2021年11月17日に開催された「第1回【関西】脱炭素経営EXPO」にて弊社が行いました脱炭素セミナーの内容と様子をご紹介いたします。
目次
ご挨拶
本日はお集まりいただきありがとうございます。
株式会社ハウスプロデュースの廣畑と申します。
短い時間ではございますが「中小企業様向けの太陽光発電設備導入」についてお話させていただきます。よろしくお願いいたします。
会社案内(株式会社ハウスプロデュース)
メイン事業について
FIT制度の開始と共に太陽光発電事業へ参入
平成9年~
平成9年の家庭用の余剰売電制度(FIT)の始まりと共にそれまで培ってきた建設ノウハウを活かして住宅用太陽光事業をスタートしました。
平成27年~
その後平成27年に再エネ電力のFIT(固定価格買取制度)の始まりと共に、屋根だけではなく土地にも太陽光設備を作っていき、産業用太陽光事業にも参入してまいりました。
令和3年~
おかげさまで施工実績も5,000件を超え、今まで家庭用・産業用と来て、FIT制度の衰えとともに今は電気を売るのではなく自社で使っていただくという「自家消費型」の販売を進めさせていただいております。信頼・安心される企業への成長
繰り返しになりますが施工実績5,000件を超え、数ある太陽光設備の施工販売会社の中でも老舗と評されるまでに成長いたしました。
屋根修繕からはじまった弊社では、太陽光の高品質施工だけではなくお客様の大切な住宅・建物そのものへの配慮も行っており、施工の際には以下のような点にも配慮しており、
- 屋根の今の状態が太陽光パネルを設置するのに適切な状態であるか
- 雨漏りはないか
このような点を確認した上でサービスの提供をさせていただいております。
こうした取り組みを通し、お客様から信頼・ご安心を得てより多くのご依頼をいただけるようになりました。
本日はこれまで手掛けた数多くの案件の中から得た経験とともに、中小企業様向けの自家消費型太陽光発電設備についてお話を進めさせていただきます。
なぜ今、再エネ導入が必要なのか
ここからは昨今、耳にするようになった「再生可能エネルギー」、いわゆる再エネと呼ばれるものの導入が加速している背景と、大企業だけでなく中小企業にも環境経営が求められていく流れについて簡単にご説明させて頂きます。
再生可能エネルギーとは
まず初めに再生可能エネルギーとは「太陽光」「水力」「風力」「地熱」これらの総称を指しておりまして、下記に当てはまるような持続可能なエネルギーの性質を持っています
- 枯渇しないもの
- どこにでも存在するもの
- CO2を排出・増加させないもの
- 繰り返し利用できるもの
再生可能エネルギーの導入というのは大きな意味合いで、環境全体の問題に目を向けた電源構成を再編成をするという取り組みを指しています。
では、なぜ今になって「電源の再構成が必要になるのか」について解説していきます。
世界の動き パリ協定で脱炭素が世界共通意識へ
ご存知の通り、近年気候変動が一因と考えられる異常気象が世界各地で発生しております。
気候変動問題に対し、2015年のパリ協定をはじめとして、温室効果ガスの排出と吸収の均衡に向けた、所謂カーボンニュートラル達成の取り組みが全世界で加速し始めました。
- 先進国・途上国すべての国と地域が温室効果ガスの削減努力をする
- 世界の気温上昇を低く保つ(2~1.5℃)
- 温室効果ガス排出を抑え実質ゼロに
日本の動き2050年までにカーボンニュートラルの達成
日本では菅政権の際に政府のトップダウンで環境問題の取り組みが勢いを増し、以下のような大きな目標が掲げられています。
- 2030年度までに温室効果ガス(CO2)排出量を46%削減
- 2050年度までに温室効果ガス(CO2)排出量を実質ゼロ
ただ、日本の現状はその目標数値にはまだまだ程遠い状態で、未だに国内電力の約80%は火力電源に頼っている現状です。
「再生可能エネルギー」、特に「太陽光発電事業」はFIT制度も相まって多くの土地や屋根に導入されてきましたが、国内電力の再エネ比率は約20%ほどに留まっており、政府の掲げる「再エネ比率を2030年度までに46%にするという」目標を達成するためには、政府としても環境政策を急ピッチで進めていかなければなりません。
大手企業の活動実態
こうした背景から、政府は企業に対するCO2削減のプレッシャーを強めおり、「Sony(ソニー)」や「AEON(イオン)」をはじめとする56社のグルーバル化が進む大企業が完全な脱炭素経営への移行を表明しています。
ただ、実際のところ、こうした世界的な大企業であっても自社努力のみで再エネ100%を達成するというのは、まだまだ非常に難しい状態で、特に日本のように国土が狭く制限の多い国では、再エネ導入を進めていくというのは非常に難しいです。
大手企業の脱炭素への答え
しかし、こうした状況下でも大企業は競争力を失わせないためにも脱炭素を推進していかなければなりません。
「じゃあ、どうやって進めていくんだ?」というと、答えはすごくシンプルです。
ということです。
要は、大企業は取引先である中小企業に対して同様に再エネ導入の取り組みを求めて「みんな全体で再エネ100%を達成しよう!」ということです。
Appleの取り組み
