電気主任技術者と太陽光発電設備の関係|資格の種類と監督範囲を解説

電気設備に関わる国家資格に「電気主任技術者」があります。電気に関する技術・理論・法規について深い知識を持つため、電気設備の維持・運用においてたいへん重宝される資格者です。

電気主任技術者は太陽光発電との関係も深く、一定の規模以上の設備には、電気主任技術者を選任する必要があります。企業が太陽光発電事業に取り組む際も心強い存在となるでしょう。

この記事では、電気主任技術者と太陽光発電設備の関係を深掘りするほか、資格の種類と監督範囲を解説していきます。太陽光発電設備の建設を検討している方にとって役立つ知識となるはずですので、ぜひご覧ください。

太陽光発電における電気主任技術者

太陽光発電における電気主任技術者

出力50kW以上の太陽光発電には電気主任技術者の選任が必要

出力50kW以上の太陽光発電設備は、電気事業法において「自家用電気工作物(発電所)」とみなされます。

この場合、設置者は「電気主任技術者」を選任して保守管理・メンテナンスを行うことが義務づけられています。

また、出力50kW未満の場合でも、審査によって自家用電気工作物とみなされ、電気主任技術者の選任が必要になることがあるため、注意しましょう。

出力2,000kW未満の場合は外部委託が可能

太陽光発電設備の電気主任技術者は、必ずしも自社で雇う必要はありません。 出力2,000kW未満の設備に電気主任技術者を選任する方法は、以下2つがあります。

  • 電気保安法人や電気管理技術者に対して、保守管理業務を外部委託する
  • 設置者との委託契約を結び、別会社所属で電気主任技術者免状を持つ人を自社の電気主任技術者とする

電気保安法人や電気管理技術者に外部委託を行った場合は、自社と外部委託先の間で管理体制を整えておく必要があります。

たとえば、設備の異常を発見した時に、外部委託先に報告するための「連絡責任者」を選任することなどがあります。

電気主任技術者資格の種類と監督の範囲

電気主任技術者資格の種類と監督の範囲

電気主任技術者資格は、学歴や実務経歴の規制が存在せず、誰でも受験できる国家資格です。そのため、難易度は高いものの、人気の資格の1つとなっています。

電気主任技術者資格には3種類の区分がありますので、それぞれの特徴をみていきましょう。

第一種電気主任技術者

第一種電気主任技術者は、電気主任技術者の中でも最上位の資格です。高度な専門知識を持っているため、管理する電圧の規制はなく、発電所の出力規模の大小に関わらずどんな設備でも維持・管理・運用ができます。

変電所や発電所など、17万ボルト以上の電圧の電気設備を管理できるのは第一種のみです。そのため、電力会社の電気事業者がよく取得する資格といえます。

後述する第二種電気主任技術者よりも取得者が少なく、年間で数十人ほどしか合格者がいない資格です。

第二種電気主任技術者

第二種電気主任技術者は、第三種よりも管理・運用できる電圧の範囲が広く、17万ボルト未満の電圧の設備を管理できます。

法人の電力契約において、特別高圧契約では6.6万ボルトで受電することが多く、これに該当する電気設備の電気主任技術者として活躍できます。

また、5万ボルトを超える電気の供給を受ける大規模な工場・商業施設・ビルでは、第二種電気主任技術者資格の取得者の選任が義務づけられています。そのため、第二種の資格を持つ人の需要はとても高いです。

資格試験は第三種よりも難しく、1次試験と2次試験を合わせると合格率3%を下回る難関試験です。

第三種電気主任技術者

第三種電気主任技術者は、この資格の中ではいちばん下位に位置する区分です。第三種の免状を取得すれば「5万ボルト未満の電気設備」「5,000kW未満の発電設備」の維持・運用・管理ができます。

商業施設やオフィスビルの多くは高圧受電契約を結んでおり「3,300ボルトから6,600ボルト」の自家用電気工作物とみなされます。

上記のような電圧規模であれば、第三種電気主任技術者で十分管理できます。国内の建築物の大多数の受変電設備が管理できるため、いちばん下位の区分とはいえ第三種の資格を持つ人も需要が高いです。

太陽光発電設備との関係でいえば、メガソーラーなどの特別高圧設備のおもな電圧は6.6万から7.7万ボルトであるため、第三種電気主任技術者は選任できない点に注意が必要です。

電気主任技術者の業務

電気主任技術者の業務

保守・点検業務

太陽光発電における電気主任技術者のおもな業務の1つは、電気工作物の「保守・点検」です。具体的には以下のような業務があります。

  • 点検・結果をオーナーに報告
  • 絶縁抵抗・テスター・太陽光パネルの異常検知
  • パワーコンディショナーの遠隔操作
  • 現地巡回による点検
  • トラブルシューティング
  • 不具合発生時の緊急対応
  • 修理依頼の受注
  • 工事立ち合い
  • 雑草の除去
  • 発電量測定データの分析

また、50kW以上の太陽光発電設備の場合、月次点検(6カ月に1回程度)と年次点検(年1回、停電による各種測定試験)を実施します。

会社や設備の設置場所によって、細かいやり方は異なります。たとえば、以下のようなことを行う会社もあります。

  • ドローンを飛ばしてサーモグラフィでパネル破損状況を確認
  • 発電状況をレポート化
  • 日中は1時間ごとに電流値を確認
  • 太陽光パネルなどの異常を発見次第、工事を手配する

特別高圧太陽発電設備の建設のマネジメント

電気主任技術者の中でも、第一種と第二種は特別高圧太陽光発電設備の保安業務を担うことができます。

特別高圧太陽光発電設備の建設工事の際には、以下のような役割を果たします。

  • 建築工事に関する技術的なアドバイスをする
  • 工期に間に合うようマネジメントする
  • 現場で起きるトラブルに対処する

また、特別高圧太陽光発電設備の保守点検は実例が少ないため、電気主任技術者でも対処に苦労することもあるそうです。そんな時に、議論を重ねてトラブル解決に導いてくれる電気主任技術者は心強い存在となるでしょう。

まとめ

電気主任技術者は、太陽光発電設備の建設・保守管理・メンテナンスにおいて心強い存在です。

設置者側は、出力50kW以上の太陽光発電設備の場合、電気主任技術者を選任する必要があります。自社で雇わない場合は、出力2,000kW未満に限り電気保安法人や電気管理技術者に保安業務を委託することも可能です。

太陽光発電設備の建設を検討している方は、発電所の出力などを踏まえ、電気主任技術者を選定する必要があるかどうか確認しておくことをおすすめします。

太陽光設置お任せ隊では、電気主任技術者と関係の深い「自家消費型太陽光発電」の導入をおすすめしております。自家消費型太陽光発電の概要については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

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