ローカルベンチマークで事業内容を理解|導入方法・メリット・事例を解説

ローカルベンチマークは、経済産業省が提供している企業の経営状況を測れるツールです。公的機関が提供しているツールなので信頼度が高いものの、実際に活用している企業は多くありません。

この記事では、さまざまなメリットをもつローカルベンチマークの基本的知識と具体的な導入方法・活用法について説明します。

ローカルベンチマーク:通称ロカベンとは?

ローカルベンチマーク(通称ロカベン)とは、地域企業の付加価値向上のため、財務情報に関する6つの指標、非財務情報に関する4つの視点に基づき、企業の「健康診断」を行うツールのことです。

6つの指標(財務情報から企業の過去の姿を把握する)

  • 売上高増加率(売上持続性)
  • 営業利益率(収益性)
  • 労働生産性(生産性)
  • EBITDA有利子負債倍率(健全性)
  • 営業運転資本回転期間(効率性)
  • 自己資本比率(安全性)

4つの視点(非財務情報から企業の現在の姿を把握し、将来の可能性を評価する)

  • 経営者への着目
  • 事業への着目
  • 関係者への着目
  • 内部管理体制への着目

この「健康診断」に使用するエクセルシートは経済産業省が作成・提供しており、Webサイトから簡単にダウンロードできます。

▶ダウンロードはこちらから
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

ローカルベンチマークが策定された背景

ローカルベンチマークが作成された背景には、急激な人口減少に伴う地域経済低迷への懸念があり、地域経済を活性化するためには、地域企業が雇用を生み出し続けなければなりません。

こうした社会的要請を受けて、2015年6月の第2次安倍内閣の成長戦略である「日本再興戦略」において、「中小企業団体、地域金融機関等による地域企業に対する経営支援等の参考となる評価指標・評価手法(ローカルベンチマーク)」の策定が盛り込まれました。

しかし、1万社を対象に経済産業省が行ったアンケート(回収率28.3%)によると、企業のローカルベンチマークの認知度はわずか13.5%に過ぎず、そのうち活用企業は30.7%にとどまっています。

3枚のExcelシートで行う健康診断

ローカルベンチマークは3枚のExcelシートにわかれています。

  • 1枚目:財務分析
    前述した6つの指標に基づき、財務情報を記入します。各指標について0点から5点で評価され、レーダーチャートで可視化されます。
  • 2枚目:商流・業務フロー(自由記述)
    自社の業務フローと他社との差別化のポイントを整理します。
  • 3枚目:4つの視点
    4つの視点に基づいて、自社の非財務情報を自由記述で書き込みます。総括として、現状認識と将来の目標を示します。

ローカルベンチマークを活用するメリット

地域企業の付加価値向上のために策定されたローカルベンチマークですが、活用方法や導入メリットがわからないと足踏みしている企業も少なくありません。地域企業がローカルベンチマークを活用すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

社内の状況把握や見直しに繋がる

中小企業の経営者のなかには日々の業務に追われ、長期的な視点で経営状況を振り返る時間をなかなか確保できずにいる方もいます。

しかし、そういった企業こそローカルベンチマークの導入は有効です。財務や業務フローなど社内を見つめ直すことで、中長期的な戦略の効果測定や見直しに役立ち、自社のさらなる成長を目指せます。

前述した経済産業省の調査によると、ローカルベンチマークについて「自社の経営分析に使うことを検討してみたい」と答えた企業が51.2%だったことからも、経営改善に活かせるなら利用したいと考える経営者のニーズが読み取れます。

金融機関などのステークホルダーと同じ目線で対話できる

2016年より開催されている「ローカルベンチマーク活用戦略会議」の参加機関一覧をみると、全国銀行協会・全国信用金庫協会・株式会社日本政策投資銀行など、数多くの金融機関が含まれています。企業が金融機関に融資を希望した際、お互いの基準にずれが生じていると話し合いが円滑に進まないケースが多々あります。

そのため、資金調達や事業計画について金融機関と相談する際にローカルベンチマークを活用していれば、経営状況について共通理解を持った上で現状の改善や中長期戦略の改善に向けた対話が実現できます。

また、多くの企業がローカルベンチマークの認知経路は、金融機関と答えています(全体の34%)。金融機関向けのアンケートでは、効果として「融資額が増加した」「顧客企業の資金調達が円滑になった」とあり、金融機関も積極的に企業へ導入を推奨していることが伺えます。

状況整理と対話から新しい道筋が見つかる可能性がある

ローカルベンチマークを活用して客観的な視点で経営状況を整理すれば、金融機関を始めとするステークホルダーとの対話で新しい道筋が見つかる可能性があります。

その根拠には、経済産業省が金機関向けに行った、ローカルベンチマーク活用効果アンケート(2018年)が挙げられます。

上位に挙がった効果の内容は、27%が「顧客企業の事業計画の作成に繋がった」、24.5%が「顧客企業の資金調達が円滑になった」、10.4%が「顧客企業における新規事業の開拓や事業構造の見直しに繋がった」でした。

