コラム

太陽光発電で利用できる補助金・税制優遇

太陽光発電は売電だけでなく自家消費でも大きなメリットが

太陽光発電と聞くとFIT制度を活用した電力の売電のことが浮かぶ方も多いのではないでしょうか。たしかに発電した電力を電力会社に買い取ってもらうことで収益を上げる売電にはメリットが多くあります。

しかし、近年では事業としての全量売電や、余った電力を売電する余剰売電だけでなく、自家消費太陽光発電にも注目が集まっていることをご存じでしょうか。

発電をした電力を売るのではなく、自宅や自社で地産地消が行える自家消費に注目が集まりつつある最も大きな理由は電気料金の高騰です。

月々の電気料金の請求書明細には、FIT認定を受けた、再生可能エネルギー由来の電気を電力会社が買い取るための費用(再エネ賦課金)が含まれております。

再エネ賦課金は電力の使用量に応じて支払いが増していく仕組みのため、個人だけでなく、電力使用量の多くなる企業も、電気料金の負担が大きくなっています。

再エネ賦課金が始まった当時は0.22円/kWhだったものが、現在は2.95円/kWhまで増大しているのが現状です。再エネ賦課金は今後も高騰傾向は続く可能性が高く、また消費税を含みますので増税になれば一気に料金高騰の幅が上がります。

つまり自家消費太陽光発電は、収益を上げることではなく「電気代を節約すること」を目的としているのが売電との大きな違いとなります。

自家消費太陽光発電では、自宅や会社の屋根などの太陽光パネルを設置し、発電された電力はそのまま自宅や会社で使われます。そのため緊急時の予備電力として使用することができます。

大きな災害に見舞われてしまった場合には、電力をはじめとしたライフラインの復旧までに1週間以上かかってしまうことも。そのような事態に陥ったとしても自家消費発電設備があれば、社員への連絡はもちろん取引先への対応などもスムーズに行うことができるでしょう。

注目を集めている自家消費太陽光発電には、現在さまざまな補助金や税制優遇制度が設けられております。このコラムでは自家消費発電で受けられる補助金や税制優遇の内容をはじめ、その期限なども詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

自家消費発電で受けられる補助金

FIT制度での全量売電は、もともと再生可能エネルギー分野を発展させるという意味合いで始まったものです。FIT制度は事業として、または余剰売電を行う太陽光発電を実施している企業向けのものです。

しかし、自社で使用する電力をまかなうための自家消費発電でも、再生可能エネルギーの発展に貢献するものであることは間違いありません。

そのため、自家消費発電にも補助金や税制上の優遇が設けられています。補助金が利用できれば、自家発電のスタートがスムーズになりますし、税制優遇があれば導入後の運営に大きなメリットとなります。

補助金と税制優遇の違いとしては、補助金は設備の導入時に金銭的な援助が受けられるもので、税制優遇は税金の支払いが安くなるといったメリットのことを指します。ここからは、それぞれの補助金や税制優遇についてご紹介していきます。

補助金その1 再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業

環境省が主管となり公益財団法人日本環境協会が補助金を交付している「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及及促進事業」。これは太陽光を含む再生可能エネルギー発電設備の導入に関する費用の1/3、付帯設備としての蓄電池の導入の際の費用は最大で1/2までが補助されます。

新年度分の募集時期はまだ確定されておりませんが、例年4月下旬から6月上旬となっています。

これは、平成28年度から始まった補助金制度ですが、実施期間が令和2年度までとなっています。そのため変更がなければ次回の募集が最後となる可能性が高いです。

「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」は、自家消費発電における最も大きな補助金事業ですので、自家消費発電を最もお得に始めるのなら最後のチャンスになるかもしれません。

注意点としては、FIT制度との両立はできないということ。たとえば基本は自家消費でも余った電力を売る余剰売電を行うのなら、補助金の申請はできません。

他にも「環境・エネルギー対策資金」といった融資のシステムはありますが、補助金として支給されるものは各自治体が個別に実施しているものを除けば「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」の他にはありません。