一つ例をあげますと、アメリカの大手「Apple(アップル)」は自社に関わる全ての関連企業や製造ラインに対して2030年度までに再エネへのシフトを完了させるという計画を発表いたしました。
要は、自社の再エネ導入に加えて業務上繋がりのある企業、いわゆるサプライチェーン全体で温室効果ガス削減を目指していこうということです。
さらには再エネの利用に積極的な企業と新たに取引を開始することで目標達成を図っていきます。
日立製作所の取り組み
国内でも「日立製作所」が気候変動問題への取り組みとして、「2050年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルの達成」を発表しています。
再エネ導入を始めとして自社に関わる全事業所で100%再エネを実現して、取引企業に対してはガイドラインなどを発行し、CO2排出削減の協力要請していくというものです。
このように大手企業の脱炭素へのシフトチェンジは取引先である我々「中小企業」にも大きく影響を及ぼしているということです。
企業に対する社会的評価の変化
一企業に対する社会的評価基準というものは、どんどん変わってきております。
これまで企業の評価の対象というのは、売上や利益、いわゆる決算の内容だけを評価されることが一般的でした。
しかし、気候変動をはじめ、経済成長が及ぼすあらゆる社会問題が世界中で危機感を高めている今の時代においては、企業の社会的責任の取り組む姿勢についても企業の評価に大きく影響を及ぼしています。
資金調達のために求められる再エネ導入
その一つとして、例として「ESG投資」というものがございます。こちら最近耳にするようになった方も多いのではないかと思います。
ご説明いたしますと以下の3点に着目して企業を評価、投資するかどうかというのを判断していく方法です。
- 環境(Environment)
- 社会(Social)
- 企業統治(Governance)
これまでは、「決算書」が各企業の評価基準になっていましたが、これからは「環境経営」というものが投資家のみならず金融機関からの評価にも繋がってきます。
簡単に言うと投資家や金融機関(銀行)が、企業に投資する場合には「環境経営にどの程度取り組んでいるのか?」という点も判断材料になってきます。
実際に、昨年(2020年)の3月に、環境省から「グリーンローン」やサステナビリティ・リンク・ローン」というものが策定され、地方であれば滋賀銀行、大きいところは三井住友銀行がそういった商品の提携を進めております。
再エネを導入するには
ここまでお話してきた背景から、弊社にも昨年から太陽光発電設備を利用した再エネの導入のご検討や情報収集のお問い合わせが非常に多くなってまいりました。
ここからは、実際そうしたお問い合わせの中から中小企業様にお話を伺い設備導入をお手伝いさせていただいた経験から、お悩みに向けた解決へのアプローチをご説明させていいただければと思います。
よくあるお問い合わせ
実際、脱炭素経営という言葉はよく耳にするということで、「導入して行かないといけないな」と思われている企業様は非常に多いです。
ただその中で、以下のようなお声が非常に多いのかなと思います。
- 脱炭素社会やSDGsへの取り組みが必要だとは感じているが何から始めていけばいいのかわからない
- 設備導入費用などのお金がかかってくる部分が不安だ
- そもそも太陽光自体にメリットがあるのか?
これらを解消するためには、「太陽光発電設備の導入が一番」と弊社は考えておりまして、弊社のご提案としては、まず【STEP.1】【STEP.2】に分けさせて頂いております。
STEP 1再エネ導入の目的を明確にする
お客様に再エネ導入をご検討いただく際には、導入の一番の目的を見極めることから始めさせていただいております。
導入の目的が、「ランニングコスト(電気代)削減」なのか「脱炭素経営(環境アピール)」が大事なのか、基本的にはこの2つの導入理由が多いです。
この2つを見極めることは非常に重要で「脱炭素経営(環境アピール)」が目的であれば太陽光発電以外にも電力会社の再エネプランを利用することで目的を果たす可能です。「ランニングコスト(電気代)削減」が目的であれば、太陽光発電の導入は非常に有効です。
STEP2再エネに取り組む上での課題を検討する
導入の目的がはっきり見えたら、費用面についてお考えいただきます。
多くの企業様がコロナ禍で、まだまだ苦しい経営をされているかと思います。そういった中で、会社として資金投入をすることが可能なのか、あるいは費用はなるべく抑えるのが会社として理想的なのか、をジャッジ(判断)していきます。
「ランニングコスト(電気代)削減」がメインであれば、太陽光発電所を「自己所有」していただいて運用することが一番大きく効果が得られます。
+αとして環境経営の実績も同時に獲得することができるので最大限メリットを獲得していただくのであれば自己投資型の太陽光発電が一番だと考えております。
こういった【STEP.1(目的)】と【STEP.2(費用面)】の検討と並行して、ランニングコスト削減の最大化を目指すために、以下のような会社様によって全然違う部分を全てヒアリングさせていただいております。
- 現在の電気の使用状況
- 電気を使用する時間帯
- 電力消費のピーク
- 設置する建物の屋根の状態や形状
