点検・調査・リパワリング後の発電予測なども柔軟に対応いたします。

当社へご相談いただいたお客さまに対して、リパワリングによるメリットがどれくらい見込めるか無料でシミュレーションいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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執筆者:株式会社ハウスプロデュース広報部

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当社は、産業用太陽光発電システムのEPC工事を専門に手がけています。経験豊富な電気工事士やエネルギーマネジメントアドバイザーなどの有資格者が在籍。一次情報や専門家からの取材を基に、EPC事業者としての「現場から得たノウハウ」を活かしたコンテンツ作りに取り組んでいます。

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