ローカルベンチマークを活用する上での課題

ローカルベンチマークの最適な活用方法が認識できていない

経営者の中には、ローカルベンチマークのメリットが実感できずに「使えない」と思っている方も少なからずいます。

前述したようにローカルベンチマーク自体は、3枚のエクセルシートの空欄を埋めていけば完成します。しかし、それだけでは「活用」したとはいえません。そのデータを通じて自社事業の理解を深めることで、ローカルベンチマークは力を発揮するのです。

まずはローカルベンチマークが経営や事業について理解を深めるツールであることをしっかり認識しましょう。

作成が難しい箇所が発生する

エクセルシートに記入すべき6つの指標と4つの視点について前述しましたが、なかには馴染みのない概念もあったり、感覚的には説明できるとしても文章でどのように表現したら良いのかわからなかったりすることもあります。

社内の担当者だけで対応できない場合には、コンサルタントや社外の専門家に作成を相談してみるのも一つの方法です。

ローカルベンチマークに取り組む方法・流れ

ローカルベンチマークツールをダウンロードする

ローカルベンチマークツールと名付けられたエクセルファイルを、経済産業省のホームページからダウンロードしましょう。Webサイトにはツールの利用マニュアルがPDFファイルで用意されているので、合わせてダウンロードしておけば、作成の参考にできます。

▶ダウンロードはこちらから
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

財務分析シートシートに情報を入力する

基本情報と6つの指標に、それぞれデータを入力します。業種については「業種シート」が用意されており、わかりやすくなっています。そのほか、売上高や営業利益などの金額と入力していくと、「財務分析シート」に内容が反映され、自社の評価を確認できます。

また、過去との比較も自動計算されるため、現在の財務状況が一目で把握可能です。

非財務ヒアリングシート(商流・業務フロー)に情報を記入する

「業務フロー」記入の際は、業務プロセスを分解し、各業務の業務内容と、差別化ポイントを分析しましょう。このプロセスにより、自社が提供している付加価値や他社と異なる強みに対する理解を深めることができます。

また、「商流」部分に情報を記入する際、取引先と取引理由を整理できます。取引先には「仕入れ先」、「協力先」、「得意先」、「エンドユーザー」などが含まれます。

非財務ヒアリングシート(4つの視点)に情報を記入する

「経営者」「事業」「企業を取り巻く環境・関係者」「内部管理体制」という4つの視点それぞれの項目(3個から4個)へ具体的に記載しましょう。

記載した内容を踏まえて「現状認識」と「将来目標」を記入し、その両者のギャップから見えてくる「課題」と「対応策」を明らかにします。

動画でも取り組み方法が確認できる

経済産業省のホームページでは、ローカルベンチマークの取り組み方法に関する動画が10本アップロードされています。導入編を初めとして、現状把握や業務フローの把握の仕方をわかりやすく説明していますので、活用してみましょう。

▶動画はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=Gq9SQ5K34WA

ローカルベンチマークとの連携

ローカルベンチマークは地域企業と金融機関との対話ツールのみならず、各種支援機関の制度と連携されています。そのため、ローカルベンチマークに取り組んでいれば、以下の事業・制度を利用する際にいくらか手間が省けます。

・サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)との連携
企業がIT導入補助金を申請する際にローカルベンチマークの財務・非財務情報の入力が求められています。共通のツールを使うことで、申請作業の手間を省き、IT導入前後の状態比較にも役立ちます。それを出力すれば、金融機関との対話もスムーズです。

・「中小企業等経営強化法」との連携
企業が「経営力向上計画」策定時に、ローカルベンチマークの財務情報が活用できます。

・「事業承継ガイドライン」との連携
事業承継に向けた経営改善の前段階である「経営状況・経営課題等の把握(見える化)」のステップで使えるツールとしてローカルベンチマークが紹介されています。

・早期経営改善計画策定支援事業(プレ405事業)との連携
中小企業の早期経営改善を促す同事業で、詳細な財務分析を行う際のツールとしてローカルベンチマークの活用が推奨されています。

・RESASとの連携
RESAS(「中小・小規模企業財務比較」)はローカルベンチマークの6指標を採用しているため、各ツールの一部に互換性があります。

・「地域未来投資促進法」との連携
同法は地域経済を牽引する役割を担う企業を支援することを目的としていますが、「基本計画」や「地域経済牽引事業計画」を作成する際に、ローカルベンチマークを活用できます。

ローカルベンチマークの事例

ローカルベンチマークを早期経営改善計画作成に活用した事例をご紹介しましょう。清和工業株式会社は2016年設立、従業員5名のアスベスト除去、解体、メンテナンスを手掛ける企業です。

ローカルベンチマークを活用して従業員と経営者との間で対話を行ったことで、それまで意識していなかった強みが明らかになりました。それをもとに課題を洗い出し、対応策を打ち出し、早期経営改善計画を作成、それを金融機関に対し報告できました。

まとめ

地域企業にとってまだ認知度が低いローカルベンチマークですが、その潜在力やメリットは企業にとって大きな成長要素となります。金融機関とだけでなく、さまざまな支援機関との連携に役立つローカルベンチマークを活用しない手はありません。これを機に、ローカルベンチマークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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