太陽光発電投資のリスクに対処して成功に導くには?

太陽光発電投資をするうえで最大のリスクと言えるのが、台風や豪雨などの自然災害の発生です。自然災害の被害を受けることで、太陽光発電事業者は様々な損害を被るリスクがあります。
今回は、自然災害が太陽光発電事業者にもたらす実際に起こったリスクと、その対処法について説明していきます。
目次
太陽光発電投資で災害によって起こり得る6つのリスク
自然災害によって、太陽光発電所や事業者に起こり得るリスクは、主に以下の6点です。
豪雨による土砂崩れで土地が崩落するリスク
台風によるパネルの損壊や飛散のリスク
災害による被害で事業撤退に追い込まれるリスク
大規模な停電により送電が停止するリスク
第三者に損害賠償を請求されるリスク
飛散したパネルの撤去時、けがや感電をするリスク
ここでは各リスクの内容について、一つずつ解説していきます。
豪雨による土砂崩れで土地が崩落するリスク
太陽光発電設備を設置している土地の土台がしっかりしていなければ、豪雨が起きた際、土砂崩れを起こす危険があります。この場合、太陽光発電設備は地面ごと、崩れ落ちてしまいます。
実際に2018年には、西日本で発生した豪雨により、兵庫県にある太陽光発電所の構内で土砂崩れが発生しました。この発電所は切土・盛土した土地に建てられており、豪雨によって幅と長さともに50メートルにわたって崩壊したのです。
これにより、太陽光パネルやパワーコンディショナなど、設備の大部分が崩落しました。パワーコンディショナ70台のうち、破損したものは60台にも及んでいます。
こちらは業界でも大手の物件の前例でありますが、これから太陽光発電投資を始める人は、山の斜面など、土砂崩れのリスクがある物件を選ぶのは避けた方が賢明です。
台風によるパネルの損壊や飛散のリスク
太陽光パネルは、架台にボルトでしっかりと固定されているため、何もなければ外れる心配はほとんどありません。しかし台風が発生すると、強風で太陽光パネルが架台から引きちぎられて、飛散する恐れがあります。
2018年には台風21号により、大阪府の太陽光発電所のパネルが飛散する事故も発生しています。このとき損壊・飛散した太陽光パネルの枚数は、13,780枚にも及びました。
災害による被害で事業撤退に追い込まれるリスク
ここまで説明してきたように、自然災害によって太陽光発電設備が大きな被害を受けることは決して珍しいことではありません。設備が受けたダメージは大きいほど、修理や修繕にかかる費用も高額になります。
設備が被害を受けた際、何の保険にも入っていなければ、修理や修繕の費用は全額自費で賄わなければなりません。この費用が用意できなければ、太陽光発電事業は続けられません。
つまり、この時点でFIT期間の20年を待たずに、事業を撤退することにもなりかねないのです。
大規模な停電により送電が停止するリスク
自然災害によって太陽光発電設備が被害を受けなくても、送電ができなくなるケースもあります。2018年に発生した北海道地震では、太陽光発電所には被害がなかったものの、大規模な停電が起こりました。
この理由は、地震の影響によって、北海道で最も大きい火力発電所が停止してしまったためです。
太陽光発電では電線網を使って、発電した電気を各エリアの電力会社に送っています。しかし大規模な停電により、この電線網が使えなくなってしまいました。 結果、各太陽光発電所は送電ができなくなり、発電しても売電収入が得られなくなってしまったのです。
このときは、各太陽光発電所が送電を再開できるようになるまで1週間もの時間がかかっています。
第三者に損害賠償を請求されるリスク
台風の影響で太陽光パネルが飛散すると、近隣の住宅や車、最悪の場合は人に当たって、損傷させてしまう危険があります。このように、第三者に被害を与えてしまった場合、被害を受けた方から損害賠償を請求される可能性もあります。
