グリッドパリティと太陽光発電の関係

グリッドパリティを考える

2009~2012年に実施された余剰電力買取制度、2012年より実施された固定価格買取制度(以下FIT制度)により、太陽光発電が広く普及しました。FIT制度による買取期間終了後の収益源は、主に「これまでより低い価格で大手電力や新電力に売電する」、「自家消費」の2つになります。

太陽光発電の普及により製造技術が進化し、太陽電池モジュールや関連設備の製造コストが低くなってきています。つまり、太陽光による発電コストが小さくなってきています。一方、大手電力会社による既存の電力コストは上昇傾向ですので、従来の「太陽光による発電コスト>既存の発電コスト」が逆転する現象が見られるようになりました。

この逆転現象をグリッドパリティと呼びます。グリッドパリティにより自家消費による収益が大きくなることを意味します。本記事では、既に太陽光発電を始められている方、太陽光発電の導入をご検討の方が知っておくべき、グリッドパリティについて説明します。

固定価格買取制度(FIT制度)のおさらい

2009年から2012年まで実施されていた余剰電力買取制度、2012年から施行された固定価格買取制度(2017年に改正)は、再生可能エネルギー源で発電された電気を国が定める価格で電力会社が買い取る制度です。

買取期間は、ソーラーパネル出力が10kW未満(主に住宅用)の場合は10年間、10kW以上(主に事業用)の設備の場合は20年間です。FIT制度により再生可能エネルギーによる発電が促進され、特に太陽光発電は広く普及しました。

一方、これからFIT制度の適用を受ける場合の買取価格は下がる傾向が続いています。太陽光発電での具体的な価格を比較すると、2019年度の買取価格は「10kW未満(住宅用)で24~26円/kWh」、「10kW以上(事業用)で14円/kWh」です。2019年度の買取価格は「10kW未満(住宅用)で24~26円/kWh」、「10kW以上(事業用)で14円/kWh」です。

経済産業省の2019年8月付け公表資料によると、FIT制度の抜本見直しと再エネ政策の再構築に向けての中間報告が記載されており、2020 年度末のFIT法の抜本見直し期限に向けて、継続的な検討討が進められています。

また余剰電力買取制度が始まってから、10年間が経ち、2019年から買取期間が満了してく方(事業者)は56万件以上見込まれています。買取期間満了後も大手電力会社に売電できますが、買取価格はこれまでの固定価格より安くなります。

電力自由化が進み大手住宅メーカーによる余剰電力の買取事業への参入もあり、収益がゼロになることはありませんが、こちらもFIT制度と同じ収益は期待できません。

グリッドパリティとは

「グリッド」とは送電系統、「パリティ」とは同等という意味です。グリッドパリティとは、再生可能エネルギー源(本記事の場合、太陽光)による発電コストが「大手電力会社による既存の発電コストと同等であるか、安くなる状況」のことです。

具体的なデータを見てみましょう。国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公表している太陽光発電システム(10kW以上、非住宅)の発電コストと買取価格のトレンドです。

なお、2019年の買取価格は14円/kWhに決定しています。またTEPCO(東京電力)の業務用電力(契約電力500kW未満)の場合、基本料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金に加えて、17円/kWh(夏季)、16円/kWh(夏季以外)に比例した電力量料金の合計が電気代となります。

上記のグラフでは、2017年の太陽光による発電コストは16.9円/kWhですので、近年、次の関係が現れてきました。

「太陽光による発電コスト<大手電力会社の既存の発電コスト」

つまり、電力会社で電気を購入するよりも、自家消費を行い消費電力を抑えた方が経済負担を抑えられることになります。

中小企業向けの税制優遇制度

中小企業の方が自家消費型の太陽光発電を行う場合、いくつかの税制優遇を受ける事ができますので、さらに自家消費のメリットが大きくなります。

〇再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置
太陽光発電設備(10kW以上1,000kW未満)の場合、新たに固定資産税が課せられることになった年度から3年度分の固定資産税に限り、課税標準を課税標準となるべき価格から2/3に軽減

〇中小企業経営強化税制
法人税(個人事業主の場合には所得税)について、即時償却または取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除が選択適用可能

〇設備投資に係る新たな固定資産税特例
要件を満たす設備投資の固定資産税が3年間、0以上1/2以下(市町村の条例で定める)

グリッドパリティが見られるようになった状況で、中小企業向けの税制優遇制度が自家消費の追い風となっています。

蓄電池の導入による自家消費のメリット

グリッドパリティとは「太陽光による発電コスト<既存の発電コスト」であることを説明しました。

これには、太陽光による発電コストには蓄電池が含まれていません。発電と蓄電を合わせたコストを既存電力並みに下げることができれば、収益上のメリットがさらに大きくなります。

なぜなら夜間の電力消費にも自家消費が適用できるためです。別の言い方をすれば、「蓄電池を導入しない場合より蓄電池を導入した方が、経済的メリットが大きくなる状態(ストレージパリティと呼ばれます)」です。)

まだ産業用蓄電池はコストが高く、ストレージパリティを実現化するには蓄電池のさらなる低価格化が必要です。

戸建住宅の場合、6万円/kWhにおいて5kWhの蓄電池でストレージパリティに到達する予測があります。蓄電池の導入にも国や地方自治体による補助金制度がありますので、導入時には忘れず確認しましょう。

収益計算の実際

自家消費でも、精度の高い収益シミュレーションが大切です。その為には正確な(現実に近い)データを集める必要があります。

次に自家消費の収益シミュレーションにおけるデータの例を示します。

・初期費用(太陽光発電設備、土地代、災害保険)
・資金調達(借入金額、返済期間、金利、資本金出資、共同出費、補助金)
・自家消費による電気料金の支払額の低下分
・販売電力量(想定発電量)、稼働年数
・一般管理費(維持費)
・固定資産税、償却資産税
・(必要に応じて)蓄電池の設置費用、蓄電容量、放電時間帯

事業形態によっては、夜間でも自家消費を行った方が収益を大きく出来る場合もあります。

その場合は蓄電池に関するデータ(設置費用、蓄電容量、放電時間帯)が必要となります。自家消費の収益シミュレーションの場合も、事例や経験がないと精度を高めるのは難しく、信頼できる専門家に相談した方がよいでしょう。

新しい太陽光発電の活用は自家消費

現在、2020年からのFIT制度の見直しが行われており、今後の買取価格の動向が読みにくい状況です。

家庭用太陽光発電では、FIT制度による買取期間が満了する事業者(卒FIT)も年々、増加していきます。

近年、従来の「太陽光による発電コスト>既存の発電コスト」が逆転するグリッドパリティが見られるようになりました。グリッドパリティにより自家消費への市場の追い風は大きくなることを意味します。

自家消費の収益シミュレーションを行う際は、必要に応じて蓄電池の設置費用、蓄電容量、放電時間帯などを考慮する必要があります。太陽光設置お任せ隊では企業様、個人さまの自家消費に関する設備導入をサポートさせていただいております。お気軽にご相談ください。

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