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【環境相が公表】使用済み太陽光発電パネルの処分に関する制度ができる可能性

2018年7月12日一覧に戻る

太陽光発電の拡大を目指す日本が抱える設備の処分問題

2018年7月3日に環境省より、「太陽光発電のリサイクル・適正処理等に関する検討チーム」が発足したと発表されました。
これにより、使用済みモジュールの処分・リユース・リサイクルに関する制度が整備される可能性が出てきました。

脱炭素・低炭素に向かう日本にとって、太陽光発電など再生可能エネルギーによるエネルギー活用は大変重要なものであることは言うまでもありません。

しかし、国を挙げて再生可能エネルギーを推し進めていく一方で課題が浮き彫りになってきているのが、加速する太陽光発電設備の導入の裏で発生している環境問題です。

そこで環境省は、太陽光発電設備の「リユース・リサイクル・処分」に関して、改めて“現在の課題の洗い出し”と“今後の対応”について公表しました。

まだ具体な策は公表されていませんが、確認する限り、当サイトをご覧いただいている太陽光発電事業者様にも今後関わってくる可能性が高い内容ですので、事業者様の目線に置き換えて要点をまとめたいと思います。

今回の公表に至った経緯を整理します

使わなくなった設備、どうする?

発電事業を終えた後、パネルなど太陽光発電の設備を処分するにはどうすれば良いのか」という疑問(不安)を抱きながら事業を行っている方も多いようです。

実際、現時点ではこういった課題に対する取り組みが不十分です。

そこで今後、これら大量の使用済み設備が適切な形で「リユース・リサイクル・処分」されるべく、武部新環境大臣政務官をチーム長とした
「太陽光発電のリサイクル・適正処理等に関する検討チーム」
が設置され、今回の公表に至りました。

公表内容を確認すると、「1、導入数の増加」と「2、環境問題」にスポットが当たっているのが分かります。

1、現状の導入数と今後の導入見込み

同省によると太陽光発電設備は2017年9月末時点で累計42GW導入されています。

2030年のエネルギーミックスにおいては64GWの導入が見込まれています。

これだけ太陽光発電設備の導入数が増えると、どのような事が予想されるでしょうか。
実はこれが次項の「環境問題」につながっているのです。

2、浮き彫りになる環境問題

脱炭素社会に向け、太陽光発電設備の導入が進んでいるのは喜ばしいことですが、ここにきて問題が発生しています。
同省の公表資料をまとめると、主に次の2点が課題と言えるでしょう。

(A)大規模な森林伐採問題

環境配慮のために推進しているはずの太陽光発電ですが、大規模な森林伐採などによる環境問題が深刻化してきているのです。

結果、建設計画に対する反対運動も発生してきているようです。

(B)パネルなど設備の廃棄問題

また、設備の導入が進む一方で、廃棄問題も顕在化してきています。

現在年間約4,400トンの使用済み太陽光パネルが排出されていますが、同省の調査によると、うち約3,400トンがリユース、約1,000トンがリサイクル・処分されていると推計されているとのこと。

更に2030年後半(2030年のエネルギーミックスが前進していると予測される時期)には年間50~80万トンのパネルが排出され、その後も年間約30~40万トンが定常的に排出されるという見通しが立っています。

これらをいかに適切に「リユース・リサイクル・処分」していくかが、今後の大きな課題だと同公表では指摘されています。

「リユース」「リサイクル・処分」
「大規模発電所」3つの推進ポイント

そこで、同省では次の3点において、推進していく方向を示しました。

◆適正な「リユース」の推進
◆「リサイクル・適正処分」の推進
◆「大規模設備導入」にあたっての環境配慮の推進

適正な「リユース」の推進

適正なリユースの推進のため、リユース品に係る判断基準の整備が必要であるとともに、物流・診断の低コスト化に向けた取り組みが必要(※1)

「リサイクル・適正処分」の推進

将来にわたって、太陽電池モジュールのリサイクル・適正処分を推進していくためには、
(1)処理の滞留のおそれがある現状を踏まえつつ、排出量が大幅に増加する将来も見通して、安定的に処理ができる体制を整えること。

(2)製造業者などからの有害物質含有情報の提供による適正かつ円滑な処理の確保が必要である。

また、資源の有効利用や最終処分場の逼迫回避の観点からは、
(3)市場におけるリサイクル・最終処分コスト及び、その変動に関わらず安定的に太陽電池モジュールのリサイクルがなされる状況を整えることが必要である。

こうした条件を満たし、円滑かつ効率的にリサイクル・適正処分がなされるような制度を、できるだけ早期に導入すべきである。このような制度の早期導入が、国内リサイクル産業の振興や先進的なリユース・リサイクル技術の国際展開につながることが期待される。 (※2)

「大規模設備導入」にあたっての環境配慮の推進

大規模太陽光発電事業について、環境影響評価法の対象事業とすることも含めて、導入に当たっての環境配慮を推進するための適切な制度の検討を早急に行うべきであり、今夏にも検討会を立ち上げて検討を開始する。(※3)

※1~3:環境省『太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進について(概要)』より抜粋

太陽光発電事業主は
環境省の公表をどう読み取るべき?

太陽光発電事業者様は、今回の環境省からの公表をどのように受け取るべきでしょうか。

現時点では「課題」が浮き彫りになり、「取るべき対策」が見えてきた段階にすぎないようにも読み取れます。

しかし、検討会の立上げを開始するなど、対策が具体的に進んでいくことは予想される内容になっています

ですから、もしかすると「処分の仕方」が今よりも厳しくなったり、なんらかの制度が始まったりする可能性もあります。

また、このような公表がなされるほど、太陽光発電設備の導入件数は増え続けていることが分かりますし、今後新たな発電所を建設する場合には、現状よりもより厳しく処分の方法について予め決定しておかなければならなくなるかもしれないという予想もできます。

いずれにせよ、今後の同省の発表を注意深く見ていく必要があるでしょう。

当社でも引き続き、本件に関する追加情報の発表などについてウォッチしてまいります。
動きがあれば当サイトにてご紹介致しますので、ご確認ください。


太陽光設置お任せ隊 WEB編集部
藤川ゆりえ(太陽光発電アドバイザー)

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