とにかく「スピーディーで柔軟な対応」に好感をもちました。
取材ご協力
株式会社特殊金属エクセル埼玉事業所 所長 松岡秀典様 様
近年、「カーボンニュートラル」や「SDGs(持続可能な開発目標)」における取り組みでは「再生可能エネルギーの活用」が社会的に求められています。
とりわけ、自家消費型の太陽光発電システムに多くの注目が集まっています。
本インタビューは、精密金属材料の開発・製造・販売を手掛ける「株式会社 特殊金属エクセル」埼玉事業所・R&Dセンター(本社:東京)所長として務められている松岡様にご協力いただきました。どのような思いで導入に踏み切ったのか、実際の費用対効果、導入に至るまでのプロセスについてご紹介します。
太陽光発電を導入した“きっかけ”
私の所属する埼玉事業所(従業員数170名程度)では、生産過程で非常に多くのエネルギーを必要としています。製造工程において常時、一般家庭1,000軒分もの電気を消費しており、製造コストうち、電気代が相当の高い割合を占めています。
さらに、近年世界的に二酸化炭素など温室効果ガス削減の取り組みが加速していますので、社会的な責任を果たすことを目的としながらも電気代のコストダウンができれば…と考えていました。
太陽光発電に着目した理由はありますか?
この工場から隣接した場所に、新たな工場の増設を計画して確保していた土地があったので、工場を建てるまでの間、その土地を有効活用する方法は無いかと検討していたところ、太陽光発電ならその土地を有効活用できると考えました。
工場を建てる計画はまだ先ですが、工場を建てる際は、その太陽光パネルをその工場の上に移設ことも考えています。太陽光発電の実際の費用対効果について
具体的な金額については控えさせていただきますが、想定通りに発電してくれれば、大体7年から8年くらいで投資回収できる見込みです。
当時の電気料金で計算した場合なので、今後さらに電気代が上がれば、太陽光発電の費用対効果も高まることになるので、回収年数はさらに短くなるかと思います。
検討はしましたね。ですが、自己負担で購入すれば補助金が活用できます。
今回は、環境省の補助金(※)も受けることができたので、実質負担は2/3に抑えることができました。
(※)令和2年度令和二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
ただ、弊社の場合は補助金を受けられなかったとしても、PPAモデルより自己負担で購入した方が圧倒的に投資効率が良かったです。当たり前ですが、業者を挟めばそれだけ自分たちが得られるコストメリットは小さくなってしまいますからね。環境への取り組みや太陽光発電のCO2削減効果について
弊社では「毎年1%ずつCO2を削減しよう」という形で地道に改善活動を行ってきたのですが、効果が実感しにくいため、なかなか根気が必要でした。
それに、省エネは、あくまでエネルギーの効率化なので、生産量が増えればその分、CO2を増やすことになります。
もちろん、地道な節電行動は必要ですが、がんばった分の効果が出づらくなっているのも事実です。
一方、太陽光発電で自家消費した場合、発電システムが我々に代わって仕事をして、意図した目的通りにCO2排出量を減らしてくれるので、苦労なく期待した効果が得られます。
鉄鋼業界は、概ね20~30%削減を目標としている企業が多いのですが、我々はそれ以上に削減し、業界をリードして行きたいと思っています。
太陽光発電の導入に向けた取り組み
太陽光発電の知識にも乏しかったので、役場やメーカー等、関係各所との調整はなかなか難しかったですね。建築確認申請や消防署への確認等、多岐にわたりました。
とくに大変だったことは、補助金で定められた工期内で工事を完了する事でした。
仕様の変更があると、準備していた書類の差し替えが発生しますし、申請期限までに進めておかないといけない工程の調整などもあり、スムーズに事が運ばず苦労しましたね。今回、太陽光発電を導入した経験は、多くのことを学べたと実感しています。来年度は、別工場にも太陽光発電の導入を計画していますので、そちらの案件についても、ぜひ、ハウスプロデュースさんの力を借りたいと考えています。
太陽光発電の導入では社内で反対意見などはありませんでしたか?
