環境省による、PPAの自家消費型太陽光発電の補助金が公募開始

新型コロナウイルスの影響により、様々な業種の企業が経済的な打撃を受けました。 その中には「仕入れ」から「流通」までを担うサプライチェーンも含まれます。
特に中国を拠点として製造を行っていた企業は、生産拠点の国内回帰という選択を行うケースも少なくありません。
その状況を踏まえ、経済産業省と一般財団法人環境イノベーション情報機構が連系し、 サプライチェーンのPPAモデル等を活用した自家消費型太陽光発電導入の補助金申請を2020年6月30日から受け付けることを公表しました。
今回の記事では、この 「サプライチェーン改革・生産拠点の国内回帰も踏まえた脱炭素社会への転換支援」についてご紹介します。
目次
PPAモデルとは
「サプライチェーン改革・生産拠点の国内回帰も踏まえた脱炭素社会への転換支援」の補助対象設備は、「PPAモデル等を利用した自家消費型太陽光発電設備等」とされています。
このPPAモデルとは、PPA事業者が企業の屋根に太陽光発電を無償で設置し、企業は太陽光発電で作った電気を安く購入することで、初期費用0円で電気代削減ができるサービスです。

簡単に言えば、企業は 「会社の屋根やスペースをPPA事業者に貸して太陽光パネルを設置し、電気代節約などのメリットを受けられる」ということです。PPAモデルを利用して太陽光発電を設置し、電気を自家消費すると、企業は主に4つのメリットが受けられます。
1. 電気代削減
太陽光発電で発電した電気を使用するため、電力会社の電気を購入するよりも割安になり、電気代削減に繋がります。
2. 企業価値の向上
以前から環境経営に積極的な大手企業が多く存在しましたが、SDGsやRE100といった取り組みが始まってから、大手企業だけではなく中小企業にも環境を意識した経営が求められるようになりました。
PPAモデルでは、屋根を貸して太陽光発電設備を設置するだけで環境への取り組みをアピールできるため、企業価値向上につながります。
3. 非常時の電源
太陽光発電が発電をしていれば、停電が起きても非常電源として機能するので、停電によって業務に支障が出ることを防いだり、地域防災に貢献したりできます。
4. 断熱効果
太陽光パネルを屋根に設置すると、屋根に直射日光が当たらなくなるので、空調が効きやすくなり電気代削減につながります。
自家消費型太陽光発電については以下の記事で詳しく説明していますので、こちらもご覧ください。
「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」の公募開始
ここまでPPAモデルについて簡単に触れてきましたが、このPPAモデルを利用して自家消費型太陽光発電等を設置するサプライチェーン(工場や物流施設)を支援する「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」への応募が2020年6月30日から始まりました。
事業内容
冒頭でも少し触れましたが、この「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」には、以下の狙いがあります。
- 新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた日本のサプライチェーンの整備
- 感染症や災害による停電時にも対応可能なエネルギー供給設備の構築
- 企業や個人が初期費用0円で環境への取り組みに参加できるPPAモデルを支援し、脱炭素社会への転換を進める
国としても、これらの狙いを実現するために、PPAモデルによる自家消費型太陽光発電等の設置を金銭的に補助していこうと動いています。
補助金概要
公募期間 | 2020年6月30日から2020年9月30日まで |
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対象施設 | 1. 工場:日本標準産業分類に該当する製造業や情報通信業 2. 物流施設:日本標準産業分類に該当する道路貨物運送業、外航海運業、沿海海運業、航空運輸業、倉庫業、港湾運送業、貨物運送取扱業、卸売業、製造業又は小売業に分類される倉庫や配送センター |
補助金額 | 間接補助事業
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応募方法
「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」に応募するためには、「一般財団法人 環境イノベーション情報機構」の公募のお知らせページから「応募様式」をダウンロードし、必要事項を記入の上その他の必要書類と一緒に公募期間内に提出します。提出は、郵送・持参・メールのいずれも可能です。
提出先
一般財団法人環境イノベーション情報機構
「サプライチェーン改革・生産拠点の国内投資も踏まえた脱炭素社会への転換支援事業」担当宛
〒101-0042
東京都千代田区神田東松下町 38 鳥本鋼業ビル 3 階
メールアドレス:supply@jigyo.eic.or.jp
注意点
郵送で応募する際は、「消印」ではなく「必着」なので、期限間際の提出では間に合わない可能性がある点と、書類の返却はしてくれないので、 自分で控えを取っておく必要がある点に注意が必要です。
PPA以外に、自社で直接太陽光発電設備を購入する選択肢もあります
太陽光発電を自社の屋根に設置することで経費を削減し、最終的に利益になる「自家消費型太陽光発電」が注目されています。
今回は屋根を貸してPPA事業者に太陽光パネルを設置してもらう「PPA」モデルと、その補助金をご紹介しましたが、もちろん 企業が直接太陽光パネルを保有し、自家消費型太陽光発電を行うこともできます。
中小企業が自社の屋根に太陽光発電設備を設置し、2020年度に認定を受けた場合は、税制優遇を受けられたり、電気を自社で使いつつ余った分は電力会社に売電ができたりします。
PPAモデルでの導入が難しい場合は、自社での太陽光発電設置もぜひご検討ください。当社、太陽光設置お任せ隊を運営している株式会社ハウスプロデュースでは、企業様の利益につながる自家消費型太陽光発電の設置をご提案いたします。
投資家向け太陽光発電投資コラム