コラム

中小企業等経営強化法とは|経営力向上に必要な国の支援が受けられる

日本国内の企業の大半を占めている中小企業。そんな中小企業の経営力を向上させるための支援策として、「中小企業等経営強化法」と呼ばれる国が制定した制度があります。

この法律が作られた背景と、中小企業等経営強化法によって中小企業がどのような支援を受けられるのか、税制措置・金融支援・法的支援に分けて解説します。

中小企業等経営強化法とは

法律の概要

「中小企業等経営強化法」とは、中小企業者等の経営力を向上させるため、国が税制度や金融面や法制度など、さまざまな視点からサポートする目的で作られた法律です。

事業分野ごとに経営力を向上させるための「事業分野別指針」が定めてあり、中小企業者等はこの指針に従って商品やサービス、ITの活用や人材育成などに関する「経営力向上計画書」を作成。計画書が認定された中小企業者等は、先ほど挙げた税制度や金融面などの支援が受けられます。

また近年頻発する自然災害や高齢化社会の影響から、事業の継続がむずかしくなっている中小企業等が増えている背景を受け、中小企業等経営強化法は令和元年7月16日に一部改正・施行されました。これによって中小企業等が事業の継続力を高め、スムーズな事業承継を行うためのサポート体制がより強化されています。

中小企業を取り巻く現状

国際競争がますます激しくなっていく昨今では、世界に通用する競争力をつけるために、日本企業は生産性の向上が必要とされています。

特に国内企業の9割以上を占めている中小企業が、生産性を上げ事業を拡大したり海外進出をしたりと、長期的に発展していくことが重要なポイント。そんな日本の経済成長に欠かせない中小企業ですが、その生産性は大企業にくらべて1/2ほどにとどまるといわれており、多くの企業が生産性の向上に伸び悩んでいるのが現状です。

中小企業を取り巻く環境は、年々厳しい状況になってきています。日本は少子高齢化が急速に進み、労働人口の減少や後継者の不在によって事業の継続ができないなど、人材不足の問題から人材確保が厳しい状態です。

在庫管理や顧客管理の電子化、ネットショップへの出店などITの活用、ロボットやIoTを導入することは業務の効率化を図るために有効とされています。しかし、設備投資に十分な資金が調達できない中小企業も少なくありません。

このようにさまざまな悩みを抱える中小企業の、経営力「稼ぐ力」の強化を支援するために作られた制度が「中小企業等経営強化法」です。

中小企業等経営強化法の支援内容とメリット

中小企業経営強化法には法人税や不動産取得税が抑えられる税制措置のほか、金融支援、法的支援とさまざまな方面から中小企業をサポートする制度が用意されています。その具体的な内容と、メリットについて見ていきましょう。

中小企業経営強化税制(税制措置)

「中小企業強化税制」は、確定申告で青色申告をする中小企業等及び中小企業等協同組合等に、一定の設備投資に対して法人税が10%控除、または即時償却されるメリットがあります。中小企業者とは、次に掲げる法人をいいます。

  • 資本金又は出資金の額が1億円以下の法人
  • 資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
  • 協同組合等
※ 中小企業等経営強化法第2条第2項に規定する「中小企業者等」に該当するものに限ります。 (引用:「中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き」

ただし、資本金または出資金の額が1億円以下でも除外となるケースもありますので、自社が対象となるのか予め確認を行いましょう。

導入する生産性向上設備には、機械・工具・建物附属設備・ソフトウェアなど、その設備が満たす要件ごとにジャンルが分かれています。生産性の向上を要件としたものは生産性向上設備(A類型)、投資収益率が見込まれるものは収益力強化設備(B類型)、遠隔操作や可視化、自動制御化が可能なものはデジタル化設備(C類型)の3種類。
C類型のデジタル化設備は新型コロナウイルス感染症の緊急対策として、中小企業等のテレワーク化を進める目的で新しく追加されました。

全ての対象設備は、平成29年4月1日から令和3年3月31日の間に取得したものが支援の対象ですが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して、手続き期間が以下の通りに延長されています。

令和2年2月以降に導入した設備は、令和2年9月30日までに限り、経営力向上計画の申請日が設備の取得日から60日を超えても受けつけてもらえます。

令和2年9月30日までに提出した経営力向上計画の申請は、特例措置として設備を取得して使用した年度内に、認定を受けたものとして扱われます。

事業承継等に係る登録免許税・不動産取得税の特例

「土地・建物の取得に係る税制措置」は、他者から建物を譲り受けて事業を承継する中小企業者等に、登録免許税と不動産取得税が節税できるメリットがあります。

例えば、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に従い、会社を合併や統合または事業の譲渡などで、他の中小企業者等から土地や建物といった事業用資産の所有権を得たとします。このケースでは、不動産権利移転登記に必要な、登録免許税と不動産取得税の軽減措置を受けられます。