弊社としても大きな試みとなるので、社内では不安の声もありました。
「そもそも太陽光で発電した電気が工場で問題なく使えるのか?」といった根本的な疑問の声もありましたね。
ハウスプロデュース(当社)をお選びいただいた理由
10社ぐらいですね。まずは、それぞれ見積もりを出してもらいました。
最初はだいたい1kWあたり約20〜23万円スタートでしたが、他社に相談してみると18万円のところもあったり、今度は15万円のもの出てきたり…。
他社さんと同じように相談を行いましたが、とにかく「スピーディで柔軟な対応」に好感を持ちました。
実際、いろんな業者さんとやりとりをしていると分かるのですが、1つ質問して回答いただいても「それに関連した別の疑問」がどんどん出てくるわけですよ。仮に、聞きたいことが山ほどある中で、質問の回答をもらえるまでに3日かかって返ってくるみたいなことが多々ありました。
しかし、ハウスプロデュースさんのレスポンスは分単位でした。他社と比べて圧倒的に早く、実際に工事計画が進んでからも「ここまで対応してくれるの」と思うほどでした。
当然、価格も魅力的ではありましたが、決めては対応力です。ここまでスピードを持って誠心誠意取り組んでくれるなら「ハウスプロデュースさんにしよう!」と決断しました。具体的にいうとどういった対応に好感をいただけましたでしょうか?
特に記憶に残っているのは年末のことですね。補助金の絡みで工期が厳格に決まっていたのですが、その時はコロナ禍で世界的にも半導体が不足の問題で、一部資材がどこのメーカーからも入ってこなくなってしまって。
そんな時に、担当者さんが「松岡さん直談判に行きましょう」と言ってくれて、15時位にアポ取りを始めて、確約貰えていなかったのにも関わらず、某メーカーの本社に出発し、本社に着いたら、「責任者は今、別の工場にいます」と言われて、すぐさまレンタカーを借り、夜な夜なその工場にお邪魔し、話しを聞いて頂きました。
そのメーカーさんもいきなりの訪問に対し、とても真摯に受け止めて頂き、我々の願いを叶えてくださいました。とても感謝しています。
ここまで対応してくれるって、なかなかそんな会社ないじゃないですか。でも、あの日直談判に行ってなかったら間違いなく間に合っていませんでした。
ハウスプロデュースさんのすごい所は、顧客の思いを叶えたいという意志です。顧客の願いを自分事に捉え自分達が1円も得しない事を精一杯がんばってくれる。営業さんだけではなく、事務スタッフ、工事監督、電気主任の方も、皆さんがチームとして顧客の夢を実現しようと全力を尽くしている姿に熱い想いを感じました。
それが、価格にも、スピードにも、対応力にも表れています。だからハウスプロデュースさんを選んだのです。これからもずっと信じて付き合える同士だと思っています。太陽光発電の導入で感じたメリット・デメリット
多くのエネルギーを使う環境負荷が高い企業であるが故、「我々は何をして行くべきなのか?」と思いを馳せていた所がありましたが、逆に今では太陽光発電が自信となり、我々の武器にもなっています。
悪かった点は特にないですが、もし強いて言うなら、申請等に関する関係各所とのコミュニケーションに時間と労力を取られてしまったことですね。
ハウスプロデュースさん始め、設計士さん、メーカーさん、役所・消防署の方々、皆さんの協力なくして、このゴールはありませんでした。その意味でも皆さんにはとても感謝しています。脱炭素に対する業界の動向について
今後は、具体的に「〇〇%」といった目標などを強く求められたりするようになるのかもしれませんが、現時点でそのような要請はありません。
今後の展開について
国内全拠点に可能な限り拡張していくつもりで、直近では埼玉工場の二次工事や、福井県・長野県での導入も視野に入れています。
太陽光パネルを設置する拠点を増やしていき、蓄電池システムも導入しやすい環境になれば、停電といった有事のときに、サーバー電源として活用することも検討したいです。こうすることで、止まらない工場を作り上げ、有事の時でもお客様の元に製品が届けられる様にしたいですね。
そして今後EV車が増えてきたら、駐車場にも設置することで、太陽光発電で充電できるようにして従業員のみんなに喜んで貰いたいですね。もちろん、いま挙げた目標には多くの課題があると思いますが、今回の成功体験から「本気でやればできる」そんな自信につながった気がします。