【2022年度版】中小企業経営強化税制を易しく解説|太陽光発電でも即時償却や税額控除で節税効果

中小企業経営強化税制とは?太陽光発電も対象の税制

「2050年カーボンニュートラル」や「SDGs」といった言葉の認知が高まり、CO2排出削減のための取り組みが求められる時代となりました。 その流れもあり、企業のCO2排出削減や電気代削減につながる「自家消費型太陽光発電」の導入が増加しています。

そして、この自家消費型太陽光発電の導入では「中小企業経営強化税制」を利用して、多くの中小企業が優遇措置を受けています。

「聞いたことはあるが中身がよくわからない」「初めて聞いたが税制優遇は積極的に検討したい」という方に向けて、中小企業経営強化税制の内容をわかりやすくまとめておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

中小企業経営強化税制とは?

まずは、中小企業経営強化税制の概要について説明します。

即時償却または税額控除を受けられる制度

中小企業経営強化税制は、ひとことでいえば「対象となる設備を導入することで、即時償却または税額控除が受けられる」制度です。

  • 即時償却:対象となる設備費用をその年に一括して経費計上できる
  • 税額控除:対象の設備費用にかかる税額を7%または10%控除
Point
上記いずれかを選んで適用できるため、中小企業は金銭的な負担を減らしつつ設備投資ができます。

適用期間が2023年3月31日まで延長

中小企業経営強化税制の指定期限は「2023年3月31日まで」です。

もともとは2019年度で終了する予定でしたが、中小企業等の積極的な設備投資の実現に向け、期限が延長されました。

ただし、この期限というのは「申請期限」ではなく「認定までの期限」となるため、本制度を利用して設備投資を行いたい事業者は、早めに準備すべきであることに注意しましょう。

中小企業経営強化税制の優遇措置

中小企業経営強化税制で適用できる「即時償却」と「税額控除」について詳しくみていきましょう。

即時償却

即時償却とは、対象設備の購入にかかった費用を、その年の経費として全額計上することです。

減価償却のイメージ

通常、設備投資の費用は、設備ごとの耐用年数に応じて毎年少しずつ経費計上する「減価償却」という課税方法になります。

即時償却のイメージ

一方、中小企業経営強化税の対象となれば「即時償却」ができるため、経費として計上する分を増やして利益を圧縮できます。つまり設備を導入した年の大幅な節税に繋がります

「設備投資にかかった費用を早く回収したい」「別の投資にも費用を回したい」という事業者は、即時償却の適用がおすすめです。

税額控除

税額控除では、その名のとおり設備費用にかかる税額が控除されます。控除される税率は、企業の資本金によって異なります。

  • 資本金3,000万円未満:10%税額控除
  • 資本金3,000万円以上1億円未満:7%税額控除

即時償却に比べて、税額控除はすぐに節税効果は得られません。しかし、長期間にわたって税額を控除できるメリットがあります。

税額控除には限度額があり、その年の法人税額の20%相当になるため注意が必要です。

即時償却と税額控除はどちらを選ぶといいの?

即時償却と税額控除は、どちらを選択しても構いませんので、自社の状況などを踏まえて検討しましょう。

メリット デメリット
即時償却 短期的に大きな節税効果が得られる 支払う税額そのものは変わらない
税額控除 長期的な節税効果がある
支払う総税額が減る
すぐに節税効果を得られない

太陽光発電での対象は「自家消費型」と「余剰売電型(自家消費率50%以上)」

中小企業経営強化税制は、太陽光発電設備も対象となります。ただし、どんな設備でも適用されるわけではなく、以下どちらかの条件を満たす必要があります。

  • 完全自家消費型
  • 余剰売電型(自家消費率50%以上)

自家消費率とは、自社の太陽光発電設備で発電した電気のうち、どれだけ自社の事業に使用したかどうかの割合です。投資目的の売電型や、自家消費率が50%未満の太陽光発電は対象となりません。

自家消費率50%未満の場合は中小企業投資促進税制を選択

中小企業経営強化税制とよく似た制度として「中小企業投資促進税制」があります。

こちらは、中小企業経営強化税制に比べると優遇措置の内容は下がりますが、太陽光発電の自家消費率の指定がありません。 そのため、自家消費率が50%未満の太陽光発電を検討している事業者は、こちらの制度を検討しましょう。

関連記事:中小企業投資促進税制とは|対象設備・優遇措置・申請方法を解説

中小企業経営強化税制が適用される対象|3つの条件を解説

中小企業経営強化税制は、どの企業でも適用されるわけではありません。具体的には、下記3つの条件を満たす必要があります。

  • 経営力向上計画の策定
  • 中小企業者であること
  • 対象となる事業内容であること

ひとつずつ具体的にみていきましょう。

1.適用には経営力向上計画の策定が必要

「経営力向上計画」とは、人材育成・コスト管理等のマネジメントの向上・設備投資など、自社の経営力向上のために実施する計画です。認定された事業者は、税制や金融の支援を受けられます

経営力向上計画の認定までの大まかな流れは下記のとおりです。

  1. 企業は「日本標準産業分類」で自社が該当する事業分野を確認
  2. 対応する事業分野別の指針を踏まえたうえで、テンプレートに基づいて経営力向上計画を作成
  3. 作成した書類を、事業分野別の主務大臣に提出することで申請
  4. 認定を受けた場合、主務大臣から計画認定書と計画申請書の写しが交付

経営力向上計画を申請し、国から認定されてはじめて中小企業経営強化税制の優遇措置を受けられることを念頭に置いておきましょう。

経営力向上計画については、以下の記事で詳しく解説しています。さらに知りたい方はぜひご覧ください。

関連記事:経営力向上計画とは|計画の作り方・提出先・メリットをご紹介

2.中小企業者であること

中小企業経営強化税制の適用を受けられる対象は、中小企業者であることが条件です。ここでいう中小企業者とは、以下のような事業者を指します。

  • 資本金額または出資金額が1億円以下の法人
  • 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
  • 協同組合等