自家消費発電には税制上の優遇措置がある 

補助金の制度の数は少ないですが、税制上の優遇措置はかなり充実しています。売電では受けられないさまざまな税制優遇についてご紹介していきます。

優遇措置その1 中小企業等経営強化法 

これは中小企業庁が主管となって実施されている税制優遇です。
資本金が1億円以下、従業員が1,000人以下などの条件を満たす「中小企業」に該当する場合に、受けられるものです。

内容としては、太陽光発電設備の導入費用を全額経費として計上できる「即時償却」、購入した価格の7%、または10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)を税金から控除を受けることが可能な「税額控除」の2つから1つ選ぶものとなっています。

それぞれのメリットや選び方ですが、即時償却であれば、本来は17年間に分割して行う減価償却を、設備を購入した1年目にすべて経費として計上できることになります。このメリットは法人税の減税ができる点にあります。法人税(個人であれば所得税)は、所得によって金額が決まってきます。

所得とは収入から経費と控除を除いたもの。つまり経費計上できるものが大きくなれば、結果的に所得が減り、所得に対して課せられる法人税も減らすことができます。

太陽光発電設備を購入し、即時償却すれば設備投資の翌年に支払う税金が軽減されますので、その分の資金をまた別の設備投資などに回すことが可能です。利益が大きくなりそうな年に設備を購入するなどすれば資金の循環がスムーズに行うことができるのが、即時償却の最大のメリットと言えます。

しかし注意すべき点もあります。
もともと分割して経費計上するものを一括で経費にできるだけであり、トータルで支払う税金の合計額は即時償却でも17年間に分割する減価償却でも変わらない点には注意が必要です。初年度にすべて経費としてしまうので、翌年度以降は当然経費として計上できず節税効果はなくなります。

もう1つの優遇措置である税額控除ですが、こちらは最大で購入価格の10%の税額控除を受けることができます。なお、資本金3,000万円超から1億円以下の法人の場合、税額控除は7%になります。設備の購入金額の一部が控除されるので、経費としては減価償却で17年間毎年計上、その上で控除も加わるかたちになります。そのためトータルの税金が減るというのが最大の特徴です。

こちらは自家消費を対象とした税制優遇ですが、全量売電でなければ余剰売電を実施している場合でも対象となります。対象期間は2021年3月31日までです。

優遇措置その2 中小企業投資促進税制 

こちらはその名の通り、設備投資に対しての後押しとなる税制優遇です。中小企業投資促進税制では、機械装置などの対象設備の取得や製作などを対象に、購入金額の30%の特別償却、あるいは7%の税額控除が選択できます。

ただし、税額控除に関しては個人事業主か、資本金3,000万円以下の法人のみが対象となります。

設備を事業用として設置していることが条件となるので、自宅用の太陽光発電設備は対象となりません。また、対象となる事業も条件があります。製造業や農業、漁業、卸売業、運送業、小売業、飲食店業などさまざまな事業が対象となっていますが、電気業は対象外となっています。

そのため、売電目的の太陽光設備に関しては税制優遇を受けることができません。こちらも期限は2021年3月末です。

ご紹介した補助金・税制優遇のまとめ

いくつかの補助金・税制優遇がありますので今回ご紹介したものについて簡単にまとめてみました。

補助金・税制優遇名称 補助金額・控除割合など 期限
再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業 太陽光発電設備導入費の1/3
蓄電池設備導入費の1/2
2021年3月末
中小企業等経営強化法 導入費用全額即時償却あるいは7%or10%の税金控除 2021年3月末
中小企業投資促進税制 30%の特別償却、あるいは7%の税額控除 2021年3月末

まとめ

再エネ賦課金の高騰による電気料金の上昇をきっかけに、注目が集まっている自家消費太陽光発電。電気代を節約できるという大きなメリットに加えて、現在では導入の費用に対する補助金や税制の優遇も実施されています。

しかし、現在実施されている主な補助金・税制優遇は2021年3月末までのものがほとんどです。その後別の名称で新たな補助金の設立や優遇措置が行われる可能性もありますが、内容の充実度は現在がピークであるというのが一般的な予測となっています。

結果として導入するかどうかは別として、一度導入について見積もりを行うなどの検討をしてみてはいかがでしょうか。

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