太陽光発電が設置できない屋根と、発電量に影響する設置基準を解説

近年は新築住宅への太陽光パネル設置義務化が検討されたり、企業の自家消費太陽光導入が進んだりと、どんどん普及しています。

そんな風潮もあり、太陽光発電を検討する家庭・企業が増えていますが、そもそも設置可能かどうか確認しておきましょう。

太陽光発電システムの導入に欠かせない太陽光パネルは、残念ながらどこにでも取り付けられるわけではありません

本記事では、太陽光パネルの設置ができない場所・ケースと、太陽光パネルの発電量に影響する設置基準を紹介していきますので、今後の導入を検討される方はぜひ参考にしてください。

太陽光発電の設置ができない・難しい場所

太陽光発電システムの設置ができない、または難しい設置条件を解説します。

屋根が入り組んでいる・または小さい

入り組んだ屋根

都心部にあるような縦長の家や、入り組んでいる屋根の場合、太陽光パネルの設置が難しいことがあります。

太陽光発電は一定の枚数以上のパネルを設置しないとシステムが組めない性質があります。

仮に太陽光パネルが2枚しか設置できない場合、太陽電池の容量が少なく太陽光発電が起動しません。

旧耐震基準の建物の屋根である

建物が旧耐震基準である場合、屋上や屋根への太陽光パネル設置は推奨されていません。新耐震基準に切り替わった1981年6月1日以降に建築確認を受けている必要があります。

また、新耐震基準であっても、建築から30年近く経過している場合は屋根の劣化が見られる可能性があります。

そのような場合は太陽光発電の設置と合わせて屋根修繕や防水加工などを検討することをおすすめする場合があります。

海との距離が近い

海との距離が近い建物では、太陽光発電システムの設置ができないケースがあります。

メーカーによって設置可能条件の基準が異なりますが、「海水が直接飛んで来ない場所」や「沿岸から300〜500メートル以上離れた場所」を条件とするメーカーが多いです。

沿岸地方の家庭・企業で太陽光を検討する場合は、塩害仕様のメーカー製品を取り扱っているか確認したり、そもそも設置可能か調査を依頼したりしましょう。

屋根の素材が設置に適していない

屋根の素材によっては、太陽光パネルの設置が難しい場合があります。

たとえば銅板葺き屋根の場合は、太陽光パネルの架台が電蝕(でんしょく)という科学反応を起こしてサビが発生してしまうため設置ができません。

また、2000年代初頭に流通したパミール屋根は15年ほどで傷みが目立ち始めます。痛みやすいパミール屋根に太陽光パネルを取り付けることはおすすめできません。

太陽光パネルの設置が難しい屋根素材例は下記のとおりです。

  • 住宅用波型スレート
  • 銅板葺き
  • パミール屋根
  • 波板葺き
  • 草木系素材
  • 重ね葺き
  • 二重屋根

屋根の勾配が急

勾配が急な屋根

屋根勾配が11寸(約63度)以上のような急勾配の屋根も太陽光パネルの設置ができません

一般的なメーカー保証の範囲も3寸から10寸(約17度から45度)となっています。

近年は勾配に関する規定は緩和傾向ですが、依然として急勾配の屋根への設置は難しい状況です。

北向きの屋根

設置可能な屋根であっても、日射量の関係から北向きの屋根への太陽光パネル設置は非推奨とされています。

南向きの屋根に設置するのがいちばん効率が良いですが、すべての屋根が真南を向いているわけではなく、微妙に東や西を向いていることがあります。

その場合、切妻屋根であれば片方の面にのみ、寄棟屋根であれば2面または3面に設置するため、そのぶんを差し引いたシミュレーションを行います。

2面にパネルを設置した寄棟屋根
2面にパネルを設置した寄棟屋根

設置する方角によっては反射光で近隣トラブルになる可能性もあるため、設置する方角は太陽光業者とよく相談して決めましょう

太陽光発電の効果に影響を与える設置基準

太陽光発電は、どこに設置しても等しい効果が得られるわけではありません。太陽光発電の効果に影響を与える設置基準を解説していきます。

日射角度

日射角度は太陽光発電システムの発電量に大きく影響を及ぼす要因の1つです。

もっとも効率よく発電できる設置角度は30度といわれており、パネルの角度を30度にする場合、水平に設置するより10%以上の発電量の差が生じることもあります。

ただし、地域や設置する屋根の形状などによって最適なパネル角度が異なります。そのため、それらの要因を踏まえて発電量を最大化する設計ができる太陽光発電業者と相談しながら設置を進めましょう。