修理や修繕費用に加えて、損害賠償まで請求されたとなれば、太陽光発電を続けることはますます難しくなってしまうでしょう。
飛散したパネルの撤去時、けがや感電をするリスク
自然災害によって太陽光パネルなどが飛散した場合、太陽光発電設備の所有者には、それらを撤去する責任があります。しかしこれには、けがや感電をするリスクもあります。
太陽光パネルはガラス製なので、割れたパネルを素手で拾えば、手を切ってしまうかもしれません。
また、太陽光パネルは架台から引き剥がされても、太陽の光が当たる限り、発電し続けます。そのため素手でパネルを拾えば、感電してしまう危険もあるのです。
自然災害の被害を受けて、太陽光発電設備が倒壊したり、パネルが飛散したりすれば、平常心を保つことは難しいと言えるでしょう。しかし動揺したままだと、こうしたけがや感電に余計に遭いやすくなってしまいます。
飛散した太陽光パネルや部品の撤去時には、専門業者に依頼するか、自身で行う場合はくれぐれも平常心で望むようにしましょう。
災害によって起こり得るリスクの3つの対策
ここまで、自然災害によって太陽光発電設備や事業者に起こり得るリスクについて説明してきました。当然のことながら、自然災害そのものを防ぐ対策はありません。
しかし自然災害が起きても、ここまで説明してきたような損害を防ぐための対策は存在します。
ここでは、自然災害によって起こり得るリスクの3つの対策について説明していきます。
火災保険や動産総合保険、休業保険に加入しておく
自然災害による損害を防ぐためには、保険への加入は欠かせません。
太陽光発電設備にはメーカー保証もついていますが、これは自然故障に対する保証で、自然災害による故障は対象外となっています。
太陽光発電事業者が必ず加入しておくべき保険は、以下の2つです。
火災保険or動産総合保険
休業保険
「火災保険」と「動産総合保険」はどちらも、火災や水災、風災や雪災など、様々な災害をカバーしている保険です。補償対象になっている災害によって太陽光発電設備が被害を受けた際は、保険会社から補償が受けられます。
これなら、自然災害によって被害を受けても、修理や修繕の費用を自己負担せずに済みます。
火災保険と動産総合保険は、補償内容がよく似ているので、どちらか片方に入っておけば問題ありません。ただし、どちらも地震や津波、噴火は補償の対象外となっているので注意しましょう。
「休業保険」は、自然災害の被害によって設備が故障し、発電が停止している間、本来得られるはずだった売電収入を補償してもらえる保険です。休業保険に加入しておけば、設備の修理中も売電収入が得られます。
太陽光発電投資で損害を出さないためには、どちらも非常に重要な保険なので、加入の際は内容をしっかり把握して必ず入っておきましょう。
太陽光設置お任せ隊の補償内容
※表は横スクロールでご確認ください。
商品名 | 保証・補償内容 | 保証・補償期間 | |
---|---|---|---|
製品保証 | 太陽電池モジュール | 製品保証 | 10年 |
リニア出力保証 | 25年 | ||
経済損失補償(※メーカーによって異なる) | 10年 | ||
パワーコンディショナ | 製品保証(※延長保証等メーカーによって異なる) | 10年~20年 | |
蓄電池 | エネルギーモニタ | 10年 | |
電池容量 | 10年 | ||
自然災害補償 | 10年 | ||
施工保険 | 太陽光発電システム設置工事 | 取付工事が原因で生じた身体障害及び財物損壊に起因する賠償責任 | 20年 |
蓄電池設置工事 | |||
自然災害補償制度(動産保険) | ・システム容量10kW以上50kW未満の太陽光発電システムを構成する製品 ・太陽電池モジュール ・パワーコンディショナ ・接続箱 ・架台 ・遠隔監視機器(表示機器) ・システム容量10kW以上50kW未満の太陽光発電システムを構成する製品 ・太陽電池モジュール パワーコンディショナ ・接続箱 架台 遠隔監視機器(表示機器) ・出力抑制機器・ユニット ・その他の付属品 ・出力抑制機器・ユニット ・その他の付属品 |
