自家消費型太陽光発電の固定資産税・償却資産を解説|自社で賢く運用しよう

企業が自家消費を目的として太陽光発電を導入することには多くのメリットがあります。しかし、設備を設置すれば課税対象になることも忘れてはなりません。
導入にあたっては自社が導入予定の設備の税額がどのくらいになるのか、また国や自治体が設けている特例措置の対象になるかをしっかりと把握しておきましょう。

固定資産税・償却資産とは?

固定資産税とは、固定資産の所有者に対して市町村が課税する税金のことです。
ここでいう固定資産には、土地、家屋のほか償却資産も含まれ、償却資産税は固定資産税の一種となります。

償却資産とは、土地家屋以外の事業用の資産で、減価償却額または減価償却費が、法人税法または所得税法の規定による所得の計算のうえ、損金または必要経費に算入されるものです。
具体的には以下のようなものが含まれます。

  • 構築物
  • 舗装路面、広告塔などの看板、受変電設備、予備電源設備など

  • 機械及び装置
  • 船舶
  • 航空機
  • 車両及び運搬具(自動車税、軽自動車税の対象になる車両は含まれない)
  • 工具、器具及び備品(パソコン、医療機器、陳列ケース、看板(ネオンサインなど))

太陽光発電と固定資産税・償却資産税の関係

太陽光発電の設置の仕方によって家屋の一部とみなされる場合もあれば、取り外し可能な設置方法では償却資産の「機械及び装置」に含まれる場合もあります。
事業に用いる土地家屋以外の10万円以上の資産は償却資産となり、そのうち「評価額」が150万円を超えるものは償却資産税(固定資産税の一種)の課税対象になります。
「評価額」を含めた固定資産税の算出方法については後述します。

産業用と住宅用太陽光発電で異なる課税の仕組み

太陽光発電設備は、評価額が150万円を超えればすべて固定資産税の課税対象になるのでしょうか?
前述したように償却資産は土地家屋以外の事業用の資産なので、太陽光発電のうち出力10kW以上の産業用設備は課税対象に含まれることになります。

一方、10kW未満の住宅用は基本的に事業目的とはみなされず、固定資産税の対象外です。ただし、住宅用として設置しても10kW以上の場合は産業用とみなされ課税対象になります。
一方、10kW未満の設備であっても、住宅兼店舗に設置されているような場合は、産業用とみなされることもありますので注意が必要です。

太陽光発電の耐用年数

耐用年数とはその資産の使用可能期間のことです。
税務上、それぞれの資産には「法定耐用年数」が決められており、その期間は減価償却費を計上できます。

国税局は太陽光発電設備を、減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第2「31 電気業用設備」の「その他の設備」のうち「主として金属製のもの」に含めており、その耐用年数は17年としています。

しかし、太陽光発電システムから生じる電気を用いて別の製品を生産する場合(たとえば自動車)は、太陽光発電設備はもはや「電気業用設備」とみなされず、別の種類の設備に含まれるため、耐用年数が異なります。

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太陽光発電の税金への特例措置

法人が太陽光発電設備を設置する場合、家屋の一部か償却資産とみなされるかの違いはあっても、基本的に固定資産税の課税対象になることがおわかりいただけたかと思います。
国や自治体は特例措置も設けていますので、その制度趣旨をしっかり理解して、積極的に活用しましょう。

再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置

再生可能エネルギー発電設備を対象に、新たに固定資産税が課せられる年度から3年度分の固定資産税に限り、課税標準を軽減する特例措置です。

産業用太陽光発電に関しては、発電出力1,000kW以上の場合は3/4に、1,000kW未満の場合は2/3に軽減されます。
この軽減率は後述する「わがまち特例」の適用によってさらに調整される場合があります。
ただし、適用期限が2021年度末までであること、FIT認定外が要件であることに注意しましょう。

自治体による「わがまち特例」

わがまち特例(地域決定型地方税制特例措置)とは、地方税法が定める範囲内で地方自治体が条例で税率などを決められる制度です。
地方自治体が地域の実情や財政状況に合わせて政策を展開できるように、2012年度の税制改正より導入されました。

