どちらを目指すべき?|ISO14001とエコアクション21の違いを解説

企業規模にかかわらず、環境への配慮を経営課題に含めることはいまや必須です。

具体的な施策として、企業は環境マネジメントシステムの導入を検討すべきですが、なかでも代表的なものがISO14001とエコアクション21です。

それぞれのメリット・デメリットを含め、両者の違いについて解説します。

ISO14001とエコアクション21の違い

ISO14001とエコアクション21の違い

ISO14001とエコアクション21は、いずれもPDCAサイクルを用いた環境マネジメントシステム(EMS)のことです。

PDCAサイクルとは、基本方針策定(Plan)、実施(Do)、内部監査・見直し(Check)、是正処置(Act)を繰り返しながら、継続的に企業活動の改善を目指します。

そもそも「環境マネジメントシステム:EMS」とは

ここでいう「環境マネジメントシステム(EMS)」とは何でしょうか?

環境省によると「組織や事業者が、その運営や経営の中で自主的に環境保全に関する取組を進めるにあたり、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けてこれらの達成に向けて取り組んでいくこと」と定義されています。

地球環境保全のため、政府も法律や政策により、企業活動が環境に負荷を与え過ぎないように規制しますが、それだけでは不十分です。

直接経済活動に携わる各企業が自主的に経営を見直し、環境マネジメントにより積極的にこの問題へ取り組むことが必要です。それが企業自身の経営の効率化を進めることになり、コスト削減にも繋がります。

EMSは「エネルギーマネジメントシステム」を指すこともありますので、混同に気をつけましょう。エネルギーマネジメントシステムについては以下の記事で解説しています。

ISO14001の概要

ISO14001は、ISO(国際標準化機構)によって1996年に発行された国際規格で、企業が構築する環境マネジメントシステムが満たすべき必須事項がまとめられており、その策定には企業の最高責任層の関与が求められています。

ISOとは、国際間取引をスムーズにするために企業や組織が提供する商品やサービス・活動に関して国際標準規格を制定する機関であり、163カ国が加盟しています。

日本では、企業がISO14001による環境マネジメントを構築した場合、自己宣言か、第三者機関である財団法人日本適合性認定協会(JAB)によって、ISO14001の必須事項に適合していることを証明してもらいます。

そうすることにより、企業は環境マネジメントにおいて国際規格を満たしていると証明ができ、その取り組みを内外にアピールできるのです。

エコアクション21の概要

一方、エコアクション21は環境省が「中小企業の幅広い事業者が環境への関わりを意識し、行動する」ことを目的として、1996年に制定した環境マネジメントシステムです。

上記ISO14001を参考にしながらも、中小企業が取り組みやすいよう設計設定されている点が特徴であり、2021年5月末現在約7,500社が認証されています。

エコアクション21では、具体的に「二酸化炭素排出量」、「廃棄物の排出量」、「水の使用量」3点に関して指標を設けており、これらの基準値をクリアした上で、さらに省エネ性能の高い設備などの導入が認定条件になっています。

また、自社の取り組みを社会に対して公表する「環境経営レポート」の作成も必須です。これらの条件を満たしていることが、環境省の管轄組織に所属する第三者による審査を経て認証されれば、自社が環境経営を実践していることの証明となります。

ISO14001とエコアクション21の比較

項目 エコアクション21 ISO14001
規格の策定 環境省 ISO(国際標準化機構)
認証制度の実施主体 一般財団法人持続性推進機構エコアクション21中央事務局 ISO、JAB(日本適合性認定協会)
登録の有効期間 2年間。登録1年後に中間審査、2年以内に更新審査。 3年間。登録後、1年ごとに定期審査、3年後に更新審査。
システム 様式・基準が定められており、比較的簡単に構築可能。 様式・基準は独自に定める必要があり、厳しいシステム構築が要求される。
マニュアル 文書化は任意 文書化は必須
活動結果の公表 環境活動レポートの作成・公表が義務 公表は自己決定
認知度 低い 高い
審査登録費用 安い 高い