ただし、以下に該当する法人は、資本金が1億円以下であっても中小企業者から除かれます。

  • 同一の大規模法人から2分の1以上の出資を受ける法人
  • 2者以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人
  • 前3事業年度の所得金額の平均額等が15億円を超える法人

引用元:中小企業庁|中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(令和3年10月19日版)

3.対象となる事業内容であること

中小企業経営強化税制は、対象となる事業内容が指定されています

適用される指定事業は以下の通りです。電気業、熱供給業、水道業、娯楽業(映画業を除く)などは対象外となるため注意が必要です。

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業

鉱業、採石業、砂利採取業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業

小売業、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する飲食業については、生活衛生同業組合の組合員が営むものに限る)

一般旅客自動車運送業、海洋運輸業および沿岸運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業

こん包業、郵便業、情報通信業、損害保険代理業、不動産業、物品賃貸業

学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業

映画業、教育、学習支援業、医療、福祉業、協同組合(他に分類されないもの)、サービス業(他に分類されないもの) 引用元:No.5434 中小企業経営強化税制|国税庁

中小企業経営強化税制の対象となる設備

対象設備はA・B・C・Dの類型に分かれる|太陽光発電はA・Bに該当

中小企業経営強化税制は、導入する設備の目的によってA・B・C・Dの4つの類型に分けられます。

  • A類型(生産性向上設備)
  • B類型(収益力強化設備)
  • C類型(デジタル化設備)
  • D類型(経営資源集約化に繋がる設備)

太陽光発電が該当するのはA類型とB類型になるため、これら2つの類型について掘り下げていきます。

A類型の設備の取得条件

A類型は中小企業の生産性向上を目的とした設備です。以下の2つの要件を満たしていることを示すため、工業会などから証明書を取得する必要があります。

A類型の設備の取得条件
一定期間内に販売されたモデル(最新モデルである必要はない)
経営力の向上に資する指標(生産効率、エネルギー効率、精度など)が旧モデルと比較して年平均1%以上向上していること

上記の要件を満たしたうえで、以下の最低取得価額を超える設備を取得します。

  • 機械装置(160万円以上)
  • 測定工具および検査工具(30万円以上)
  • 器具・備品(30万円以上)
  • 建物付属設備(60万円以上)
  • ソフトウエア(70万円以上)

太陽光発電システムは上記の「機械設備」に該当するため、税制優遇を受けるためには、160万円以上の取得価額であることが条件となります。

A類型の申請の流れ

A類型を適用したい場合、中小企業は以下の手続きを行います。

A類型の申請の流れ

引用元:中小企業庁|中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(令和3年10月19日版)

図からわかるように、工程2と3は設備メーカーと工業会の間で行われます。そのため、B類型にくらべて事務的な工数は少なくて済みます

B類型の取得条件

B類型は、中小企業の収益力強化を目的とした設備投資を指します。以下の要件を満たすことが必要となります。

B類型の設備の取得条件
導入することで、年平均5%以上の投資利益率が見込まれる設備

また、対象設備と最低取得価額は以下のとおりです。

  • 機械装置(160万円以上)
  • 工具(30万円以上)
  • 器具備品(30万円以上)
  • 建物付属設備(60万円以上)
  • ソフトウエア(70万円以上)

B類型の申請の流れ

B類型を適用したい場合、中小企業は以下の手続きを行います。

B類型の申請の流れ

引用元:中小企業庁|中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(令和3年10月19日版)

A類型の申請との違いとして「公認会計士または税理士による事前の確認」が必要となっていることが挙げられます。 また、A類型と異なり経済産業局への確認申請があるほか、自社が関わる工程が多いため工数がかかる点には注意です。

中小企業経営強化税制に申請する際の注意点|期限は申請ではなく「認定」までの期間

中小企業経営強化税制の期限は2023年3月31日までとされていますが、「申請」ではなく「認定」までの期限であることに注意しましょう。

A類型・B類型ともに、手続きを終えて担当省庁の主務大臣の認定を受けるまでには、早くても2カ月から3カ月はかかるとされています。そのため、期限が近づいてから動いていては認定に間に合いません。また、書類に不備があった際の差し戻しや、コロナ禍による各種証明書発行の遅れも、可能性として考えられます。

さらに太陽光発電の場合は、電力申請や固定価格買取制度(適用する場合)の認定申請も絡んできます。優遇税制を利用しての導入は、可能な限り早めに動き出すことが得策といえるでしょう。

まとめ|大きな節税効果が得られる税制優遇は早めの申請を

中小企業経営強化税制による優遇を受けられれば、非常に大きなメリットがあります。設備投資を行う際は、積極的に検討しましょう。

期限は2023年3月31日までとなっていますが、認定までには数ヶ月かかることもありますので、早めの準備が大切です。

また、自家消費型・余剰売電型(自家消費率50%以上)の太陽光発電システムは「機械設備」として該当しています。自社で税制優遇が使えるかどうか、設置を依頼する業者などに相談することをおすすめします。

太陽光設置お任せ隊(運営:株式会社ハウスプロデュース)は、以下の特徴を活かし、お客さまにとって最適な太陽光発電導入をサポートいたします。

  • 太陽光発電関連の施工実績5,000件以上の経験を活かした最適な提案をいたします
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簡易なヒアリングのうえ、コスト削減効果を無料でシミュレーションいたしますので、興味がある経営者や役員の方はお気軽にお問い合わせください。

 執筆者
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太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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