その一環として、再生可能エネルギー発電設備に関しても、自治体が独自に税率の軽減割合を定めることができます。自治体によっては適用条件として設備の取得期間に制限を設けています。
また、税率に関しても発電設備の出力だけでなく、設備を取得した期間によってそれぞれ税率を定めていることもあるので、各自治体のホームページなどでチェックしておきましょう。

太陽光の償却資産税(固定資産税)の算出方法

実際に太陽光発電設備の償却資産税(固定資産税)を算出してみましょう。
まず、発電設備の評価額を算出します。評価額は以下の式を使用します。

1年目=設備取得価格 ×(1-減価率 / 2)
 2年目以降=前年度の評価額 ×(1-減価率)
※太陽光発電の減価率=0.127(1年目は × 1 / 2)
※※算出結果が取得価格の5%よりも小さい場合=原則取得価格の5%が適用次に償却資産税を算出します。以下の式を使用します。

償却資産税=評価額×税率(標準1.4%、特例措置が適用され、最初の3年間はさらに×2/3(出力1,000kW未満))

ここでは、出力1,000kW未満の設備を2,500万円で取得した場合を例に考えます。
なお、前述したように設備の出力が1,000kW未満の場合、特例措置の軽減税率が4分の3になる点に注意してください。

固定資産税・償却資産税の申告方法

固定資産税のうち、土地や家屋は市区町村の担当者が登記簿から所有者を確認できますが、償却資産は確認できないため所有者みずから自治体に申告しなければなりません。
通常、市区町村は毎年11月末あたりに償却資産の申告が必要と思われる法人や個人に申告書の送付を行いますので、その書類に沿って毎年1月1日時点で保有している償却資産を申告しましょう。

あわせて企業が知っておきたい税制の情報

中小企業経営強化税制

固定資産税の減税ではありませんが、以下の条件を満たす法人または個人が2021年3月31日までに設備を取得していた場合、この税制を利用できます。

  • 資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人
  • 資本金もしくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人

税制上の優遇措置としては設備取得額を一括して経費と計上できる「即時償却」か、設備を購入した年度の課税所得額から購入価格の10%を控除できる「税額控除」のいずれかを選択できます。

資本金3000万円超から1億円以下の法人の控除率は、7%と数値が異なります。

FIT認定を受けている場合の税制優遇

前述したようにFIT認定を受けている場合、「再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置」は適用外になりますが、「中小企業経営強化税制」の適用は受けられます。ただし、この税制を利用して優遇措置を受けられる事業から電気事業者は外されていますので、余剰売電の事業者のみ利用できることを覚えておきましょう。

生産性向上特別措置法

生産性向上特別措置法は、新型コロナウイルス感染症の影響で経済の低迷が懸念されるなか支援を広げるため、対象となる設備を拡大し、2年間延長されました。

生産性を高めるための設備を取得した場合、固定資産税の軽減措置により税制面から地方税法に基づき課税標準を3年間ゼロ~1/2間で市町村の定める割合に軽減できる税制優遇です。
また、計画に基づく事業に必要な資金繰りを支援、(信用保証)、認定事業者に対する一部の補助金における優先採択(審査時の加点)などの優遇措置も受けることができます。

例えば、新築で工場など事業用建屋の建築をする際に、300万円以上の太陽光発電設備を導入することで、建屋の固定資産税が最大3年間2分の1またはゼロになります。

ただし、生産性向上特別措置法は自治体によって条件等が異なりますので、事前に確認が必要です。

まとめ

固定資産税と聞くと土地や家屋にのみ課税されるイメージがあると思いますが、太陽光発電設備にも償却資産として原則課税されることがおわかりいただけたと思います。
特例措置や優遇税制も設けられていますが、利用を考えている場合は設備の取得時期や軽減税率の違いなどにも注意して、慎重に準備を進めましょう。

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