この税制措置は、平成30年7月9日から令和4年3月31日の間に取得したものが対象で、特例を受けるための手続きは以下の通りです。合併や分割または事業譲渡によって不動産を取得する内容を含んだ経営力向上計画を決められた省庁へ提出する。

計画が認定されたら、その計画に従って事業を承継したあとに不動産の権利移転に関する登記の手続きを行う。

登録免許税は、登記の申請時に支払うタイミングで軽減されますが、不動産取得税は後から納めるので、不動産を取得して数カ月後に税額が軽減された納付書が届きます。

金融支援

経営力向上計画を各省庁へ提出し認定された中小企業者等は、金利や債務保証、資金調達などに関してさまざまな金融支援を受けられます。

日本政策金融公庫による低利融資

事業者が新しく設備を導入するのに必要な資金は、基準利率または特別利率にて融資を受けられます。基準利率及び特別利率は一定の期間ごとに更新されるため、借入日によって利率が異なりますので注意が必要です。

中小企業信用保険法の特例

事業者が経営力向上計画に記載した新サービスの提供や、新しい取り組みを実行するために民間の金融機関から融資を受ける際、通常の保険とは別に追加の保証が受けられます。

中小企業投資育成株式会社法の特例

資本金が3億円を超える中小企業者でも、経営力向上計画の認定を受ければ中小企業投資育成株式会社からの融資を受けられます。

日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジット制度

海外支店や現地法人を持つ日本国内の中小企業者が、経営力向上計画の認定を受ければ現地通貨で資金の融資を受ける際に、日本政策金融公庫に債務を保証してもらえます。

食品等流通合理化促進機構による債務保証

食品製造業者が、経営力向上計画の実行のために巨額の資金が必要な場合や、融資の保証制度が受けられない時には、食品流通構造改善促進機構に債務を保証してもらえます。

法的支援

中小企業等は、会社の合併や分割または譲渡など、事業の承継などに関してさまざまな法的支援を受けられるメリットがあります。

許認可承継の特例

事業の継承に関する内容を含む、認定された経営力向上計画の実施をする事業者は、譲渡する側の事業者が持つ許認可をそのまま引き継げます。引き継ぐ業種は旅館業・建設業・火薬類製造業・火薬類販売業・一般旅客自動車運送事業・一般貨物自動車運送事業・一般ガス導管事業に限ります。

組合発起人数の特例

経営力向上計画の認定を受けた上で事業協同組合・企業組合・協業組合を設立する事業者は、通常は発起人が最低4人必要なところ3人でも設立が可能です。

事業譲渡の際の免責的債務引受けの特例

経営力向上計画の認定を受けた企業が事業を譲り受ける際に、譲渡する側の事業者が抱えている債務は、企業が債権者に対して通知(催告)し、1ヵ月以内に返事がなければ全ての債権者から債務を移転することの同意があったとみなすことができ、債務の移転手続きが簡略化できます。

中小企業等経営強化法の支援を受けるには経営力向上計画が必要

中小企業等経営強化法の支援を希望する企業は、「経営力向上計画」を国へ提出し認定されることで、その支援が受けられます。まずは税制措置・法的支援・金融支援のうち支援を希望する分野ごとに手続きの方法を調べるところからスタートし、総務省が発行している「日本標準産業分類」でご自身の企業が該当する事業分野(業種)を確認しましょう。

事業分野ごとに指針が決められているので、中小企業庁のホームページに記載の該当する事業分野の「事業分野別指針」に沿って経営力向上計画を定めます。この経営力向上計画の提出期限は特に定められていませんが、設備投資や事業承継の場合は事前に提出し認定されることが必要です。

計画申請が認定されるまでには30日程度かかるので、手続きは余裕を持って進めましょう。

経営力向上計画の概要や策定の流れは、以下の記事で解説しています。合わせてご覧ください。

まとめ

「中小企業等経営強化法」は、中小企業等の経営力を強化するために作られた制度です。中小企業等は経営力強化計画を提出し認定されれば、新しいサービスや設備を導入する際の法人税や事業の承継に係る不動産取得税などの節税対策にもなり、金融支援や法的な支援も受けられます。

中小企業等を経営される方は、この制度を活用しない手はありません。この機会に、ご自身の企業の経営力を向上させるための取り組みをしてみてはいかがでしょうか。

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