・火災 ・破裂・爆発 ・落雷 ・風災 ・水災 ・建物外部からの衝突 ・雹災・雪災 ・盗難 |
10年 |
売電利益保険 | ・システム容量10kW以上50kW未満の太陽光発電システムを構成する製品 ・太陽電池モジュール ・パワーコンディショナ ・接続箱 ・架台 ・遠隔監視機器(表示機器) ・出力抑制機器・ユニット ・その他の付属品 |
・火災・落雷・破裂・爆発 ・風災・雹災・雪災 ・水災・漏水・水漏れ ・建物外部からの衝突 ・暴力行為・破壊行為 ・盗難によって生じた損壊・汚損 ・上記の災害・行為によって売電が ・出来なかった場合の売電額を支払う |
1年(毎年更新) |
出力抑制保険 | ・システム容量10kW以上50kW未満の太陽光発電システムを構成する製品 ・太陽電池モジュール ・パワーコンディショナ ・接続箱 ・架台 ・遠隔監視機器(表示機器) ・出力抑制機器・ユニット ・その他 |
・改正FIT法の省令による出力抑制が発電した場合 | 1年(毎年更新) |
当社施工の太陽光発電物件には、事業で本当に必要な補償をご用意しております。万全の備えの元、リスクを最小限にした太陽光発電事業に取り組んでいただけます。
定期点検とメンテナンスをしっかり行う
太陽光発電投資をするのなら、設備の定期点検とメンテナンスはしっかり行うようにしましょう。なぜなら、自然災害によって設備が被害を受けた際、事故を防げる可能性を低くできるからです。
例えば、パネルと架台がしっかりボルトで固定された状態と緩んでいる状態、どちらの方が事故に遭いにくいかは明白です。定期点検とメンテナンスをしっかり行えば、ボルトが緩んでいても、それに気づいて締め直すことで事故の発生確率を低くできます。
また、定期点検やメンテナンスをしっかりすることは、損害賠償の支払いを免れるうえでも重要です。先ほども説明したとおり、台風によって太陽光パネルが飛散し、第三者に損害を与えてしまった場合、損害賠償を請求される可能性があります。
しかし、設備に問題がなければ、事業者の損害賠償の支払い義務は発生しません。なぜならこの場合、事故の責任は太陽光発電事業者ではなく、台風にあるからです。
逆に事業者が定期点検やメンテナンスを怠っていて、パネルが架台から外れやすくなっていたなど、太陽光発電設備に問題があったと判断されれば、損害賠償を支払う責任が発生します。
そうならないためにも、定期点検とメンテナンスはしっかり行うべきなのです。
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パネル撤去の際はしっかりと防護する
先ほども説明したとおり、台風により飛散した太陽光パネルなどを撤去する際は、けがや感電をする危険があります。けがや感電を防ぐためにも、太陽光パネルの撤去時はしっかり身体を防護するようにしましょう。
太陽光パネルを撤去するときに必要な防護アイテムは、以下の3点です。
厚手のゴム手袋
ゴム長靴
ブルーシート
厚手のゴム手袋とゴム長靴を着用して太陽光パネルを撤去すれば、けがや感電のリスクをグッと低くできます。また、ガラスが割れた太陽光パネルは水に濡れると感電のリスクが高くなるため、塗れないようにブルーシートで覆っておくと安全です。
太陽光発電投資をするうえで最大のリスクは、自然災害です。
自然災害そのものは防げませんが、定期点検やメンテナンス、保険への加入などによって、様々な損害を回避できます。
太陽光設置お任せ隊では太陽光発電投資のリスク、またその対策として何をすれば良いかまで詳しくご理解していただいた上で、最善の太陽光発電事業に取り組んでいただけるご提案をさせていただきます。
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