こういった情報を基に設計やシミュレーション、各社様の目的に合った提案を弊社でさせていただいております。
実際の施工段階では、屋根・太陽光発電についての専門性に加えて、既設の電気設備やキュービクルを触ることもございますが、こちらの工事にも弊社は精通しておりますので、そういった面でもより高品質な工事を提供させていただきます。
弊社ではそうした初回のヒアリングから設計、工事、引き渡し後の保証まで外部に委託することなく自社で一貫して請け負わせていただいております。
費用負担を軽減する
補助金・助成金の活用
自己資金を投入して太陽光発電を導入するメリットは、電気代削減効果だけではございません。
国や自治体が再エネの導入をすごく促進しておりますので、様々な補助金であったり助成金を利用できる可能性がございます。
また、中小企業様に関しましては、設備費用に対して税制優遇を受けるが可能で、設備費用の即時償却や特別償却を使って節税していただければ、実質の費用回収期間の短縮にもつながります。
ただ、こういった補助金や税制優遇というのは当然、今だけのものなので活用できる出来るだけ早い段階で導入することで、より多くのメリットを受けていただくことができます。
弊社からのご提案
最後に一つ、弊社の施工事例をご紹介させていただきます。事例 特殊金属エクセル 様(埼玉工場)
こちらは昨年に弊社で施工いたしました金属加工工場様の自家消費型太陽光発電設備です。
電子機器・自動車・精密機械などの会社様に金属を提供している会社様で、大手企業とも繋がりが多くあり、そういった繋がりから再エネ導入にもいち早く意識を向けられ弊社にお問い合わせいただきました。
金属加工という業種柄、使用する電気代も非常に高額だったので、「ランニングコスト(電気代)の削減」に加えて「大手企業への再エネ導入アピール」、これらを同時に実現できるということで太陽光発電をご選択いただきました。
赤枠 | 工場屋根への太陽光発電の設置 |
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緑枠 | 従業員様用の駐車場へのカーポート型太陽光発電の設置 |
黄枠 | 遊休地を活用した野立て型太陽光発電の設置 |
この案件に関しては、3種類の太陽光発電設備をすべて同時に設置させていただいて、すべての電気を自家消費して使っていただいております。
こちらのケースですが、太陽光発電を設置することによって自家消費以外の副産物的なメリットも得ることもできました。
自家消費以外の副産物的なメリット
屋根に設置した太陽光パネルの遮熱効果によって季節毎の室内温度の変動を軽減することがてきております。
空調設備への負荷も少なくなりエアコンの電気代も年間でかなり節約することができております。
また、直射日光や雨風を防ぎ屋根そのものの経年劣化を緩やかにする効果も期待できます。
カーポート型太陽光発電では、悪天候の際に車の乗降の際に雨に濡れることを防ぎ、夏場には車内の温度上昇を防ぐことができて、社員様にも非常にご満足いただけています。
さらに、「太陽光パネル」という見える形で環境経営へ取り組むことは外部への強い再エネアピールになり、実際に「環境ビジネス」という雑誌にも掲載されました。
当然、投資して太陽光発電を導入していただいておりますが、環境省の補助金や県の補助金を非常に上手くご利用いただいて、投資費用回収期間も5~6年でできる想定となっています。
そういった面からも、お客様に非常にご満足いただけた案件となっております。
まとめ
最後に、まとめとしてポイントを改めてお伝えさせていただきます。
-
- 脱炭素(再エネ導入)への取り組みは大手企業だけでなく、そこに繋がる中小企業にも求められる
- こうした取り組みが、これから(大企業の)取引企業の選別であったり金融機関での資金調達といった事業運営のための企業価値にも直結します。
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- 太陽光発電導入のタイミングは「今」がベスト
- 脱炭素が推し進められる中で補助金や税制優遇など制度が非常に整っており、そういったタイミングに乗るという面でも今が非常に太陽光発電としてはベストだと言えます。
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- 各企業にとってより良い導入方法を選択することが大切
- 太陽光発電の導入には多様な設計・工法・導入方法があり、数ある選択肢の中から自社にとってより良い提案をしてくれる会社を選択するということが非常に重要です。
繰り返しになりますが、屋根修繕から始まった弊社は太陽光だけでなく建築についても心得がございます。
屋根の状態が本当に太陽光発電設備を導入するのに適切な状態であるのか? 不具合があるのであれば修繕・改善も行うことができます。
日本には太陽光発電設置を得意とする会社様はたくさんあるかと思いますが、建物のこともきっちり理解した上で太陽光設置を出来る業者というのは中々多くないと思います。
そういったところで、弊社からワンストップで提供されるサービスにご期待いただければと思います。
皆様、本日はご静聴いただきありがとうございました。