出典:「エコアクション21とISO14001の比較/徳島市」に基づき独自に作成。

ISO14001とエコアクション21それぞれのメリット・デメリット

ISO14001とエコアクション21それぞれのメリット・デメリット

ISO14001を取得するメリット

ISO14001を取得するメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 業務の標準化による環境リスクの低減 環境リスクには、人為活動によって生じた環境汚染や環境負荷が原因となって人の健康や生態系に及ぼす悪影響や、工場での事故や自然災害が周辺環境に与えるリスク含まれます。ISO14001により、業務を標準化すれば環境負荷を抑制でき、そうした環境リスクを低減できます。
  • 業務改善による利益率向上 ISO14001取得により、業務効率が改善され、無駄な時間が減り、コストを削減できれば、結果的に利益率の向上が見込めます。
  • 企業ブランドのイメージを向上 ISO14001認証を得れば、企業としての環境への取り組みをアピールでき、企業ブランドや市場価値の向上に繋がります。結果として環境意識の高い取引先や消費者からの信頼に繋がり、顧客やリピーターの増加を期待できます。
  • 社内の環境問題に対する意識の向上 社員全体の環境問題に対する意識が高まれば、これまで見えなかった課題に気づき、企業として新しい価値を生み出すことが期待できます。

ISO14001を取得するデメリット

ISO14001を取得する場合に考慮すべき最大のデメリットは、システム構築の工数とエコアクション21以上に費用がかかることです。取得する前にマネジメントシステムを構築する必要がありますが、取得難易度が高く、通常は外部業者に委託になるでしょう。

その後、ISO審査機関による初回の審査、1年ごとの定期審査や3年目の更新の際にも別途費用が発生します。ISO14001取得後に社内で運用する期間も人件費がかかることも覚えておきましょう。

エコアクション21を取得するメリット

エコアクション21取得のメリットとしては、以下の4つがあります。

  • 業務効率が向上し経営が改善する可能性がある エコアクション21は本来環境にフォーカスしたマネジメントシステムですが、無駄をなくすことにも繋がるため、経費削減や生産性向上というメリットも享受できます。
  • ビジネスチャンスの拡大 大手企業がサプライチェーンを構築するにあたって、今後環境に配慮していない会社を選ぶことは少なくなるでしょう。そのためエコアクション21の認証を受けていれば、他企業との提携の機会やビジネスチャンスが広がります。
  • 低金利融資が受けられる エコアクション21の審査・認証には費用がかかるものの、低金利の融資が可能になれば、長期的にみてコストを削減できます。
  • 社会的な信頼が得られる エコアクション21の認証には、「環境経営レポート」の作成・公表が義務づけられています。それにより、自社が環境省の規定に基づき環境経営に取り組んでいることを発信すれば、社会的な信頼を得られます。

エコアクション21を取得するデメリット

ISOが国際規格なのに対してエコアクション21は環境省が定める規格であり、日本独自のものであるため、認知度は下がります

国内のみで取引をしている中小企業はともかく、海外との取引を行っている大企業であれば、エコアクション21では国際取引には通用しないため、ISO14001の取得を検討すべきでしょう。

また、ISO14001の有効期間が3年間であるのに対し、エコアクションは2年で期間が1年短いのもデメリットの一つです。

自社の内情に合わせて認定・取得を決めよう

以上を前提にして、環境マネジメントシステムとしてISO14001、エコアクション21のいずれを取得するかは各企業の内情に合わせて選択する必要があります。

始めやすいのはエコアクション21

始めやすいのはエコアクション21

中小企業の場合、環境マネジメントシステムを構築していきなりISO14001取得を目指すより、エコアクション21を目指しましょう。

その理由はいくつかありますが、そもそも中小企業も取り組みやすいように規定が作られていますし、費用もISO14001に比べて圧倒的に安い点が挙げられます。

認知度・国際規格を目指すならばISO14001

前述したように、ISO14001の最大のメリットは国際的な認知度です。

そのため、企業規模が大きく国際取引を行っている場合は、自社の環境への取り組みをアピールするには、費用や時間はかかるとしても、遅かれ早かれISO14001の取得を目指すべきでしょう。

環境マネジメントシステムは世界的なトレンドとして消費者、投資家からますます重視されていくと考えられます。

まとめ

環境マネジメントシステムとして代表的なISO14001とエコアクション21をご紹介しました。両者のメリット・デメリットを踏まえ、自社に最適なマネジメントシステムを選択し、世界的な潮流に乗り遅れないようにしましょう。

当社は、企業が環境に配慮した経営を行うことに貢献する「太陽光発電」をおすすめしております。発電した電気を企業が自ら使用する「自家消費型太陽光発電」については、以下の記事でも解説しています。

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