日照時間

当然ながら、太陽光発電は長く日が当たるほど発電する時間が長くなります。

地域ごとに日照時間に差はありますが、太陽光発電のために建物の場所を移すわけにもいきません。

そこで、太陽光パネルに日が当たる時間を少しでも長くするため、「太陽光パネルを設置する方角」を考慮して設計することが重要です。

太陽光発電を南向きに設置する場合の発電量を100とすると、南東・南西向きは約96、東・西向きは約85、北向きでは約60まで低下します。

一般的に、南向きに角度30度で設置すればもっとも効率が良いですが、屋根の向きや地域の日射条件はさまざまです。その場所におけるベストな設置方法を模索するノウハウを持った業者選定が大切になります。

太陽光パネルの温度

太陽光パネルは、結晶シリコン系素材を使用した製品が多く、このタイプは温度が上がると発電効率が悪くなります

実際、太陽光発電は日射量や日照時間が長い8月よりも、5月のほうが発電量が増加するケースが多いです。

また、30度を超える日数が多い沖縄県や鹿児島県などよりも、気候が安定している地域や夏の北海道のほうが発電量が多いこともしばしばあります。

設置場所の条件に適応した製品の選定が重要

建物の形状はさまざまなほか、所在地ごとに気候は異なります。後々のトラブルを避けるためにも、設置条件に合ったシステムを使用するようにしましょう。

たとえば太平洋側で台風がよく来る地域であれば風速基準を満たしているか、寒冷地では積雪量の基準がメーカーごとに定められています。

また、海に近い地域であれば塩害に強い製品を使用する必要があります。メーカーごとに「海水が直接触れなければ設置が可能」「海岸から◯◯◯メートル離れていれば設置が可能」など基準が異なります。

自社に適した製品で太陽光発電を開始するためにも、複数メーカーの取り扱いをしている太陽光業者を選定し、相談することをおすすめします。

まとめ|設置基準と導入効果を考慮できる太陽光業者選びが大切

本記事のまとめです。

  • 太陽光発電システムの設置に向かないケースがある
  • 太陽光パネルの角度や方角・設置する場所の気候が発電量に影響している
  • 建物ごとに設置条件が異なるため、複数メーカーの取り扱いがあり設計ノウハウが豊富な業者選びが大切

太陽光発電システムの設置ができない・難しい場所に設置してしまうと、思ったような効果が得られなかったり、トラブルの原因になったりしてしまいます。

設置可否の相談ができ、設計・施工力に優れた太陽光発電業者へ相談することが、太陽光発電事業を成功させる第一歩といえます。

当社は屋根と太陽光のプロ|お気軽にご相談ください

株式会社ハウスプロデュースは、創業当初は屋根修繕事業を行っていたことから、「屋根の知識も豊富な太陽光発電業者」という顔を持っております。

設置可否の判断はもちろん、耐震や雨漏りのリスクがないかなど建物の状態を細かく確認し、必要であれば屋根修繕含めたご提案が可能です。

複数メーカーの製品からお客さまごとに最適な組み合わせを模索してシミュレーションを行い、発電量の最大化に向けて尽力します。また、20年間の長期施工保証で安心を提供いたします。

電気使用量などの数値をいただければ無料で導入シミュレーションを承りますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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執筆者:太陽光設置お任せ隊編集部
太陽光発電及び屋根工事のプロとして全国で5,000件以上の産業用太陽光発電の企画・設計・施工管理を手がける太陽光設置お任せ隊の記事編集チーム。豊富な実績より培ったノウハウと専門家からの取材に基づいた情報を初めての方でも分かりやすくお伝えします。現在、第一種電気工事士・宅地建物取引士・一般耐震技術認定者・エネルギーマネジメントアドバイザー等有資格者が在籍。
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